• 読者の声

タイトル【No.739】「和算と算額 -和算の世界遺産化を目指して-」
発行日:2016/01/14
読者の声

◆ 埼玉大学名誉教授 小野五郎氏(2016/01/15)

学校教育で取り上げるべき

「和算」と言うと何か難解哲学めいて聞こえるが、同じ中国算術を源流とするもので「鶴亀算」「過不足算」と言えば、今の若い人たちにも中学入試問題の中などで見たことがあろう。

実は、これらは、戦前の小学校では当たり前のように教えられていながら、我々の小学生時代に一度姿を消し、同種の問題は中学で代数方程式を習うようになるまでお預けになっていたものである。

それが最近になって復活したのは、初等教育期にあっては、数式・定理などを用いて機械的に解く方法を教えるのではなく、児童の創意工夫の能力を高めることが重要だと再認識されたからだと思われる。

そうした意味で、あまりに数値ばかりが独り歩きした今であるからこそ、機械的なアルゴリズムにばかり支配されることなく、人間の創意工夫を重視した和算ないし古代中国算術の意義は大きい。特に、その存在を初等教育段階で知らしめることこそ、これからの人材養成に不可欠なのではなかろうか、といって、もちろん、高度に発達した現代数学の価値を否定するものではない。あくまで、その独走による弊害を防止するという補完的な役割に期待するという意味である。

実際、小生は、現役時代、「あいまいさ」そのものを扱いえない現代論理に一石を投ずるべく「あいまい記号」というものを提唱したことがあったことを申し添えておきたい。 


◆ 自治体職員 平岡 直也氏(2016/01/15)

メールニュース 739への感想につきまして

和算は、数学が苦手だった私には、ハードルが高く感じます。
しかし、今回の記事をきっかけに、数学教師だった母方の祖父が、誰も解けなかった和算を解いたと自慢していたと知りました。

算額というのも、一度じっくりと見てみたいです。
和算と算額が、日本文化の一つの粋として、しっかりと存続
することを願います。

私としては、まずは、算額を見に行きたいと思います。

◆ 千葉県館山市 山岡 寛人氏(2016/01/14)

「和算と算額 -和算の世界遺産化を目指して-」を読んでの感想

「和算と算額 -和算の世界遺産化を目指して-」を興味深く拝見しました。

若い頃、洋学に関心を持ち、だいぶいろいろなものを読みました。そして、その関連で和算、そして算額の存在を知りました。

算額は、寺社に詣でた際に目につくことがあるので、出会うたび、気にしてきました。最近では、愛媛県松山の伊佐爾波神社、千葉県君津市の神野寺で目にしました。そして、この小論で、気になり、調べてみました。

伊佐爾波神社では22面が県指定有形民俗文化財に指定されているのですね。明治6年に奉納されたものは、小絵馬に仕立てられ、学業成就祈願に授けられていました。参拝のとき授かったものを自宅に飾っていました。神野寺では退色したものが廊下に4面飾ってありました。確かに、ユニークな文化です。

和算の書物の読解は七面倒くさく投げ出してしまった記憶があります。近現代の数学からの読み解きの解説が必要だろうとそのとき思いました。算額も同様だと思います。和算・算額は認知度がかなり低いと思います。

世界遺産化の運動と合わせて、読み解きの普及が必要と思います。神野寺の算額の現況を見たとき、このまま消滅してしまいそうだと思いました。

各地に現存している算額が未来に伝えれていくと良いですね。運動の躍進を祈念致します。

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