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【No.605】ネット選挙運動解禁と有権者の「主体性」

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J.I.メールニュース No.605 2013.05.30発行

ネット選挙運動解禁と有権者の「主体性」

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【1】 ネット選挙運動解禁と有権者の「主体性」
(一般財団法人)尾崎行雄記念財団 主任研究員 谷本 晴樹

【2】 第190回「参議院選挙直前特別編!」J.I.フォーラム
6月13日(木)開催

【3】「共感助成」に参加します!

【4】「加藤、伊藤が伺います!」

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【1】 ネット選挙運動解禁と有権者の「主体性」
(一般財団法人)尾崎行雄記念財団 主任研究員 谷本 晴樹
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戦後民主主義の課題の一つは、丸山真男の議論に代表さ
れるように、いかにして「個々人の主体的な作為」として
の民主主義を構築するか、ということだった。日本におけ
る市民参加・市民運動の評価はさておき、選挙だけ切り取
ってみると、個々人の「作為の契機」はほとんどなかった
と言えるのではないだろうか。その原因の一つとして、や
はり公職選挙法を挙げざるを得ない。公職選挙法は選挙運
動の手段を極めて限定し、やってはならないことを事細か
く定めている。「べからず法典」とも揶揄される所以であ
る。「観客民主主義」「おまかせ民主主義」が嘆かれて久
しいが、法律で決まっている以上、名前の連呼や、内容の
薄いビラ、顔が大写しのポスターの中から選ぶ以上の行為
は、ほとんどの有権者はできなかったのである。もちろん
選挙事務所に行けば、積極的に活動ができるというかもし
れないが、それは普通の有権者にとって、あまりにも高い
敷居である。

さて、このたびのネット選挙運動解禁で、果たして有権
者の主体性は拡大するのであろうか。現在ではむしろ懸念
の声の方が強い。いわゆる「政治マーケティング」の手法
が広がり、見栄えやイメージばかりの情報が横溢すること
で、さらに有権者は政治を消費するしかない存在になって
しまうという懸念である。

確かにこれまでの傾向からすると、ネット選挙運動解禁
後は、これまでないほどの量の情報が政治の側から出てく
るであろう。しかし有権者が一方的に操作されるかという
と、必ずしもそうとは言えないかもしれない。

というのは、様々な調査結果から明らかなように、人々
は情報の洪水」にウンザリしているのである。今や広告よ
りも、信頼されているのはクチコミや友達や家族からの情
報である。だから人と人の関係が先にあるソーシャルメデ
ィアの利用が高まっているのである。いくら「量」を増や
しても、共感できるものでなければ、ソーシャルメディア
では情報は流れていかない。

さらにソーシャルメディアは、候補者からイメージや心
地よい言葉といった「マーケティングの皮」を引き剥がす
かもしれない。候補者は常に、ソーシャルメディアの監視
にさらされることになる。携帯での気軽な動画の撮影や実
況が、候補者の本音や本性、矛盾した発言を映し出し、あ
っという間に拡散させるかもしれないからである。

ネット選挙運動解禁の意義の一つは、このような「ライ
トな参加」ができるようになったことである。ライトであ
っても、誰しもが重要な役割をする可能性がある。

もちろん、後援会を中心に回ってきた選挙のやり方、「
日本の伝統芸能」ともいわれる選挙のやり方が、急激に変
わるとは思えない。人の考え方は、そう急には変わるもの
ではない。しかし現在のインターネットが人々の主体性を
向上させるポテンシャルを持つツールであることは確かで
ある。例えば、次の参議院選挙、佐賀で若者の投票率を65
%にすることを目標にfacebookを中心に活動している「さ
がcolor」など、有権者発の運動が各地で出てきている。
重要なのは、諦めずにネットというツールの使い方を模索
し続けていくこと、そしてネット上に現れた「作為」を広
げていくことではないだろうか。

そうした「作為」が集まることで、公職選挙法全体が変
わっていくかもしれない。私は今回のネット選挙解禁のも
う一つの意義は、実はそこにあると考えている。ネット上
で様々な選挙、有権者主体の選挙がなされるようになるな
らば、その一方で、ビラやハガキの印刷代、選挙カーのガ
ソリン代から運転手代まで手厚い公費負担で支えることの
是非は、再び議論にならざるを得ないのではないだろうか。
知恵と工夫次第で自由に広がるインターネット、その一方
で旧態依然とする規制の残る公職選挙法、そのせめぎあい
は今回のネット選挙解禁でこれから始まるのである。

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谷本 晴樹(たにもと はるき)

(一般財団法人)尾崎行雄記念財団 主任研究員。
インターネットと政治、オープンガバメント、政治倫理
など幅広く研究している。最近では、ネット選挙解禁運
動OneVoiceCampaignの主要メンバーとして、ネット選挙
について発信をしている。主な著書に、『統治を創造す
る』『グローバリゼーション再審』『咢堂言行録』
(ともに共著)など。日本政治学会、日本国際政治学会
など所属。
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【2】参議院選挙直前特別編!
第190回J.I.フォーラム 6月13日(木)開催

※日程および時間帯が変更になっています。ご注意ください。
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「ネット選挙解禁! 政治は変わるか?」

7月の参院選からインターネットによる選挙運動(ネット選挙)
が解禁になります。
選挙運動や有権者の受け取る情報はどう変わるのか。
今後の可能性、課題、公選法の問題など、政治家、有権者、
メディアなど、当事者の中心人物に集まって頂き、縦横無尽に
議論していただきます。

○日時:6月13日(木)15時00分~18時00分(開場14時30分)

○内容及び登壇者

・ 論点提示:「ネット選挙解禁」の考え方
津田大介氏(ジャーナリスト/メディア・アクティビスト)

・ 第一部:「ネット選挙解禁で有権者の何がどう変わるか」

川邊健太郎氏(ヤフー株式会社 副社長兼最高執行責任者)
津田大介氏(ジャーナリスト/メディア・アクティビスト)
原田謙介氏(NPO法人 YouthCreate代表)他

・ 第二部:「政治家がネット選挙解禁に期待すること」

石破茂氏(衆議院議員、自民党幹事長)
杉本誠司氏(株式会社ニワンゴ代表取締役社長)
細野豪志氏(衆議院議員、民主党幹事長)
加藤秀樹(構想日本代表)

コーディネーター:伊藤伸(構想日本ディレクター)
(一部、二部とも)

※ 氏名はそれぞれ五十音順

○会場:日本財団ビル2階 大会議室
港区赤坂1-2-2 TEL 03-6229-5111
(http://www.nippon-foundation.or.jp/about/access/)
当日は「ニコニコ生放送」公式番組として生中継

○協力:niconico、公開討論会NGO「リンカーン・フォーラム」
NPO法人YouthCreate、Yahoo!みんなの政治!

○フォーラム参加費 :2,000円(学生 500円)
(シンクネット・構想日本会員は無料です)

※ 今回のフォーラムでは、懇親会はありません。

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*参加申し込みに関するお問い合せは、
事務局 木下明美まで。    TEL 03-5275-5665
*内容に関するお問い合せは、
伊藤/田中まで。TEL 03-5275-5607
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【3】「共感助成」に参加します!
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No.603号でメールニュースの原稿を執筆して頂いた熊野
さんの取組に共鳴し、構想日本も「共感助成」に参加す
ることになりました。一人では世の中を動かすことがで
きなくても一人ひとりの行動がつながっていけば大きい
力になります。構想日本は、生活や現場でいう具体的な
行動を行政や政治につなげ、社会のしくみを変えていく
役割を担いたいと考えています。
(構想日本代表 加藤)

熊野さんが執筆された記事はこちらから。
http://www.kosonippon.org/cp-bin/wp/mail/bk130516.php

構想日本の共感助成については、こちらでご確認下さい。
http://www.shinrai.or.jp/furtherance/kousou/

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【4】「加藤、伊藤が伺います!」
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仕分けやその手法の活用について詳しく相談したい…、
霞ヶ関、永田町の動きやこれからの日本について話を
聞きたい…、若い世代で熱く語り合いたい…、などなど
話を聞きたい、議論したいという方には加藤、伊藤が
出張講演いたします。
10人程度集まれば、どこでも、加藤か伊藤が伺います。

※ お問い合わせは、
TEL 03-5275-5607(田中)まで。
E-mail:tanaka@kosonippon.org

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