【No.106】市民の視点による学校運営を
2003.07.25

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市民の視点による学校運営を
JIメールニュースNo.106  2003.7.25
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■■ 目次 ■■
1.《構造改革第3次提案》市民の視点による学校運営を
多治見市長 西寺雅也
2. 第73回「J.I. フォーラム」のご案内
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1.《構造改革第3次提案》市民の視点による学校運営を
多治見市長 西寺雅也

●学校の現状と問題点
どういう学校を目指すのかということについては、その人その人の経
験や思想的な背景によって、各人各様といってもいいほど考え方が違い
ます。最近の全国市長会の動きなどをみても、私が委員をしている「分
権型教育に関する研究会」など、議論は沸騰しているにもかかわらず、
なかなか収斂の方向にいかないきらいがあります。
私自身について述べれば、極めて自由な雰囲気の中で、各個人の自主
性に徹底して任せるという学校に学んだ経験が私の学校観を形成してい
ると思います。また、現在多治見市では「子どもの権利条例」を9月市議
会に提案しようと準備を進めています。子どもを一個の人格として認め、
その自立を後押しする、そして、子どもたちにどのようにして社会性を
身につけさせるかということが今求められていると認識しています。
私は市長に就任するまで、学習塾を経営し、数学を教えていましたが、
ある時を境に保護者の意向が「基礎学力より、その場の点数」へと変わ
ったことに驚いた経験があります。理屈は省いて、結果だけを求める傾
向が年とともに強くなってきたのです。
そして、もっとショックであったのは自分の子どもが小学校に通い出
すと担任教師による公然の無視、その結果として同級生によるいじめや
無視が継続的に続き、孤立し続けていたということがあったことです。
幸い次に担任になった一人の教師がこうした子どもの存在をクラスで認
知させる努力をした結果、かろうじて不登校に陥らずに済んだのですが。
当時、いじめや校内暴力による自殺が頻発した時期で、公立中学校に子
どもが入学するとき、「命を捨てるくらいなら、学校を捨てよ」といっ
て送り出し、中学を卒業するまで、夕方彼が元気に家へ帰ってきた姿を
みるまで、不安をぬぐえない日々が続きました。中学を卒業すると親子
ともども、「ああやっと終わった」と肩の力を抜いて、やっと安堵する
ことができました。どのようにも「はみ出しを許さない」学校のあり方
に子どもは悪戦苦闘をしていました。

●市民参加型の学校運営の視点
こうした体験から、子どもの自主性や自立を応援し、のびのびと生活
する場として、学ぶことの楽しさを子どもが知ることのできる学校づく
りが求められていると考えています。そのためにも現在の文部科学省、
県教委、そして学校という縦の関係を見直し、市民の視点で学校づくり
に取り組む試みをしなければならない、また、子どもや保護者が多様な
学校の中から自由に選択することの出来るシステム作りをしなければと
考えました。(本来、市民の目で学校をコントロールする制度のはずの
教育委員会制度が形骸化し、実質の権力が、教師たちによって中枢を占
められた県教育委員会事務局に集中しているのが実態です。民主主義が
定着し、様々に市民参加が行われている中で、全く市民の関与を許さな
いのは教育界だけではないかとさえ思えてきます)
その結果が「市民参加型学校運営委員会」で学校運営する「教育特区」
の提案を「構造改革特区」として応募するということでした。教育委員、
保護者、地域の市民、学校長、教職員、市職員(将来は子どもも)など
で構成する運営委員会に教育委員会の権限の一部を移譲し、カリキュラ
づくり、学校整備、教員の任免、教科書の選択などを行おうというもの
です。
今、学校運営のイニシアティブを市民の手に取り戻そうという試みに
皆さんの支援を期待しています。
<プロフィール>
1944年生まれ。
名古屋大学理学部卒業
その後多治見市議会議員5期歴任し、1995年多治見市長就任。現在3期目
全国市長会理事、分権型教育に関する研究会委員等
信条「市民感覚を忘れない」
多治見市ホームページ: http://www.city.tajimi.gifu.jp/
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2. 第73回「J.I. フォーラム」のご案内
アジアの潮流と日本の混迷
-カネ・モノが動く中,ヒトの流れは?-

アジア最大のODA大国「日本」。しかし、その存在は“重宝”がられ
ることはあっても、「尊敬」という評価は充分に受けていません。経済・
金融・流通に強く影響力をもつ華人ネットが、社会のヒエラルキーで幅を
利かせる東アジア諸国。最近では、中国のWTO加盟によりヒト・モノ・
カネの流れが活発になっています。
今後、「日本」の行く末を握る鍵は、 アジアにあると言っても過言であ
りません。そして、カネ・モノに加え、ヒトの交流が社会全体に大きな影
響を与えます。しかし、日本の場合、外国人受け入れための体制整備や受
け入れる私たちの“心の準備”が充分でなく、日常生活の面でも仕事の面
でも、難しい問題があります。
目まぐるしく変化するアジアの潮流の中、ヒトの交流をどう考えるかが
今もっとも問われています。今回は、各界から国際経験豊かなゲストをお
迎えし、大いに議論を交わします。
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日 時  :平成15年7月29日(火)
会 場  :銀座ソニービル8階 ソミドホール
開 演  :午後6時30分(開場:午後6時)~ 午後8時30分
討論者 :会津 泉(アジアネットワーク研究所 代表)
岸本 周平(経済産業研究所コンサルティングフェロー・
中国社会科学院特別高級研究員)
鈴木 忠雄(メルシャン㈱ 取締役社長)
スべンドリニ・カクチ(ジャーナリスト)
馬 英華(中国ビジネス研究所所長・弁護士)
福原 義春(㈱資生堂 名誉会長)
山田 晴信(HSBC証券 チーフエグゼクティブ)
コーディネーター:山田 厚史(朝日新聞社 記者)
主 催  :構想日本
定 員  :160名
参加費  :2,000円
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参加希望の方は、下記のメールアドレスにお申し込み下さい。
forum@kosonippon.org
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参加ご希望の方は、誠に恐縮ですが7月28日までに出欠の是非を
お知らせ願います。
お問合せ:構想日本・西田(電話03-5275-5607)
*シンクネット・構想日本の会員は会員番号をお願いします。
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* 今後の開催予定日:8月20日(水)9月30日(火)、10月29日(水)
11月25日(火)、12月17日(水)
です。いずれも、18:30ソミドホールにて。
* J.I.フォーラムの講演録は下記ホームページでご覧になれます。
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