• 読者の声

タイトル【No.775】進めよう! 未来を開く「社会保障制度仕分け」
発行日:2016/09/22
読者の声

◆ 埼玉大学名誉教授 小野五郎氏(2016/09/22)

まことに真っ暗な話となりますが

一言で言えば、打ち出の小槌なんてない。

あくまで最低生活を保障するセーフティネットなんだから、出せる範囲で我慢する、させるという姿勢が基本。中村さんには悪いが、「使い方が悪い」というのは事実であり効率的にする余地は極めて大きいけれど、それで問題解決とはならないというところから考えるべき。

むしろ、その裏に潜む「何とかなる」という期待感が、既得権に踏み込むことなく新規の「うまい話」ばかり生み出す元凶。それが、結果として「使い方が悪い」原因ともなる。だから、黒田総裁とは真逆で、期待感をぶっ飛ばすしか解決策はない。

すなわち、市場経済の原点である「受益者負担原則」に立ち戻り、高福祉を期待する人には「民間保険でどうぞ」(二階部分)。で、そこから外れる人たちには「セーフティネット」という原点に戻り、世代に関係なく常に持続可能な範囲での福祉を負担能力に応じた累進的目的税を財源として支援する(一階部分)。社会的強者は、同時に安定社会の享受者なんだから、それが「受益者負担」となるから両者に矛盾はない。

なお、現行公的保険の扱いは、過渡的に二階部分の変型(中二階)と考え、高所得者ほど高い削減率を適用しつつ、世代間で公平かつ維持可能な水準まで減額する。

とまあ、誰もが絶対に振り向かないくらいの大ナタを振るわないかぎりは、いずれ破綻は必定。・・・強いリーダーが求められる所以だったはずなのですがね。

自身、高福祉低負担の恩恵に浸っている・・・。       

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