• 読者の声

タイトル【No.753】「軽減税率と新聞報道のあり方」
発行日:2016/04/21
読者の声

◆ 自治体職員 平岡 直也氏(2016/04/27)

メールニュース753の感想を送らせていただきます

軽減税率の問題点には、単に税収が落ちるだけでなく、かつての物品税と同様の恣意性の問題があり、永遠に消費者を含む関係者がそのコストを負担しなければならないということ。

海外では主流であっても、実は煩雑さに苦労していて我が国の単一税率が称賛に値する政策とされていること。

そうしたことを新聞が報じない。それは、新聞販売自体に軽減税率が導入されるから。。というのは、残念です。

柏木先生のおっしゃられるように、まずは自分が賢い知恵のある国民にならなければなりません。しかし、国会を始めとして多数決で物事が決まるので、良識ある知見を政策に反映させるためには、一人の力はあまりに微力です。

そこで、一人ひとりを賢くするためだけでなく、構想日本のようなシンクタンクなどが、意見を集約し、あるいは
地方の首長や学者などと連帯して、現実の政治に反映されるようにできればと思いました。

今後のますますのご活動に期待しております。


◆ 正木 泰裕氏(2016/04/24)

消費税は一律に納税すべし

人間は皆 生きている以上は 人間社会に貢献する事が必然であり 必須である。

生産活動に対して 所得税を納めると同様に 消費活動に対しても 消費税を納める事は国民として 当然の義務であり 社会貢献でもある。

消費税の軽減など 姑息な手段は全く考えず 一律に納税する事が 消費の基本条件とすべきです。
国民の一部には 消費税の負担が大き過ぎると言うのであれば 社会福祉の一部として 最低生活の補償で 消費の質と量は適切に誘引すれば良い。

極端な事例を挙げれば 石油の値段が上った下がったとマスコミは頻繁に報道しているがガソリンよりも何倍も値段が高いPETの水ほか飲料を 然も自動販売機と言う便宜を当然とばかりに国民は全く不思議に思わず 路上で歩きながら どんどん消費している今日の現実を どのように解釈すれば良いか 国民の皆さんの再考を求めたい。

◆ 浅井 茂利氏(2016/04/22)

付加価値税と軽減税率について

柏木先生の論考を拝読いたしました。最近、先生のようなご主張は、よく目にするので、少し気になっていることを投稿したいと存じます。

まず第一に、消費税のような前段階控除の付加価値税というのは、もともと面倒な制度だということです。

単に間接税で税収を確保するだけでしたら、小売の段階で一度だけ課税すればよいのです。それをわざわざ業者間の取引も含めて、取引ごとに税率をかけて、前の段階の取引先に支払った消費税を控除して納税するという複雑な仕組みにしているのは、やはり、業者間の取引の流れを透明にし、所得捕捉を高めるということだと思います。

その点で言えば、わが国の消費税の一番の問題点は、インボイスが導入されていないことだと思います。インボイスが導入されれば、さらに透明化に寄与するだろうと思いますが、これには強い抵抗が予想されます。そこで、先生のご指摘のように、複数税率になると現場の作業がさらに複雑化するので、インボイス導入やむなし、ということになるのだろうと思います。

インボイスを採用している国では、軽減税率は望ましくないという議論が出てきてもおかしくありませんが、インボイスが導入されていない国では、事情は異なると言えるでしょう。

消費税率10%で、軽減税率8%というのは、いかにも中途半端ですので、本来はゼロ税率という議論をすべきです。いま非課税となっている医療費なども、本来、ゼロ税率であるべきだと思いますが、当然税収減になりますので、財務省には受け入れられないでしょう。

なお税収や所得再配分のあり方に関しては、所得税、資産課税、社会保険料、本人負担なども含め、総合的に検討するというのが基本だと思います。

◆ 埼玉大学名誉教授 小野五郎氏(2016/04/21)

軽減税率の最大の弊害

柏木さんの話は、立場上言いにくい論点が隠されているような気がする。

小生は、税制導入以前から軽減税率には反対だった。その最大の理由は、ずばり「新た
な利権の誕生」である。制度というものは、初めはいかに正当な理屈に見えようとも、
一度例外を設けるとそれがいつの間にか当然視されるようになり、利害関係者や族議員
の手でどんどん拡大されていき、ついには収拾つかなってしまうものだ。特に、過去の
税制では、その点が顕著だった。

今回の話にしても、たとえ新聞界に自身が伝えるほどの公共性(?)があるとしても、
軽減税率導入に関する限り有力な圧力団体として動いただけのことである。だからこそ
、軽減税率について「弱者のため」などという詭弁を抑える方向に動かなかっただけの
ことではなかろうか。

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