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【No.576】素材からコンセプトへ

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J.I.メールニュース No.576 2012.10.25発行

素材からコンセプトへ

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【1】 素材からコンセプトへ
藍染色作家 福本 潮子

【2】 第182回J.I.フォーラム 10月30日(火)開催

【3】 継続は力! 事業仕分け 今週末は2つの自治体で実施

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【1】 素材からコンセプトへ
藍染色作家 福本 潮子
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(構想日本加藤より)
今月のJ.I.フォーラムのゲスト、福本潮子さんから以下のようなメ
ッセージを頂きました。布に限らず、紙、木、漆、陶器、鉄……ほ
とんどすべての種類の手仕事、伝統工芸が今絶滅の危機にあります。
これは大袈裟ではなく、日本文化の基盤の危機です。今回はこの危
機に粘り強く立ち向かっているお二人の話です。布に限らず日本の
文化にご関心のある方は是非30日のフォーラムにご参加下さい。

* * * * *

私は70年代後半から日本の天然藍にこだわり、藍染の伝統と現代の
感覚との一体化を求めてきました。西洋における“art”と“craft”
の両概念を併せ持つ日本の“工芸”を、国際的に評価される対象領
域へと拓くべく、様々な創作に挑戦してきました。近年は日本の希
少な自然布との出会いによって、民芸への関心と考察を深めていま
す。

自然界における絶滅危惧種、絶滅種が憂慮されていますが、実は、
人間界においても同様のことが起こっています。日本古来の貴重な
布文化も近年になり、ほとんどが絶滅しました。

対馬のひとびとは、岩場の多い厳しい気候風土のもと、自給自足の
生活をいとなみながら、大麻と木綿を栽培し、糸作りをして地機で
織り、仕事着に仕立てあげました。それを「山ぎもん」と言います
が、もう数十年も前に廃れてしまいました。今でも年老いたお婆さ
んは、「子供のころ家族が機を織っていた」と言います。永年着こ
んだ「山ぎもん」には、人々のつながり、日々のいとなみ、風土が
こめられています。

大麻糸に木綿糸が織りこまれた「山ぎもん」の生地は「対馬麻」と
言います。かたい大麻にやわらかい木綿を少し加えることで着心地
が良くなります。耐久性にすぐれた大麻は使い古され、洗いざらさ
れて、木綿となじみながらも強さを保ちつつ、白くやわらかくなり
ます。しかも「対馬麻」は、あらためて水をくぐらせると力強く美
しく再生します。個々の家族のために織られた布なので、幅、丈、
風合いなど、それぞれの生地に個性があります。

生成の手技も伝承されなくなった、いわば絶滅危惧種の布。そんな
一枚の布から自然、人間、歴史がみえてくるのです。

自国で発展した素材・技術でありながら、戦後の経済成長の影で
「保護・伝承しなければ残らないもの」となった麻を、私は作品化
していくことにしました。一領の「山ぎもん」をほどいて、一枚の
「対馬麻」の布にする。着物のかたちや機能を消しさり、一部を染
めて仕立てていく。永いいとなみが醸しだした確固たる布の風情を
前面にひきだそうと、制作しました。この仕事は、古くから日本人
の色彩観や美意識の探求において不可欠だった藍染めの世界を探求
してきた私の使命なのかもしれません。

昨年、東北を襲った震災も起因して、私たちは今あらゆる生活の局
面において、戦後の西洋化と日本人の感性との不協和音を改めて自
問し、彷徨う転換期に生きています。本来の日本人らしさ、日本の
風景とは何か。皆さんと一緒に考えてみたいと思っています。

福本 潮子(ふくもと・しほこ)
1945年清水市生まれ、大阪育ち。京都市立美術大学(現京都市立芸
術大学)西洋画科卒業後、日本の伝統文化を学ぶため龍村織物美術
に勤め二代目龍村平蔵に師事、植物染等を学ぶ。この時をきっかけ
に作品を藍染めで制作。国内外の個展や企画展で発表を続ける。ア
ートワークと平行してきもの帯等も手がける。日本のエッセンスを
世界に伝えるアーティストとして、海外のアートフェア等でも高い
評価を得ている。

*11月に福本潮子さんの展覧会が開催されます。

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福本潮子展 『自然布-素材からコンセプトへ』

○会期:2012年11月6日[火] ~ 11月24日[土]  *日・月曜 休廊
11:00~19:00 (土、11月23日[金祝]は 11:00~17:00)
○会場:アートコートギャラリー
http://www.artcourtgallery.com/images/exhibition/2012/exhibition_2012_1109_fukumotos.html

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*みなさんのご意見をお待ちしています(800字以内でお願いします)。
info@kosonippon.org
いただいたご意見はバックナンバーと共に「読者の声」として以下
に掲載しています。
http://www.kosonippon.org/cp-bin/wp/mail/index.php
※不掲載をご希望の場合は必ずその旨を明記して下さい。氏名、肩書
きは、特にご指示がなければそのまま掲載します。匿名、ハンドル
ネームをご希望の場合は必ず明記して下さい。なお、盗作、名誉毀
損、人権侵害、差別的な記述などの投稿は禁止いたします。
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【2】 第182回J.I.フォーラム 10月30日(火)開催
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布から考える生活、アート、文化

-「文化絶滅危惧種」について考える-

「絶滅種」「絶滅危惧種」という言葉があります。普通は生物に関
して使われます。しかし、文化についても同じことが言えます。身
の回りの道具類、食べ物、言葉、所作、祭、芸能…。その中でも
「高級」なものは有形、無形の文化財として保護、保存されますが、
日常のもの、粗末なものほどどんどん絶滅していっています。これ
らのものは本当に絶滅させていいものなのでしょうか。現代社会に
おいては効率、機能、価格などの面で淘汰されても仕方ないのかも
知れない。しかし、長い目で見ると残すべき大きな価値があるので
はないか。そこで、今回は「布」に光を当てて、これらのことを考
えたいと思います。ゲストは、「粗末な宝物」をアートにしてきた
福本潮子さんと、手仕事の掘り起こしに情熱を傾けてきた田中陽子
さんのお二人です。

○日時: 平成24年10月30日(火)
午後6時30分~午後8時30分(開場:午後6時15分)

○会場: 日本財団ビル2階・大会議室
港区赤坂1-2-2 TEL 03-6229-5111
http://www.nippon-foundation.or.jp/org/profile/address.html
※セキュリティの都合上、本案内状を会場1階で提出して下さい。

○ゲスト:田中 陽子(暮らしのクラフトゆずりは 店主)
福本 潮子(藍染色作家)

コーディネーター:加藤 秀樹(構想日本 代表)

○主催: 構想日本

○定員: 160名

○フォーラム参加費: 2000円(シンクネット・構想日本会員は無料です)

○懇親会参加費: 4000円
ゲストを囲んで、下記の会場で懇親会を開催いたします。
「頤和園(いわえん)溜池山王店」
港区赤坂1-1-12 TEL 03-3584-4531
http://www.iwaen.co.jp/tameike

※懇親会をキャンセルされる場合は必ずご連絡下さい。
直前のキャンセルの場合、キャンセル料を申し受けます。

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参加ご希望の方は、【10月29日(月)まで】に出欠の是非を、下記の
メールアドレスにお申し込み下さい。
forum@kosonippon.org

お名前

所属

ご連絡先

懇親会に     参加する      参加しない
※懇親会直前キャンセルの場合は、キャンセル料を申し受けます。

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*参加申し込みに関するお問い合せは、
事務局 木下明美まで。TEL 03-5275-5665
*内容に関するお問い合せは、
フォーラム担当 西田陽光まで。TEL 03-5275-5607
*今後のスケジュール等、詳細はHPをご覧下さい。
http://www.kosonippon.org/cp-bin/wp/forum/index.php
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【3】 継続は力! 事業仕分け 今週末は2つの自治体で実施
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○東伊豆町(静岡県)

【日程】 平成24年10月27日(土)午前10時00分~午後4時50分
※入退室自由。

【会場】 東伊豆町役場 1階 大会議室

【対象事業】 6事業

【参加者】 事業説明者:東伊豆町職員
コーディネーター、仕分け人:
構想日本事業仕分けチーム、東伊豆町民

【連絡先】 総務課財政係 TEL:0557-95-6302

○かすみがうら市(茨城県)◇

【日程】 平成24年10月27日(土)午前9時00分~午後5時00分
※入退室自由。

【会場】 あじさい館(かすみがうら市深谷3719-1)

【対象事業】 16事業

【参加者】 事業説明者:かすみがうら市職員
コーディネーター、仕分け人:
構想日本事業仕分けチーム、かすみがうら市民
市民判定人:かすみがうら市民

【連絡先】 企画課 TEL:0299-59-2111

※◇印がついている自治体は「市民判定人方式」での実施となります。

*詳細は構想日本の事業仕分けサイトよりご覧下さい!
http://www.kosonippon.org/cp-bin/wp/shiwake/contribution/index.php

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