【No.143】櫻井よしこさんの講演から改めて歴史教育を考える
2004.04.16

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櫻井よしこさんの講演から改めて歴史教育を考える
JIメールニュースNo.143  2004.4.16
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■■ 目次 ■■
1.《櫻井よしこさんの講演から改めて歴史教育を考える》
2.《お知らせ》
3.《第82回「J.I. フォーラム」のご案内》

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1.《櫻井よしこさんの講演から改めて歴史教育を考える》
構想日本 政策スタッフ 大内隆美
● 櫻井よしこさんの講演より
ゆとり教育のあり方や学力低下が議論となる中で、検定教科書においても
「発展的な学習内容」の記載が認められ、教える内容の自由度が増しまし
た。そんな中でも日本史に関しては相変わらずいわゆる「自虐史観」的な
記述が多いとの識者の指摘もあります。
ジャーナリストの櫻井よしこさんもその一人で、3月21日に開催された日
本青年会議所第115回通常総会の講演では「自立できる誇りある国家の実現
をめざして ~国家アイデンティティのゆくえ~」というテーマで、歴史
教育の重要性を説いています。(日本JC月刊誌「WeBelieve5月号」構想日
本・連載コラム5『The提言』に掲載)
「日本に歴史の教科書がなくなった」との刺激的な表現で、歴史教育にか
ける時間の少なさが日本としてのアイデンティティの醸成を阻害し、自分
に対する根本的な自信も欠落させているのではないかとのご指摘は、イラ
ク復興支援等を通じて日本の国際的な役割が大きくなっていく中で真剣に
受け止めるべき警句でしょう。
また、明治初期、当時の最先進国であるはずの欧米からやってきた外交官
が「この国には惨めなものがない。貧しいけれども、この国は気品ある国
である」と驚嘆したとのお話には、豊かな暮らしと高学歴社会が実現した
今の日本においては果たしてどうであろうかと、大いに身が引き締まる思
いです。
● 私が思う歴史観
近代化という一つの尺度からみると、欧米の方がはるかに進んでいたので
しょうが、幕末から明治にかけての教養はむしろ日本の方が高かったので
はないかとの指摘もあります。江戸時代の寺子屋は、世界的に見ても非常
に高度な初等教育を施していたとも言われており、鎖国によって近代化は
遅れたものの、日本人が持っている良いものに対して、欧米の教養人は敬
意を払い理解していました。
更に明治維新に先駆けること280年前、「天正遣欧少年使節」が1585年に
ローマ教皇謁見を賜り、日本とヨーロッパとの初めての国際交流という大
変な偉業を成し遂げています。それまで極東の日本は「未開の野蛮な国」
と考えられていたものを、わずか13,4歳の少年4人によって、「礼節と威
厳と高い技術を持つ国」として、広くヨーロッパに紹介されました。キリ
スト教の話とはいえ歴史的意義を考えた場合、当時、日本の運命をも背負
った少年たちが、近代化が進む西洋と堂々と渡り合ったということが、そ
の後の日本にとって西洋との扉を開いた一歩となりました。
歴史を辿ると、日本人は世界に誇り得るものを多く持っており、それを
むしろ外国の方が先に発見し賞賛しているといったこともあります。そう
いう歴史的事実をきちんと教えることこそが歴史教育であり、歴史を知る
こととは、自分のアイデンティティ、物事の流れ・必然性をつかむことに
他なりません。こうした教育を通して世界で活躍する日本人を形づくって
いくことが、我々世代の役割ではないかと思います。
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2.《お知らせ》
●政策ディスカッション「特許法改正案を議論する」のご案内
企業で働く研究者・技術者の発明した特許について発明者の権利を重視
する判決が続くなか国会に提出された「特許法等の一部を改正する法律
案」は、この流れに逆行するとの声があります。一方で、企業の事業戦略
との連動を十分には議論できていないとの声もあります。
優秀な人材が海外に活躍の場を求める「頭脳流出」がすすめば、日本の
国力喪失へとつながるおそれもあります。
法案の改正はどうあるべきなのか? 是非、議論にご参加下さい!
日時: 2004年4月20日(火)15:15~16:30
会場: 衆議院第1議員会館第3会議室
参加予定者: 升永英俊弁護士(青色LED訴訟:中村修二教授の主任弁護
士)
研究者、国会議員、ジャーナリスト、ほか
主催: 構想日本
お問合せ先: 構想日本・西田
詳細は https://www.kosonippon.org/wp-manager/doc/?no=210 でどうぞ。
参加ご希望の方は、誠に恐縮ですが、申しこみ用紙にご芳名、ご所属、
ご連絡先(TEL, FAX, Email)をお書き添えのうえ、ファックスにてお申
込ください。
申しこみ用紙(PDF)は下記よりダウンロードできます。
https://www.kosonippon.org/wp-manager/doc/pdf/20040420.pdf

●「新潮45」4月号(新潮社)
「猪瀬直樹の言論弾圧」櫻井よしこ

2、3月号で道路公団改革の政府案の決定プロセスを克明にレポートし
たジャーナリストの櫻井よしこさんが、引き続き猪瀬氏のジャーナリスト
としての姿勢を様々な角度から批判しています。
一方、猪瀬氏は同号で櫻井氏の記事に対し再び反論し自説の正当性を繰
り返し主張しています。言論人のあり方について、また、櫻井氏が指摘し
ているような問題があることを知りながら報道しない日本のジャーナリズ
ムの問題について、大いに考えさせられる記事です。
ぜひ、ご覧下さい。
●構想日本ではこのほど、インターネットによる募金システム
「募金やドットコム」 http://www.bokinya.com/ に加盟しました。
ヘッダーにある【団体名で募金さがし】をクッリクし、カ行の欄で
構想日本をご覧下さい。
ご自身はもとよりお知り合いの方々にもお声をかけて頂き、
ご協力をよろしくお願 い申し上げます。
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3.《第82回「JIフォーラム」のご案内》
市町村にとって合併よりも大事なことは?
-市町村長のカンカンガクガク-
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市町村合併を進める特例法の「恩恵」の期限が1年後(‘05年3月)
に迫り、全国の市町村は合併の嵐のまっただ中です。市町村は、住民の暮
らしと直接関わっています。目の前のニンジンやムードに流されるのでは
なく、合併の如何を問わず自律できる市町村をつくるために、先進的な首
長たちは何に苦心しているのでしょうか。
合併による自治体の活かし方を語る山岡町長、臼杵市長、合併せずに独
自でがんばろうとする矢祭町長、津南町長、斐川町長をお迎えし、熱い議
論をして戴きます。
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日 時  :平成16年4月28日(水)
会 場   :銀座ソニービル8階 ソミドホール
開 演  :午後6時30分(開場:午後6時00分)
討論者  :根本 良一 (福島県矢祭町長)
小林 三喜男(新潟県津南町長)
山内 章裕 (岐阜県山岡町長)
本田 恭一 (島根県斐川町長)
後藤 国利 (大分県臼杵市長)
樋口 博  (長野市役所産業振興部観光課部主幹)
コーディネーター :加藤秀樹 (構想日本代表)
主 催   :構想日本
定 員  :160名
参加費  :2,000円(シンクネット・構想日本会員は無料です)
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参加希望の方は、下記のメールアドレスにお申し込み下さい。
forum@kosonippon.org
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参加ご希望の方は、誠に恐縮ですが4月27日までに出欠の是非を
お知らせ願います。
お問合せ:構想日本・西田(電話03-5275-5607)
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