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タイトル:模擬投票を通して考えたこと
発行日:2004/08/06
読者の声

■ 田部井正次郎 JI会員 2004.08.06

模擬投票の内容について、もっと詳しく知りたいのですが
問い合わせ先を教えてください。

■ 匿名 2004.08.06

非常にフレッシュな意見が並び、久々に自分が高校生だった頃のことを思いまし
た。人生の先輩として、もっと広くもっと深い見識を養って欲しいという思いから、苦く感じられるかもしれないコメントをお送りします。良薬だと思って飲んでください。
                 
> 今の政治家はどうも有権者の意見を聞かずに、自分の言いたいことだけ
> を言っているような気がします。政治家はもっと有権者の意見を聞くべき
> だと思います。政治の主役は「国民」であるのだから。それに沢山の有権
> 者の意見を聞けば、政治家の視野も広くなり、よりよい政治を行うことが
> できると思います。

有権者や国民の中には、例えば土木業界で働いている人々も含まれます。そして
土木業者は、仕事が欲しいので行政に道路やダム、空港、鉄道、橋、トンネルなど、インフラと呼ばれる構造物を作って欲しいと考えます。そこで、行政に対して優位にある政治家にそのことを頼みます。そしてその有権者の意見を聞いた政治家は、行政にインフラ整備を命じます。
無論、こう言えば、あなたは「それは一部の有権者でしかない」と言うかもしれ
ません。ではもうニ、三、例を出しましょう。農家の人々は、自分たちの利益のために、政府にコメを買い取ってもらったり、外国から農産物が輸入されないよう政治家に頼みます。あるいは自営業の人々は、税金や保険料が安くて済むような税制や社会保障制度になるよう、政治家に頼みます。こうして、「一部の有権者」が積み重なり、有権者の「大きな部分」を形成していきます。
あなたの意見と現実とのずれはどのように説明されるべきでしょうか。
 
> 今の政治家は、政治の主役である国民と触れ合うことを避けているよう
> な気がします。選挙のときは有権者に愛想を振りまいているのに、選挙が
> 終わると有権者の前には全くといっていいほど顔を出しません。そんなこ
> とでは国民のための政治ができるわけありません! 有権者の意見も聞か
> ずに国民の目線に立った政策ができるわけがないと思います。政治家は国
> 民のために働くというのであれば、もっと有権者との触れ合いを持つべき
> だと思います。

若い議員の中には、当選後も定期的に駅立ちなどの街頭演説を行っている議員はい
ますし、政治家の中には、一所懸命に有権者とのふれあいの場を定期的に設けようとしている人もいます。ただ、国会議員は通常、国会のある東京に居なければらないので、地方出身の人はなかなか有権者の前に姿をあらわすことが出来ません。(もっとも、いまではインターネットという技術革新により、距離に関係なく双方向的な情報通信を行うことが出来るようになりました)。また、国民が主役だというのなら、政治家が目の前に現れてくるの待つだけでなく、有権者の方から政治家に会いに行くという行動(会合に参加する、ホームページにアクセスするなど)も必要ではないでしょうか。一人の人間が何千の人に会いに行くよりも、何千の人が一人の人間に会いに行った方が合理的だと思いませんか。

> 政治家はどうして「先生」と言われているのかが理解できません。政治
> 家は先生と言われるほど尊敬できる人たちなのですか? 私はそうは思い
> ません。そもそも政治家は国民のために働く仕事なのに先生と呼ばれるの
> はおかしいと思います。また、政治家がそう呼ばれるのが当たり前だと思
> っているのもおかしいと思います。ある国会議員の人に聞いた話ですが、
> 議員会館の館内放送で「先生」と呼ぶのはやめて欲しいと頼んだところ、
> 「さん」付けで呼ぶ慣習はないのでできないと断られたそうです。

私も政治家を先生と呼ぶのは嫌いですが、これはむしろ社会的慣習です。いまはと
もかく昔は政治家といえばそれなりの名士でした。また、日本人は目上の人を役職
(社長、課長)や地位(先輩)で呼ぶのを礼儀としますが、組織に属さない人や上下関係がない場合、相手を「先生」と呼びます。これは政治家に限ったことではなく、教師、医者、弁護士、芸術家など、社会的地位の高い人々に対する敬称なのです。語源を思えばそれほど大げさに考えることはありません。「先生」は中国語で「ミスター」という意味なのです。欧米でも見ず知らずの赤の他人には「ミスター」と声をかけます。

> しかし、こういう状況が生まれるのも仕方がないような気がします。最
> 近は変わりつつあるようですが、今の政治家は、投票率が低いせいもあっ
> て「国民」よりも(特定の)「組織」の票で当選するというケースが今だ
> に多いように思うからです。こういう状況を打開するには、もっと有権者
> は選挙に参加して意見を言うべきです! さらに、有権者になる前から、
> つまり、未成年者ももっと政治に興味を持つことが必要です。そのために、
> 今回のような模擬投票が日本全体に広まっていき、国民全員が政治家の
> 「監視役」となって、政治を見守るしくみができることを望んでいます。そ
> うすれば、驕った政治家もいなくなり、国民のための政治が実現すると思
> います。          

少し言葉の整理をしましょう。あなたは「国民」と「有権者」を「特定組織以外
の国民、有権者」という意味で使っているようですが、組織票を形成している人々も紛れもない国民であり有権者です。したがって、そのような意味を持たせる場合には、「全国民」とか「一般の有権者」と形容した方が良いでしょう。
ところで、どうすれば「もっと有権者は選挙に参加して意見を言う」ようになる
のか、「未成年者ももっと政治に興味を持つ」ようになるのか。本当に模擬投票で十分なのか。どうして模擬投票にそのような力があると言えるのか。どうして有権者になってからの「本投票」ではダメのか。あなたの言っていることが真実なら、とっくの昔に法律を改正して投票権を高校生にも与えいるはずでしょう。でもそのような国は古今東西、どこにもありません。こういう統計もあります。20歳の人の投票率は実は高いのですが、20歳を除いた20代の投票率は各年代の中で最も低いのです。そして年代が上がった行くにしたがって、投票率が上がっていきます。なぜでしょう。

【感想】

自分が高校生だった頃は、投票などの制度にことよりも、政治的な思想の方に興味
がありました。投票権は大人になれば黙っていても備わります。また、学生時代は海外に居たため20代前半では一度も投票したことがありません。それでも日本と留学先の双方の政治に興味がありました。投票権がなくても、政治に参加することは出来ます。

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