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【No.861】「特ダネではないけれど(24) 行政の中立性をゆがめたのは誰?」 |新聞記者 松浦祐子氏|

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構想日本メールマガジン【No.861】

「特ダネではないけれど(24) 行政の中立性をゆがめたのは誰?」

2018.05.31 発行

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【1】J.I.フォーラム 6月27日(水)開催 15:00~17:00

「そうだったのか! 森友・加計問題の本質 ~国の意思決定や情報管理~」

会場が確定しました! 憲政記念館 会議室です。

【2】活動ニュース

(1) 自治体職員のための講座「市民自治」 in仙台

今週末開催です。 仙台で市民自治を語りませんか。

(2) その他の構想日本の活動

【3】会員募集・寄付のお願い

【4】巻末寄稿文

「特ダネではないけれど(24) 行政の中立性をゆがめたのは誰?」

新聞記者     松浦 祐子

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【1】 第246回J.I.フォーラム  2018年 6月27日(水)

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「そうだったのか! 森友・加計問題の本質 ~国の意思決定や情報管理~」

◯日 時: 2018年 6月27日(水) 15:00~17:00(開場14:30)

※昼開催 時間にご注意ください。

◯会 場: 憲政記念館・会議室(千代田区永田町1-1-1 TEL 03-3581-1651 ) 確定

※場所にご注意ください。

「国会議事堂前駅」2番出口・徒歩7分 「永田町駅」2番出口・徒歩5分

◯登壇者: 前川 喜平(前文部科学事務次官)

木原 誠二(衆議院議員)

加藤 秀樹(構想日本 代表) (敬称略)

◯コーディネーター : 伊藤 伸(構想日本 総括ディレクター)

◯主  催 : 構想日本

◯定  員 : 150名

◯参加費 : 一般 2,000円 / 学生 500円 (構想日本会員は無料です)
※学生の方は受付にて学生証をご提示ください。

事前にお申し込みください ☆懇親会はございません。

※フォーラムへのご参加はお電話、FAX、E-メール info@kosonippon.org へお願いします。

HPからのお申し込みはこちら http://www.kosonippon.org/cp-bin/wp/forum/index.php

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【2】(1) 新しくスタート! 自治体職員のための講座「市民自治」

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こんな方にお薦めです

1、自分の自治体を良くしたい方
2、同じ志を持つ、横のつながりを作りたい方
3、小さなことでも何か行動を起こしたい人

2004年から2016年までの13年間東京財団が実施していた自治体職員研修プログラム「週末学校」のOB・OGが中心となって企画・運営しています。
全国各地からOB・OGは約240名にのぼり、各自治体で学んだ内容を活かすとともに、相互の交流は今でも盛んに行われています。

そこで、この蓄積とネットワークを、「何かしよう!」と考えている自治体職員にも、さらに発展させたいと考えています。

自らの地域をなんとかしたいと考えている自治体職員の皆さま、ぜひ仙台でともに学びましょう!

◯日 時:2018年6月2日(土) 13:00-18:00 ※終了後懇親会を予定

6月3日(日) 10:00-16:00

◯場 所:トークネットホール仙台(仙台市民会館)(宮城県仙台市青葉区桜ヶ岡公園 4-1)

◯プログラム(予定):

・グループディスカッション「人口減少時代の自治体に求められること」

「自治とは何か」福嶋浩彦 氏(中央学院大学 教授・元消費者庁 長官・元我孫子市長)
「持続可能社会への挑戦~資源循環型モデルが小規模多機能自治を活性化させる~」 熊野英介 氏(アミタホールディングス株式会社 代表取締役 会長兼社長)
「事業仕分けの本質と活用」伊藤伸 氏(構想日本 総括ディレクター)

・模擬事業仕分け

◯受講料:2日間 5,000円 (懇親会費は別)

◯主催:福嶋浩彦、「市民自治」世話人会

◯協力:構想日本

参加申し込み:下のURLよりお申し込みください
http://www.kosonippon.org/cp-bin/wp/project/detail.php?id=765

お問い合わせ:「市民自治」事務局 構想日本 伊藤/田中
TEL 03-5275-5607 FAX 03-5275-5617
Mail project001@kosonippon.org

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(2) その他の構想日本の活動

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< 講義 >

2018年4月~隔週金曜日 京都大学経済学研究科・経済学部 特殊講義「公共経営論1」(前期)(代表 加藤秀樹)

公共政策の各論を毎回ゲストの講義で進めます。

これまでのゲストは、山口 周氏(著作家、コーン・フェリー・ヘイグループ株式会社 シニアクライアントパートナー)、越 直美氏(滋賀県大津市長)、辻田真佐憲氏(作家、近現代史研究者)。

次回のゲストは、奥田知志氏(NPO法人抱僕 代表理事)です。

2018年4月~毎週木曜日  法政大学 大学院「NPOと事業創造」「NPOとヒューマンリソース」(総括ディレクター 伊藤伸)

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【3】会員募集・寄付のお願い

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構想日本は非営利独立の政策シンクタンクで、政策を「提言」するだけでなく「実現」するために活動しています。

政策を作り世の中を動かすためには、想いを共有していただける方々のご支援ご協力が不可欠です。

政治がこのままではいけないと思う人、日本をもっと素敵な国にしたいと思っている人・・・是非、構想日本の活動にご参加、ご支援ください。

◯構想日本会員(個人)年会費1口10,000円(1~10口)、入会金2,000円 (WEBからお申し込みいただく場合は入会金免除)

◯構想日本会員(法人)法人会員A 年会費1口300万円、入会金30万円/ 法人会員B 年会費1口 50万円、入会金30万円/ 法人会員C 年会費1口 10万円、入会金5万円

詳細は、こちらからご覧ください。 http://www.kosonippon.org/cp-bin/wp/info/index.php#member

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【4】寄稿文 「特ダネではないけれど(24) 行政の中立性をゆがめたのは誰?」

新聞記者     松浦 祐子

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国会の内外で、森友学園への国有地売却と、加計学園の獣医学部新設のそれぞれの経緯をめぐる疑惑がくすぶり続けています。私はこれらの問題を直接取材してはいないのですが、長らく財務省や内閣府を含む霞が関の役所(行政)と関わってきました。その経験も踏まえ、「行政の中立性」という観点から、この問題を考えてみたいと思います。

二つの問題ともに、案件自体は多くの国民に関係する話ではありません。例えば、病院で治療を受けた時の自己負担の額を引き上げるといった政策変更の決定ならば、多くの人が「自分ごと」として、「負担が増えるのは嫌だな」とか、「少子高齢化を考えると仕方がないな」などと、感想が浮かぶでしょう。

一方で森友問題も、加計問題も、その小学校や獣医学部への進学を検討していたというような人以外は、一般の国民には「直接的には」関係がありません。それにもかかわらず、多くの国民が「なんだか、おかしい」「何か裏があるのではないか」と関心をもち、疑惑の追及を求めているのは、なぜでしょう。

最大の理由は、もちろん行政府の長である安倍晋三首相の名がちらつく事案だということです。

国民から税金を集め、それを社会に再分配したり、規制をかけたりする機能を担う「行政」に求められるのは、何よりも「中立性」です。首相の「お友達」だから国有地の売却額が不当に値引きされたり、国家戦略特区の事業に選ばれたり(その後には、私学助成金などで税金が投入されます)するのは、中立性に反します。

これまでも、特に公共事業の予算配分などをめぐっては、政治家の行政への口利きで配分先が決められているのではないかという疑念がもたれてきました。この疑念を解消し中立性を保つために、2008年施行の国家公務員制度改革基本法では、政治家や秘書が役人と接触した時には記録を作成し、公開することが定められました。ただ、こちらは残念ながら活用が進んでいないのが現状です。

一方で、事業を進める順番を計画で定めたり、選定基準を文書で細かく定めたりするなどの改善策が講じられてきました。これらの「文書」を盾に、行政を担う役人は、政治家の要求をはねのけようと努めてきた面もありました。

今回の二つの問題は、かつてないほどに、安倍首相の名を前面に出して働きかけが行われたことが、行政の側の対応の混乱をまねいたと思われます。

法律、先例に従って働くことを旨とする役人は、法律、先例がないことへは身動きが取れなくなりがちです。もちろん森友問題の発覚後に、決裁文書が改ざんされたり、学園との交渉記録が廃棄されたりといったことは、許されるものではありません。

一方で、問題が発覚した時に、行政府の長である安倍首相がきちんとした調査を積極的に指示していたならば、行政側の対応は変わっていたのではないかと思うのです。危機管理は、長であるリーダーこそ、やるべき仕事です。そして、行政の中立性に疑念を抱かせるような振る舞いをした秘書や幹部らは、たとえ、首相にとっては良き側近であったとしても、処分し、責任を取らせるべきなのです。そうでなければ、同じことが繰り返されてしまいます。

また、中立的な行政に疑義が生じた場合、現場の役人から異議を唱えるシステムが機能していないことも、今回の問題は明らかにしました。法律に照らして考えた場合、中立性が疑問視される仕事を政治家や幹部から指示された場合、現場の役人が「ノー」と言えるシステムを作り上げること。

二つの問題の経緯の解明の後に、そこまで行きつかなければ、行政の中立性への国民の信頼、それはつまり政府への信頼――は回復されないのだろうと思います。

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松浦 祐子 (まつうら ゆうこ)

1974年 神戸市生まれ。大学院修了後、1999年新聞社に入社。和歌山、高知での地方勤務、東京での雇用、介護分野、厚生労働省、財務省担当、新潟で県政取材、内閣府担当を経て、今は再び厚生労働省担当。

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(編集後記)

構想日本では、地方自治体職員の方の派遣研修を受け入れています。
基本1年間で、毎年、個性溢れる方々にお出でいただいております。
皆様の自治体にお邪魔した際には、暖かく見守っていただければと思います。

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