【No.545】臨床僧の会・サーラ
2012.03.15

■□■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓

J.I.メールニュース No.545 2012.03.15発行

臨床僧の会・サーラ

┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■□■

【1】 臨床僧の会・サーラ
臨済宗の僧、内科医 対本 宗訓

【2】 ※日付変更※ 第175回J.I.フォーラム 3月30日(金)開催

〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

【1】 臨床僧の会・サーラ
臨済宗の僧、内科医 対本 宗訓
――――――――――――――――――――――――――――――――
昨年の2月、京都で「臨床僧の会・サーラ」が発足しました。「臨
床僧」とは臨床に立つ僧侶という意味での命名です。わが国では従
来、葬送儀礼に専従する僧侶は死を連想して縁起が悪い存在とされ
がちで、医療機関などに立ち入ることは忌避されてきました。しか
し僧侶の本来の役割は人々の生老病死の苦に寄り添うことであった
はずです。そこで私のように宗門を去って医師にまではならなくと
も、一般の住職の立場で何とか医療や福祉の現場に参加できる道は
ないだろうかと考え、臨床僧の活動を提起したのです。

臨床僧になるには宗派や僧位は関係ありません。まずは患者さんや
お年寄りの身体に触れさせていただくために、ヘルパー2級など何
か公的な資格を取得してもらいます。臨床の現場に立つには、相応
の知識と技術、それに心構えが必要だからです。そのうえで会とし
ての研修を継続しながら、受け入れてくださった医療機関や福祉施
設でスタッフの一人として活動します。

臨床僧は、望まれない限り説法はしません。読経や法要も営みませ
ん。必要に応じて、身のまわりの世話や介護の手伝い、患者さんや
ご家族の話し相手になったりと、手を労し額に汗して患者さんの身
体と心に寄り添います。生老病死の伴走者として、求められればい
つでも傍にいる。それが臨床僧のありかたです。

公的資格を取った臨床僧には次に、いくつかのコミュニケーション
スキルを修得してもらうことにしていますが、そのひとつが「コン
フォート・ハンド」です。ヒーリング、マッサージ、アロマセラピ
ーの各要素が少しずつ合わさったようなこの技法は簡便ながらたい
へん好評で、もちろん医療行為には該当せず、講習さえ受ければ誰
でも行えます。さっそく許可を得てデイケアのお年寄りの方々との
触れ合いで実践しましたところ、たちまちほっこりした笑顔の輪が
広がり、和気にあふれてお互いの距離がいっきに縮まりました。文
字どおりの触れ合いがいかに人の心を開き和ませるものであるか、
臨床僧はつぶさに経験することで喜びと自信につながったようです。

私たちは緩和医療の現場に宗教者の智慧を加えて患者さんとご家族
に寄り添うことを目標の一つにしていますが、特別な仏教の話をす
る必要はありません。いつも傍にいてお年寄りや患者さんの手を把
ったり背中を支えたりするような身体の触れ合いを通すなかで、心
や魂に触れる言葉が自然に紡ぎ出されていくのだと私たちは信じて
います。

宗門という僧侶の集団はややもすれば否定的な角度から見られがち
ですが、視点を換えれば、巨大なヒューマン・リソースです。現状
を何とか打破したいという潜在的な坊さんの数は決して少なくあり
ません。やる気はあるけれども、具体的に何をどうやっていいかわ
からないのが本音です。そこでちょっとした勇気で取り組めるいい
システムがあれば、日本国中たくさんの僧侶が実際の行動に移せる
でしょう。

本会が活動を開始してより一年余、第一期生にとっては苦難の道が
続いています。受け入れの医療機関や福祉施設がまだ少ないのも大
きな悩みです。ご縁を大切にして経験を一つ一つ蓄えながら、これ
からさらに工夫を加えていかねばなりません。うまくいったことも
うまくいかなかったことも、ありのままの情報を発信し、多くの皆
様のお知恵とお力添えをいただきながら歩んでまいりたいと願って
います。

対本 宗訓(つしもと・そうくん)
1954年愛媛県生まれ。1979年京都大学文学部哲学科卒業。京都嵯峨
天龍寺僧堂にて修行。臨済宗天龍寺派前管長平田精耕老師に嗣法。
1993年臨済宗佛通寺派管長就任。2000年帝京大学医学部入学同年佛
通寺派管長辞任。2006年帝京大学医学部卒業。現在、内科医・僧医
として活動中。
*臨床僧の会・サーラ http://www.rinshoso.com/

—————————————————————-
*みなさんのご意見をお待ちしています(800字以内でお願いします)。
info@kosonippon.org
いただいたご意見はバックナンバーと共に「読者の声」として以下
に掲載しています。
https://www.kosonippon.org/wp-manager/mail/index.php
※不掲載をご希望の場合は必ずその旨を明記して下さい。氏名、肩書
きは、特にご指示がなければそのまま掲載します。匿名、ハンドル
ネームをご希望の場合は必ず明記して下さい。なお、盗作、名誉毀
損、人権侵害、差別的な記述などの投稿は禁止いたします。
—————————————————————-

【2】 ※日付変更※ 第175回J.I.フォーラム 3月30日(金)開催
――――――――――――――――――――――――――――――――

東北復興の原点を考えよう

○日時: 平成24年3月30日(金)

○会場: 日本財団ビル2階・大会議室
港区赤坂1-2-2 TEL 03-6229-5111
http://www.nippon-foundation.or.jp/org/profile/address.html
※セキュリティの都合上、本案内状を会場1階で提出して下さい。

○開演: 午後6時30分(開場:午後6時00分)

○ゲスト: 阿部 眞理子(国際ボランティアセンター山形 理事)
菅原 務(気仙沼信用金庫 理事長)
田村 満(復興新会社「なつかしい未来創造株式会社」社長
/高田自動車学校社長)
深田 智之(会津東山温泉くつろぎ宿 代表取締役社長)

コーディネーター: 加藤 秀樹(構想日本 代表)

○主催: 構想日本

○定員: 160名

○フォーラム参加費: 2000円(シンクネット・構想日本会員は無料です)

○懇親会参加費: 4000円
ゲストを囲んで、下記の会場で懇親会を開催いたします。
「頤和園(いわえん)溜池山王店」
港区赤坂1-1-12 TEL 03-3584-4531
http://www.iwaen.co.jp/tameike

※懇親会をキャンセルされる場合は必ずご連絡下さい。
直前のキャンセルの場合、キャンセル料を申し受けます。

—————————————————————-
参加ご希望の方は、【3月29日(木)まで】に出欠の是非を、下記の
メールアドレスにお申し込み下さい。
forum@kosonippon.org

お名前

所属

ご連絡先

懇親会に     参加する      参加しない
※懇親会直前キャンセルの場合は、キャンセル料を申し受けます。

—————————————————————-
*参加申し込みに関するお問い合せは、
事務局 木下明美まで。TEL 03-5275-5665
*内容に関するお問い合せは、
フォーラム担当 西田陽光まで。TEL 03-5275-5607
*今後のスケジュール等、詳細はHPをご覧下さい。
https://www.kosonippon.org/wp-manager/forum/index.php
—————————————————————-

〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

◆J.I.メールニュースは、構想日本の活動情報などをお届けする
無料のメールマガジンです。1.代表及びスタッフが名刺交換さ
せていただいた方、2.ホームページで直接購読を申し込まれた
方に配信しています。
◆登録・配信停止・アドレス変更は、 news@kosonippon.org へご
連絡いただくか、 https://www.kosonippon.org/wp-manager/mail/regist.php
で手続きして下さい。
◆転載する場合は下記までご一報下さい。
info@kosonippon.org
◆構想日本の書籍の詳細はこちらです。
https://www.kosonippon.org/wp-manager/books/index.php
◆政治家アンケート等、「政治家・政策データベース」はこちらです。
http://db.kosonippon.org/
◆みなさんの個人情報は、構想日本が厳重に管理し、構想日本の活動
に関わるご案内をお送りする以外、使用することはありません。

□■□ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
発行 : 構想日本、発行責任者 : 加藤秀樹
info@kosonippon.org
https://www.kosonippon.org/wp-manager/
Copyright(C) 1999-2011 -構想日本- All rights reserved.
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □■□