【No.311】今度こそ「政党のガバナンス」を確立しよう
2007.08.03

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JIメールニュースNo.311  2007.8.3発行
今度こそ「政党のガバナンス」を確立しよう
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◆◆ 目 次 ◆◆
1.【今度こそ「政党のガバナンス」を確立しよう】
2.【第121回「J.I. フォーラム」のご案内】
*前回の「ワンクリックアンケート」の投票結果が出ました。
質問は「Q:参院選、皆さんはマニフェストをどのくらい参考にしますか?」
です。
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https://www.kosonippon.org/wp-manager/enquete/result.php?m_enquete_cd=44
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1.【今度こそ「政党のガバナンス」を確立しよう】
構想日本 代表 加藤 秀樹
「コーポレートガバナンス」については、よく議論されているが、「政党のガバナ
ンス」という言葉はあまり聞かない。新聞もテレビも連日、安倍内閣の迷走と
選挙での大敗を取り上げているが、「起こったこと」と「起こした人」をあげつら
うばかりで、なぜこのような内閣が生まれてしまい、次の内閣へのダイナミズ
ムもないのか、の分析や提言はほとんどない。
考えてみれば、中選挙区制の頃は、自民党内の派閥間の熾烈な競争が、党
全体としてのある種のガバナンスを保つために有効だったのかもしれない。小
選挙区制への移行と併せ、政党助成金、議員の資金集めに対する規制など
の整備が進むにつれ、派閥の求心力は急速に低下した。同時に進んだ国会
議員の世代交代は、大量の二世議員を生んだ。
この変化を雑にたとえてみると、中小企業がきちんとしたルールもないままに
せめぎあっていた状態から、一見、大企業の装いはできたが、統制力がない
ままに社員はサラリーマン化してしまったということだろうか。
ならば、政党のガバナンスに関して当事者意識が十分でない国会議員に対し
て、どのような枠組みの中で動いてもらうのがいいのだろうか。
思いつきの域を出ないが、やはり企業同様、ポイントは「カネ」と「事業」に関す
る情報公開だと思う。
「カネ」については、かねて構想日本が提言しているように、すべての政治団
体等の連結化、領収書添付(下限なし)、外部監査、これらの書類の閲覧、コ
ピーの自由化で、ほぼ十分だと思う。(※下記の構想日本ホームページをご
覧下さい。)
「事業報告」については、今のように各政党がてんでにつくるマニフェストでは
なく、様式を統一したらどうだろうか。政党としては項目によっては空欄のまま
に残しておいてもよい。こうすると、党によって力の入れ方や具体性の違いが
すぐわかる。勉強不足の記者が的外れな比較表をつくるより、有権者にとって
はるかに有益だと思う。
そして、与党はそこで掲げた政策の進捗状況を、野党は日常の活動状況との
対比を定期的に発表するというのはどうだろうか。
さらに、現在のように「所管官庁」である選挙管理委員会と総務省に報告して
も、そこから国民への情報開示がきちんと行なわれない状況を改め、有権者
がいつでも手に入れられるようにする。株主総会になぞらえると、「有権者総
会」というものを考えてもよい。
力のある落選議員が増えたのだから、この際、彼らの憤りのエネルギーを政
党のガバナンス強化に大いに生かして欲しい。

※構想日本の「政治資金制度」プロジェクト
https://www.kosonippon.org/wp-manager/project/list.php?m_category_cd=22
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2.【第121回「J.I. フォーラム」のご案内】
「福祉」は本当に人を幸せにするのか
参議院選挙で最大の争点となった「年金」。先月はそのしくみについて、問題
整理の議論をしました。今月は、議論の視点をぐっと広げ、現在の年金はそも
そも人を幸せにするのか、これからの社会の相互扶助のあり方など、近代福
祉国家を総括する視点で、社会的共通資本という考えを提唱されている宇沢
弘文さんと、江戸時代の社会文化の研究者、田中優子さんに、鋭く現代社会
の諸問題を指摘している山岡淳一郎さんのコーディネートでお話していただき
ます。
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日 時  : 平成19年8月30日(木)
会 場  : 日本財団ビル2階 大会議室
港区赤坂1-2-2 TEL 03-6229-5111
(http://www.nippon-foundation.or.jp/org/profile/address.html)
開 演  : 午後6時30分(開場:午後6時)
ゲスト  : 宇沢弘文(東京大学名誉教授
/『経済学と人間の心』『社会的共通資本』著者 )
田中優子(法政大学教授
/『江戸の想像力』『大江戸ボランティア事情(共著)』著者)
コーディネータ : 山岡淳一郎(ノンフィクション作家
/『後藤新平 日本の羅針盤となった男』著者)
主 催  : 構想日本
定 員  : 160名
フォーラム参加費 : 2,000円(シンクネット・構想日本会員は無料です)
懇親会参加費   : 4,000円
(ご希望の方は下記懇親会参加に○印をつけてください)
※ゲストを囲んで、下記の会場で懇親会を開催いたします。
「トラットリア・イ・プリミ 虎ノ門店」
港区虎ノ門2-2-1 JTビル1F TEL 03-3589-5812
(http://www.ep-tokyo.com/iprimi/toranomon/)
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参加ご希望の方は、8月29日までに出欠の是非を、下記のメールアドレス
にお申し込み下さい。
forum@kosonippon.org
お名前
所属
ご連絡先
懇親会に     参加する      参加しない
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*参加申し込みに関するお問い合せは、
事務局 木下まで。TEL 03-5275-5665
*内容に関するお問い合せは、
フォーラム担当 西田まで。TEL 03-5275-5607
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