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タイトル::【No.897】「住民協議会の現場から 普通の主婦が委員になったら(5)」
発行日::2019/02/14
本文:
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 構想日本メールマガジン【No.897】 2019.2.14 バレンタインデー 発行

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<目次>

【1】活動ニュース

 (1)第6期 現場みらい塾 1回のみの参加も出来ます! 2月23日(土)~ 
 (2)「自分ごと化会議in松江」2月24日(日)最終回 「原発問題」が動き出す糸口がここにある

【2】スタッフ通信 

 (1)現場みらい塾 第一回目の様子をお伝えします

【3】巻末寄稿文 

 「住民協議会の現場から 普通の主婦が委員になったら(5)」

  育児支援Firefly&Snail代表  小林 理恵
 
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【1】活動ニュース

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(1)第6期 現場みらい塾 受講生募集中 

現場みらい塾は、ハウツー的なスキル中心の従来型の自治体職員向け研修ではありません。
自治体のどの仕事にも応用できる「知恵の出し方を身につけるトレーニングの場」です。
行政職員を中心に、議員や民間企業等で働く人などが一緒に議論し、多様なものの見方と知恵の出し方を学び合うゼミ形式のプログラムです。

プログラムの詳細、お申し込みは、下記のURLからご確認ください。
現場みらい塾ホームページ http://www.kosonippon.org/project/detail.php?id=793

【日程】
第1回:2月 9日(土)10:00~18:00(終了)
第2回:2月23日(土)10:00~18:00
第3回:3月 9日(土)13:00~18:30、10日(日)10:00~16:00

※各回、1日のみの受講も可能です。

【主な講師陣】
大西 健丞〔特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン 代表理事兼統括責任者〕
福嶋浩彦〔中央学院大学 教授・元消費者庁 長官・元我孫子市長〕
矢田 明子〔NPO法人おっちラボ副代表理事、Community Nurse Company株式会社代表取締役〕ほか

【お問い合わせ】
構想日本:田中、永由 TEL:03‐5275‐5607 E-mail:info@kosonipon.org

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(2)「自分ごと化会議in松江」 2月24日(日)第4回(最終回=とりまとめを行います) 島根県 松江市 

★特徴★
1.住民団体主催の住民協議会は全国初!!
2.県庁所在地に原発を持つ松江市民が、『原発』を賛成か反対かではなく、自分のこととして考えることが目的。
3.「自分」「地域」「市・県・国」「中国電力」ができること、日常生活で感じる身近なことを基に取りまとめ、各所に提案を行う。

【開催日時】第4回:2月24日(日)13:30~16:30(予定)

【会  場】松江市市民活動センター 交流ホール
 
【主  催】自分ごと化会議in松江実行委員会

様々な立場、考えの住民が納得するまで話しあうなかで、みんなに見えてくるものがある!
原発という大きな課題に、”ふつうの”人たちが率直に正面から向き合えば先が見えて来る!ことがわかります。

新聞でも取り上げられ、多くの方々から注目を集めています。https://ameblo.jp/jibungotokakaigi/
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=2141925415927298&set=a.435639213222602&type=3&theater

▲ 2018年度の事業仕分け、住民協議会、施設仕分け実施一覧 ▼ 
http://www.kosonippon.org/blog/?page_id=1447

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【2】スタッフ通信 ~しゅんの便り~

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(1)現場みらい塾 レポート  

都心でも雪が降る寒さの中、熱い自治体職員や議員が参加し、そもそも行政は何をするのかということから考えました。
2回目以降は、問題解決のための本質に迫ります。1回目に参加していない方も是非、ご参加ください。

FBにて https://www.facebook.com/kosonippon/ 

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「住民協議会の現場から 普通の主婦が委員になったら(5)」

  育児支援Firefly&Snail代表  小林 理恵

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第三回協議会は市内に新しくできた会館で行われ、ゲストナビゲーターをお招きしての議論になりました。大きな舞台があるような立派な会場だったので、大変緊張したのを今でもはっきり覚えています。

大会場での全体会の後、各分科会に分かれて議論を進めました。第一分科会では冒頭にコーディネーターの伊藤さんが、私の経験談を話してほしいと言ってくださいました。

実は第二回協議会の最後に、次回のテーマは「心の健康」という締めくくりをなさっていたので、当時の自分に立ち返るというか、向かい合う意味で「産後うつ」で苦しんでいた頃の日記や、メモ書きなどを読み直しました。

そこには

「妊娠出産で仕事を辞め、育児に没頭するうちに孤立してしまった事」
「産後の肥立ちが悪い中、人に頼ることができず半ば意地になって頑張りすぎてしまった事。」
「育児、家事、仕事との両立が想像していたよりも過酷で、イレギュラーばかりが起きる子育ての中では、以前のような仕事の仕方が不可能だったこと。そしてそのギャップに苦しんだこと。」

そんなことがびっしり書かれていました。

当時はどういうわけか物忘れのような事が多く、起きたはずの出来事が思い出せないこともあったので、記録を多く残していたのです。後で知ったことですが、こうした症状は解離性健忘というそうで、特に女性には多く見られ、強いストレスや心への過負荷で起こることがあるそうです。

メモの始まりはいつもこんな文句で始まっていました。「どうしてこうなってしまうのだろう」「なんでできないんだろう」「私はダメだ」読み返すと憂鬱な気持ちが蘇ってくるようでした。

こうして欝々と過ごすうちに少しずつ体調を崩し、いつしか日常生活にまで支障が出た事、そこから少しずつ、本当に長い時間をかけて何とか日々を送れるようになったものの、今もまだ多くの問題と向き合っていかなければいけないこと。それには家族を始めとする「人」の助けが必要だったこと。そんなことをお話しました。

ある委員の女性は「自分の悩みを他人に知られたりするのは嫌だ。」「そのために発散する方法は自分なりにストックしている。」とおっしゃっていました。

私自身も全く同じような事を思っていましたし、むしろ心の問題を抱えるのは「弱い人間」であると思い込んでいました。実際に上記の手記にはしきりにそういう趣旨の内容が書かれていましたし、記憶の中にも確かに「他人にうつ病を知られることへの恥ずかしさ」が綴られていました。

他の委員さんも「個人の非常にデリケートな問題に、他人がどこまで立ち入って良いものなのか図りかねる。結局そこを変に忖度してしまい救いの手を差し伸べることができなくなる。」とおっしゃっていました。

繰り返しになるのですが私は個人的に

「高齢者の引きこもり」も、「子育て世代の孤独育児」

も根っこは同じようなところにあると思っています。

お互いに相手がどう思うか、相手がそれを必要としているかを忖度しすぎて結果的には放置している状態になるのです。その間を結ぶのは何なのか。何かがこの隙間に上手く入り込めないだろうか。

第三回協議会の終わりの後も私はずっとこのモヤモヤを抱えていました。基本的な支援体制は市政の中にすでにあると思うのです、けれどそれが上手く必要な人に届かない。結局は風呂敷を広げているだけで思う結果が生まれていない。

ふと「退職後の男性向けに健康相談会を開いてみても、実際に来るのは大体奥様の方。」というあの話を思い出しました。

あの時私は「一緒に来てくれるプランがあってもいい。」と考えていました。こんな発想が何かこの問題にも活かせないだろうか。なんだかとても歯がゆい気持ちになりました。

協議会の会場だった市民会館を一歩出ると、私は普通の主婦に戻ります。なんだかガラスの靴が脱げたような虚しい気持ちでした。(そんな美しい物を履いたこともございませんが・・・。)

あと一回協議会に参加すれば、私はもうこんな風に何かの為に一生懸命考えることはないのかもしれない。普段は主婦業の傍ら隣市のスーパーで一般的な業務をしながら販売促進活動をしていますから、仕事に精を出せばいい話なのですが、なんだかとても寂しい気持ちがしたのです。

その話を友人に熱弁していた時の事でした。協議会の事、もっとこうなったらいいと思うという私なりの考え、そして私自身が支援を必要とした時に感じた不足をあらかた聞いた友人は一言。

「そういう経験を活かせる仕事したら?」この言葉を受けて、「働くママの心を守る活動」をしようと決めました。 (つづく)


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 小林 理恵 (こばやし りえ)

群馬県館林市出身。結婚、長男出産を機に栃木県足利市へ、その後次男妊娠の際に群馬県太田市へと住まいを移し、そこで無作為抽出による住民協議会の市民委員に選出される。同会への参加をきっかけに自身の経験を踏まえ「働くママの心を守る」を旗印とした育児支援活動を始める。毎日育児家事仕事にと奮闘中。

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(編集後記)

一人の記者がきっかけで、報道の根幹となる取材(質問)を、国が制限しようとしている。
「事実に基づかない質問で、誤った事実認識が拡散される恐れがある」という。
その一方で、一国を担う人間が、事実をねじ曲げて伝えるのは良いのでしょうか。

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