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タイトル::【No.780】「水源地域のための水力開発に向けて」
発行日::2016/10/27
本文:
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  J.I.メールニュース No.780 2016.10.27 発行 

   「水源地域のための水力開発に向けて」

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【1】<巻頭寄稿文>

  「水源地域のための水力開発に向けて」
 
       特定非営利活動法人 日本水フォーラム 事務局長  竹村 公太郎

【2】<お知らせ> 

   (1) 第229回J.I.フォーラム  10月27日(木)本日開催!

     第230回J.I.フォーラム  11月29日(火)開催決定
  
   (2) 今後の構想日本の活動

   (3)「現場みらい塾」 第4期 7月~11月 開講中 まだ申し込みできます

【3】<構想日本の取組>
    
   (1) 住民の行政参加のトップランナー・福岡県大刀洗町

「住民協議会」 テーマは「防災」

【4】<ご紹介>

   (1) 福島県昭和村の伝統工芸【からむし織】イベントに出店 in新宿西口

     10月27日(木)本日 午後5時まで

   (2)「ねっかさすけねえ」 日本再発見塾 in奥会津

     11月18日(金)、19日(土)実施!

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【1】「水源地域のための水力開発に向けて」
 
      特定非営利活動法人 日本水フォーラム 事務局長  竹村 公太郎

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私は今年8月に『水力発電が日本を救う』という本を上梓した。その中で、多目的ダムの運用変更、砂防ダムの小水力発電などにより、新規ダム建設なしで年間2兆円超の電力を増やせることを示した。

これにより、日本は必要電力量の3割以上を自前の自然エネルギーで確保できるばかりか、水源地域の活性化にも寄与することができる。以下、その基本的な理念を述べる。

水力は太陽エネルギー

水力は太陽エネルギーである。太陽エネルギーは膨大で無限に存在する。しかし、太陽エネルギーは2つの欠点を持っている。時間的変動が大きいこと。単位面積のエネルギー量が薄いことである。

ところが、この欠点は日本の地形とダムがカバーしてしまう。

日本列島はアジアモンスーン帯に位置し、海に囲まれている。この列島には一年中、太陽の力によって潤沢な雨が運ばれてくる。もちろん雨も単位面積当たりのエネルギー量は薄い。しかし、日本列島の70%の山岳が、その薄いエネルギーの雨を集め、濃いエネルギーの水流にしてくれる。

そして、すでにあるダムが、時間変動の大きい水を貯めて、平滑化し、エントロピーの小さな使い勝手の良いエネルギーにしてくれる。

日本の地形とダムによって、日本列島は太陽エネルギー列島となっている。

水力資源開発のために

この水力開発には、課題が横たわっている。水力開発にはある視点と認識が必要となる。

その視点と認識とは、流れる水はそこの地域の人々の大切な共有財産である事。さらに水力開発の地点は、全て公共的空間である事である。

日本は、近代化の中で人口と経済を急速に膨張させ、都市化を進展させた。その間、水源地域は、都市へ水資源と電力を供給し、一身に都市の発展を支え続けた。現在、その水源地域は深刻な過疎化と環境劣化に襲われている。

水力開発をする場合、これら水源地域への視点を認識しく必要がある。

水力は何ものにも代えがたい貴重な日本固有の資源である。そして、その水は水源地域の人々の大切な共有財産でもある。水力事業を推し進めるには、水源地域の人々の合意形成が必要となり、都市の資本力で水力開発を一方的に進める手法で進められない。

21世紀型の水力開発は、山村地域に犠牲を強いた開発手法とは異なり、山村、水源地域のための事業とする必要がある。このことが森林の荒廃を防ぎ、日本の国土を未来世代に遺産として継承していけることとなる。

新しい巨大ダムを建設する必要はない。すでに建設された既存のダム等の徹底した活用でよい。そして、その水力開発は水源地域に最大限貢献しいく工夫をしていく。

そのためには、全ての行政機関は垣根を外して協力体制をとる必要がある。資金が十分でない水源地域のために、都市の資金は協力していく必要がある。

水源地域の永続的発展と、日本の持続可能なエネルギー確保のために、政治の指導力により、関係行政機関が連携することが、これらを実現していく道筋となる。

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竹村 公太郎 (たけむら こうたろう)

1945年生まれ。1970年、東北大学工学部土木工学科修士修了。同年、建設省入省。依頼、主にダム・河川事業を担当し、近畿地方建設局長、河川局長などを歴任。2002年、国土交通省退官後、リバーフロント研究所代表理事を経て、現在は日本水フォーラム事務局長。

著書にベストセラーとなった『日本の謎は「地形」で解ける』(PHP文庫)シリーズなどがあるほか、養老孟司氏との共著に『本質を見抜く力―環境・食料・エネルギー』(PHP新書)がある。

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【書籍のご案内】

 ★「水力発電が日本を救う」 東洋経済新報社  竹村 公太郎 著

   https://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4492762280/toyokeizaia-22/

   世界にも稀な地形と気象の日本は、既存ダム徹底活用でエネルギー大国になれる!

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【2】(1) 第229回J.I.フォーラム  10月27日 開催 

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  『遺言』 言い残したいこと、言い残して欲しいこと 

いきなり年齢のことで恐縮ですが、ゲスト3人の合計は約250才。

みなさん小さな村、町で長年暮らし、地域の切り盛りをやってこられた方です。田舎での暮らし、首長としての決断や覚悟などを通して、多くの知恵を持つ「賢者」です。

生きること、地域、そして行政、政治について、私たちは250年分の知恵と哲学を引き継ぎ、世の中に生かしたいと思います。 


  ◯日 時:10月27日(木) 【本日】  18:30~20:30 (開場18:00) 

  ◯会 場:アルカディア市ヶ谷 7階 「琴平」 (千代田区九段北4丁目2番25号)TEL 03-3261-9921

        http://www.arcadia-jp.org/access.htm

        ※場所にご注意ください 

  ◯ゲスト:伊藤 喜平 (長野県下條村 前村長)

        高橋 彦芳 (長野県栄村 元村長)
 
        根本 良一 (福島県矢祭町 前町長)
 
  ◯コーディネーター:加藤 秀樹(構想日本代表)

  ◯主 催:構想日本

  ◯定 員:100名

  ◯参加費:一般 2,000円 / 学生 500円 (構想日本会員は無料です)
                ※学生の方は受付にて学生証をご提示ください。

  ◯懇親会参加費:4,000円(ご希望の方は懇親会参加とお申込み時に明記して下さい)
         ※フォーラム終了後、ゲストを囲んで、懇親会を開催いたします。

          アルカディア市ヶ谷  1階 レストラン       
   
   ※フォーラムへのご参加は直接会場にお願いします。


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  ☆ 次回 第230回J.I.フォーラム  11月29日(火) 開催決定 ★ 

  「新大統領のもとで、アメリカ、そして日米関係はどうなるか」

    ゲストに 久保文明氏、河野太郎氏、田中均氏を迎え、お話を伺います。

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(2)《今後の構想日本の活動》

10月30日(日)福岡県 大刀洗町「住民協議会」(全4回中の第1回)※詳細は【3】にあり


今年度の構想日本の『事業仕分け・住民協議会・施設仕分け実施一覧』詳細は、以下のURLよりご覧いただけます。

http://kosonippon.org/blog/?page_id=1079

 《その他》

2016年4月~隔週月曜日 京都大学経済学研究科・経済学部 特殊講義「公共経営論1」 (代表 加藤秀樹)

2016年9月~毎週木曜日 法政大学 「NPO論」講義 (総括ディレクター伊藤伸)

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(3)「現場みらい塾(構想日本×PHP総研)」

  第4期 開講中 各回単発の申し込みもできます

  税収、人口の奪い合い(=ゼロサム)ではなく、プラスサムを!

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人口減少、高齢化、不十分な予算と人員など、自治体にとってはますます厳しい時代です。政府の「地方創生」も続きそうにありません。

自治体間で税金や人口の奪い合いをするのはゼロサム、つまり持続可能ではありません。

それでも、視点を変え、従来の延長線上で考えることをやめると、解決策が見えてくるのです。

この塾は、従来型の研修ではありません。自治体のどの仕事にも応用できる、「知恵の出し方を身につけるトレーニングの場」です。

他自治体の職員、議員、民間人と一緒に半年間議論し、学び合うゼミ形式のプログラムです。受講生はこれまでに約70名。

問題意識の高い自治体職員、議員のネットワークも大きい財産です。

ここから日本が変わります。


― 第4期カリキュラム ―  ※現時点の予定ですので、変更の可能性があります。

【内 容】

第4回:11月5日(土)13:00~18:30、6日(日)10:00~16:00
 ・模擬事業仕分け2/チームで体験する
 ・事業シートプレゼンテーション/発表から体得する
 ・「『わたしのまち』と一人称で呼んでもらえる町を目指して(仮)」 筒井 敏行 〔香川県三木町 町長〕
 ・締めくくり総括ディスカッション 福嶋 浩彦〔中央学院大学 教授・元消費者庁長官〕

【応募資格】
 地域をよりよくしたいという情熱を持ち、地域の課題解決と未来創造のために、自ら考え行動する意志のある人

【募集人員】 50名程度

【会  場】  PHP総研会議室
       (江東区豊洲5-6-52 NBF豊洲キャナルフロント11階)

【参 加 費】  各回:10,000円(税込)※旅費・食費等は含まれません

【応募手続き】

 現場みらい塾申込みサイト(以下のリンク先)に入力し送信

 https://docs.google.com/forms/d/1AaZhsGk6sCIS-UEOtw_VWMgdL6elYrMxwr8UuBAn7dY/viewform

 定員に達し次第、締め切らせていただきます。

【お問い合わせ】

 構想日本:小川、永由 TEL:03‐5275‐5607、Email:info@kosonippon.org
 PHP総研 :皆川      TEL:03‐3520‐9612、Email:genba-mirai@php.co.jp

 その他詳細はこちら http://www.kosonippon.org/project/detail.php?id=713

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【3】<構想日本の取組>   

   (1) 住民の行政参加のトップランナー・福岡県大刀洗町

     住民協議会第5弾 テーマは「防災」

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★大刀洗町の特徴★

 1.無作為抽出で選ばれた町民が議論の主役(条例設置)

2.2014年にスタートして以来、回を重ねるごとに町民の行政に対する意識と意欲が深化

(行政の“自分事”化が進んでいる)

3.今年度は、500人の町民を無作為に選び、39人が応募(応募率7.8% )※全国平均は約5.0%

   さらに高校生も参加 <これまでのOBは累積約100人>

【開催日時】

    第1回:10月30日(日)13:00~16:00(テーマについての事前勉強会)

    第2回:11月20日(日)9:00~12:00(2班に分かれて議論、全体での意見交換)

    ※ナビゲーターとして、河野太郎衆議院議員(前防災担当大臣)と、山中光茂前松阪市長が参加予定。

    第3回:12月11日(日)9:00~12:00(2班に分かれて議論、全体での意見交換)

    第4回:1月21日(土)13:00~16:00(報告書の叩き台をもとに議論、意見集約、答申作成)

【参加者】 大刀洗町住民協議会委員(大刀洗町民約40名)他

【会 場】 大刀洗町役場 3階会議室(大刀洗町大字冨多819)

【入 場】 無料(どなたでも参加できます) ※事前申し込み不要

 これまでの取り組み 第1弾「ゴミ問題」、第2弾「地域包括ケア」、第3弾「地域自治団体と行政の役割」、第4弾「子育て支援」


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【4】<ご紹介>

 構想日本が応援している活動に関するお知らせです。

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 (1)会津地方に伝わる「メイドイン会津」 【からむし織】 

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 『地域のちからコレクション2016』奥会津昭和村 からむし織出展!

 日 時 :10月27日(木)本日 17:00まで

 会 場 :新宿駅西口広場イベントコーナー(JR新宿駅西口直結スペース)

 主 催 :地域のちからコレクション実行委員会

 福島県昭和村の伝統工芸 600年の歴史を誇る「からむし」(越後上布、小千谷縮の材料) 

 昭和村は、からむし(織)に興味のある若者(「織姫」「彦星」)を全国から募集、約1年間かけてからむしの栽培から製品加工まで一連の技術を教えています。
 織姫・彦星の一部はそのまま昭和村に定住して、からむし(織)の担い手となり、一部は昭和村の看板を背負って巣立っていきます。

 今回は、初代織姫が参加し、会場で実演と説明を行います。

 この機会に、からむし織を肌で触れていただき、昔から会津地方に伝わる「メイドイン会津」を感じていただければと思います。

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 (2)「ねっかさすけねえ」 日本再発見塾 in奥会津

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日本再発見塾は、日本各地に根付いた文化、伝統、歴史に触れ、その魅力を再発見し、地域を日本を元気にしよう。そして自分自身ももっと元気になろうという活動です。

各界で活躍する文化人や著名人が開催地を訪れ、そこに暮らす人びとや参加者と共に地域の文化を体験し、交流し、そして再発見した情報を発信します。
 
「聞き歩き」や奥会津ならではの食事や体験をとおして、奥会津の魅力や、ひいては日本の良さをいっしょに再発見しましょう!

 ■開 催 日:2016年11月18日(金)・19日(土)

 ■開催会場:福島県 奥会津5町村(柳津町/三島町/昭和村/只見町/金山町)

 ■募集人数:計50名  ※事前申込制(先着順)

 ■参加費:てわっさ体験コースにより、宿泊費・体験内容が違うため、参加費が異なります。

 ■てわっさ体験コース:
  1、あわ饅頭作り体験 2、山ブドウの皮でストラップ作り体験 3、蜜ロウソク作り 4、からむし織コースター作り体験 5、あがりこの森と叶津番所で文化体験。

 ■申込方法: 
  ・Webから http://nihonsaihakkenjyuk.wixsite.com/okuaizu-tadamisen/blank-4
  ・FAXまたはE-mailでの申込みの場合
   氏名・住所・連絡先(電話番号、メールアドレス)・年齢・性別・交通手段・希望コースを記入の上、FAXまたはE-mailでお申し込みください。

 ■問合せ・参加申込:日本再発見塾奥会津実行委員会事務局〈金山町観光物産協会内〉
   TEL:0241-42-7211/FAX:0241-82-5810/E-mail:nihonsaihakkenjyuku.okuaizu@gmail.com

  ※参加予定の著名人、プログラムの詳細はホームページをご覧ください。http://nihonsaihakkenjyuk.wixsite.com/okuaizu-tadamisen

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