【No.1005】「今こそローカリズム 日本の祭シリーズ第五十二弾 八戸三社大祭」 |至学館大学 コミュニケーション研究所長  石田 芳弘氏|
2021.04.15

【No.1005】「日本の祭シリーズ第五十二弾 八戸三社大祭」至学館大学 コミュニケーション研究所長 石田 芳弘氏

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構想日本メールマガジン【No.1005】 2021.4.15 発行

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<目次>

【1】新企画「あなたの“うんざり”が、社会をつくる」

【2】今後の活動予定

「自分ごと化会議in松江」(第3回)第2期のテーマは「自然エネルギー」4月18日(日) 島根県松江市

【3】ご紹介

(1) 日本再発見塾呼びかけ人黛まどか氏たちによる「京都×俳句プロジェクト」クラウドファンディング

(2) 公財)五井平和財団 2021年度 国際ユース作文コンテスト 募集

【4】巻末寄稿文

「今こそローカリズム・日本の祭シリーズ第五十二弾 八戸三社大祭 2019・8・3」

至学館大学 コミュニケーション研究所長  石田 芳弘

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【1】新企画「あなたの“うんざり”が、社会をつくる」

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加藤秀樹です。
突然ですがみなさん、家庭で、職場で、社会のことで“うんざり”していることはありませんか?

私も、だらだらと続く「コロナ感染対策」「やることをやらない政治家」(そのくせ失言とその撤回はしょっちゅうしてますが)などに“うんざり”しています。

“うんざり”は 昔風に言うと世相を反映している、違う言い方をすると、日々の生活実感「リアリティ」が詰まっていると感じます。
実は、“うんざり”は社会のあり方を考えるヒント、アイデアの宝庫なのです。

そこで、皆さんの“うんざり”を通して、今の社会が抱える問題や、そこから解放される方法、社会のあり方など一緒に考えていきたいと思います。
まずは皆さんの“うんざり”をできるだけたくさん教えてください!

■新企画「あなたの“うんざり”が、社会をつくる」への参加方法

1、本メールに「“うんざり”していること」を返信する
2、下記のURL先で「“うんざり”していること」を入力・回答する
https://forms.gle/PkFNDXgrvgadhnvb6

※皆さんからいただいた“うんざり”は、本メールマガジンや構想日本HPで公表することがありますのであらかじめご了承ください。
※氏名は任意です。ニックネームでも問題ありません。

(“うんざり”の例)
●テレワークで一日中家にいても家事をしないパートナーに“うんざり”
●キャンパスライフを夢見ていたのにオンライン授業ばかりで“うんざり”
●どうでもいいニュースをもっともらしく伝えるワイドショーに“うんざり”
●まん防でも緊急事態宣言下でも満員電車に乗ってる自分に“うんざり”
●自分でつくれるのに、何でも買う方が楽と思ってい待っている自分に“うんざり”しています
●所属する会社のビジョンが「イノベーションで限界を超える。」その発想が過労を生み出していると“うんざり”しています
など

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【2】今後の活動予定

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全国初!住民による住民のための住民協議会。

第3回自分ごと化会議in松江を開催 4月18日(日)

テーマは「自然エネルギー」

★自分ごと化会議in松江の特徴

1.行政でも議会でもなく、住民団体が主体となって開催する自分ごと化会議は、全国でここだけ!
2.無作為抽出された市民の中から応募のあった市民19名と島根大学の学生5名が、自然エネルギーの今後の可能性や課題について議論。
3.議論を通して見えてきた課題に対して市民、地域、行政、民間企業などができること、市民が日常生活で感じる身近なことを基に、行政や関連企業などへ改善提案を行う。

【日時】第3回:4月18日(日)13時30分~16時30分(予定)
【主な内容】第2回の改善提案シートをまとめたものを基に、市民参加者間で議論。
【主催】自分ごと化会議in松江実行委員会
【会場】松江市市民活動センター交流ホール
【傍聴】
新型コロナウイルス感染拡大防止の対策として、会場での傍聴及びご取材は、松江市在住の方のみとします。

第3回の様子は、YouTubeで限定公開します。
事前に実行委員会にお申込みをいただいた方にのみ、YouTube上で視聴できるURLをお送りします。
ご取材やYouTubeで視聴するための事前申し込みは、下記の問い合わせ先にご連絡ください。

▼問合せ先「自分ごと化会議in松江」実行委員会
メールアドレス:jibungotoka@gmail.com

今後の日程:第4回5/30、第5回7/4 13時30分~16時30分予定
詳細はこちら → https://www.kosonippon.org/wp-manager/2021_matue_2/

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【3】ご紹介  構想日本が応援している活動に関するお知らせです

いま、私たちに一番身近な「いのち」がテーマです。現在の世界の状況を表しているようです

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(1)日本再発見塾呼びかけ人黛まどか氏たちによる「京都×俳句プロジェクト」クラウドファンディング

<一次目標達成、次のゴールへ> 黛まどか氏より

言葉の力を通して「いのち」の尊さを見つめ直し、世界中にいる俳句を愛する人たちとオンラインで出会い、共にこのコロナパンデミックを乗り越えていきたい。

そのような思いから、「京都×俳句プロジェクト」では4月5日よりクラウドファンディングを開始し、5日間で目標金額を達成しました。

ご支援や応援をしてくださった皆さま、SNS等で拡散にご協力いただいた皆さまに心より御礼申し上げます。
本当にありがとうございました。

しかし、クラウドファンディングはまだ始まったばかりです。
より多くの方に「世界オンライン句会」を知っていただくため、ネクストゴールを設け、残りの期間全力で進んでまいります。
こちらから → https://readyfor.jp/projects/sekaionlinekukai

ネクストゴールを達成したら、原発事故で全村避難をした福島県の飯舘村で「世界オンライン句会」を開催します。

飯舘村は日本再発見塾の開催地(福島県内での開催は3回)であり、全村避難中に再発見塾の仲間で草むしりや掃除をした村です。

また私は、飯舘村の掲げる「までいな」(「丁寧に」「心をこめて」という意味)むらづくりの一環として行ってきた「愛の俳句募集」に選者として関わり、多くの村びとと、親交を深め、までいなくらし命と関わってきました。

今回のプロジェクトは村の人たちと共に、復興する飯館村の姿を世界に発信し、美しく豊かな飯舘村を「現代の歌枕」にするための活動の原動力にしたいと願っています。

ネクストゴールの詳細につきましては改めてご報告させていただきます。
新たなリターンなどもご案内する予定ですので、引き続き皆さまのご支援をよろしくお願い申しげます。

京都×俳句プロジェクトに世界から応援メッセージが届いています。
ぜひご覧ください。こちら → https://youtu.be/ws53O9_RtbY

また、京都×俳句プロジェクト「世界オンライン句会」応援グループのFacebookもできました。一人でも多くの方の「いいね!」やシェアをお願いします。
こちら → https://m.facebook.com/groups/490432085305257

みなさま、是非このプロジェクトの応援・ご協力をよろしくお願い致します。
「京都×俳句プロジェクト」 ホームページ:https://kyoto.haiku819.jp/

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(2)公財)五井平和財団 2021年度 国際ユース作文コンテスト 募集

国際ユース作文コンテストは、平和の文化と持続可能な地球社会を築いていく上で、子どもや若者たちのエネルギーと創造性、自発性を生かすとともに、あらゆる世代の人々が彼らの発想から学び、より良い世界のために何ができるか、それぞれに考え、行動することを奨励する目的で毎年開催されています。

【テーマ】「いのちって何?」

あなたにとって、いのちとは何でしょうか。いのちについて考えるきっかけとなった体験はありますか。自分やあらゆる生命を大切にし、いきいきと生かすために、 あなたはどんなことができますか。

【応募資格】 ・子どもの部(小学生・中学生) ・若者の部(高校1年生から25歳まで)
【応募方法】 オンライン応募または郵送(下記応募宛先まで)※Eメールでは受け付けません
【締切】 2021年6月15日(火)必着
【応募規定】 詳細は こちらから → https://www.goipeace.or.jp/work/essay-contest/
【応募宛先/お問合せ】 公益財団法人 五井平和財団 「国際ユース作文コンテスト」係
〒102-0093 東京都千代田区平河町1-4-5 平和第1ビル essay@goipeace.or.jp TEL: 03-3265-2071

※本コンテストは、ユネスコの「持続可能な開発のための教育:SDGs達成に向けて(ESD for 2030)」を推進する事業です。

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【4】「今こそローカリズム・日本の祭シリーズ第五十二弾 八戸三社大祭 2019・8・3」

至学館大学 コミュニケーション研究所長  石田 芳弘

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ユネスコの無形文化遺産に登録された祭の組織「全国山・鉾・屋台保存連合会」(33団体)が毎年総会を開く。またこの組織に属す関係者で、祭を維持する伝統技能の研修会もある。それぞれの祭例日に総会や研修会を開催してくれると祭が見学できて楽しい。ただし、祭に忙しく、総会の世話などしておられんというところもある。

今年(2019)は7月31日から8月4日の八戸三社大祭に合わせ、連合の総会と研修会が八戸市で開催、犬山祭保存会長として出席した。この連合に所属する祭は、ヤマ・ホコ・ヤタイ・ダンジリ・ダシなど処により名称は違うが、いわゆる巨大な構築物に神を呼び、曳き回すという形態であり、京都の祇園祭がルーツである。連合会の事務局は秩父市にあり、研修会は京都市が事務局を務めている。

会場の八戸パークホテルに全国から祭関係者が大勢集まった。来賓挨拶が相次ぎ、あとは決まりきった議事が進行され、どこにもある総会風景であったが、続いて文化庁後援による研修会はこの組織ならではの内容で、八戸三社大祭の屋台に乗る武田信玄の人形衣装を修理した話を中心に伝統的染織品の保存修理についての解説であった。夜の懇親会は港町らしく、鮪の解体ショーなど大いに盛り上がる。祭関係者はすべて自分のまちと祭ファースト、会話の片言隻句にライバル心も刺激され、まさに土着文化の鍔迫り合い、ローカリズムサミットとなった。

さて、八戸三社大祭について語ろう。

祭はそのまちの歴史の缶詰であるというのが私の持論だ。それを知る補助線として、そのまちについて何らかの予習をして出かけるといい。工藤竹久氏著作の「八戸三社大祭」は、故郷への誇らしさ溢れる秀作で大変参考になった。著者が市役所職員のOBであることもローカリズムの好例といえる。

どこへ行ってもまずその祭を主宰する神社に参ることから始めるのが私の流儀だが、八戸三社大祭の原点は、おがみ※神社である。おそらくこの土地の人以外はこの字は読めないと思われるようなまことに珍しい名前の神社に出会い、のっけからこの祭の何かそこはかと漂う未知の奥域を感じた。おがみ※神社はもともと法霊大明神(ほうれいだいみょうじん)といい神仏習合の神(水や雨をつかさどる神)であったらしいが、この場所に二万石八戸藩の中心八戸城が建てられたというからまさにここが八戸の原点であろう。1721年法霊大明神の神輿行列が長者山新羅神社の御旅所に渡御、1886年に神明宮を加えて今日の三社大祭となったという。おがみ※神社から長者山新羅神社へ向う3キロにも及ぶ「御通り」と呼ばれる神社行列は京都の時代まつりと重なったが、八戸の歴史博物館のライブを見るようで、土地の信仰と物語を知った。

ところが一転。「附祭」と呼ぶ、神社行列の後に来る山車(だし)行列に仰天。岩山車・建物山車・波山車・香蘭山車の4類型に分けられるが全部で27台、古今東西の英雄・豪傑物語の場面が作り付けの仕掛けで豪華絢爛登場する。祭用語で「風流(ふりゅう)山車」というが、「ふりゅう」とは「ふうりゅう」の意、往時は歌舞伎もそうだが庶民階層のヤンキーがド派手に騒ぐ、かぶいた文化表現であった。山車の周りには老若男女楽器に合わせ歌ったり踊ったり興奮のるつぼが延々と続く。実は、山車の上のド派手な仕掛けは電動モーターで動き、広がった時は幅8メートル、高さ10メートルにも達するし、素材は発泡スチロールとくる。さらに、山車の土台はトラックシャシーで車輪はゴムタイヤ、運転手がハンドルを握っていた。小林幸子ショー×5を連想すればよい!

ある伝統的な祭が、かつて東京ドームへこの八戸三社大祭の山車と並べて出展したことがあった。「何であのゴムタイヤがユネスコ無形文化遺産かね・・・」を小耳にはさんだことがある。

しかし、八戸三社大祭の淵源は500年の昔、五穀豊穣や雨ごいなどを祈祷した法霊大明神に始まる。日本の神は八百万の神、すなわち自然崇拝だ。その自然崇拝の神事を継承しつつ時代とともに変わるところは変わったかもしれないが、八戸三社大祭にユネスコの目指す地球環境重視のサステナブル・ディベロプメント(持続可能な経済発展)の精神を見、小林幸子ショーもいいかも、と納得。日本列島お盆の雑踏の中、帰路に着いた。

注 ※の字は 雨冠の下に 口が3つ その下に龍 の字

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石田 芳弘(いしだ よしひろ)

愛知県議会議員、犬山市長、衆議院議員など、地方、中央の政治と行政を経験。特に教育、文化行政に力を入れた。「まちは生涯学習の最良の教室である」というのが持論であり、学校教育も生涯学習の一環であると考え、市民が教師の総合学習や全市博物館構想を推進。また、シンクタンクの研究員として先進国の地方議会を視察、研究。我が国地方議会も議院内閣制を導入すべしという、地方議会改革論議のオピニオンリーダーである。

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(編集後記)

誰しも、すすんで病気になりたい人や事故に遭いたい人は稀だと思います。
新型コロナ対策、個人に出来ることは皆様すでにされているのではないでしょうか。
感染症対策の基本は「検査と隔離」。感染症専門医が訴えていたのを思い出します。

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