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タイトル:: 【No.875】「大学改革」を叫ぶ前に ―こんな大学に誰がした?―
発行日::2018/09/06
本文:
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構想日本メールマガジン【No.875】 2018.09.06 発行
               
「大学改革」を叫ぶ前に ―こんな大学に誰がした?―

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【1】J.I.フォーラム 10月25日(木)開催 

 気温40°、逆走台風が当たり前に!?「今や“異常”が日常に。まずは正確な理解を」

【2】活動ニュース

 (1)福岡県 大刀洗町で 住民協議会 9月17日(月)

 (2)静岡県 で「“ふじのくに” 士民(しみん)協働施策レビュー」開催! 9月8日(土)・9日(日)

【3】8月の主な活動報告 政策実現活動、新聞・テレビ等メディア掲載 その他

【4】巻末寄稿文 「大学改革」を叫ぶ前に ―こんな大学に誰がした?―

    京都大学学際融合教育研究推進センター准教授  宮野 公樹    

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【1】 第248回J.I.フォーラム  2018年10月25日(木) 
 
気温40°、逆走台風が当たり前に!?「今や“異常”が日常に。まずは正確な理解を」 

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天気に関して「命を守る行動を」という呼びかけが日常になっています。もはや「異常」ではすまない大気候変動。

台風の恐ろしさは、雨や土砂災害だけではないことにあらためて気付かされました。

いつ自分の身に降りかかるかわかりません。自分を、そして大切な人を守るために、知っておかねばならないことがあります。

是非、お見逃しなく。

◯日 時: 2018年10月25日(木)18:30~20:30(開場18:00) 

◯会 場: アルカディア市ヶ谷 4F 鳳凰 (千代田区九段北4-2-25)TEL:03-3261-9921  

※場所にご注意ください。      
     
◯登壇者: 

江守 正多 (国立環境研究所 地球環境研究センター 副センター長)

住 明正 (東大名誉教授、理学博士 サステイナビリティ学連携研究機構 特任教授)

◯コーディネーター:加藤 秀樹(構想日本 代表)
    
◯主  催 : 構想日本         

◯定  員 : 100名 

◯参加費 : 一般 2,000円 / 学生 500円 (構想日本会員は無料です)※学生の方は受付にて学生証をご提示ください。
  
事前にお申し込みください ☆懇親会はございません。

※フォーラムへのご参加は10月25日(木)12:00まで お電話、FAX、E-メール info@kosonippon.org  にお願いします。

HPからのお申し込みはこちら http://www.kosonippon.org/forum/index.php


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【2】活動ニュース: 東西のトップランナーです

住民協議会発祥の町 大刀洗町、日本一の開催実績 静岡県  

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(1)福岡県 大刀洗町で 住民協議会 9月17日(月)

住民協議会第7弾 テーマは「公共交通の維持について(仮)」
        
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福岡県大刀洗町は、無作為に選ばれた住民が議論する「住民協議会」を5年連続実施します。今回のテーマは「公共交通の維持について(仮)」。

★大刀洗町の特徴★

 1.2014年に全国で初めて「住民協議会」を実施し、今年度が連続5年目(7テーマ目)の開催。全国紙にてたびたび取り上げられ、経済同友会も視察に来るなど、全国モデルとして広く知られている。

 2.無作為に選ばれた町民を名実ともに議論の主役にすべく、会議を条例で設置(全国でも前例なし)。今年度は494人の町民を無作為に選び、23名が応募(応募率4.7%)。

 3.毎年度、無作為とは別に町内在住の高校生を募集し、今年度も高校生2名が参加(全国に先駆けた取組み)。

 4.今回は特に鉄道利用を増やす方策など、より論点を絞って議論。

 5.住民協議会経験者でつくるOBOG会が本格的に活動を開始。新たな波及効果として注目されている。

【開催日時】

 第1回: 9月17日(月・祝)13:00 ~ 16:00 [住民協議会の概要及びテーマに関する説明]

 第2回:10月 6日(土)14:00 ~ 17:00 [全体での議論、改善提案シートの記入]

 第3回:11月17日(土)13:00 ~ 16:00 [全体での議論、改善提案シートの記入]

 第4回:12月15日(土)13:00 ~ 16:00 [報告書の叩き台をもとに議論、意見集約]

【参加者】 

大刀洗町住民協議会委員(大刀洗町民20名)
大刀洗町職員
コーディネーター(構想日本 総括ディレクター 伊藤伸)
ナビゲーター(議論のリード役)
オブザーバー(テーマの関係団体など)

【会 場】大刀洗町役場 庁舎3階会議室(大刀洗町大字冨多819)※会場についてのお問い合わせは、大刀洗町総務課総務係まで(0942-77-0171)

【入 場】無料(どなたでも傍聴できます)※事前申し込み不要  

【主 催】大刀洗町

【協 力】構想日本

お問い合せ:構想日本 伊藤/徳永 TEL:03-5275-5607、email : shiwake@kosonippon.org

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(2)静岡県 施策レビュー 9月8日(土)・9日(日)

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静岡県内の高校生、大学生たちも県民評価者で参加しています。

★静岡県「“ふじのくに” 士民協働 施策レビュー」の特徴★

テーマは「移住・定住の促進、地域防災力の強化、介護・福祉人材の確保」など 6施策

 1.2009年から継続して実施し、今年度が10回目と日本一の開催実績を誇る。

 2.議論する対象を昨年度までの「事業」から「施策」に転換。

 3.必要性や効果の「評価」ではなく、県民評価者が改善提案を行う「提案型」の評価。

【開催日時】 9月8日(土)・ 9月9日(日)10:00~17:00

【会 場】 静岡県庁別館 (静岡市葵区追手町9番6号)※会場についてのお問い合わせは、静岡県政策推進局総合政策課まで(電話:054-221-2184)

 ※詳細は静岡県ホームページからご覧いただけます。https://www.pref.shizuoka.jp/kikaku/ki-030/review.html

 お問い合せ:構想日本 伊藤/岩崎 TEL:03-5275-5607、email : shiwake@kosonippon.org


 ▼2018年の事業仕分け、住民協議会、施設仕分け実施一覧 http://www.kosonippon.org/blog/?page_id=1447

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【3】8月の主な活動報告

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(1)政策実現活動

 <自治体改革活動>

8月8日 茨城県 那珂市第2回外部評価委員会

8月18日 群馬県 太田市第2回住民協議会

8月18日 静岡県 湖西市第3回市民会議(住民協議会)

8月19日 千葉県 鴨川市第4回100人会議(住民協議会)

8月25日-26日 和歌山県  海南市行政事業レビュー(事業仕分け)

  ※その他、首長や自治体との打ち合わせ等 27件

(2)テレビ等メディア掲載

8月15日 雑誌 構想日本の“日本のまるごと自分ごと化”計画(1) 「住民協議会」でまちづくりに参加する 時の法令 平成30年8/15

8月19日 新聞 湖西新市民会館建設計画 複合機能に複数意見 第3回市民会議 静岡新聞

8月20日 新聞 少子化でこどもが減り、小学校が地域で役目を終え、廃校となるケースは近年多い…" 毎日新聞 

8月23日 新聞 市民120人が仕分け 11月、事業の必要性判断 香取市で初 千葉日報

8月23日 新聞 香取市で11月に初の事業仕分け 36事業対象 読売新聞

8月25日 WEB 海南市で事業仕分け 市民も判定人として参加 和歌山放送 ウェブニュース

8月26日 新聞 行政を”自分ごと”に 海南市「構想日本」招き事業仕分け わかやま新報

8月27日 WEB 自治の担い手の再生 第8回 住民の概念を広げ、自治力を強化する“ふるさと住民票”の取り組み ~香川県 三木町~ 議員NAVI 議員のためのウェブマガジン

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【4】「大学改革」を叫ぶ前に ―こんな大学に誰がした?―

    京都大学学際融合教育研究推進センター准教授  宮野 公樹  

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最近、新聞やWEB記事などで「大学改革」の四文字が目に止まるのは、大学に勤める私だけではないだろう。安倍政権にて大学改革が本丸とされ、今月発刊の「月刊経団連」の特集は、ずばり「大学改革」。先月の読売教育ネットワークでは、異見交論53「国立大学よ、世界を見てくれ」赤石浩一氏(内閣府政策統括官)のインタビュー記事が話題になった。

「もう、どうでもいいわ・・・」
そんな悲痛なため息が教育、研究の最前線にいる大学人から聞こえてきそうだが、ここで読者の方に勘違いしないで頂きたい。成果主義、業績主義が大学にも横行し、世間からはイノベーション駆動装置としての機能しか大学に求められなくなったのは、「政策」のせいでもなければ、「企業」のせいでもない。「大学」のせいだろう。なぜなら、ほとんどの行政人、企業人、知識人らは大学出なのだから。

学問の経済社会への貢献というものは、いうならば真理の探究あるいは人間精神の完成という学問の大目標においては、小さな付随的結果でしかない。正しく学問を担う人間(=学者、≠サラリーマン研究者)にとって「イノベーション駆動装置としての大学」という言葉が空虚に聞こえるのはそれゆえだ。

物的な豊かさが心的な豊かさと合致しないことは様々な調査結果でも、そして我々の実体験や日常感覚でもわかりきったこと。大学教員が研究者の前に学者であるなら、いずれ物的に無となる人間が物的な価値をありがたがるとはそもどういうことかを問うだろう。そして、自らの専門という限界を感じつつも、なんとかこの世界、この人間、この意識を記述してみたいともがくのだろう、それが不可能と知りながらもだ。考え尽くさねば死ねぬ。そういう一つの精神に触れた学生がまた、4年間をその「学問」に捧げるのだろう。

我が国の科学技術力は落ちたという。もっと世界を見て世界と戦えという。しかし、そも科学技術は落ちたとか上がったとか言えるものなのか。それに今我が国が抱える課題なるものはその科学技術そのものが生んだものではないのか。もっというのなら、なぜ世界と戦わなければいけないのか。あるいはどうなったら勝ったと言えるのか。数字か?ランキングか? それが上がれば「勝った」なのか。そもそも勝ったら何なのか。逆に、負けたらなんなのか。いったい何を目指して何をしようとしていて、それは何をしていることになっているのか。

= 学者風情が何を言う。食わないと生きていけないではないか。

では、聞く。生きるとはどういうこととお考えか。私はそれについて話しているのだ。

生きる。そのことそのものについて考える学問というものは、したがって究極の実学である。どんな専門分野だろうが関係ない。それが研究ではなく学問であるなら、たどり着くところは必ず同じ地点だ。最近の大学改革政策がどうも枝葉の議論ばかりになっているのは、そして大学人が愚痴ばっかりでいっこうに行動に移さないのは、その地点において正しく思考してないからではないだろうか。これは、大学が「学問」をしてこなかった証拠である。学問に浸る育人ができていないのだ。これは残念ながら今にはじまったことではなく、1930年代に哲学者三木清が嘆いていた言葉と同じである。

それでも学問精神はまだ残っている。下記の研究会のような営みこそが、ほんとうの「大学改革」の一つと信じている。近道はないのだ。

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宮野 公樹 (みやの なおき)

京都大学学際融合教育研究推進センター准教授。今の専門は学問論、大学論。元は金属組織学。2011年4月~2014年9月まで総長学事補佐、加えて、2010年10月~2014年9月まで文部科学省研究振興局基礎基盤研究課参事官付(ナノテクノロジー・材料担当)学術調査官を兼任。博士(工学)。

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<3つのご支援のお願い>

★第二回 全分野結集型シンポジウム:「学会って意味なくない?」
http://www.cpier.kyoto-u.ac.jp/2018/08/zenbunya2/

「学会」という枠に着目してその形式的なあり方を問うことを入り口とし、学術そのものの進展のしかた、あり方について、全分野が集まって議論しようというねらいです。

○開催日時  2018年9月13日(木)13:00-16:00
○場所 京都大学吉田キャンパス 国際科学イノベーション棟5F

◆できるかぎり多くの人たちに届けたいと思い、ライブ配信とドキュメンタリー映像製作を記録しようと考え、その資金を得るためにクラウドファンディングを実施します。
学術系クラウドファンディングAcademistに掲載中のプロジェクト
「学会」は本当に必要か?全分野の研究者と考えたい!」https://academist-cf.com/projects/85


★京都大学のエッジーな研究者の生の声100選
https://www.makuake.com/project/kyoto-u_100_2/

「私の研究はこれです」「こんなコラボ求めています」「私はこれが得意です」の3つの質問を京大研究者100名が掲載。それに対して、学内外の500名近くが付箋紙にてコメントを残すという京都大学学際融合教育研究推進センターの名物企画「京大100人論文」の全データーを冊子にして郵送します。京都大学の生きのいい若手研究者を世に解放することと、京大および学際センターのブランド浸透&強化が狙いです。

以上、3件。何卒、ご支援のほど、よろしくおねがいもうしあげます。(なお、両企画とも企画本体に参加する研究者、それを見守る一般の観覧者も絶賛募集中です)

【お問い合わせ窓口】京都大学学際融合教育研究推進センター准教授・宮野 Tel: 080-7008-7664(miyano.naoki.2n@kyoto-u.ac.jp)

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(編集後記)

就活ルールは守るべきだそうです。
閣議決定したことも、都合のいいものだけは守られているようです。
その一方で、日本の最高法規は、果たして守られているのでしょうか。

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