【No.372】「事業仕分け」シリーズ(1) ~国の目標設定で、どんな世の中にするのかというビジョンが       見えない~
2008.10.24

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JIメールニュースNo.372  2008.10.24発行
「事業仕分け」シリーズ  (1)
~国の目標設定で、どんな世の中にするのかというビジョンが見えない~
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◆◇ 目 次 ◇◆
1.【 「事業仕分け」シリーズ (1)
~国の目標設定で、どんな世の中にするのかというビジョンが見えない~】
2.【第135回「J.I. フォーラム」のご案内】
3.【財務省の政策棚卸し、10月31日開催決定!】
4.【第34弾自治体の「事業仕分け」実施のご案内
~千葉県 習志野市~】

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≪TOPICS≫

構想日本ホームページで実施しました「ワンクリックアンケート」
結果が出ました。ご協力ありがとうございました。
結果は、以下サイトよりご覧いただけます。
Q:「こんにゃくゼリー」の責任の所在は?」
〔アンケート期間:2008/10/08(水) ~2008/10/20(月〕
↓     ↓     ↓
https://www.kosonippon.org/wp-manager/enquete/result.php?m_enquete_cd=57

さらに、今回の「ワンクリックアンケート」は、全国学力テストについてです。
是非ご参加ください。
Q:「全国学力テストの結果、公表の是非は?」
〔アンケート期間:2008/10/23(木) ~2008/11/04(火)〕
↓     ↓     ↓
https://www.kosonippon.org/wp-manager/enquete/index.php?m_enquete_cd=58

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1.【 「事業仕分け」シリーズ (1)
~国の目標設定で、どんな世の中にするのかというビジョンが見えない~】
首都大学東京 伊永隆史
文部科学、環境両省の事業の要不要を一つずつ見直す「事業仕分け」(自
民党の無駄撲滅プロジェクトチームは「政策棚卸し」として実施)に参加した
が、国の事業における目標設定の甘さが目につき、会議ではその点を特に
指摘してきた。
事業の概要説明の「成果目標」は、多くの場合「手段」を目的化しているに過
ぎない点が印象に残った。例えば、200億円を超える国費が投入されている
ロケットの開発事業。本来分けるべき技術開発と科学研究の仕分けが為され
ておらず、ロードマップが見えないまま、ただ打ち上げただけになっていないか。
私の目から見ると、本来は目標達成のための手段であるにもかかわらず、そ
れが成果目標と定義され、税金を投入した結果としての達成度が正確に確認
されないまま予算が継続的に注ぎ込まれてしまう仕組みであった。要するに、
どんな国、どんな世の中にするのかというビジョンが見えないのである。官僚は
「手段」構築に対して税金を投入するだけで、その「手段」を通じて「目標」が達
成され、本当に「効果」が上がったのか否かの「政策評価」の確認が為されな
いまま事業が継続される。
ところがPHP総合研究所編「マニフェスト白書2008」によれば、各政党のマニフ
ェストでも同じ病にかかっているらしいことを知り、官僚社会だけの問題ではな
いと愕然とした。
国のあらゆる事業で事前事後のマーケティングが機能していない。例えば、
環境省の廃棄物の3R事業では家庭ごみの分別収集も対象となり、リサイクル
率向上などを成果目標として計画されるが、リサイクルされる紙やペットボトル
は国内処理ではなく中国等へ売られるケースも多く、経済合理性のためとは
いえ、その後の実態を確認せず輸出しておしまいとするのでは目標達成とは
言えまい。また高速道路も地域の交通網整備、産業活性化などについて効果
を問うべきはずが、道路を作ること自体が成果目標となり、作れば終わりとされ
る事業評価には疑問を持たざるを得ない。国のあり方を問うビジョンに基づいた
「背景」「手段」「目標」「効果」の第三者評価システムが必要で、加えて達成度
に関する費用対効果の事後マーケティングを徹底することが不可欠だ。
文部科学省の技術を専門とする職員の説明を聞きながら官僚主導による縦割
行政の実体に接したが、横串を打ってでも効率化を推進すべき政治家の役割
も見たかった。私自身は、国の外部資金を得て先端計測分析機器開発や食の
安全トレーサビリティに関する産官学プロジェクト運営と若干の専門知識を踏ま
えた大学現場体験を基に、人材の薄い理工系の一員として参画したつもりだが、
結果的に「タックスペイヤーとしての国民目線」の重要性に目覚め、私個人にとっ
ても新しい視界が開けてきたように実感している。
* 伊永隆史氏プロフィール
1949年生岡山県出身。京都大学工学博士。
民間企業研究員、岡山大学助手・助教授、
富山高専教授、徳島大学教授を経て、2001年より
東京都立大学大学院教授。
2005年公立大学法人化に伴い首都大学東京教授。今日に至る。
専門:環境化学、質量分析学、超微細化学システム、先端計測分析
装置開発、食の安全トレーサビリティ、産学公連携活動。
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2.【第135回「J.I. フォーラム」のご案内】
「農」と「生き物」の話
~「農」は自給率確保だけのものではない!~
食料の安全性、価格高騰など、最近「農」とか「食」が急速に注目され
ています。戦後60年間、私たちの日常生活で食料が充足し、食べ物が社
会であり余るようになればなるほど、農業は軽視され続けてきました。
しかし、私たちは、食べないと生きられない、食べ物は農からしか作ら
れない。また、農業の方法によって、空気も水も土も他の生き物も大い
影響を受けるのです。
ここでは「農」を単に農業ではなく「人という生き物の文化」という視点
で捉え、私たちの未来を描く重要なテーマとしてみなさんと一緒に考えた
いと思います。
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日時: 2008年10月29日(水)
開演: 18:30~20:30(18:00開場)
場所: 都市センターホテル3F コスモスホール2
千代田区平河町2-4-1 TEL 03-3265-8211
(http://www.toshicenter.co.jp/access/index.html)
ゲスト:進士 五十八(東京農業大学地域環境科学部造園科学科教授)
陽 捷行(北里大学副学長)
林 良博(東京大学大学院農学生命科学研究科教授)
コーディネーター:岡田 達雄(生き物文化誌学会 常任理事)
参加費 :2,000円 (シンクネット構想日本会員は無料です)
懇親会参加費 :4,000円程度 (参加希望の方のみ)
※ゲストを囲んで、下記の会場で懇親会を開催いたします。
都市センターホテル5階スバル
千代田区平河町2-4-1 TEL 03-3265-8211
(http://www.toshicenter.co.jp/access/index.html)
主催 :構想日本
定員 :160名
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参加ご希望の方は、10月28日までに出欠の是非を、下記のメールアドレス
にお申し込み下さい。
forum@kosonippon.org
お名前
所属
ご連絡先
懇親会に     参加する      参加しない
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*参加申し込みに関するお問い合せは、
事務局 木下まで。TEL 03-5275-5665
*内容に関するお問い合せは、
フォーラム担当 西田まで。TEL 03-5275-5607
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3.【財務省の政策棚卸し、10月31日開催決定!】
自民党無駄撲滅プロジェクトチームは文部科学省、環境省の「政策棚卸し」
=事業仕分けを8月以降続けて実施してきました。第3弾は財務省です。
解散総選挙の日程が不確定の中、延期も検討されましたが、プロジェクト
チーム所属議員の強い思いにより、予定通り10月31日に実施することに
なりました。その志を受け、我々も全力で協力しております。
行政の「事業仕分け」は行財政改革の切り札です。これまで自治体で34回
実施し、1割もの歳出削減につなげるなど大きい実績をあげています。また
カナダなどでも財政再建に絶大な威力を発揮しました。
日程が迫ってからのご案内で恐縮ですが、政治家、報道関係の方、そして
もちろん世の中を良くしたいという方はどなたでも、是非この「日本の大掃除」
に傍聴参加ください。
【日時】 平成20年10月31日(金) 午前9時15分~午後6時
【会場】 衆議院第二議員会館一階 第一会議室(千代田区永田町1-7-1)
※入場には入館証が必要になるため、今回は入場の時間を制限させて頂きます。
9時から9時30分、13時から13時30分の間に1階受付までお越しください。
スタッフが入館証をお渡しします(その時間に来られない方は受付で申し出
ください)。
※入場を制限させて頂く場合がございます。
※会場に関するお問い合わせは構想日本まで。
【対象】 財務省の事業(7事業程度)
【参加者】 事業説明者:財務省職員
「仕分け人」(評価者)、コーディネーター:自民党「無駄遣い撲滅
プロジェクトチーム」、構想日本事業仕分けチーム及び外部有識者
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ご参観ご希望の方は、出欠の是非を、下記のメールアドレスにお申し込み下さい。
forum@kosonippon.org
お名前
所属
ご連絡先
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4.【第34弾 自治体の「事業仕分け」実施のご案内】
~千葉県 習志野市~
構想日本が2002年より行ってきた行政の「事業仕分け」。
今年度中に40あまりの自治体で実施する予定です。歳出削減
の効果や、職員、住民の意識改革などの実績が浸透し、加速
度的に広まっています。さらに、国の事業仕分けもついに始ま
り、文科省、環境省について行いました。各方面から多大な反
響がきています。
習志野市は人口約16万人。内部での事務事業評価は既に
実施しており、次のステップとして第三者を入れて公開で行な
う事業仕分けを取り入れることになりました。また、担当者の
熱意を市長が理解しての実施ですので、作業終わってからの
活用にも期待が持てます。
百聞は一見に如かず、まずは侃々諤々の議論を傍聴し、その
威力を確かめて下さい。
【日時】平成20年10月25日(土) 9:00~16:30
※入退室自由です。ご都合の良い時間帯にお越しください。
【会場】習志野市消防庁舎 5階講堂など(千葉県習志野市鷺沼2-1-43)
会場に関するお問い合わせは、
経営改革推進室(047-451-1151 内483)まで。
【対象】習志野市の事務事業(29事業/3班体制)
【参加者】事業説明者:習志野市職員
「仕分け人」(評価者)、
コーディネーター:構想日本事業仕分けチーム、
習志野市民
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≪事業仕分けとは・・・≫
・国や自治体の行政サービスについて、予算書の項目ごとにまず要否
の議論をする。
・その上で、実施主体(官か民か、国か地方か)を議論
・「外部の目」を入れる
・「公開の場」で議論する
※構想日本のホームページ「事業仕分け」もご覧ください。
https://www.kosonippon.org/wp-manager/project/list.php?m_category_cd=16
●これまでの実例をもとにポイントをまとめた、構想日本編『入門 行政の事
業仕分け』(ぎょうせい刊・1,800円)のご注文も下記にて承ります。
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ご参観ご希望の方は、出欠の是非を、下記のメールアドレスにお申し込み下さい。
forum@kosonippon.org
お名前
所属
ご連絡先
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*お問い合せは、 西田/伊藤まで。TEL 03-5275-5607
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