【No.230】民営化、一本化で全てが済んだわけではない!
2005.12.22

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JIメールニュースNo.230  2005.12.22発行
民営化、一本化で全てが済んだわけではない!

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◆◆ 目 次 ◆◆
1.【民営化、一本化で全てが済んだわけではない!】
2.【お知らせ】
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1.【民営化、一本化で全てが済んだわけではない!】
-これからが問われる金融改革-
構想日本政策委員 丹治幹雄
郵政民営化が具体的に進みだした。その象徴が、元メガバンク総帥の民営会
社社長への就任だ。しかし、メガバンクはバブルの崩壊から処理に至るまで、
政府の支援を得て時間稼ぎをし、合併を繰り返して規模の利益をむさぼって
来た。郵政業務は郵貯一つとってもメガバンクを全て合わせた規模だ。これ
を規模だけに依存した戦略で運営すれば、金融構造をますます市場からかけ
離れたものにする可能性もある。新社長は、歪んだ金融システムを、より顧
客や市場の要請を反映した健全な競争が成立する仕組みにしていくという、
一つの組織を超えた責務を負っている。様々な柵のある既存の金融界の経営
陣ではなく、もっと若い世代から、業界を問わず選別するべきではないか?
政府系金融機関の統合問題もここからが問題だ。反対を押し切り一つにする
ことになったようだが、これは単なる数合わせだ。問題は、政府が何故貸し
付け業務を行わなくてはならないのか、という問いへの回答だ。信用補完が
必要ならそのような制度にすればよいし、金利を安くする必要があれば、利
子補給をすればよい。一本化の後に政策的な意味を検証しなければ、何の意
味もない。民営化を選択した機関は今後資金調達などの問題が予想されるが、
ここに郵政会社が競争もなく資金供給を行えば、元の木阿弥だ。市場原理が
成り立つシステムへの道筋をつけなくてはならない。
因みに、今回の統合の中で、忘れられていたのは信用保証制度だ。これは自
治体の外郭団体が中心だが、実質的には国を挙げての仕組みだ。中小企業に
対する配慮は必要だが、いつまでも中小企業というだけで支援を受けられ、
金融機関側も何も考えずに実行できるから、借りる側にも貸す側にも甘えが
生じる。金融制度全体のことを考えるとこの部分にも切り込んで欲しかった。
郵政民営化や政府系機関の一本化は、巨額な資金の動きに関わるもので、海
外も関心を持っている。金融再生が外資にうまくやられた、という反省を踏
まえ、どうすれば我が国の金融システムが、我が国の国民や産業、経済にう
まくサービスを提供できるか、という観点から、海外からの圧力も十分注視
して対応を検討していきたい。

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2.【お知らせ】
●「J.I. フォーラム」の出版に関するイベントのご案内
本書の趣旨に共鳴した都内書店のご協力を得て、以下の通り出版記念特別講
演会を開催いたします。
ぜひ、本書をお買い求めいただき、本書に登場する講師陣によるプレミアム
講演をご聴講いただきたく、ご案内申し上げます。
・ 日時 2005年12月22日(木)18:00開場、18:30開演
会場 八重洲ブックセンター本店 8階特設会場
講師 山折哲雄氏
講演テーマ「日本人と信仰・入門編」(仮題)
※イベント参加のお申し込みは水曜社販売部(tel03-3351-8768)へどうぞ。
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