• 読者の声

タイトル【No.783】「特ダネではないけれど(14) 分断と壁」
発行日:2016/11/17
読者の声

◆ 埼玉大学名誉教授  小野 五郎氏(2016/11/17)

読者の声

申し訳ないが、正直あれあれと思いました。松浦さんは、たしか健全財政支持派だった
んじゃ・・・

だったら、リーマン後の米国経済は立ち直ったのではなく、どんどん歪みを増幅してい
ったと理解しなけりゃ。

で、そう見ていれば、今回のトランプ大統領誕生も決して唐突ではないと思うはずでは
ないですか。

あえて申せば、これは日本人一般に共通して認められることですが、そもそも米国を「
多種多様な人々が共存を目指している」という言葉への理解そのものが甘かったのじゃ
ありませんか。

かつて小生が日経「経済教室」に書いた中で、概略「米国は多種多様な価値観の人々が
混在するがゆえに、国家としての統一を保つ上での方便として已む無く、大半の人々に
とって受け入れやすい貨幣価値が共通価値観となった」と指摘したことがあります。

その裏に潜むのは「ひとたび経済価値が外れれば、後は混沌のみ」ということですよ。
それから、「グローバリゼーション」とは、この夏、日本英語交流連盟「日本からの発
信」コラムに書きましたが、先進諸国がそう思いたい「欧米化=一元化」なんかではな
く「多様化」なんです。

そこでは、これまで米国ないし欧米先進国がやってきたような、流れを主導する主体は
存在しない。英国にしても、米国にしても、単なる一プレイヤーに過ぎなくなってきた
んです。

で、当人も、周囲も戸惑っている。だって、グローバリゼーションに伴う相互交流には
、最低限の共通項が必要なのに、今は、その姿がぼんやりしてしまったからです。

実は、小生の現役時代の野望は、そうなった時に現われる「欧米にあらざる唯一の先進
国の一員たる日本の史的使命」を果たすということだったんですが・・・誰か、若い人
が継いでくれませんかね。

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