• 読者の声

タイトル【No.764】「旧暦美人」プロジェクトに込めるこれからの社会への思い
発行日:2016/07/07
読者の声

◆ 埼玉大学名誉教授 小野五郎氏(2016/07/08)

そんなに難しく考えてもいいのでは?

そんなに難しく考えてもいいのでは?

「今の日本人の多くが『不幸』『不安』に感じている」という言い方は、何も昨今始まったことではないんじゃないでしょうか。

戦前の「大本営発表」とそれに従った大政翼賛メディアとか80年代バブル前期の「ジャパン・アズ・ナンバーワン」に浮かれていた時代を別とすれば、かねて世論をリードする日本のメディアないし有識者は欧米を一方的に礼賛し「自虐的」に日本自身を論じてきており、それにとかく「流に乗る」国民性がマッチして「今の日本は住みにくい」とか「日本の将来は暗」と言い続けてきただけのように思います。・・・この点は、一部宮崎さんの御指摘と重なりますが。

ただ、若い頃から世界50ヶ国(当時の区分で)と、いわばアフリカ以外はほとんど網羅的に歩き回り、結果として「日本が最高だ」と断言し続けてきた私が一つだけ強く感じる不安は、そんな流れに若い人たちまでが流され、「自分たちが何をやったって仕方がない」という風に考え始めていることです。

じゃ、何がいったい不満なんですか?
経済的欲求のような「求め始めたら限が無く、むしろ満足感の喪失が不幸にさせる」ものを追い求めるのは、はなから愚かです。福祉一つとってみても、一人ひとりの「ささやかな」強欲が「合成の誤謬」となって財政破綻から将来「不安」を招いているのですから。

衣食住さえそれなりに確保できれば、後は気持ちの持ちよう次第。完全年金生活下、命には直接関わりませんが「不治」と宣告された難病を複数抱えながら小学生二人を養育するという、ぎりぎりの生活の中でも、私は今のままで行ければ十分幸せだと思っています。

後は、若い人たちの手で、自分たちの将来を少しでも明るいものにして欲しい。我々高齢者は、その邪魔だけはてはならない・・・ということです。
 

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