【No.24】道路公団の民営化 “市場の目”でみてみると?
2001.12.05

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道路公団の民営化 “市場の目”でみてみると?
JIニュースNo.24  2001.12.5
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■■ 目次 ■■
1. 加藤秀樹より読者のみなさんへ
2.【JIディスカッション】道路公団の民営化“市場の目”でみてみると?
3.【お知らせ】「政策メッセ2001」に構想日本が参加!!
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●●読者の皆さんへ●●
こんにちは、加藤秀樹です。
特殊法人や医療制度など、小泉政権の改革は総論レベルから各論へ
と移りつつあります。それと同時に抵抗勢力の正体も明確になって
きています。メディアで取り上げられることが多いのも、彼ら抵抗
勢力の声の大きさです。しかし、実は彼らは少数派。一部業界の
利害にとらわれた最後の咆哮にすぎません。
改革は、まさにこれから。二幕目、三幕目へと続きます。抵抗勢力の
喚声を上回る、もっと大きな声を一緒に上げていきましょう。
JIメールニュースを刷新しました。皆さんのメッセージやご意見も
掲載して、楽しく議論できる場にしたいと思っています。
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◆JI政策ディスカッション◆
道路公団の民営化 “市場の目”でみてみると?
止まらない道路建設、巨額の債務、抵抗する道路族議員…
改革の難しさばかりが先行してみえる、道路公団問題。
いったい民営化したら、その先はどうなるの――?
構想日本がこれをテーマに行った12月4日の政策ディスカッション。
その模様をダイジェストでお届けします。
●場所   衆議院第二議員会館
●プレゼンター 櫻井よしこ(ジャーナリスト)
山田晴信(金融グループHSBC証券会社チーフエグゼキティヴ)
加藤秀樹(構想日本代表)
●出席者  国会議員、ジャーナリスト、シンクタンク研究員
●「そもそもなぜ民営化なのか?」
加藤「今の組織のままでも、公団を廃止しても、国が税金で野放図に
建設する図式は変わらない。無駄な建設をやめ、国民負担なしに債務を
返済するには、民営化して“普通の会社”として一人立ちさせることだ。
つまり株式上場して市場チェックを受けさせること」
●「民営化が、金融市場や経済の活性化につながるのか?」
山田「債務を圧縮し民営化したときの日本道路公団の売り上げを予測する
と、売り上げ2兆円余、経常利益4千億円超と巨額。東電でも3300億、
JR東日本でも1千百億。透明で将来性に富んだ上場企業が生まれうると
いうことだ。新しい事業機会や投資チャンスも生まれるだろう」
櫻井「いきなりベスト10入りしうる規模の大きな企業体だ。やりよう
によっては優秀な企業体になりうる」
●それを実現する“民営化のかたち”とはどういうものか?
加藤「“上”=道路の維持・管理も“下”=道路自体も、まとめて
民営化し稼げる仕組みにして、早くツケを返させることだ。
“上”=維持・管理だけ民営化して“下”=道路は国が保有する
という“上下分離”案は、電力や国鉄のときと同じ官庁の常套手段。
無駄な投資は続くし、サービスも向上しない。」
櫻井「3公団、4公団の一体民営化は無意味。建設の凍結が、道路公団
再建の絶対条件だ。計算して驚いたのは、99年から1年建設を続けた
だけで、借金は8千億円以上膨らみ、返済にはさらに9年かかること。
今の整備計画通りあと20年も同じペースで作っていけば、取り返しが
つかなくなる。今がラストチャンス」
山田「市場の判断は極端で、将来性があると見込めば収益の50倍から
200倍の値がつくが、そうでなければ額面割れ。ダイヤと砂を混ぜない
ことだ。日本道路公団の市場価値は株価の時価総額で3兆円に上る、
いわばダイヤモンド。ダイヤはダイヤのままで処理することだ。
うまくやれば平成29年には債務全額を完済できる」
* * * * * *
道路公団は、じつは市場価値の高い、魅力的な企業に変わりうるのです。
だからこそ建設を直ちに凍結し、民営化を成功させねばなりません。
しかし政府・与党の道路公団改革の「決着」の中身は、
整備計画は今後1年で見直し、建設凍結には至らず、民営化の手法は
なお不明確なまま…。
改革の真のスタートラインは、小泉総理が明言する“第三者機関”の
設置から。第三者機関のメンバーを誰が務めるのか?
道路公団を“砂”ではなく“ダイヤ”にするカギは、そこにあります。
(文責:JI政策スタッフ草薙)
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■■お知らせ■■
「政策メッセ2001」に構想日本が参加!!
「政策メッセ2001」が12月14日(金)からの3日間、法政大学市ヶ谷
キャンパスにて開催されます。政策分析ネットワーク主催の、政策
研究の発表“競演の宴”です。
構想日本は3つのワークショップに参加し、日頃の成果を発表します。
当日参加も受け付けていますので、是非お越しください!
15日(土)午前10時スタート:
★「21世紀にどのような社会が望ましいか
-日本の雇用システムから考える」
:パネリスト伊藤裕夫(静岡文化芸術大学教授/構想日本ワーク
スタイル研究会座長)
★「シナリオ・プラニング手法により日本のエネルギー戦略を考える」
-構想日本エネルギー戦略会議のメンバーによるディスカッション
:池田啓宏(日本総合研究所主任研究員)
鈴木達治郎(電力中央研究所上席研究員)
正田剛(日本自然エネルギー代表取締役)
★「公益は誰が担うのか?」:パネリスト加藤秀樹(構想日本代表)
詳しくは、http://policynet.org まで。
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