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【No.623】農業の再生なくして日本の再生なし(前編)

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J.I.メールニュース No.623 2013.10.03発行

「農業の再生なくして日本の再生なし(前編)」

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【1】<巻頭寄稿文> 「農業の再生なくして日本の再生なし(前編)」
株式会社 登喜和食品 代表取締役 遊作 誠

【2】<お知らせ>

(1) 第194回J.I.フォーラム  10月28日(月)開催
「『熱い市町村長たち』第一弾 ―『若者』『バカ者』『よそ者』市長
大いに語る―」

(2) 新ウェブサービス「JUDGIT!」 10月上旬より本格稼働!
http://judgit.net/

(3) 10月の事業仕分けは那珂市、北杜市、三島市。

(4) トークセッション【堀田 聰子氏】
―地域に根ざし暮らしを支える患者中心の医療に向けて―
(オランダの家庭医に聞く)

(5) 「煎茶を楽しむ会」【主催:小川流煎茶 東京支部】

【3】<お願い>棚に眠っている本やDVDを構想日本に寄付して下さい

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【1】 「農業の再生なくして日本の再生なし(前編)」
株式会社 登喜和食品 代表取締役 遊作 誠
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父が1949年に創業した納豆屋を継いで36年になります。大学卒業後、建設
会社に就職していた私が家業を継ぐ決心をしたきっかけは、東北自動車道の
建設現場に派遣されたときに、「出稼ぎ」しなければ暮らしが成り立たない
東北の農家の厳しい現実を目の当たりにしたことです。

国の根幹である農業を担っている人たちが報われなければ、農業の後継者
は育たず、農業はますます衰退します。私は農業に関心を抱くようになり、
納豆づくりを通して、農業に関わる仕事をしたい、微力でも日本の農業を応
援したいと考えるようになりました。

当時、当社は輸入大豆を使っていました。割高な国産大豆を使えば納豆の
価格を上げざるをえません。国産大豆を使う意味や価値を理解できる取引先
や消費者も少なく、新たな販路を開拓する必要もありました。当社のような
零細業者にとって、国産大豆のハードルは非常に高かったのです。

国産大豆を使いたいという私の想いを商品化するに当たっては、スーパー
マーケット紀ノ國屋から貴重なアドバイスや生産者の紹介をいただき、販売
の面でもお引き立てをいただくという幸運に恵まれ、1999年には、すべての
製品で国産大豆100%使用を実現することができました。

だれが、いつ、どのようにつくった大豆かがわかるトレーサビリティを確
立することが、食の安全の基本です。契約栽培農家の畑に出向いて、栽培方
法や栽培品種について生産者と話し合うことを心がけてきました。

原料大豆以外の、わらや経木(赤松を紙のようにスライスした天然素材)
などの包装材もトレーサビリティを確立しています。産地に足を運び、生産
者のみなさまとも話し合いを重ね、より安全なものをつくっていただくよう
協力をお願いし、ともに努力してきました。

そこへ、2011年3月11日の東日本大震災と福島第一原発の事故です。地震
と津波の未曾有の自然災害のうえに、原発事故によって降り積もった目に見
えない放射性物質。その脅威の前に、私たちは無力でした。

長年守り続けてきた農地や、大切に育ててきた家畜が汚染されてしまった
生産者の無念さは、計り知れません。今回の原発事故で、農業=生きものの
命と原発は絶対に共生できないことを、改めて確信しました。

原発事故から2年半。被災地で再生に立ち上がった人たちのニュースに希
望を感じています。特に福島では、消費者に安心していただけるよう、農産
物の徹底した放射能検査を実施しています。

しかし、皮肉なことに検査をして少しでも数字が出れば、それが国の安全
基準を大幅に下回った数字であっても、消費者には受け入れられないという、
生産者や加工業者にとっては、非常に理不尽な現実にも直面しています。

私が日本の農業の危機に気付いて36年余りになりますが、農村の過疎化、
高齢化は加速し、そのうえ遺伝子組み換え、TPP、原発事故と、農業や食
の安全をとりまく環境は厳しさを増す一方です。

企業が農業を経営したり、企業に農地を開放して大規模化したりすれば問
題が解決すると考える人がいますが、果たしてそうでしょうか。効率や利益
優先の企業が、どんな農業を展開するのか? 日本は、ただでさえ農薬の単
位面積当りの農薬使用量が世界で一番多いといわれているのに、農薬の空中
散布や化学肥料の投入が、さらに増えるようなことにならないか、心配です。

利益優先、効率優先で自然を汚染し破壊してきた結果、私たち日本人が払
わされてきた犠牲は、枚挙にいとまがありません。そして福島の「原発事故」
です。もういいかげん、学ばなくてはと思います。

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遊作 誠(ゆうさく まこと)

大学卒業後、設計会社に入社。
土木技術者を経て、昭和55年登喜和食品社長に就任。

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*みなさんのご意見をお待ちしています。(800字以内でお願いします)
info@kosonippon.org
いただいたご意見はバックナンバーと共に「読者の声」として以下
に掲載しています。
http://www.kosonippon.org/cp-bin/wp/mail/index.php

※不掲載をご希望の場合は必ずその旨を明記して下さい。氏名、肩書きは、特に
ご指示がなければそのまま掲載します。匿名、ハンドルネームをご希望の場合
は必ず明記して下さい。なお、盗作、名誉毀損、人権侵害、差別的な記述など
の投稿は禁止いたします。
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【2】 (1) 第194回J.I.フォーラム  10月28日(月)開催
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「熱い市町村長たち」第一弾
―「若者」「バカ者」「よそ者」市長 大いに語る―

4年間で2度の政権交替。この間、経済は少し動き始めましたが、財政、超
高齢社会、地域の空洞化など日本が直面する大問題は未解決のままです。

しかし日本中をよく見ると、そこかしこでユニークな、あるいは地道な動
きが出ています。国は大きいから、誰にとっても「他人事」。その間に、地
域のことを「自分事」と思う行政、住民、企業が動いているのです。特に、
首長がイニシアチブをとると町の力が結集されます。地域を、そして日本を
どうするか。大いに語って頂きます。

○日時:10月28日(月)18時30分~20時30分(開場18時00分)

○会場:日本財団ビル2階 大会議室
(懇親会)「頤和園(いわえん)溜池山王店」(懇親会費4000円)

○ゲスト:山中光茂氏(松阪市長、37歳)
井原健太郎氏(柳井市長、39歳)他
コーディネーター:加藤 秀樹(構想日本 代表)

○フォーラム参加費:一般 2,000円 / 学生 500円(学生証提示)
(シンクネット・構想日本会員は無料です)

※ フォーラムへの参加はHPのフォームから、もしくはこのメール
にご返信をお願いします。
(J.I.フォーラムへのお申込み:
http://www.kosonippon.org/cp-bin/wp/forum/regist.php?m_forum_cd=294)

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【2】 (2) 新ウェブサービス「JUDGIT!」10月上旬より本格稼働!
http://judgit.net/
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JUDGIT!(ジャジット)は、家にいて行政参加、政治参加ができる
ウェブサービスです。政府が作っている「行政事業レビューシート」
に対して、イエス、ノーを言ったり、自由に意見を投稿することが
できます。

現在は政府が7月に中間公表として出していた行政事業レビューシー
トの一部を試行的に表示していますが、約5500あるレビューシートの
最終公表が出揃いましたので、現在流し込みの作業を行っています。
また機能面も、さらに使いやすくなるよう改良を加えているところです。
10月上旬にも本格稼働しますので、まずは試してみてください。
トップページに登録画面があります(もちろん無料)。
http://judgit.net/

主な特徴は以下の通りです。

1.「イケテル!」「イマイチ…」ボタンで簡単意思表示

政府が公開している「行政事業レビューシート」の好きな項目をクリック
して、「イケテル!」「イマイチ…」のスタンプを押すことができます。
また、シート全体の印象についても同じく評価ができます。

2.「わからない」「おかしい」と思えば、すぐにどこでもコメント記入

読んでいて「よくわからない」「何かおかしい」と感じたらすぐにその場
でコメントを書くことができます。また、他のユーザーのコメントに対し
ても「イケテル!」「イマイチ…」ボタンを押すことができます。

3. みんなの意見で政治が動きます

質問やコメントの多かった事業は、構想日本がユーザーの意見をまとめて、
政府の政策に反映するよう様々な手段に訴えかけていきます。

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【2】 (3) 10月の事業仕分けは那珂市、北杜市、三島市。
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○那珂市「事業仕分け」

【日程】 10月5日(土)

【参加者】コーディネーター 2名
仕分け人     10名
市民判定人    25名(市民約1500人から無作為抽出)

【構想日本選定参加者】
コーディネーター:<第一会場>露木 幹也(小田原市教育委員会/教育部副部長)
<第二会場>伊藤 伸 (構想日本 ディレクター)

仕分け人:
<第1会場> 石田 晴美(文教大学情報学部 准教授/公認会計士)
岡田 直晃(東洋大学PPP研究センター リサーチパートナー)
小瀬村 寿美子(厚木市 こども未来部 こども育成課長)
中泉 拓也(関東学院大学 経済学部 教授)
堀岡 伸彦(山梨大学医学部 非常勤講師/医師)

<第2会場> 川嶋 幸夫(構想日本 政策担当ディレクター)
鈴木 邦和(日本政治報道株式会社 代表取締役)
森田 修康(公益財団法人 荒川区自治総合研究所 研究員)
山根 晃 (足立区 福祉部 北部福祉事務所長)
蓮舫   (参議院議員)

【連絡先】那珂市 行財政改革推進室 行革・監査G
電話:029-298-1111

○北杜市「事業仕分け」

【日程】 10月19日(土)、20日(日)

【参加者】コーディネーター 1名
仕分け人     5名(構想日本仕分け人 4名、市民仕分け人 1名)
市民判定人    市民約1500名から無作為抽出

【連絡先】北杜市 企画課
電話:0551-42-1321

○三島市「事業仕分け」

【日程】10月26日(土)、27日(日)

【参加者】コーディネーター 1名
仕分け人     5名(構想日本仕分け人 2名、学識経験者 3名)
市民判定人    市民約400名から無作為抽出

【連絡先】三島市 企画部行政課
電話:055-983-2615

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【2】 (4) トークセッション【堀田 聰子氏】
かかりつけ医への道:オランダの家庭医療を手がかりに
―地域に根ざし暮らしを支える患者中心の医療に向けて―
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世界的に高く評価されるオランダの医療制度は、多職種協働地域ケア
によって支えられ、プライマリ・ケアの専門医である家庭医が「最初に
出会い、最後まで関わる医師」として、地域に根ざした全人的医療を
提供しています。

我が国では住み慣れた地域での尊厳ある暮らしの継続に向け、「地域完
結型」医療への転換が不可欠となり、かかりつけ医(診療所の医師)の
機能強化が急務といわれています。

そこで、かかりつけ医をめぐる議論を整理し、オランダの家庭医療の実
態と質を支えるしくみを手がかりに、患者中心の医療に向けた課題と展
望を語ります。

【事前申込制・定員50人先着順】
お名前・ご所属・職種・電話番号・メールアドレスを明記のうえ、
事務局までお申込ください(buurtzorgjapan@gmail.com)。
資料翻訳(日⇔英)をお手伝い頂ける方はぜひお書き添えください!!!

☆日時:10月7日(月)19:00~21:00〔開場18:45〕
☆会場:福祉プラザさくら川 体育室〔正面入口からご案内あり〕
東京都港区新橋6-19-2
地図:http://www.fukushiplazasakuragawa.com/PDF/sakuragawamap.pdf
〔入口は北側道路〕
☆会費:3000 円 学生1000 円〔学生証を提示〕当日受付でお願いします。

講師:新田國夫氏(医療法人社団つくし会理事長、全国在宅療養支援
診療所連絡会会長)
Wilbert Sluiter氏(オランダ 家庭医)
モデレーター:井伊雅子氏(一橋大学 国際・公共政策大学院 教授)
通訳:石黒弓美子氏、岩佐祥子氏

☆協力:(福)長岡福祉協会 首都圏事業部、構想日本、
武内和久氏(厚生労働省)
☆支援:(社) 医療介護福祉政策研究フォーラム(海外からの講師招聘等)
☆企画・来日調整:堀田聰子氏(労働政策研究・研修機構研究員、
Buurtzorg Innovator)

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【2】 (5) 「煎茶を楽しむ会」【主催:小川流煎茶 東京支部】
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今では、お茶会というとお抹茶のイメージを持つ人が多いのですが、
本来、私たちに身近で、長い歴史を持つ煎茶の茶会をご存知ですか。
爽やかな秋のひととき、武蔵野の面影を今にとどめる明治神宮・御苑
の、広々とした豊かな自然と由緒ある茶室のなかで、煎茶の味を楽し
んでみてはいかがでしょうか。

日時 平成25年10月13日(日) 午前10時30分~午後3時
場所 明治神宮・御苑 隔雲亭 東京都渋谷区代々木神園町1-1

煎茶は、江戸後期の文人たち、上田秋成、頼山陽、田能村竹田らによっ
て熱狂的に愛好され、広められてきました。夏目漱石も【草枕』のなかで、
煎茶の「濃く甘く、湯加減に出た、重い露を、舌の先へ一しずくずつ落と
して味わって見る」と「馥郁たる匂いが食道から胃のなかへ沁み渡る」と、
その素晴らしさを讃えています。その煎茶を、江戸後期から受け継いでき
たのが、京都の小川流煎茶です。

お問合せ先 小川流煎茶 東京支部 上田明楽
TEL/FAX 03-5707-9600 meiraku@blue.ocn.ne.jp

※ 小川流煎茶 小川後楽六世家元様には、先週「煎茶を楽しむ」という
タイトルで記事をご執筆頂きました。

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【3】 棚に眠っている本やDVDを構想日本に寄付して下さい
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構想日本は非営利のシンクタンクですが、経済基盤は会員からの
会費収入です。収入が少ないから、スタッフも少なく、その結果常
にフットワーク良く活動ができる反面、経済基盤は脆弱です。

今後さらに、政策提言・実現力を高めるため、構想日本は寄附の
お願いをすることにしました。

そこで、信頼資本財団「共感助成」というプログラムに参加しま
した。「共感助成」はクレジットカードやコンビニ払いなど、様々
な方法で寄付をすることができますが、その中に「ありがと本」
という寄付プログラムがあります。

「ありがと本」はみなさんのお手元にある読まなくなった本、聴か
なくなったCDや遊ばなくなったゲーム、観なくなったDVDなど身の
回りのもので気軽に寄付をするプログラムです。みなさんから寄付
していただいた本・CD・DVD・ゲームなどの売却金額が、構想日本
に助成金として送られる仕組みです。

皆さんの家の棚に眠っている本・CD・DVDゲームなどが、構想日本
の活動の原動力になり、世の中を動かす大きな力となります。
是非とも、皆さんのお力をお貸しください。

構想日本代表 加藤秀樹

※「ありがと本」の詳細および寄付はこちらから
http://www.shinrai.or.jp/arigatobon/outline/index.html

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