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【No.589】TPPと農協貯金の矛盾

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J.I.メールニュース No.589 2013.02.07発行

TPPと農協貯金の矛盾

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【1】 TPPと農協貯金の矛盾
京都大学経済学研究科・経済学部 特任教授 宇野 輝

【2】 第186回J.I.フォーラム 2月27日(水)開催

【3】 伊勢原市議会で、会派主催の事業仕分け試行!

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【1】 TPPと農協貯金の矛盾
京都大学経済学研究科・経済学部 特任教授 宇野 輝

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「当金庫は農林水産業者の協同組織を基盤とする全国金融機関
として、金融円滑化を通じて農林水産業の発展に寄与し、もっ
て国民経済の発展に資することを、その目的としています。」

この文は農林中金の最高経営責任者が平成24年度のディスク
ロージャー誌の冒頭で経営戦略を述べたものです。しかし、
農林中金の資金運用を見ると、実際の経営方針は「農協会員
への安定的収益還元に努めること」だと思わざるを得ません。

農林中金は、バブル崩壊後、「失われた10年」の間に産業融
資部門を縮小し、末端の農協組織を整理統合し、非効率店舗
を急速に廃止していきました。また、クレジットカード部門
をメガバンク系カード会社に売却するなど、リテールバンキ
ングから撤退し、有価証券運用に徹するいわゆる「農中ビジ
ネスモデル」に転換しました。ところが、これらが裏目に出
て、平成20年のリーマンショックで巨額の運用損を出したこ
とは記憶に新しいと思います。

しかし、その期末には1兆3,805億円の増資を行い、資本金が3.4
兆円という巨大な金額になりました。連結自己資本比率は平成
21年3月期で15.56%でしたが、平成24年3月期は24.67%となり、
再びリスクの高い外国有価証券運用によるハイリターンの下、
国際部門の収益を上げています。いまや農林中金は、海外では
「日本最大のヘッジファンド」として知られているのです。

平成24年3月期の決算では有価証券の運用平均残高42.3兆円で、
そのうち国際部門のシェアは59.6%となっています。国際部門
の資金運用収支額は2,075億円の黒字で資金粗利鞘は0.85%と高
いのに対して、国内部門は国債に15.6兆円運用しており、資金
運用利回りは0.55%と低くなっています。

国内部門の資金粗利鞘は0.35%減となり、資金運用収支額は1,444
億円の赤字となりました。この赤字の要因は、平均調達残高48.4
兆円のうち下部組織からの定期貯金(系統預け金)が34.1兆円
でシェアの70.1%を占め、資金調達利回り(預金者にとっての
金利)が0.90%と異常に高いことにあります。信農連の系統預
け金30.9兆円をリスクのない高利回りの定期貯金として農林中
金に運用することによって、その収益で信農連の組織を維持し、
更に全国の下部組織である農協等の組織を維持していると推測
できます。

このように、農林中金は農協組織全体を維持するために出した
赤字を埋めるために、外国債券や外国投資信託への運用収支利
益によってリスクの高いビジネスモデルを引き続き維持してい
かねばならないという状況なのです。

農協グループ全体の根源的な88兆円の貯金は、単純合計でも41.5
兆円が貸出金に運用され、預貸率(預金に対する貸出の割合)
は47.2%にしかなっておらず、貸出先を見ても直接農林水産業
に貸し出されている金額は極めて少ないのです。我が国の農林
水産業の改革や育成のための投資をせずして外国企業に投資し、
外国の産業育成によって金融収益面での恩恵を受けている。そ
の一方で、「食糧自給率低下の危機」や「農林水産業衰退防衛」
を訴え、農林水産品については外国の参入を拒みTPPに反対する。
これは全く自己矛盾した行動ではないでしょうか。

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【2】 第186回J.I.フォーラム 2月27日(水)開催

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新人議員よ、大志を抱け

衆議院新人議員に日本が直面する政治課題に
ついて考えを聞きます。

※ 前回フォーラム時に、次回は就職、雇用をテーマにすると
ご案内しましたが、上記のように変更しました。
ご了承下さい。

○ 日時:平成25年2月27日(水)

○ 会場: 日本財団ビル2F 大会議室
港区赤坂1丁目2番2号 TEL : 03-6229-5111
(http://www.nippon-foundation.or.jp/about/access/)
○開演: 午後6時30分(開場:午後6時00分)

○ゲスト:【自民党】
井林辰憲、金子恵美、小林鷹之、斎藤洋明、
白石徹、津島淳、中川俊直、藤井比早之、
細田健一、務台俊介、村井英樹(各議員)
【維新の会】
足立康史、遠藤敬、重徳和彦、杉田水脈、
高橋みほ、西田譲、西野弘一、馬場伸幸(各議員)
【みんなの党】
井坂信彦、佐藤正夫、椎名毅、三谷英弘(各議員)

※ 各政党につきましては、議席数の順に記載させて頂きました。
尚、各議員のお名前はあいうえお順です。

コーディネーター: 加藤 秀樹(構想日本 代表)

○主催: 構想日本

○定員: 160名

○フォーラム参加費: 2000円(シンクネット・構想日本会員は無料です)

○懇親会参加費: 4000円
ゲストを囲んで、下記の会場で懇親会を開催いたします。

「ビストロ ボンファム」
港区赤坂1-3-13 TEL 03-3582-0200
http://www.bonne-femme.jp/index.htm

交通のご案内
http://www.bonne-femme.jp/access.html

※懇親会をキャンセルされる場合は必ずご連絡下さい。
直前のキャンセルの場合、キャンセル料を申し受けます。

————————————————————–
参加ご希望の方は、【2月26日(火)】までに出欠の是非を、
下記のメールアドレスにお申し込み下さい。
forum@kosonippon.org

お名前

所属

ご連絡先

懇親会に     参加する      参加しない

————————————————————–
*参加申し込みに関するお問い合せは、
事務局 木下明美まで。TEL 03-5275-5665

*内容に関するお問い合せは、
フォーラム担当 西田陽光まで。TEL 03-5275-5607
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【3】 伊勢原市議会で、会派主催の事業仕分け試行!
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神奈川県伊勢原市議会の会派主催による事業仕分けが、
以下のとおり試行として実施されます。
構想日本は、企画運営の協力及び当日の評価者として
参加します。

◯伊勢原市(議会会派主催、試行)

【日時】 平成25年2月9日(土) 13:00~17:00

※会場の都合上、傍聴は先着順ですが、事前申込みを
受け付けています。
事務局担当(舘議員、電話090-2501-5617)まで
お申込みをお願いします。

【会場】 伊勢原シティプラザ 1F ふれあいホール
(神奈川県伊勢原市伊勢原2-7-31)

【対象事業】 3事業

(1)大田ふれあいセンター運営事業
(2)マッチワークいせはら事業
(3)あやめの里づくり推進事業

【参加者】

事業説明者:伊勢原市職員
スーパーバイザー:伊勢原市議会創政会所属議員
コーディネーター・評価者:構想日本事業仕分けチーム
:荒井英明(厚木市職員)
伊藤伸(構想日本 総括ディレクター)
川嶋幸夫(構想日本 政策ディレクター)
伊勢原市議会創政会所属議員

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