【No.505】欠かせない愚直で真摯な報道姿勢
2011.06.02

■□■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
J.I.メールニュースNo.505 2011.06.02発行
欠かせない愚直で真摯な報道姿勢
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■□■
【1】 ホームページのデザインを刷新しました
【2】 欠かせない愚直で真摯な報道姿勢
朝日新聞東京本社 編集局生活グループ記者 高橋 美佐子
【3】 第166回J.I.フォーラム 6月30日開催

〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

【1】ホームページのデザインを刷新しました
6月1日より構想日本ホームページをより見やすくするためにデザインを
新たにしました。
これからも事業仕分けやJIフォーラム等、様々な情報をホームページから
発信していきます。
新しくなったホームページを、是非ご覧ください。
https://www.kosonippon.org/wp-manager/

【2】  欠かせない愚直で真摯な報道姿勢
朝日新聞東京本社 編集局生活グループ記者 高橋 美佐子

東日本大震災の発生後2週間目に、新聞紙面の2面半分を埋め尽くしていたの
は「身元不明遺体情報」だった。
例えば「▽10代女性=交番裏で発見。学生服、大船渡高校 ii-4のバッジ」、
あるいは「▽70代女性=海上で発見。『ヨコオ』と記載の肌着、やせ形」など。
延々に続く手がかりを目で追いながら、説明のつかない涙がこみ上げ、活字がぼや
けて読めなくなった。
東日本大震災発生1カ月後、私は岩手県大船渡市と陸前高田市に3日間、取材に
訪れた。この地域で2軒に1軒が購読する地元紙「東海新報」の奮闘を伝える記事を
全国版で書くためだ。震災翌日から自家発電で発行し続ける過去の紙面に目を通し
ながら、非常事態下で人はどんな情報を心から欲するかや、その伝達方法について
深く考えさせられた。
全国紙記者である私は大震災以降、東京・築地の本社に缶詰になった。ライフラインの
復旧状況や、被災者の生活全般に有益な「お役立ち情報」に丸1ページを割く「支援
通信」面キャップを任された。
私のライフワークは長寿高齢化が進む日本で今後、誰もが直面する「排泄トラブル」
だ。阪神大震災以降、断水した避難所のトイレの課題は数多くの研究がなされており、
よりましな使用方法をイラスト入りで記事にしていた。
そんな自分が現場に降り立った瞬間、平衡感覚を失った。津波が襲った陸前高田の海辺
一帯は何もかもが巨大な力に押し流され、かろうじて残った建物の鉄骨にたなびく衣服の
ハギレが痛々しい。大船渡中心地の家々の瓦礫は、ひん曲がった交通標識などすべて巻き
込んで果てしなく連なる。絨毯爆撃を受けた遠い国の戦場に紛れ込んだような感覚に
陥った。
家を流された人は車も失っていた。移動手段を完全に奪われた上、電話回線も遮断して
いる。つまり行方不明の家族が安置されているかもしれない所へ簡単に出向けないうえ、
そこの名簿の中身を第三者に教えてもらうのも困難ということだ。だから、地元紙は
大きなスペースを割いて身元不明遺体情報を載せ始める。そして社員が避難所に無料で
配りに行くのだ。もう13日目というのに。
震災当日、東京の幹線道路は深夜まで大渋滞し、大量の帰宅困難者が車道まであふれた。
誰もが真っ先に家族や大切な人たちの安否を確認した。それが自宅へ歩き出すか、その
場にとどまるかの判断材料になった。
復旧復興が進まない被災地の今を、それ以外の場所で暮らす人々が、どうすればリアルに
感じて行動につなげられるか。そこには「身近な命」を想起させる、愚直で真摯な報道
姿勢が、震災発生後50日以上たった今も欠かせない気がしている。

【3】  第166回J.I.フォーラム 6月30日開催
――――――――――――――――――――――――――――――――
福島県飯館村長の話を聞く(仮)
○日 時: 平成23年6月30日(木) 18:30~20:30
○会 場: 日本財団ビル2階 大会議室
港区赤坂1-2-2 TEL 03-6229-5111(代)
http://www.nippon-foundation.or.jp/org/profile/address.html
※会場のセキュリティの都合上、本案内状を会場1階で提示してください。
○開 演: 18時30分(開場:18時)
○ゲスト :菅野典雄(福島県飯館村長)
斗ヶ沢秀俊(毎日新聞水と緑の地球環境本部長/東京本社編集編成局編集委員)
○コーディネーター : 加藤秀樹(構想日本)
○定 員: 160名
○フォーラム参加費: 2,000円(シンクネット・構想日本会員は無料です)
○懇親会参加費: 4,000円
(ご希望の方は下記懇親会参加に○印をつけてください)
※ゲストを囲んで、下記の会場で懇親会を開催いたします。
「頤和園(いわえん)溜池山王店」
港区赤坂1-1-12 TEL 03-3584-4531
(http://www.iwaen.co.jp/tameike/)
————————————————————–
参加ご希望の方は、6月29日までに出欠の是非を、下記のメールアドレス
にお申し込み下さい。
forum@kosonippon.org
お名前

所属

ご連絡先

懇親会に     参加する      参加しない
————————————————————–
*参加申し込みに関するお問い合せは、
事務局 木下明美まで。TEL 03-5275-5665
*内容に関するお問い合せは、
フォーラム担当 西田陽光まで。TEL 03-5275-5607
————————————————————–

〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
●JIメールニュースは、政策シンクタンク「構想日本」の活動情報などをお届け
する無料のメールマガジンです。1.代表及びスタッフが名刺交換させていただ
いた方、2.ホームページで直接購読を申し込まれた方にお送りしています。
配信停止をご希望の方は、「配信停止希望」と明記の上、このメールマガジン
にご返信ください。
●登録・配信停止・アドレス変更は、news@kosonippon.org へご連絡いただく
か、https://www.kosonippon.org/wp-manager/mail/regist.php で手続きしてください。
●みなさんの個人情報は、構想日本が厳重に管理し、構想日本の活動に関
わるご案内をお送りする以外、使用することはありません。
●転載は大歓迎ですが、「構想日本 JIメールニュースno.xxxより引用」の
ように、一言添えていただければ幸いです。またinfo@kosonippon.org宛てに
転載の旨、ご一報いただければ幸いです。
●みなさんのご意見をお待ちしています(800字以内でお願いします)。
info@kosonippon.org
いただいたご意見などは、バックナンバーと共に「読者の声」として以下に掲載
しています。 https://www.kosonippon.org/wp-manager/mail/index.php
不掲載をご希望の場合は、必ずその旨を明記して下さい。
また、氏名、肩書きは、特にご指示がなければそのまま掲載します。
イニシャル、匿名、ハンドルネーム使用の場合は必ず明記して下さい。
なお、盗作、名誉毀損、人権侵害、差別的な記述などの投稿は、禁止いたしま
す。
●好評の「ポリ吉ブログ」もご覧下さい。 http://blog.kosonippon.org/
●過去の「ワンクリックアンケート」の投票結果をご覧いただけます。
https://www.kosonippon.org/wp-manager/enquete/backnumber.php
●書籍『入門 行政の「事業仕分け」』、『構想日本』シリーズの第1~4巻など
、好評発売中です。
https://www.kosonippon.org/wp-manager/books/index.php
●構想日本提供の「政治家・政策データベース」もご覧下さい。
http://db.kosonippon.org/
□■□ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
発行 : 構想日本、発行責任者 : 加藤秀樹
info@kosonippon.org
https://www.kosonippon.org/wp-manager/
Copyright(C) 1999-2011 -構想日本- All rights reserved.
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □■□