• ゲスト発言

第217回J.I.フォーラム 「若者の政治参加」  2015/10/27(火)開催
ゲスト
鈴木 邦和(日本政治.com 代表) 

鈴木 智子(静岡時代 代表理事)

西田 亮介(東京工業大学 准教授)

原田 謙介(YouthCreate代表)       

◯コーディネーター : 伊藤 伸(構想日本 総括ディレクター)

【議事概要】第217J.I.フォーラム 2015.10.27     於:日本財団ビル

「若者の政治参加」

 

<ゲスト>

鈴木 邦和(日本政治.com 代表) 

鈴木 智子(静岡時代 代表理事)

西田 亮介(東京工業大学 准教授)

原田 謙介(YouthCreate代表)

 

 

<コーディネーター>

伊藤 伸(構想日本 総括ディレクター)

 

<概要>

216J.I.フォーラム「若者の政治参加」では、日本政治.com 代表の鈴木邦和氏、静岡時代 代表理事の鈴木智子氏、東京工業大学 准教授の西田亮介氏、NPO法人YouthCreate 代表の原田謙介氏の4名をゲストに迎えた。まず、構想日本 代表の加藤秀樹より、ゲストの紹介と、先日の安全保障政策をめぐるSEALDsを中心として一連のデモ活動をめぐって問題提起が行われた。

 

 

加藤「ここ数十年の日本はとっても幸せで、政治や世の中のことは、政治家やお役所に任せておけばいいんだ、ということでもそこそこ上手く回りました。今回は、政治を自分事にして活動をしている人々、政治を自分事にしていこうよと活動している若い皆さんにお越しいただきました。」

「最近、若者ということでいえば、SEALDsが安全保障問題で活動を推進しておりました。あれも、安全保障の問題を自分事にしていこうということで活動しておりました。今日は、自分にできることから始めていこうという方々にお集まりいただきました。」

 

 

この日はコーディネートを、構想日本 統括ディレクターの伊藤伸が務めた。

最初は、若者の社会参加の意識が高まるなかで、政治参加の意識が盛り上がらないというところから議論が始まった。

 

鈴木(邦)「昔とくらべて、と考えるのは難しいんですが私の周りに政治に関心がある人というのは少ないし、選挙以外になにかするという人もあまりいません。」

「投票率は年々、下がっていますが、政治じゃなくても社会へ参加していこうという人が増えている実感はあります。非公式の政治参加が増えていることは世界的な特徴だというデータもあります。」

 

伊藤「若者の政治参加のあり方は、とても多様化しているということですか?」

 

原田「若者の『なにかしたい、世の中を変えたい』という動機は高まっていますが、なぜかそれが政治という方向になびかない。それはなぜかというと、若者のなかで (1) 政治は遅い、自分から何か始めた方がはやい、という考える人が多いのと、(2) そもそも、世の中の問題を解決する手段として政治という手段があることに気づいている人が少ない、思いつかないということがあるんじゃないかと思います。」

「自分たちにできる範囲で始めていこうという人は増えている。だから、その人とまちとの間を接続することができれば、一気に活動は加速していくと思います。」

 

西田「若者たちは社会をよくしたいと思っていないわけじゃなくて、向かう場所が東大の門の前ではなくて、違う場所に変わっているということなんじゃないかと思うんですよね。若者たちの社会参加の意識が高まっていることは内閣府のデータでも出ています。」

「若い人に政治を自分事にしろ、と言っても無理なことだと思います。若い人たちが政治について学習するコストを下げることが有効なのではないかと思います。」

 

 

伊藤「私は、若い世代じゃなくても、あまり違いはないんじゃないかなと思うことがあるんですよね。安保闘争のときも、20代の投票率は相対的に低かったですよね?」

 

西田「ライフスタイルに関係があるんじゃないかといわれています。働き始めてもいない、まだ家庭もないということになると、関心をもてる政策テーマも少ないですからね。」

 

鈴木(智)「政治的な構造に接している学生っていうのは、わたしたちが思っているよりも多いんじゃないかなと思います。何かの形で政治に接している人っていうのは増えているんじゃないかと。」

 

 

ここで、若者に関心を持ってもらうには、どんなことが必要なのかについて話し合われた。

 

原田「ぼくは政治に関心をもて、というんじゃなくて、誰が若者に関心をもたせてあげるのか、って問題だと思うんですよね。」

「急に選挙権もらって、なんでお前は投票にいかないんだって責められてもかわいそうなことだと思います。若者だけでなく、世の中全体で政治に関心をもたせるようにする必要があると思います。」

 

鈴木(邦)「若者というか、僕からすると投票日に投票所に行って、自分の名前を書いた一票に、何のメッセージがあるのかわからないんですよね。コミュニケーションとして雑すぎると思うんです。そのよくわからない、意味があるのかわからないことに参加したいかって思うと、まともじゃないと思うんですよね。」

 

伊藤「この登壇者の中でも、『政治』という言葉の意味あいや、『民主主義』という言葉についても意味の捉え方が違いがあるんだと思います。投票にいく、議会制民主主義だけが民主主義じゃなくて、そうじゃない形の民主主義もあるんじゃないかというのを原田さん、鈴木(智)さんの意見から読み取れます。」

 

西田「我々が考えている問題というのは、国政、The政治のなかで若者の関心が下がっていることについてなのですから、問題を混同しない方がいいいんだと思います。社会参加、自分のまちからという方向性と、国政、The政治への関心の低下というのは同じじゃないんじゃないかと思います。」

 

鈴木(邦)「私も同じように思います。アメリカのフロリダ州だと、ただ候補者を選ぶだけじゃなくて、政策についての賛否も問うているんですよね。ただ問題だ、問題だと言っていくんじゃなくて、どう解決していこうかと考えていくことが必要なんじゃないかと思います。」

 

 

続いて、議論は若者の投票への意識についてというテーマに移った。

 

伊藤「政治参加、社会参加の意識が若者に限って落ちていることは本当か、という問題についてはどう思われますか?」

 

原田「明推協(明るい選挙推進協会)が行った『投票は権利か、義務か』という世論調査によると、年齢の高い世代ほど、義務と思っている人は多い。その逆に、若い人ほど権利と思っている傾向にあるようです。世代での意識のさ、価値観の差というのはあると思います。」

 

西田「投票のコストをもっと減らす必要があると思います。学習コストを下げる、政治の問題を理解するためのフレームワークをつくる、政治についての情報を流通させる、価値をめぐる問題について議論するということが日本にはかけているんじゃないかと思います。」

「宗教、地域、共同体という人々を結束させる一番シンプルなものから切り離されている現状が日本にはある。何かの下駄をはけない人々が価値について議論することが少ない。」

 

 

ここで、議論は18歳選挙権について移った。

 

西田「自分がどういう価値を持っているのかという認識を組み立てていくことが少ないというのが日本の問題なんじゃないかと思います。18歳選挙権に関連してですと、価値についての教育はしないようにということが政府でいわれているんですよね。」

 

伊藤「西田さんのおっしゃるように、まずは投票にいってください、ということじゃなくて、投票にいくための材料を提供するということが重要なんじゃないかと思います。」

18歳の選挙権について、今回引き下げられていることについて、どう働きかけていくといいんだろうなって思いますか?」

 

原田「教育に任せればいいいというのも、ナンセンスなことだと思います。自分にできることを始めてたらいいと思います。」

「選挙権だけじゃなくて、それに付随する問題についても考えるべきだと思います。例えば、選挙権年齢は下がっても、被選挙権年齢は変わっていませんよね。30歳になったら成熟するって今でも通じますか? もうひとつ、供託金の問題もありますよね。若い人ほど、資本形成は難しいんですから、部分的な問題を解決するんじゃなくて、構造的な問題を解決していこうとしないといけない。」

 

 

登壇者どうしての議論を一休みして、会場から質問を募った。

 

会場「私は60年安保のときに学生でした。大政治(国の政治)、小政治(まちの政治)と切り分けて考えるとすると、若い人が大政治にどういう関心をもっているのかということに危機感をもっています。みなさんは、いかがでしょうか?」

 

原田「いきなり大政治から考えていくんじゃなくて、小政治から考えていくべきじゃないかなと思うんですよね。大政治、小政治に関わらず、政治をまず自分事として考えてもらうことが必要なんじゃないかと思うんですよね。大きい政治も、小さい政治も両方が必要ですけど、無理強いはできないですよね。」

 

西田「今の話とちょっと違いますけど、若者の有権者の関心と政党の関心がずれているということが顕著ではないかなと思います。野党がとくにそうですね。」

 

伊藤「私は違う意見なんですが、地元の政治と国政を分けて考えるべきじゃないかなと思うですよね。昔、内閣府にいたときに国政は現場感がないから、中に浮いている感じがしたんですよね。だから、この政策が誰のためになるのかがあまり考えられていない。国で考えている政策も、自分たちの地元に絶対につながっているはずなんですよね。どうやってリアリティを持ってもらう必要があるのか考えたいですよね。」

 

 

会場「西田さんの学習コストを下げるという提案は、どういうことなのでしょうか?」

 

西田「政治を学習するというと、三権分立、衆議院....となえいますけど、これをもっと日常的に使っているものに近づけていく必要があるんだと思います。政党のもつ歴史や、自分たちが判断をするときにもっと実践的な知識を持つことが必要だと思います。そのためには、政治を報道するメディアが変わることが必要なんですけど....うーん、よくわからないですよね(笑)」

 

 

会場「加藤代表から冒頭にあったSEALDsのことについて、あまり踏み込んでいないなと思ったのですが、みなさんはSEALDsについてどういう印象を持っているのでしょうか?」

 

西田「何も言わないと考えられてきた若者が自分の意見を表明することは、なんら悪いことではないと思います。普通の人たちが意見表明をすることが非常識なことじゃないんだという雰囲気をつくっていくのはいいことではないですか。」

 

原田「若い人が集まって、あれだけ行動が広まったのはいいと思います。ただ、あれが民主主義のすべてじゃないとは思って欲しいです。国会前のデモが選挙を覆していいわけじゃないですよね。一方で、若い人の意見を聞けって言う人がいますけど、あなた達はこれまで聞いてきたのかとも思ってます(笑)。SEALDsについては何も悪いことは思わないけど、それをみて利用しようとする世の中の側がおかしいんじゃないかなと思いますね。彼らを若者の象徴として扱うのは違うんじゃないかなと思います。」

 

伊藤「今回、なんで評論しなかったのかというと、ここにいない人について、第三者的に勝手をいうのは違うんじゃないかと思ったので扱いませんでした。」

 

会場「学校の生徒会ってありますよね。先生という官僚組織が生徒会という場の価値を下げてしまっていると思うんですが、いかがでしょうか?」

 

原田「仰るとおりだと思います。ただ、学校の先生もどうしたらいいのかよくわからないと思うので、いきなり先生にあれしろ、こうしろって言ってもあまり変わらないんじゃないかなと思います。」

「ちなみに、ぼくの学校の生徒会は信任投票でしたね。でも、その生徒会長候補があまり好きじゃなくて、それで不信任投票をしたんですよ。そしたら、なぜか先生に怒られたんですよね。あれもよくわからないですね(笑)」

 

 

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