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タイトル::【No.842】「特ダネではないけれど(22) 予算のつじつま合わせではなく」
発行日::2018/01/18
本文:
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  J.I.メールニュース No.842 2018.01.18  発行

 「特ダネではないけれど(22) 予算のつじつま合わせではなく」

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【1】<巻頭寄稿文>
 
   「特ダネではないけれど(22) 予算のつじつま合わせではなく」

             新聞記者     松浦 祐子     

【2】<お知らせ>

   (1) 第243回J.I.フォーラム  本日開催!  

      「オリンピックはスポーツをダメにする?!」  

    国のスポーツ基本計画、スポーツ庁新設、莫大な補助金…。


   (2) 住民協議会発祥の町・福岡県大刀洗町

       住民協議会第6弾 テーマは「防災」    
   
   (3) その他の構想日本の活動

【3】<ご紹介>

   田中 陽子さん 暮らしのクラフト ゆずりは  南青山・蔦サロン

【4】<構想日本より、アンケートのお願い> 

   J.I.フォーラムを深化させるために 皆さまへ お願い


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【1】 「特ダネではないけれど(22) 予算のつじつま合わせではなく」

         新聞記者     松浦 祐子               

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新年1月。みなさんの中には仕事や勉強、または旅行などの楽しい事柄について、今年1年の計画を立てた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

政府も今年は財政健全化に関する計画を見直し、夏までに新たな計画を作ることにしています。

政府の計画というと自分には関係ないように感じられる方が多いかもしれませんが、財政を改善するための方法は、基本、歳出(支出)を減らすか、歳入(収入・税や社会保険料)を増やすか、両方やるかしかありません。どのやり方でも、我々のお財布や生活に影響を与える重要な議論です。

計画を作る場合、短期、中期、長期の視点をもって具体化していくことが効果的です。

日本の財政は今後の少子高齢化、人口減少という人口の動きと深く関わります。ですから、団塊の世代と団塊ジュニア世代という人数の多い二つの世代の人口の動きに合わせて、以下の三つの期間に分けて考えると、分かりやすいのではないかと考えています。

<1>短期=今から2021年度まで
      団塊の世代が75歳になり始めるまでの期間

<2>中期=2022年度から2040年ごろ
      高齢人口(65歳以上)が増える一方で、生産年齢人口(15~64歳)が減少。団塊ジュニア世代が、支える側の中核になるべき時期。

<3>長期=2040年以降から2060年ごろ
      団塊ジュニア世代が65歳以上になるが、高齢人口は頭打ちに。生産年齢人口は減少を続ける時期。
 
 <1>の短期の期間にまず、やるべきことは、社会保障の仕組みを年齢で分けるのではなく、負担できる能力(所得や資産)に応じて変えていくことだと思います。

 例えば、医療機関の窓口で支払う負担は原則70歳未満は3割負担、70~74歳は2割負担、75歳以上は1割負担になっています。大きな人口の塊である団塊の世代が75歳以上になり、1割負担の対象者が一気に増えれば、医療保険財政は維持が難しくなってしまいます。それを年齢ではなく、負担能力に応じた仕組みに変えていけば、支え手である働く世代の負担を重くせずにすみます。

 このような改革は団塊の世代が75歳になり、いったん1割負担の軽い負担を経験した後では反発が強まり、合意を得るのが難しくなってしまいます。今ならば、低所得者への配慮は必要ですが、大半の人にとっては2割負担を継続するだけになり、負担感も少なくてすみます。まさに、今こそ議論し、結論を得るべき課題です。

 <2>の中期は支えられる側(高齢者)が増え、医療や介護のニーズが高まる一方で、支える側(働く世代)が減っていくという最も厳しい時期になります。しかも支える側の中核となるべき団塊ジュニア世代は、バブル経済崩壊後の就職氷河期や雇用の非正規化の影響を受けて、非正規労働者のまま年を重ねている人の割合が高くなっています。ということは、税金や保険料は所得に応じて支払うものですから、支え手の数が減るだけでなく、一人ひとりが拠出する額も少なくなり、財政面が脆弱になることが考えられます。

 また非正規労働者の待遇では、自分自身の老後に向けて十分に備えるのが難しいのが現実です。それゆえに、この時期には正社員と非正規労働者の賃金格差を縮めるとともに、非正規労働者であっても勤め先の企業の健康保険や厚生年金に加入できるような待遇面での改革が求められます。

 右肩上がりの高度経済期の仕組みが現実の社会に合わなくなっているのです。今の時代の働き方に合わせた構造改革を行うことは、この時期だけでなく、将来にわたる財政と暮らしの安定化につながるはずです。
 
 <3>の長期のころには、医療や介護の施設やサービスを増やす必要はなくなります。高齢人口さえも増えなくなるためです。ただ、現状のままでは、支える側(働く側)は減少を続けるばかりです。だからこそ、今から少子化対策に取り組んでおく必要があります。逆に言えば、今、行っている少子化対策の取り組みは、すぐには結果が出ないものであっても、遠い先の将来を見据えて続けていかなければならない長期間の取り組みとなります。

財政健全化というのは、ただ単に、予算のつじつまを合わせれば良いというものではありません。安倍総理自身が「少子高齢化は日本の最大の壁である」と言っています。ますます厳しくなる人口動態に対応できる計画をつくっていかなければならないと思います。

そして心に留めておかなければいけないのは、1千兆円もの借金をかかえるこの国の財政は、様々な面でリスクを抱えているということです。景気の悪化や金利の上昇で、財政が破綻するという悪夢が起こる確率は決して低いとは言えず、残された時間も多くはありません。悪夢が現実にならないようにするためにも、新しくつくる財政健全化計画が中身のあるものとなるように、議論を注視してもらいたいと思います。

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 松浦 祐子 (まつうら ゆうこ)

1974年 神戸市生まれ。大学院修了後、1999年新聞社に入社。和歌山、高知での地方勤務、東京での雇用、介護分野、厚生労働省、財務省担当、新潟で県政取材などを経て、今は内閣府担当。

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*みなさんのご意見をお待ちしています。(800字以内でお願いします)
 info@kosonippon.org
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【2】(1) 第243回J.I.フォーラム  2018年 1月18日(木) 本日開催 

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    「オリンピックはスポーツをダメにする?!」 
 

国のスポーツ基本計画、スポーツ庁新設、莫大な補助金…。

スポーツとは、国がこれほどまで肩入れすべきものでしょうか。国の関与が減れば、オリンピックのメダル目標がなければ、スポーツはもっともっと自由になれる!?

ご一緒に考えましょう。  (加藤 秀樹)

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私たちは「スポーツ」のことをどの程度知っているのでしょうか。

スポーツが持つ可能性、アート性。

一方で、スポーツ界などの「闇」とも言えること。

また「スポーツ立国戦略」「スポーツ基本法」スポーツ庁、莫大な補助金…。スポーツとは、国がこれほどまでに肩入れすべきものなのでしょうか。

スポーツを愛するが故に「反東京五輪宣言」を出した平尾剛さんと、哲学者であると同時に認知運動療法に携わっている河本英夫さんのお二人とともに考えたいと思います。


◯日 時: 2018年 1月18日(木) 18:30~20:30(開場18:00)  

◯会 場: アルカディア市ヶ谷  6階「霧島」(千代田区九段北4-2-25)TEL:03-3261-9921
                ※場所にご注意ください  

◯ゲスト: 河本 英夫(東洋大学 教授)

      平尾 剛(元ラグビー日本代表、神戸親和女子大学 講師)

◯コーディネーター : 加藤 秀樹(構想日本代表)

◯主  催 : 構想日本         

◯定  員 : 100名  

◯参加費 : 一般 2,000円 / 学生 500円 (構想日本会員は無料です)
                 ※学生の方は受付にて学生証をご提示ください。
  
      ☆懇親会はございません。 

 ※直接会場におこしください。
  
  HPからのお申し込みはこちら http://www.kosonippon.org/forum/index.php

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    *参加申し込みに関するお問い合せは、
        事務局 堺/稲垣まで。 TEL 03-5275-5607

    *内容に関するお問い合せは、
        伊藤/田中まで。    TEL 03-5275-5607

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(2)住民協議会発祥の町・福岡県大刀洗町

     住民協議会第6弾 テーマは「防災」
        
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災害の少ない町と言われていた大刀洗町。しかし今年7月の「九州北部豪雨」により町内も影響を受け、近隣地域(朝倉市)では甚大な被害があったことで町民の防災意識が高まっています。

避難にあたって行政、住民ともに課題があり、昨年度と同じ『防災』をテーマとして住民協議会を実施します。


★大刀洗町の特徴★

 1.2014年に全国で初めて住民協議会を実施し、今年度が連続6回目の開催。既に全国モデルとして広く知られている。

 2.無作為で選ばれた町民を名実ともに議論の主役にすべく、会議を条例で設置(無作為で選ばれた住民のみによる組織の条例設置は全国でも前例なし)。今年度は500人の町民を無作為に選び、27名が応募(応募率5.4%)。

 3.今回はこれまで以上に行政が抱える課題の解決に重きを置いており、町が作成する「避難所運営マニュアル」に、住民協議会での議論の内容を反映する。


【開催日時】

  第3回: 2月 3日(土)13:00 ~ 16:00
        [全体での議論、改善提案シートの記入]

  第4回: 2月24日(土)13:00 ~ 16:00
        [報告書の叩き台をもとに議論、意見集約]


【参加者】 大刀洗町住民協議会委員(大刀洗町民約30名)
      大刀洗町職員
      コーディネーター(構想日本 総括ディレクター 伊藤伸)
      ナビゲーター(議論のリード役)

【会 場】 大刀洗町役場 庁舎3階会議室(大刀洗町大字冨多819)
        ※会場についてのお問い合わせは、大刀洗町総務課総務係まで(0942-77-0171)

【入 場】 無料(どなたでも傍聴できます) ※途中の入退室可、事前申し込み不要

【主 催】 大刀洗町

【協 力】 構想日本

お問い合せ:構想日本 伊藤/永由
TEL:03-5275-5607、email : shiwake@kosonippon.org

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 (3) その他の構想日本の活動

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2017年10月~隔週月曜日 京都大学経済学研究科・経済学部 特殊講義「公共経営論2」(代表 加藤秀樹)

      公共政策の各論を毎回ゲストの講義で進めます。次回は、前川喜平氏(前文部科学事務次官)。

      これまでのゲストは、森田稔氏(財務省大臣官房 経済財政政策調整官)、山折哲雄氏(国際日本文化研究センター名誉教授)、松井孝典氏(千葉工業大学惑星探査研究センター所長)、池端美和氏(発行土地建物株式会社 代表取締役)、玄秀盛氏(公益社団法人日本駆け込み寺 代表理事)、中曽宏氏(日本銀行 副総裁)、荻野徹氏(原子力規制委員会次長)、岸田文雄氏(衆議院議員、自民党政調会長)、高野誠鮮氏(僧侶、総務省地域力創造アドバイザー、元石川県羽咋市職員)、中貝宗治氏(兵庫県豊岡市長)、木村真樹氏(公益財団法人 あいちコミュニティ財団 代表理事)。

2017年9月~毎週木曜日  法政大学「NPO論 II」(総括ディレクター 伊藤伸)

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【3】<ご紹介>

   構想日本が注目している活動をご紹介いたします。

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暮らしのクラフト ゆずりは  南青山・蔦サロン

 東北の伝統「手仕事」を現代の暮らしに提案することで次世代に伝え残したいと始まった「ゆずりは」が三十年を迎えることになりました。

 節目に当たる東京展では、東北を代表する手仕事「刺し子」を中心にご紹介いたします。

 南部菱刺しの作家 天羽やよいさんが4年に渡り作りためた帯地もご覧いただきます。ご来場をお待ち申し上げております。

 ◇日 時  平成30年1月15日(月)~1月28日(日)

       午前11時~午後6時 

 ◇場 所  南青山・蔦サロン 〒107-0062 東京都港区南青山5-11-20
                電話 03-34089-8645
       https://www.lib.city.minato.tokyo.jp/yukari/j/bld-detail.cgi?id=8

 ~店主のおはなし会~

 ◇日 時  1月21日(日)13:30~

 ◇参加費  無 料  直接会場へ 

  店主の 田中 陽子さんがお話されます。 ゆずりは http://www.yuzuriha.jp/index.htm
 
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【4】<構想日本より、アンケートのお願い> 

   J.I.フォーラムを深化させるために 皆さまへ お願い

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J.I.フォーラムをバージョンアップしたいと思います。是非みなさまのご意見をお聞かせください。 (複数回答可)

(1)参加する、しないは、なにで決めていますか
   1、 内容   2、ゲスト  3、日程  4、場所  5、その他(     )

(2)どのような内容であれば参加したいと思いますか
   1、政治  2、経済・財政  3、農林業  4、外交・安全保障  5、医療・介護  6、災害  7、地方・自治体  8、教育  9、原発  10、文化・芸術  11、スポーツ  12、憲法  13、福祉 14、働き方  15、エンタテイメント  16、子育て  17、IT・科学   18、その他(        ) 

(3)どのようなゲストなら参加したいと思いますか
   1、今話題の人  2、芸能人  3、専門分野に精通した人  4、著名人  5、国会議員  6、自治体首長  7、地方議員  8、経済人・起業家  9、その他(         )

(4)どのような日程なら参加しやすいですか

   曜日
   1、平日  2、土・日曜日、祭日  3、いつでも大丈夫  4、その他(     )

   時間帯
   1、昼間  午後2時~ 、 午後4時~  2、夜   午後6時~ 、 午後6時半~(現行通り) 、午後7時~   3、その他(          )

(5)日程は、どれくらい前から決まっていてほしいですか
   1、1ヶ月前  2、2ヶ月前  3、3ヶ月前  4、早ければ早いほど良い  5、その他(     )

(6)フォーラムの開催頻度は、どれくらいが良いですか 
   1、月1回 (現行通り)  2、2ヶ月に1回  3、3ヶ月に1回  4、その他(     )

(7)フォーラムの参加費は、いくらぐらいが適正価格だと思いますか (構想日本の会員以外の方の参加費)
   1、2,000円 (現行通り)   2、3,000円   3、4,000円以上   4、その他(     )

(8)フォーラム後の懇親会の有無(頻度)
   1、フォーラム後は必ずあると良い  2、数回に1回程度あると良い  3、無くても良い  4、その他(     )

(9)懇親会の参加費は、いくらぐらいが適正価格だと思いますか
   1、4,000円 (現行通り)  2、4,500円   3、5,000円以上   4,その他(     )

(10)広報や告知の改善点は何だと思いますか (集客アップのために何が必要だと思いますか)
   1、チラシの雰囲気を変える  2、日程の告知を早くする  3、ポスターをつくる  4、メールの配信先を増やす  5、FAX.配信先を増やす  6、手当たり次第電話をする 7、お友達割引などの特典をつける 8、その他(     )

(11)その他 JIフォーラムへの ご要望を お寄せください



 このメールで返信、または、コピーしてお答えいただければ、幸いです。
 FAXや、コピーしてメールの場合は、下記宛にお願いいたします。
 FAX:03-5275-5617 または Mail:info@kosonippon.org

 みなさまのお知恵を拝借出来ればと思います。

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