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【No.355】【「税金浪費型公共事業」の典型例:八ッ場(やんば)ダム】

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JIメールニュースNo.355 2008.6.20発行
「税金浪費型公共事業」の典型例:八ッ場(やんば)ダム
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◆◇ 目 次 ◇◆
1.【「税金浪費型公共事業」の典型例:八ッ場(やんば)ダム】
2.【第131回「J.I. フォーラム】
3.【第26弾「事業仕分け」のご案内】

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1.【「税金浪費型公共事業」の典型例:八ッ場(やんば)ダム】

河登 一郎
(埼玉県所沢市在住)
「税金浪費型公共事業」の典型例が群馬県にあります。八ッ場ダム事業で
す。1952(昭和27)年に計画され、必要性について長い間議論されてきたダ
ムです。この計画によって、環境及び地域社会破壊も起きています。完成予
定は度々延期されて、2015年となっています(更に延期の見込み大)。
首都圏の水需要は1995年ごろから漸減しており、今後は人口減で更に減り
ます。供給面では八ッ場ダム以外の新たなダムも加わり、需給ギャップはさ
らに広がります。治水面での効果も限定的です。
八ツ場ダム計画策定以来、長期にわたって調査費など巨費が投入されてき
ましたが、5年前には2100億円だった建設費が突然4600億円に増額されま
した。水源地域整備事業や起債金利を含めると1兆円規模のダントツ日本1
金喰いダムです。1都5県の負担は全体の約45%と巨額ですが、国の負担
は約55%ですから、首都圏以外の国民にも迷惑がかかっています。
建設予定地、吾妻渓谷・川原湯温泉は、“関東の耶馬溪”といわれる景勝地
です。そのど真ん中を高さ120メートルのコンクリート壁で遮った図を想像して
下さい。更に、砂防ダムが何十カ所も作られ、周辺の自然をズタズタに分断
しています。周辺では血税が音を立てて浪費されている実例がごろごろして
いる反面、ダム建設予定地となった地元は将来の展望が描けず疲弊してい
ます。
3年半前には首都圏1都5県(神奈川県以外)それぞれで、八ッ場ダム関連
支出差止と公金返還を求める行政訴訟が提起され、現在も継続中です。
最近では、新たらしい動きも出てきました。国会では野党議員による「公共
事業チェック議員の会」が再発足し、民主党は「税金ムダ使い一掃本部」を
立ち上げました。
特筆すべきは群馬県議会です。従来、超党派でダムを推進してきましたが、
最近保守系議員を含む14名の「八ッ場ダムを考える群馬県議の会」ができ、
そのうち6名が発起人になって1都5県議会議員全員に呼びかけた結果、5
月19日に「八ッ場ダムを考える1都5県議会議員の会」が発足しました。
同会への現在までの参加者は63名で、1都5県会議員の15%弱(群馬県は
3割弱)に当り、超党派の集まりで今後さらにふえる可能性があります。目
的は、(1)八ッ場ダムの必要性の徹底検証、(2)ダム事業の実態調査、
(3)水没予定地域住民の真の生活再建を支援。同会代表・関口群馬県会
議員(元鬼石町長)は、「負の遺産を次の世代に絶対に残さない」と宣言さ
れました。
上記のような一連の動きは、この国で100年以上続いた、中央集権と云う巨
大権力による、形式的には合法でも実質的には犯罪とさえ云える極端な税
金の浪費と地方切捨てに対する国民の厳しい批判が、新しい形で具体化し
たと思っています。
もちろん運動全体としてまだ力不足です。<八ッ場あしたの会>のホームペ
ージを通じて情報発信しています。皆さまも関心を持ち続けて頂きたいと切
望します。
*河登 一郎(かわと・いちろう)氏のプロフィール
昭和10年東京生まれ。現在は、埼玉県所沢市在住。
〔八ッ場あしたの会:http://www.yamba-net.org/〕

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2.【第131回「J.I. フォーラム」のご案内】
私たちは何を「セーフティーネット」にすればいいのか
青年会議所(JC)は全国に約700余りあり、様々な地域活動を行っている
公益的な組織です。今回はその全国的運営機関である(社)日本青年会議
所と共催で、JCが力を入れている「セーフティネット」について考えます。犯
罪や自殺の増加、その背後にある貧困。そしてその再生産は今や全国で見
られることです。かつての「世間」が個人を支える仕組みがほぼ消滅した現
在、何を「セーフティーネット」にしていけばいいのでしょうか、現場で格闘して
いる人たちの話をもとに、新しい「世間」のあり方を議論したいと思います。
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★今回は会場が変わります。ご注意ください。★
日 時  : 平成20年6月27日(金)
会 場  : グランドアーク半蔵門  3F 光の間
千代田区隼町1番1号 TEL 03-3288-0111 (代)
(http://www.grandarc.com/access/access.htm)
開 演  : 午後6時30分(開場:午後6時)
ゲスト  : 伊與田英史
(社団法人日本青年会議所 セーフティーネット構築委員会 委員長)
玄 秀盛
(NPO法人日本ソーシャル・マイノリティー協会 新宿救護センター 所長)
草間吉夫(茨城県高萩市長)
清水康之(NPO法人ライフリンク 代表)
コーディネーター : 岡田広行(週刊東洋経済 副編集長)
共 催   : 構想日本・社団法人日本青年会議所
定 員  : 160名
フォーラム参加費 : 2,000円(構想日本会員及び青年会議所メンバーは無料です)
懇親会参加費   : 4,000円
(ご希望の方は下記懇親会参加に○印をつけてください)
※ゲストを囲んで、下記の会場で懇親会を開催いたします。
グランドアーク半蔵門 4F ラウンジ「ラ・メール」
Tel 03-3288-0111(内線5567)
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参加ご希望の方は、6月26日までに出欠の是非を、下記のメールアドレス
にお申し込み下さい。
forum@kosonippon.org
お名前
所属
ご連絡先
懇親会に     参加する      参加しない
————————————————————–
*参加申し込みに関するお問い合せは、
事務局 木下まで。TEL 03-5275-5665
*内容に関するお問い合せは、
フォーラム担当 西田まで。TEL 03-5275-5607

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3.【第26弾「事業仕分け」のご案内】
~ 埼玉県草加市 ~
構想日本が2002年から行なっている行政の「事業仕分け」は行財政改革
の切り札です。予算編成に反映させた結果、1割もの事業を削減できたと
いう具体例もあります。今年度は10ヶ所以上の自治体での事業仕分けを
予定し、問い合せも続いています。
今回行う草加市は、2000年に埼玉県から彩の国中核都市に指定され、さ
らに2004年に特例市に移行するなど、県からの権限委譲を進めています。
また、全市町村を対象とした「行政革新度調査」(日本経済新聞ほか)で9
位にランクされている行革先進地域でもあり、事業仕分けの実施によりさ
らなる進展が期待できます。
行政の方、自分の地域を何とかしたいという方、メディアの方、お誘いあわ
せのうえ、侃々諤々の議論に傍聴参加ください。必ず地域再生の大きな参
考になると思います。

【日時】2008年6月28日(土)、29日(日)
両日ともに、午前9時から午後5時頃
※入退室自由です。ご都合の良い時間帯にお越しください。
【会場】 草加市役所 西棟5F
(埼玉県草加市高砂1-1-1) TEL:048-922-0151
※当日、市役所の駐車場は使えませんので、車でお越し方は近隣の
民間駐車場をご利用ください。
【対象】 草加市の事務事業(45事業程度)
【参加者】事業説明者:草加市役所職員
評価者(仕分け人)
コーディネーター:「明日の地方財政を考える会
(自治体職員有志の研究会)」メンバーほか、
構想日本事業仕分けチーム
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≪最も必要なのは「国の事業仕分け」!≫
現在、経済財政諮問会議や地方分権改革推進委員会で国の事業仕分け
の実施が検討されています。前回の浜松での実施の際も、国会議員や政
府審議会メンバーが数多く傍聴に来ていました。地方分権を進めるために
は、自治体での経験を踏まえた、国の事業仕分けが最も重要です。今後
も国での実施に向けて働きかけていきます。
参照:http://www.kosonippon.org/cp-bin/wp/index.php

≪事業仕分けとは・・・≫
・国や自治体の行政サービスについて、予算書の項目ごとにまず要否の議
論をする。
・その上で、実施主体(官か民か、国か地方か)を議論
・「外部の目」を入れる
・「公開の場」で議論する
※構想日本のホームページ「事業仕分け」もご覧ください。
http://www.kosonippon.org/cp-bin/wp/project/list.php?m_category_cd=16
●これまでの実例をもとにポイントをまとめた、構想日本編『入門 行政の事
業仕分け』(ぎょうせい刊・1,800円)のご注文も下記にて承ります。
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ご参観ご希望の方は、6月27日までに出欠の是非を、下記のメールアドレス
にお申し込み下さい。
forum@kosonippon.org
お名前
所属
ご連絡先
————————————————————–
*お問い合せは、 西田/伊藤まで。TEL 03-5275-5607

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