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タイトル::【No.750】「今こそローカリズム・日本の祭シリーズ 第十三弾 犬山祭」
発行日::2016/03/31
本文:
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   J.I.メールニュース No.750 2016.03.31  発行 

「今こそローカリズム・日本の祭シリーズ 第十三弾 犬山祭」

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【1】<巻頭寄稿文>

 「今こそローカリズム・日本の祭シリーズ 第十三弾 犬山祭」

     至学館大学・伊達コミュニケーション研究所長 石田 芳弘

【2】<お知らせ> 

   (1) 第223回J.I.フォーラム  4月18日 開催 

      防災も「他人事」から「自分事」へ

   (2) 今後の構想日本の活動

   (3) Yahoo!ニュースオーサー記事更新!

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【1】「今こそローカリズム・日本の祭シリーズ 第十三弾 犬山祭」

     至学館大学・伊達コミュニケーション研究所長 石田 芳弘

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犬山祭は犬山城下町の鎮守「針綱(はりつな)神社」の例祭である。

4月の第1土曜が試楽、日曜が本楽である。

私は犬山祭の中に生まれ、育まれた。3歳で太鼓を敲き、高校生で祭囃子の笛を習った。ジャズミュージシャン山下洋輔さんが、祭囃子はジャズだと言っているのを聞いたことがあるが、まさに私の体の中には即興の旋律、犬山祭のお囃子が刻み込まれている。

長じて県議会議員になり、犬山祭保存会の会長になった。(犬山祭は愛知県指定文化財)
この仕事だけは今でも勤めている。

私が犬山市長の時、国の重要文化財に指定され、現在ユネスコの無形文化遺産候補になっている。私の体内に流れていた祭の血は、政治家という職業を得て郷土愛と結びついた。私はふるさとの祭から多くのことを教えられ、考えさせられ、学んだ。

犬山祭は1635年に始まり、今年で382回目を迎える。1600年、関ヶ原の戦いで戦乱の世は終り徳川幕府が成立、尾張徳川藩の家老であった犬山城主が町衆に氏神を尊重すべしと言ったのが犬山祭の始まりという説がある。城と町と祭の歴史は軌を一にする。最初は神輿を中心にわずかな練り物を出す程度であったと思われるが、犬山城下の町衆の力で江戸中期には13台の車山(ヤマ)を曳き回す現在の原型が出来上がった。

犬山祭は典型的な都市型の祭であり、祭関係者以外に見せる祭だ。柳田国男によると、日本の祭は古代農山村の神事中心の祭から、中世都市の見せる祭になった時期から祭礼に変化したと言う。曳山は巨大な総合美術工芸の文化財であり、動く博物館である。

犬山祭の特徴はからくり人形だと断言できる。実は40体近いからくり人形戯の多くは渡来系の物語なのだ。世界中の神がアニミズム漂う多神教のわが国に集まり、百花繚乱の如く舞う。思想家中沢新一氏は能楽者金春禅竹の「明宿集」を引き合いに出し、日本の神は芸能と職人の世界に宿るという。まさにからくり人形師玉屋庄兵衛の職人気質やからくり人形戯に「宿神」を観る。

また、「からくり」は「機械」という字を書くように、今日でいう所のロボットであろう。幕府の政策により、一切の発明発見を禁じられた科学者たちは、祭のからくり製作に精魂を傾けたのかもしれない。

その後からくり戯は関西では人形浄瑠璃に、関東では歌舞伎になり、中部圏はからくりの遺伝子がトヨタの織機や自動車などのモノ作りに繋がったと言う仮説を私は立てている。

犬山祭は一見江戸文化のようではあるが、深く観察すると、歴史の層を貫き、やはり縄文の魂に行き着く。

針綱神社の東北1キロ地点に3世紀に作られた東ノ宮古墳がある。ここに埋葬されている人物が針綱神社のご祭神であることは間違いない。神話と古代史を繋ぐ空想が祭への情熱を掻き立てる。
 
 詳細はこちらから 犬山祭 http://inuyama.gr.jp/events/43363
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石田 芳弘(いしだ よしひろ)

愛知県議会議員、犬山市長、衆議院議員など、地方、中央の政治と行政を経験。特に教育、文化行政に力を入れた。「まちは生涯学習の最良の教室である」というのが持論であり、学校教育も生涯学習の一環であると考え、市民が教師の総合学習や全市博物館構想を推進。また、シンクタンクの研究員として先進国の地方議会を視察、研究。我が国地方議会も議院内閣制を導入すべしという、地方議会改革論議のオピニオンリーダーである。
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【2】(1)第223回J.I.フォーラム  4月18日 開催 
  
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防災も「他人事」から「自分事」へ

防災のために堤防などハードは不可欠です。

しかし、自然が相手、しかも温暖化の影響などで想定外の災害がふえると、ハードには限界があります。やはり人の備えがものを言います。

従来、国や自治体が避難場所などの防災計画を決め、住民は「受け身」でした。しかし、実は住民の方が地形や、過去の災害の記憶をよく知っているのです。

今、住民と行政が一緒に話しあい、防災力を高める動きが拡がっています。その知恵を出しあいたいと思います。

  ◯日 時:平成28年4月18日(月)  18:30~20:30(開場18:00)

  ◯会 場:アルカディア市ヶ谷 4階 「鳳凰」 (千代田区九段北4丁目2番25号)TEL 03-3261-9921

※いつもと場所が違います

  ◯ゲスト:矢守 克也 (京都大学防災研究所 教授) 

       他

  ◯コーディネーター:加藤 秀樹(構想日本代表)

  ◯主 催:構想日本

  ◯定 員:120名

  ◯参加費:一般 2,000円 / 学生 500円 (構想日本会員は無料です)
                ※学生の方は受付にて学生証をご提示ください。

  ◯懇親会参加費:4,000円(ご希望の方は懇親会参加とお申込み時に明記して下さい)

          ※フォーラム終了後、ゲストを囲んで、懇親会を開催いたします。

          会場  「TO THE HERBS(トゥザハーブズ) 市ヶ谷店」  

             千代田区五番町2(JR市ヶ谷駅2F) TEL.050-5787-1164   

  〇日本再発見塾を通して構想日本とご縁ができた山形県最上町の農家奥山勝明さんや松林寺の三部和尚さんたちが、3.11を忘れないようにと行っている活動のお手伝いとして、奥山さんが作った新品種夢まどか311gが入った「3.11を忘れ米(まい)」をフォーラム会場受付で差し上げます。数量限定なので当日先着順とさせていただきます。
 
   3.11を忘れ米(まい) のきっかけ 三部和尚のブログ http://blog.goo.ne.jp/shorin3be/m/201603 
 
                    山形新聞の記事 http://yamagata-np.jp/news/201603/06/kj_2016030600147.php


 ※フォーラムへのご参加は4月18日(月)12:00まで info@kosonippon.org  にお願いします。

  お申し込みはこちらから http://www.kosonippon.org/forum/index.php 

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(2)《今後の構想日本の活動》

 《行政関係》

2016年4月17日(日) 滋賀県 高島市「第4回市民ワークショップ」

   5月15日(日) 滋賀県 高島市「第5回市民ワークショップ」

   今年度の実施一覧はこちらからご覧いただけます→ http://kosonippon.org/blog/?page_id=145

 《その他》

2015年10月~隔週月曜日 京都大学経済学部 「公共経営論2」講義 (代表 加藤秀樹)

      公共政策の各論を毎回ゲストの講義で進めました。ゲストは、

      衆議院議員 河野 太郎氏、京都信用金庫 理事長 増田 寿幸氏、株式会社商工組合中央金庫 執行役員 小林 利典氏、財務省 近畿財務局長 武内 良樹氏、財務省 主税局主税企画官 関 禎一郎氏、厚生労働省 社会・援護局福祉基盤課福祉人材確保対策室長 榊原 毅氏、南日本ヘルスリサーチラボ代表・医師・前夕張市立診療所長 森田 洋之氏、前松阪市長 山中 光茂氏、浜松市長 鈴木 康友氏、外務省 高田 真理氏、小西美術工藝社 アトキンソン・デービッド・マーク氏、元ラグビーワールドカップ日本代表 平尾 剛氏。

2015年9月~毎週木曜日 法政大学 「NPO論II」講義 (総括ディレクター伊藤伸)

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(3)Yahoo!ニュースオーサー記事更新!

  Yahooニュースにオーサーとして投稿している記事が更新されました。ぜひ御覧ください。

  代表 加藤秀樹

  ◇3月8日 防災を「自分事」に

   http://bylines.news.yahoo.co.jp/katohideki/20160308-00055180/

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