【No.329】職人リレーエッセー(8) 修理してでも履きたい靴
2007.12.07

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JIメールニュースNo.329  2007.12.7発行
職人リレーエッセー(8)
修理してでも履きたい靴
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◆◆ 目 次 ◆◆
1.【職人リレーエッセー(8) 修理してでも履きたい靴】
2.【第125回「J.I. フォーラム」のご案内】

*構想日本ホームページで「ワンクリックアンケート」開催中。
「Q:今の国会、どう考える?」にお答えください。
〔アンケート期間:2007/11/20(火) ~2007/12/10(月)〕
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https://www.kosonippon.org/wp-manager/enquete/index.php?m_enquete_cd=50
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1.【職人リレーエッセー(8) 修理してでも履きたい靴】
包LEATHER 月森 正幸
(靴職人)
道具としての靴(機能性)、ファッションで楽しめる靴(デザイン)──。そんな
靴の二面性に魅力を感じ、靴づくりを始めました。仕事として靴をつくり始めて
4年が経ちます。
私たちがつくっているのは“普段履き”の靴です。普段履きの靴は、日常的に
履くからこそ壊れやすいという側面があります。ただ、どうせ履きつぶすからと
いって、ありきたりな靴ではつまりません。“普段履きだけど華がある靴”をめ
ざしています。
原点は、京都のあるお寺で開かれているフリーマーケットです。そこに小さな
お店を出し、訪れるみなさん(老若男女)と接する中で、修理しながら愛着を
持って長く履いてもらえる靴を作りたいと思うようになりました。
もっとも印象に残っているは、「この靴、かかとを打ち直しできるかな?」と、1、
2年前にご購入いただいたお客様とはじめてお話した時のことです。そういっ
た時に、使った靴の破損場所やくたびれ方から、各お客様に合う靴の形やサ
イズが初めて解ることがあります。靴についてお客様と一緒にお話しすること
で、お客様の暮らしがより近くに感じられるようになったのです。
使い捨ての物が多くなっていると感じられる中、たくさん履いて傷んだときに
捨てるのではなく、「修理してでも履きたい」とお客様に思っていただけるよう
な靴づくりをしたいと考えています。
もともと靴の修理業に携わっていましたが、修理の技術と制作の技術は異な
ります。制作は一から覚える必要がありましたので、新たな職に就く気分でし
た。
私たちの靴づくりは、技術的にはほぼ独学で、素材の事も、履きやすさやサ
イズなどといった機能性の事も、まだまだ勉強中だと思っていますので、完
成されたものではありません。そんな未完成の技術や商品に興味を持って
いただけるのは、直接お話しすることで、「消費者(お客様)→作り手」に依
頼内容が伝わりやすく、また消費する際の安心感や、消費した後の安心感
もあるからと考えています。私自身が消費者側のときでも、その部分が重要
と思っています。ですから、接客も直接作り手がします。
ただ、靴には道具として保たなくてはならない機能性の部分があり、そこが
職人としての腕の見せ所でもあるのですが、お客様の依頼すべてにお応え
できるとは限らない難しさがあります。靴の中でも、私たちがめざしているの
が“普段履き”であるために、その人だけの木型をつくるところからしていると、
どうしても高価になりすぎてしまうのです。
そのため、基本になるデザイン(木型など)は私たちがご提案するものから選
んでいただいているのですが、ご注文をいただく際に色・ステッチなど細かい
ディテールを一緒に考えて選んでいただく段階を設けています。
靴の修理のしやすさを考えると、破損した部分だけを取り替えやすいように、
靴をつま先やかかとなどとパーツにわけて考える必要があるのですが、この
パーツごとに色を変えることができ、その組み合わせを楽しんでいただいてい
ます。素材としては、発色のよい革を探してご提供しています。
この選んでいただく時間は、靴が仕上がってお使いになられるまでに唯一制
作に関わっていただける、大切な時間だと思っています。制作の段階で使い
手(お客様)自身が考えたり、関わったりすればするほど、自分だけのこだわ
りという“華”が添えられ、愛着が感じられるようになると思うのです。そんな
小さな工夫の積み重ねやお客様とのコミュニケーションが、「修理してでも履
きたい靴」を生むのだと思います。
これからも、より長く履いていただくために、「機能性」と「デザイン」の二面性
をどういったバランスで組み上げていくかを、お客様と接しながら考え続けて
いきたいと思います。

*月森 正幸(つきもり まさゆき)氏のプロフィール
1974大阪生まれ、高校卒業後、ファッションや物作りに興味を持ち、趣味で
革小物をつくりながら靴の修理業に携わる。2004年1月より、「靴つくり*も
のつくり*くつみがきたい~」をコンセプトに、「包LEATHER」を立ち上げる。
〔「包LEATHER」のホームページ〕 http://www.hou-leather.com/
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2.【第125回「J.I. フォーラム」のご案内】
いよいよ増税!?
その前にやっておくべきこと
増税が具体的になってきました。それについての賛否は別にしても、その前
にどうしてもやっておくべきことがあります。無駄な行政事業の洗い出しです。
それが「行政の事業仕分け」です。構想日本がこれまで22回行ってきたなか
で、県や市の行政の3~4割が削減可能という結果も出ています。現実に予
算を1割削減した市もあります。一方、行政改革推進法にも「事業仕分け」が
規定されながら国の事業についてはまったく手付かずです。この手法が効果
絶大なことはカナダでも実証済みです。増税の前に、国民の手による「事業
仕分け」=戦後行政の大掃除を実現しましょう。
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日 時  : 平成19年12月19日(水)
会 場  : 日本財団ビル2階 大会議室
港区赤坂1-2-2 TEL 03-6229-5111(代)
(http://www.nippon-foundation.or.jp/org/profile/address.html)
開 演  : 午後6時30分(開場:午後6時)
ゲスト  : 事業仕分け実施自治体首長
国会議員
明日の地方財政を考える会(構想日本事業仕分けチーム)
事業仕分けオブザーバー(経営者、研究者など)   他
コーディネーター : 加藤秀樹(構想日本 代表)
主 催  : 構想日本
定 員  : 160名
フォーラム参加費 : 2,000円(シンクネット・構想日本会員は無料です)
懇親会参加費   : 4,000円
(ご希望の方は下記懇親会参加に○印をつけてください)
※ゲストを囲んで、下記の会場で懇親会を開催いたします。
「トラットリア・イ・プリミ 虎ノ門店」
港区虎ノ門2-2-1 JTビル1F TEL 03-3589-5812
(http://www.ep-tokyo.com/iprimi/toranomon/)
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参加ご希望の方は、12月18日までに出欠の是非を、下記のメールアドレス
にお申し込み下さい。
forum@kosonippon.org
お名前
所属
ご連絡先
懇親会に     参加する      参加しない
————————————————————–
*参加申し込みに関するお問い合せは、
事務局 木下まで。TEL 03-5275-5665
*内容に関するお問い合せは、
フォーラム担当 西田まで。TEL 03-5275-5607
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