構想日本が考える日本の姿「低コスト・高満足社会」(3/6)

新しい日本の設計図

 

では、この「三すくみ状態」からどうすれば抜け出せるのでしょうか。
「三すくみ状態」から脱出し、将来に向けた21世紀型国家モデルを明確に示している学者も政治家もまだ見あたりません。
トランプ大統領やイギリスのEU離脱が選ばれたのも、西欧各国で過激な主張をする政党が勢力を伸ばしているのも、この「三すくみ状態」から抜け出したいと思う欧米の人々のもがきだと思います。

 

構想日本がこれを一気に解決できる特効薬を持っているわけではありません。しかし、解決していくための糸口やいくつかの方法、そして全体的な方向性については自信を持って示せます。なぜならば、頭で考えた理論だけのものではなく、構想日本が全国各地で調べ、試みてきた具体的な体験に基づく方法や方向性だからです。
では以下、それを示していきましょう。

 

(1)経済成長

 

三つの要素のうち、経済成長から始めます。というのは、他の二つと違い、これは私たち全員の日々の活動、生活の結果ですから、どうするかではなくどうなるかです。最近の政府のように、○%という目標を掲げ、そのために税金を使って財政や金融の景気対策を尽くす。達成できないから来年は、さらに来年はといつまでもズルズル、というのはおかしいのです。経済の成長が私たちの目的ではないですし、現実を冷静に見ないといけない。ですから、経済成長をどう考えるのが現実的かというところから始めるのが良いと思うのです。

 

結論から言えば、日本は経済的には昭和の「成長社会」を経て今大きいカーブを描いて「成熟社会」の軌道を動いています。かつてのような大きい経済成長は期待できないし、無理して大きくしようとしない方がいいし、大きくなくても十分幸せな生活、豊かな社会は作れるのです。言い換えると、モノやお金を増やして豊かさを得る社会から、社会全体が蓄積してきたいろんな意味での資産を上手に使って身近なところで幸せを感じる社会への進化です。

 

― 例えば、スマホがあれば一日結構楽しめる。
自動車、いや運転免許証さえ持たない若者が多い。家も物もシェアの時代。オシャレはカジュアルに、「自分らしく」。派遣職員やフリーランスでもまぁまぁ食べていける。その方が気楽な面も。友達の手伝いやNPOなどいろんな仕事を少しずつ。
ぜいたく言えばキリはないけど、国内でも海外でもどこでも気楽に行ける。イベント、美味しいものもたくさんある。
これがもっと成長を、そのためには消費を増やし…となると、派遣やパート職員はじめ現場で働いている人に真っ先に負担が行くのです。

 

― 実は、成熟社会にはお手本がたくさんある。
古くは江戸時代。世の中は安定し、経済発展もあった。成長率は今よりはるかに小さく、貧しさもあったが、庶民こそが日々の暮らしをエンジョイしていた。とりわけ江戸後期の文化・文政時代は、浮世絵や歌舞伎など庶民の文化が際立っていた。
1980年代以降に経済取引の自由化、グローバル化が急速に進む前の、欧米、特に地方都市での生活にも同様の安定、成熟、豊かさが今よりも色濃くあった。そして、現在起こっているような外国人労働者や移民に対する排外的な感情はあまり見られなかった。

 

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