【No.290】マイク丹治の暴言シリーズ(5) 豊かな社会って何? ~我が国が世界に示せるものは何か?~
2007.02.23

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JIメールニュースNo.290  2007.2.23発行
マイク丹治の暴言シリーズ(5)
豊かな社会って何?
~我が国が世界に示せるものは何か?~
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◆◆ 目 次 ◆◆
1.【マイク丹治の暴言シリーズ(5)
豊かな社会って何? ~我が国が世界に示せるものは何か?~】
2.【第115回「J.I. フォーラム」のご案内】
*構想日本ホームページで「ワンクリックアンケート」開催中。
「Q:「事業仕分け」をご存知ですか?」にお答えください。
〔アンケート期間:2007/02/15(木) ~2007/02/25(日)〕
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https://www.kosonippon.org/wp-manager/enquete/index.php?m_enquete_cd=39
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1.【マイク丹治の暴言シリーズ(5)
豊かな社会って何? ~我が国が世界に示せるものは何か?~】
構想日本 政策委員
丹治 幹雄
プライベートで韓国に行く機会が昨年末に結構あって、仕事ではないので、タ
クシーではなく、地下鉄に乗ることがあった。日本同様ひどい混雑だが、その
中で驚いたのは、老人が乗車してきた時に、全く関わりのないおじさんが、椅
子に座っていた少年を引きずり下ろして、老人を座らせたことだ。周りの乗客
もこれを当たり前のように眺めていた。
翻って我が国は、老人がいようと席を譲らないのは当たり前。それどころか、
電車に乗るのに、人にぶつかっても「失礼」の一言もなし。もともと同じ出所
の人種であるはずなのに、どこが違うのか? 何が、この差を生んだのか?
確かに、韓国は引続き儒教の精神が色濃く残っていて、加えてプロテスタント
のキリスト教徒の比率も我が国とは比べ物にならないほど高い。だから、若い
女性は、目上の人たちが来るところではタバコは吸えないし、言葉遣いも相手
との年齢差によって、明確に異なる。
でも、一方で、離婚率は世界でも有数の高さだし、我が国同様援助交際もある
ようだ。学校のいじめも問題になっているし、世界的に問題になっている社会現
象は全て起きているようだ。でも、明らかに何かが違う。
これをある韓国の知人がこう表現してくれた。韓国は日本より30年遅れている
からだと。こう言うと、韓国の方々から叱られそうだが、これは韓国の方の発言
だし、それに実は悪い意味ではなく、日本の物質だけという現代社会よりはもっ
と良いものがまだ残っている、という意味だと理解している。
では、我が国は何を失ったのか? 一言で言えば、歩道を我が物顔で疾走する
自転車や、電車での乗客の行状にあるように、人に対する思いやりではないか?
もっと言えば、戦前のある意味で全体主義的な風潮を助長したと考えられた神
道や道徳などのベースを戦後排除し、米国的な自由主義を導入した結果では
ないか?
自由主義が悪いと言うのではない。しかし、自由主義や民主主義というものは、
欧米においては市民の血を流して勝ち取ったものだ。だからその中には、個人
の自由の源泉として、逆に個人の責任という概念が明確に存在する。そして、
それを支えるインフラとしてキリスト教という宗教が存在する。
しかし、我が国は責任という概念がないまま、しかもインフラとしての宗教的なも
のを排除した形で、これを導入した。従って、自由主義が責任の背景を持たない
利己主義、個人主義に変わってしまったのではないか?
筆者自身、無宗教であり、特定の信仰を推奨するものではない。ただ、戦時中
のことだけではなく、韓国の人たちが日本に対して違和感を持つ一つの要因は
宗教がないことだと言う。とすれば、そもそも弱い生き物である人類の精神を救
うインフラとして存在する宗教の関与が極めて薄い我が国は、世界の中でも例
外的だと言えるのではないか?
今、我々が真剣に考えるべきことは、宗教がないという点で極めて特殊な状況
にいる我が国が、どうやって人を思いやる社会を作り上げることができるかとい
うことではないのか? そして、その先に、自らの宗教を盲信するあまり、他の
宗教をベースとした国家すら否定するような風潮に対して、宗教に関わらず人
類は皆平等であり、それぞれの宗教を尊重しながら共生して行くことが出来る
ということを示すことではないか、と考える。それこそが世界を本当に豊かな
社会にしていくことに、その一員として貢献することではないだろうか?
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2.【第115回「J.I. フォーラム」のご案内】
ホンモノの教育議論をしよう
「改正教育基本法」「教育再生会議」など、今の内閣は「教育改革」にずい分
熱心ですが、教育現場での評価は芳しくありません。構想日本はこれまで「教
育行政」に的を絞った提言をしてきましたが、ここは一つ具体的な話を聞こうと、
3人の方々に来ていただきます。
最近、世界中から注目されているフィンランドの教育のしくみに詳しい矢田龍生
さん、長年にわたり地域と連携した学校運営に取り組む鷺沼小学校校長の宮
崎稔さん、そして、「ゆとり教育」バッシングの責めをお一人で引き受けている
元文科省大臣官房審議官の寺脇研さんをお迎えして、生きた教育議論をして
いただきたいと思います。
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●ご注意ください!今回は場所が変わります。●
日 時  : 平成19年2月28日(水)
会 場  : グランドアーク半蔵門 4F 富士の間(西)
千代田区隼町1番1号 TEL 03-3288-0111(代)
(http://www.grandarc.com/access/access.htm)
⇒「半蔵門駅」(東京メトロ・半蔵門線)1番出口より徒歩1分
開 演  : 午後6時30分(開場:午後6時)
ゲスト  : 寺脇 研(京都造形芸術大学教授/元文科省大臣官房審議官)
宮崎 稔(習志野市立鷺沼小学校校長)
矢田龍生(『ザ・フィンランド・システム』著者)
主 催  : 構想日本
定 員  : 160名
フォーラム参加費 : 2,000円(シンクネット・構想日本会員は無料です)
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参加ご希望の方は、2月27日までに出欠の是非を、下記のメールアドレス
にお申し込み下さい。
forum@kosonippon.org
お名前
所属
ご連絡先
懇親会に     参加する      参加しない
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*参加申し込みに関するお問い合せは、
事務局 木下まで。TEL 03-5275-5665
*内容に関するお問い合せは、
フォーラム担当 西田まで。TEL 03-5275-5607
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https://www.kosonippon.org/wp-manager/books/index.php
●構想日本提供の「政治家・政策データベース」で「政治ガイド」を掲載中。
http://db.kosonippon.org/
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