【No.307】女性が輝いていることが「美しき日本」の条件
2007.07.06

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JIメールニュースNo.307  2007.7.6発行
女性が輝いていることが「美しき日本」の条件
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◆◆ 目 次 ◆◆
1.【女性が輝いていることが「美しき日本」の条件】
*構想日本ホームページで「ワンクリックアンケート」開催中。
「Q:『政治とカネ』の問題、根治に必要な手段とは?」にお答えください。
〔アンケート期間:2007/06/28(木) ~2007/07/12(木)〕
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https://www.kosonippon.org/wp-manager/enquete/index.php?m_enquete_cd=43
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1.【女性が輝いていることが「美しき日本」の条件】
社団法人 伊勢崎青年会議所
理事長 原 和隆
私の地元の群馬県は、かかあ殿下で有名な県である。女性がとにかく強い。
強くて、働き者である。私の両親の実家は農家であったが、母方の祖母は、
祖父よりも働いていたことを今も覚えている。祖母は日中、祖父とともに田畑
を耕し、蚕を飼育し、夜は機織りをしていた。
その祖母はすでに他界したが、生前に祖母の子どものころの話を聞いたこと
がある。大正元年生まれであるから大正時代の初期の頃かと思うが、その
当時は男性よりも女性が一家の生計を主に担っていたというのだ。女性の仕
事である機織りなどはいい稼ぎになったという。
桑の植栽による養蚕、製糸、紡績、そしてそれらによる織物を織るまでの一
連の仕事は女性が主に担っていたのであり、それらの産業は近代化の過程
にあった日本を力強く支えていた。
著名な歴史家である網野善彦氏は「進歩史観によって切り捨てられてきたも
のに目を配り人類社会の歴史像の歪みを、その壮年時代にふさわしく正さな
ければならない。」との主張に沿って、日本の近代化の歴史から切り捨てられ
たものの中に女性が果たしてきた重要な役割があると指摘している。
先日、「骨太の方針2007」の基本方針が発表された。その中身は成長、効
率化、適正化、削減という単語のオンパレードだ。それらの単語で彩られた政
策からは「美しき日本」の具体像が見えてこない。骨太の方針2006で示され
た社会保障費の徹底した削減の方針は、この骨太の方針2007においても
踏襲されている。昨年より介護保険施設の利用料が大幅に値上げされた。こ
れによって、利用料が払えないために在宅で処遇困難な高齢者が無理矢理
に施設から退所させられ、パートで働いていた身内が退職し面倒をみなけれ
ばならなくなるという状況も起きている。
はたして行政は家族の存在というものをどのように把握しているのだろうか。
超高齢社会になり少子化もますます加速している。少子化により働き手が少
なくなれば経済成長が制約され、イノベーションにより生産性の上昇でカバー
するにも限界がある。超高齢社会において介護サービスの拡充は重要な課
題であり、そのサービスの主な担い手は女性である。介護サービスの拡充は
経済を成長させ国民に安心感を与えることとなる。しかし、国の推し進める政
策は女性を家庭に縛り付け、介護の労働環境を劣悪なものへと変えている。
少子高齢化の時代おいては女性が労働市場に一層積極的に参加できるよう
にしなければならない。このことを骨太の方針においてもはっきりと明記し、そ
の具体的な政策を提案すべきである。効率や削減といった単語を多用した政
策では国民から信頼を得ることはできない。女性の社会進出を促すことは育
児や介護に関する国民の意識を変え、国民自身の働き方や暮らし方をバラン
スの取れたゆとりのあるものへ変えていく原動力となる。
小手先の少子高齢化対策などでは根本的な問題の解決にはならないし、「美
しき日本」の創造はほど遠い。女性が自分らしいゆとりあるライフスタイルを選
択でき、生き生きと輝いていることが「美しき日本」の条件ではないだろうか。
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