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タイトル::【No.945】シリーズ 現代の地域医療 ―地域づくりをする医療―(1)
発行日::2020/01/30
本文:

【No.945】寄稿文・新シリーズ 現代の地域医療 ―地域づくりをする医療―

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 構想日本メールマガジン【No.945】 2020.01.30 発行 

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<目次> 

【1】第255回J.I.フォーラム 2月10日(月)

 「構想日本会員 懇談会」

【2】今後の活動予定

  千葉県 君津市「君津まちづくりプロジェクト」2月11日(火・祝)、3月7日(土)

【3】ご紹介 

 (1) 一般社団法人 世界の子供たちのために「福島応援ツアー」

 (2)「報道されない福島の現実」傍聴のお知らせ 2月28日(金)

【4】巻末寄稿文 

 シリーズ 現代の地域医療 ―地域づくりをする医療―(1)

  鳥取県・日南町国民健康保険日南病院名誉院長   高見 徹

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【1】第255回J.I.フォーラム 

 「構想日本 会員懇談会2020」

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これまでのJ.I.フォーラムゲストや、プロジェクト活動にご協力いただいている方にもご参加いただきます。
皆様と一緒に、大いに飲み、しゃべり、盛り上がり、2020年の日本を考えたいと思います。

◯日 時:2020年 2月10日(月) 19:00~21:00(開場18:30)

 ※開始時間にご留意ください。(入退室自由)

◯会 場:レストラン赤坂クーポール 本店(東京都港区赤坂1-1-14 野村不動産溜池ビルB1、TEL:03-3582-4035) 

◯参加費 : 5,000円

◯定 員:50名(立食) 残りわずか
 
◯フォーラムの申し込み方法

⇒HPから申し込み:http://www.kosonippon.org/forum/regist.php
⇒メールをする:info@kosonippon.org
⇒Facebookイベントページの「参加」をクリック
 https://www.facebook.com/events/609190753247546/
⇒電話をする:03-5275-5607
⇒FAX.をする:03-5275-5617

いずれかの方法で、お申し込みください。

☆参加ご希望の方は2月6日(木)12:00までに下記にご記入の上、FAX.他にてお申し込みください。
 なお、キャンセルをされる場合は必ず7日(金)12:00までにご連絡ください。それ以降は、キャンセル料を頂戴致しますので、ご了承ください。

※構想日本会員様の会ではありますが、ゲストも大勢いらっしゃいます。折角の機会ですので、会員以外の方も皆様お誘い合わせの上、ご来場ください。

◯お問い合せは TEL 03-5275-5607

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【2】今後の活動予定

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(1)千葉県 君津市「君津まちづくりプロジェクト」2月11日(火・祝)、3月7日(土)

★君津市「まちづくりプロジェクト」の特徴★
 
 1.最大の特徴は「施設レビューと住民協議会を組み合わせた」プロジェクト。

 2.「施設レビュー」で公共施設の課題整理、そこで出された論点を軸に「住民協議会」を実施。

 3.「無作為に選ばれた3,000人のうち、応募のあった104名の市民」と「H29年度公共施設ワークショップに参加した34人のうち、応募のあった13名の市民」が参加。

【日 時】住民協議会  2月11日(火・祝)、3月 7日(土)13:00~16:00(予定)

【会 場】君津市役所 5階大会議室他(千葉県君津市2丁目13番地1)

 ※会場に関する問い合わせ先:君津市経営改革推進課(電話:0439-56-1260)

【対象施設区分】

 スポーツ・公園施設、市民文化ホール、資料館、市営住宅、公民館等、行政施設、図書館、産業・観光施設、保健・福祉施設、コミュニティ施設、保育園、子育て支援施設・放課後児童クラブ

【参加費】無料 どなたでも傍聴できます(事前登録不要、途中入退室可)

【主 催】君津市 詳細は、君津市HPをご覧ください。 https://www.city.kimitsu.lg.jp/soshiki/8/24788.html

【お問合せ】構想日本 伊藤/今泉 TEL:03-5275-5607 MAIL:shiwake@kosonippon.org

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【3】ご紹介  構想日本が応援している活動などに関するお知らせです。 

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 (1) 一般社団法人 世界の子供たちのために「福島応援ツアー」

今回のツアーは、東日本大震災から9年が経つ福島の今を知るとともに、風光明媚な景色や地場産の新鮮な食材を使った食事、現地の方々との触れ合いを通した、福島を最大限楽しめるツアーになっています。

温泉街の情緒漂う土湯温泉に入り、福島の現状を各地で学び、現地の方々と懇親会を行い、全国一位に輝いた福島のお酒を嗜み、桃源郷と呼ばれる花見の名所も楽しめるツアーはなかなかありません。福島の復興支援のために、福島の“今”を知る旅に出かけてみませんか?

■旅程:2020年4月4日(土)~5日(日) 東京駅発着 一泊二日

■参加費(※バス乗車代、食事代、宿泊費が含まれます。)

一般:22,000円/一人あたり
団体割引:20,000円/一人あたり ※4名様以上でお申し込みいただいた場合に適用となります。
学生割引:14,000円/一人あたり

■行程参考:お花見(福島市花見山)、南相馬市語り部、東京電力廃炉資料館、奥の松酒造、Jヴィレッジ 宿泊:土湯温泉山根屋

 チラシ→ 表 http://kosonippon.org/documents/2019/mail/tirashiuraomote.pdf
裏 http://kosonippon.org/documents/2019/mail/tirashiura.pdf

■お問い合わせ先:一般社団法人 世界の子供たちのために 担当 / 西村

〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台2-5-1 住友不動産御茶ノ水ファーストビル8F

E-mail: info@chefuko.org TEL:03-5577-3155 FAX:03-3291-0011

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 (2)「報道されない福島の現実」傍聴のお知らせ 

 2011年3月福島原発事故によってもたらされた農地への放射性物質除去を求めた裁判。

 まだ何も終わっていません。

 ひとりでも多くの方に来てもらい、知ってもらいたい。決して風化させないで欲しい。

 福島県内初の「農地の原状回復訴訟」 ~差し戻し裁判~ 高裁での第一回審理日

【日 程】 2020年2月28日(金)午後1時30分~(予定)通常は30分前から入場可能

【場 所】 仙台高等裁判所 401号法廷

 http://www.courts.go.jp/sendai-h/about/syozai/sendaimain/index.html   
 住所:〒980-8638 宮城県仙台市青葉区片平1-6-1  電話: 022-222-6111(代表)

 ☆どなたでも傍聴可能です

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【4】シリーズ 現代の地域医療 ―地域づくりをする医療―(1)


  鳥取県・日南町国民健康保険日南病院名誉院長   高見 徹

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はじめに

日本は人生100年時代を迎えて老衰、脳血管障害、末期癌、認知症・精神疾患、運動器障害(フレイル・サルコペニア)、転倒骨折、慢性疾患(心不全・呼吸不全)などによる生活自立障害に対して対応を迫られています。

数年前から厚生労働省も「地域包括ケアシステムは詰まるところ地域づくりです」と言い始め、日本医師会の横倉会長も「かかりつけ医で町づくりをする」と言われ始めています。

現代の地域医療は「地域づくりをする医療」を担う使命があり、これ以外に100年時代をうまく乗り切る方法はないと思われます。従って「現代の地域医療=地域づくりをする医療」と考えてよいのではないかと考えています。

一方日本の高齢化の30年先を行く日南町では、30年前にこのような状況にすでに見舞われていました。日南町では日南病院を中心に「地域づくりをする医療」を掲げて、たとえ生活自立障害となっても安心して暮らせる地域づくりを展開してきました。結果、「寝たきりになっても安心して今居る地域で暮らせる地域づくり」に成功して、全国的な評価も受けてきました。

この30年にわたる経験と実績は、都市が高齢社会を乗り切るために役立つと考えています。日南町は日本の30年後が学べる貴重な地域であり、今後も都市へ「地域づくりをする医療」を伝えて行く使命があると考えています。また、地域づくりをする現代の地域医療はインターナショナルな問題でもあります。

以前に韓国の担当者の方が「日南病院の地域づくりをする医療」の視察に来られたことがありました。このとき日本の地域医療は、今後、韓国のみならず、中国、東南アジア、インドなど今後高齢化を迎える国々の良いモデルとなる使命も背負っていることを痛感しました。今回、そこで「現代の地域医療は地域づくりをする医療である」をテーマに書いてみることにします。

1.高齢社会と地域づくりをする医療

高齢化の大きな流れからみますと、日本の過疎の町は1970年前後に高齢社会に突入し、30年かけて高齢化率は上昇するものの高齢者の絶対人口そのものは減少に転じています。この意味では過疎の町は超高齢社会を抜け出しつつあります。

一方、2000年前後に中小の都市が高齢社会に入り始め、2025年は団塊の世代が75歳以上となり、高齢化が一段と加速することが想定されています。2030年前後に大都市が高齢社会へ突入することが予想されます。

過疎の町にある日南病院は40年前に高齢社会を迎え、地域づくりをする医療で支えなければ対応できない状況に直面しました。この時期は医師確保もままならず、診療所への転換を県より指導されていました。しかし後で述べるような地域づくりをする医療を展開することで危機を乗り越え、以後、経営は31年間連続健全経営記録しました。病院も徐々に大きくなり、現在は一般病床59床、療養病床40床の病院(写真1)となっています。

地域づくりをする医療に関しても多くの経験と実績を持っています。従って都市は高齢化の対応に関しては、ゼロから出発する必要はないと思います。また、そうさせないためにも日南町での経験と実績から生み出された「日南病院の地域づくりをする医療」のノウハウを伝えなければならないと考えてきました。一方、日本は人口が減少しながら急速に超高齢化社会に突入しています。これは世界で初めての経験でもあります。

2.日南病院への赴任理由(自己・病院紹介を兼ねて)

わたしの地域づくりをする医療との出会いは、昭和60年(1985)4月から1年間、鳥取大学医学部附属病院第一内科から日南病院へ派遣された時までさかのぼります。この時に院長をしておられたのが安東良博先生でした。安東院長は広島県の公立みつぎ総合病院の山口昇先生の「地域包括医療」の考え方に感銘を受けられ、地域へ飛び出して「地域包括医療」を実践されていました。私が派遣されたのは日南町で地域包括医療が始まって3年目に当たる年のことでした。

この1年の経験から、

(1)過疎の小さな町が高齢化すると、こんなに医療が大変になる。では、都市が今後高齢化したら一体どうなるのか、という疑問がわいてきました。

(2)「日南町には30年後の日本がある」と考えれば、日南町で勉強すれば、今後必要となる都市の地域医療が学べるかもしれない。

(3)今後は鳥取大学付属病院を辞める時には、日南病院で「都市が高齢化するときの地域医療」を勉強しよう。

以上のことが漠然と頭に浮かんできました。派遣期間が終わる時、安東院長に「(鳥取大学付属病院)第一内科を辞するときには必ず日南病院へ赴任するのでよろしくお願いします。」と伝えて日南病院を去ったことを今でもよく覚えています。

振り返って考えてみると、東京大学医学部保健学科在籍中に実習で学んだ将来人口推計が、自分の人生に知らず知らずの内に大きな影響を与えていたことに後で気付かされて驚きました。

平成5年(1993)4月、鳥取大学付属病院を辞して日南病院へ赴任しましました。このとき鳥取大学の同僚には「どうして高齢者ばかりの過疎の町にある病院へ行くのか?」「なにが面白いのか?」とよく質問されました。

「日南町には日本の30年後があるので、そこで今後必要となる『都市の地域医療』を勉強するために日南病院に行くんだ」と答えていました。しかし当時は「都市に地域医療は必要なのですか?」「都市に地域医療はあるのですか?」など、とうてい理解してもらえる状況にはなかったことを懐かしく思い出だします。

日南町での実践の中で学ばせてもらって、早いもので25年以上になります。この間の経験を踏まえて「現代の地域医療とは何か」を考え続けていました。また、山口昇先生はじめとする全国国保診療施設協議会(国診協)の皆さんや安東良博先生を始めとする日南病院の職員の方々からも「地域医療」の多くを学ぶことが出来ました。今後は自分が学んだ「地域づくりをする医療」をどうしたら都市へ伝えることができるかが大きな課題となっています。

附)

写真1は 日南病院の全景です。 http://kosonippon.org/documents/2019/mail/shasin1.JPG
写真2は 「在宅支援会議の模様」を写したものです。 http://kosonippon.org/documents/2019/mail/shasin2.jpg
写真3は 執筆者、高見徹氏 http://kosonippon.org/documents/2019/mail/shasin3.JPG

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 高見 徹(たかみ とおる)
 
鳥取県日南町国民健康保険日南病院名誉院長。昭和24年、鳥取県大山町生まれ。東京大学医学部保健学科、鳥取大学医学部医学科卒業。鳥取大学附属病院第一内科へ入局。平成5年から日南病院副院長として赴任、院長兼日南町健康福祉センター長、事業管理者を歴任。平成27年3月事業管理者を退任。以降名誉院長として外来、訪問診療に従事している。高齢化社会のモデルとなる地域医療を実践している。

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(編集後記)

新型肺炎がどんどん広まっていますが、何はなくとも基礎体力が一番です。
インフルエンザや風邪などには、20分に一回くらい、お茶を飲むといいそうです。
そう言えば開業医の先生が、お湯のみを机の上に置いていたのを思い出しました。

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