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【No.101】候補者の情報を得やすい仕組みに

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地域教育コーディネーターの役割
JIメールニュースNo.101  2003.6.20
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■■ 目次 ■■
1.《日本の明日》地域教育コーディネーターの役割
2.《5月27日第71回「JIフォーラム」の報告》
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1.《日本の明日》地域教育コーディネーターの役割
えにし屋主宰(新潟市)  清水 義晴

<まちづくりコーディネーターの養成>
今、まちづくり、ビジネス、福祉、医療など、あらゆる分野でコーディ
ネーターが求められている。私自身、まちづくりやビジネスのコーディ
ネートを実際に手掛けるとともに、最近では新潟県、沖縄県、福島県等の
まちづくりコーディネーター養成講座の企画・運営に携わっている。この
養成講座を行政の依頼によって開くのであるが、必ず私が提案するのは以
下のポイントである。
●三十人程度の受講生で、宿泊を入れ、顔の見える関係をつくる
●行政と民間の参加者を半々にして、両者の壁を外し、共に学ぶ場をつく

どんなに会議室で話し合ったり考えたりしても、行政と民間の壁はなか
なか外れない。ところが、同じ釜の飯を食べて、飲んで、泊まり、共に学
ぶ場をつくると、面白いように壁が消えていく。お互いの警戒心が消え
て、人間として向かい合えるようになるのである。このまちづくりコーデ
ィネーター養成講座から多くの人材が発掘され、数え切れないほどのプロ
ジェクトが生まれ育っている。今までの縦社会の枠組みから横に手をつな
ぐ社会に移行するには、コーディネーターの存在が不可欠であることがよ
く分かる。

<教育コーディネーターの役割と技術>
ところで、この実績から、今は新潟県生涯学習推進センターとともに教
育コーディネーターの養成に取り掛かっている。二年間の「学社民融合」
のワークショップ講座で下地をつくってきて実現した講座である。ここで
は教育コーディネーターの役割を以下のように定めた。
●地域と学校をつなぎ、総合的な学習環境を整備する(まちづくりの人脈
を生かす)
●学習者が主体となって、共に学び合う学習法を指導する(ワークショッ
プ手法を導入する)
そして、教育コーディネーターに必要な技術として、以下のようなこと
を重視している。
●コミュニケーション技術…インタビュー技術やゲームの進め方
●ワークショップ技術…ファシリテーショングラフィック(略記法)やカ
ード集類法、まち歩きとマップづくり等
●トータルプロセスデザイン技術…学習の考程を組み立てたり、活性化の
プロセスをデザインする
学校が悪い、家庭が悪い、地域が悪いと犯人探しをするよりも、共に学
ぶ場づくりから始めたい。

<地域の人を活かす>
新潟市から30分程のある村の地域づくり講座が始まった。
まず始めに取り組んだのは、「村の歴史を知る」ことだった。村の史跡
や歴史的なスポットを歩いてみてマップを作った。参加者はいち様に「始
めてこんな歴史のある所だということが分かった。」「こんな所始めてき
た」と口々に言った。
二番目にやったのが「地域の人を知る」だ。
獅子舞を復活した人、盆おどりを復活して四百人も人を集めた人、イン
ターネットで米を販売している人、コレステロールが半分の豚を育ててい
る人、山のガイド名人、日本一の桜並木を造ろうとしているグループ、有
機米とホタルの里づくりに取り組むグループ等々に発表してもらったのだ
が、感動だった。
ここには地域の生きた教材がすべてあり、この方たちはみんな地域の宝
物だった。
地域教育コーディネーターはこのような地域人を学校とつなげることだ
けでも充分価値があると実感できた講座だった。このように、「地域の宝
物」を活かすことは、他の地域でもできることなのではないか。よく探し
てみれば、その地域なりの「宝物」が必ず見つかるものである。

*清水 義晴氏(しみず・よしはる) 1949年新潟県生まれ。早稲田大学
法学部卒業。地域づくりプロデューサー、アドバイザーとして、全国各地
の地域づくりや人材養成に携わっている。企業の新業態づくりのコンサル
ティングも仕事分野。

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2.《5月27日第71回「JIフォーラム」の報告》
地方分権の潮流の中、私たちの地域も「激動の時代」を迎えています。
小泉内閣が掲げる「三位一体」改革(税源移譲、補助金の見直し、地方交
付税制度の見直し)は、明治時代以来の中央集権国家体制に別れを告げ、
国と地方のあり方を根本的に見直す大改革です。
「公共事業の費用を安く抑えようと設計したら、『公共事業には積算単価
があるから、それを無視して申請することは認めがたい』と国・県が却下
した。いろいろ工夫して安く抑えようとしているのに、補助基準はこうで
す、ああですと、無駄ガネを使わせている。これが今の行政の仕組み。」
(福島県三春町長 伊藤 寛氏)
「現在、一般市民が170名、市役所内で働いているが、優秀な人がとても多
い。たとえば、図書館では約45名の市民がワークシェアリングで3~4時間
づつ、都合のいい時間に働いている。しかも、楽しみながら、参加するこ
とに誇りをもっている。」(群馬県太田市長 清水 聖義氏)
「『田なおし』『道なおし』『げたばきヘルパー』の3点セットを推進。
マスコミは “公共事業反対の旗手”とはやすが、自分は、『官』のつくる公
共事業のものさしが、栄村のような山村には合わないから、自分のものさ
しで仕事をしてきた。」(長野県栄村長 高橋 彦芳氏)
「市民が『オーナー』だから、市長は『シティ・マネージャー』。全員公
募の『市民委員会』=”第2の市役所”で、市民が総務部、環境部などをつく
り、また、市長の決裁用文書にも、”第2の市役所”の意見を付けるようにし
た。」(埼玉県志木市長 穂坂 邦夫氏)
「村から都会へ出た若者が支払った税金が、財政調整によって地方交付税
として村に還元され、福祉の財源となっている。だから、都会へ行ってい
る子供達の代わりに村が在宅福祉、在宅医療をサービス提供し、医療費を
引き下げつつ、持続可能な福祉社会をつくりあげていけるのではない
か。」(長野県泰阜村長 松島 貞治氏)
当日は、地方の現場から、創意工夫を凝らした独自の取組みが紹介され
ると共に、現在の仕組みが抱えている問題を厳しく指摘する声が上がりま
した。「三位一体」のどれをとってみても”抵抗勢力”が存在し、それらの
反発によって地方分権は「三すくみ」の状況にあります。これを打破し、
国と地方の関係を根幹から見直すためには、各地域が「国は当てにならな
いから、自分のところは自立していこう。」(志木市長 穂坂氏)という
気概をもち、できることから実践に移していくことが大切ではないでしょ
うか。
<討論者>
伊藤 寛 (福島県三春町長)
清水 聖義(群馬県太田市長)
高橋 彦芳(長野県栄村長)
穂坂 邦夫(埼玉県志木市長)
松島 貞治(長野県泰阜村長)
<コーディネーター>
山田 厚史(朝日新聞社経済部)
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