【No.573】過疎地では地デジ対策はまだ続いている
2012.10.04

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J.I.メールニュース No.573 2012.10.04発行

過疎地では地デジ対策はまだ続いている

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【1】 過疎地では地デジ対策はまだ続いている
デジタルこうち推進協会専務理事 川竹 大輔

【2】 第182回J.I.フォーラム 10月30日(火)開催予定

【3】 継続は力! 事業仕分け 今週末は鎌倉市で開催

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【1】 過疎地では地デジ対策はまだ続いている
デジタルこうち推進協会専務理事 川竹 大輔
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デジタルこうち推進協会は、高知県内だけで400か所以上あったア
ナログ放送共同受信施設のデジタル化改修を支援するため、2007年
に誕生しました。

今回の地デジ完全移行では、短期間でのデジタル化改修が求められ
ましたが、高知では手慣れた工事業者の絶対数が足りないという課
題がありました。20年前ならば地域の家電店で共同受信施設の工事
ができたのですが、そうした家電店が大型店との競争で廃業してし
まったからです。そこで、協力業者を研修などで確保しつつ、市町
村などに早めの対応を働きかけることを目的に、当団体を設立しま
した。

全国で見れば、昨年7月24日のアナログ停波までに、99%以上の世
帯の地デジ化が達成されました。しかし、対応が間に合わず、暫定
的な衛星放送で東京キー局の地上波テレビを見ている家庭が、今年
3月末の時点で約5千世帯残っていて、3年後までに地元放送を視聴
できる恒久的な対策をすることが求められています。
例えば、高知県安芸市の別役土居地区(4世帯)では、歩いて3時間
かかる山頂か、自動車で30分かかる隣接共同受信施設からデジタル
電波を取らないといけなくて、いまだに恒久的対策のめどは立って
いません。住人の最年少は60代で、大規模な故障が起きたら自分た
ちの負担では改修ができないだろうという不安も抱えています。

集落から山頂までの調査に同行してもらう時も、高齢の住民たちで
は危なくて山に登れず、集落の出身者で市街地に住んでいる方に案
内役をお願いしました。共同受信施設の維持管理のためには、受信
アンテナ周りの草刈りが不可欠なのですが、遠くの受信点ではとて
も作業は無理だとの意見も聞きました。

この集落に電気や電話が通ったのは昭和40年代です。市役所から50
キロ、近くの簡易郵便局まで週2便のバスで1時間かかります。今年
の梅雨には集中豪雨で数日間道路が通れませんでした。このような
環境にあって、住民は地元の放送局からの災害情報を見ることがで
きないという状況に置かれているのです。

このような地域に人が住むのはコストばかりだという意見もありま
す。しかし、山というのは、人の手が入ることによって、土砂崩れ
を防ぎ、良い水を供給できているという面もあります。国民全員が、
過疎地域に住む人たちに日本の国土保全、山や田畑さらには海など
の資源の維持や管理を任せているわけですから、こうした地域も守
っていかねばなりません。

こうした過疎地域に目を向ければ、日本の地デジ完全移行は終わっ
ていません。テレビのアナログ電波が使っていた電波帯域を、スマ
ートフォンなどの携帯端末で有効に活用できるようになった一方で、
デジタル化で不便さを増した地域への配慮を忘れてはいけないと思
います。

川竹 大輔(かわたけ・だいすけ)
昭和44年生まれ、高知出身。朝日新聞記者、三重県津市議会議員を
経て、平成12年から橋本大二郎高知県知事の特別職秘書、安芸市助
役を務める。平成19年からNPO法人デジタルこうち推進協会専務理事。

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【2】 第182回J.I.フォーラム 10月30日(火)開催予定
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詳細は近日中にお知らせします。

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事務局 木下明美まで。TEL 03-5275-5665
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フォーラム担当 西田陽光まで。TEL 03-5275-5607
*今後のスケジュール等、詳細はHPをご覧下さい。
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【3】 継続は力! 事業仕分け 今週末は鎌倉市で開催
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○鎌倉市(神奈川県)◇

【日程】 平成24年10月6日(土)9時30分から16時(予定)
※入退室自由。

【会場】 鎌倉市役所内 全員協議会室 および 講堂

【対象事業】 4事業

【参加者】 事業説明者:鎌倉市職員
コーディネーター、仕分け人
:構想日本事業仕分けチーム、鎌倉市民
市民判定人:鎌倉市民

【連絡先】 経営企画部行革推進課(鎌倉市御成町18-10 本庁舎2階)
電話:0467-23-3000(内線2220)

※◇印がついている自治体は「市民判定員方式」での実施となります。

*詳細は構想日本の事業仕分けサイトよりご覧下さい!
https://www.kosonippon.org/wp-manager/shiwake/contribution/index.php

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