【No.63】美しい自然をいつまでも守っていきたい
2002.09.06

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美しい自然をいつまでも守っていきたい
JIニュースNo.63  2002.9.6
窓口はこちら! news@kosonippon.org
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■■ 目次 ■■
1.《コラム》美しい自然をいつまでも守っていきたい
2.《J.I. Action Summary》
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1.《コラム》美しい自然をいつまでも守っていきたい
山と海に囲まれた日本の自然。私たちはこれまで、様々な生き物がすみ、
美しい大地と海辺に囲まれた豊かな自然の恵みを享受しながら、生活して
きました。しかし…あなたの周りの自然に目を向けてみてください。生活
の便利さや経済的な豊かさとひきかえに、山や海辺の風景は世界にも例が
ないほど急激に変わっています。
環境問題は、私たちの日々の生活そのものであって、「制度」を変える
ことで解決するものではありません。
構想日本の取り組みは、狭い範囲の制度論ではなく、全国の様々な取り
組みを紹介することで、今起こっている問題の所在を明らかにし、変える
べき制度を明確にし、政策の見直し等を提言します。
今回も、身近な視点から、地域で自然環境の保全活動に地道に取組んで
いる方たちをご紹介します。
●富士山の環境を守る-富士山クラブ-
夏の行楽シーズン、みなさんは、登山をしたことはありますか? また、
山でトイレを利用したことはありますか?
富士山の登山者は、毎年約30万人。毎年、大勢の観光客や登山客が残
すゴミとし尿によって、年々、環境破壊が進んでいます。もちろん富士山
には、公衆トイレや山小屋のトイレがありますが、たまったし尿は、夏の
シーズン終了後、山肌に垂れ流されています。
これらのし尿の量は、雨や雪で洗い流されてしまう量をはるかに超えて
いるため、深刻な環境問題となっています。また、分解されずに残ってし
まったトイレットペーパーは、「白い川」となって山肌にこびりついてい
ます。
富士山クラブは、「美しい富士山をいつまでも守っていきたい」という
思いから2000年、この“し尿公害”解決のため、試験的にバイオトイ
レ(微生物の働きを利用した完全循環型トイレ)を設置しました。
設置期間中は、水質調査などの科学的調査、利用者聞き取り調査も実施
し、近々、報告書にまとめる予定です。今後、トイレの設置だけでなくそ
の維持・管理方法などにも応用してもらい、多くの山々がかかえるし尿問
題の解決につなげていければと考えています。
これまで、山肌に垂れ流されていたし尿処理問題は、富士山だけでなく、
他の山もかかえている共通の問題です。美しい自然を将来にわたって保つ
ためには、富士山クラブのような活動や、ボランティアの方々のサポート
が重要な役割を果たします。

●身近な海を大切に-海をつくる会-
横浜市山下公園の海浜清掃を行っている「海をつくる会」は、海が好き
なダイビング仲間が設立しました。横浜の海の汚れが年々、ひどくなって
いく現実に、身近な海をきれいにしようと年1回、山下公園周辺の海底清
掃活動を開始。続いて、横浜市金沢区野島公園の海浜清掃、芦ノ湖・河口
湖の湖底清掃も手がけると共に、水中がどうなっているのか、何が住んで
いるのかというダイバーとしての好奇心も手伝い、定期的に海底生物観察
や漂流物・水質調査なども行っています。
さらに、海草のアマモの移植、ワカメ・コンブの養殖などの実験を試み
るなど、年間を通して幅広い活動を行っています。
20年前のゴミ清掃量は5.6tでしたが、現在では、平均で2.5tと半
分以下に減り、大きな成果をあげています。
会の運営も参加者も、すべてボランティア。メンバーは現在、32名で
すが、ほとんどのメンバーは1981年の設立以来、この活動を続けています。
また、地域活動を行っている他の団体や多くのボランティアの方々の協力
も、年々、増え、活動の幅を広げています。
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これらの2つの団体の活動動機は、美しい自然に対するメンバーの思
いです。この「思い」を行動に移していくことが大切なのではないでし
ょうか。
しかし、活動を通して苦労したことや今後の課題なども多く残ってい
ます。
例えば、富士山クラブのバイオトイレ設置を紹介しましたが、富士山
の管理システムが複雑なため、バイオトイレ設置の許可申請一つとる手
続のために、16ヶ所も回らなければならず、活動許可が出るまでに長
い時間がかかりました。
また、山下公園周辺の海底清掃活動をするにも、公園管理者や港湾局
・海上保安庁の許可が必要で、これらの申請に約半年もかかっています。
更には、活動するための、費用負担の問題など、今後、環境問題に取り
組む人たちが、積極的に活動できる環境を整備していく必要があります。
環境問題は、地域で実際に活動しながら解決しなければならないもの。
「環境」プロジェクトでは、全国の環境活動成功事例を随時、紹介し、
個人・組織・行政が一体となった環境への取り組みが図られるよう、情
報発信を行っていきます。
今後も、ご期待ください。
詳しくは、「環境」のホームページをご覧下さい。
( https://www.kosonippon.org/wp-manager/prj/evm/ )

(文責:「環境」プロジェクト担当 金野)
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2.《J.I. Action Summary》
■構想日本の8月の主な活動状況■
●政策プロジェクト
(1)外交機能強化
「外務省」改革を「外交」改革へつなげるためのキャンペーン
・国会議員への説明
・8/22:朝日新聞英語版「Point of View」-”How to bolster
Japan’s diplomatic initiative”
・8/26:Nikkei Weekly「Finding Face」(コメント掲載)
・構想日本のホームページ上(掲示板)での議論
https://www.kosonippon.org/wp-manager/bbs/index2.php3?i_forum=5
7/30開催のJIフォーラム「日本の外交はなぜ弱い?」の要約を
ホームページ上に掲載しています。ご覧下さい。
https://www.kosonippon.org/wp-manager/forum/log.html?no=1077&s=b
(2)特殊法人改革(道路公団)
国民の利益にかなった道路公団改革の実現に向けたキャンペーン
・構想日本を事務局とする「シャドー・コミティー」から、”Shadow
Com Press”を発信中(8月末時点で3回発信)
https://www.kosonippon.org/wp-manager/prj/c/?no=999
・8/22:民営化推進委員会への緊急提言-高速道路建設の一時凍結、
「上下一体」の民営化、上場の実現、など
https://www.kosonippon.org/wp-manager/doc/?no=151
・8/29:民営化推進委員会との意見交換会
(3)国と地方(税財政改革)
国と地方の税制のあり方に関する具体的提言に向けた作業・分析
・三重県において、県の事業仕分けおよび、地方の事業運営にかかる
国のしばりを洗い出す作業を実施(8/26・27)
(4)エネルギー戦略
エネルギー政策の意志決定プロセス改革(ガバナンス改革)を中心
とする提言作成
・国の責任の明確化、市場のルールづくり、など
●ネットワークづくり
(1)環境
地域の環境保全活動事例集に2本新入荷(8/22)
・富士山クラブ-富士山の環境を守る人材と組織の育成
https://www.kosonippon.org/wp-manager/prj/evm/jirei/8-0.html
・身近な海を大切に-海やダイビングが好きな仲間の取り組み(横浜市)
https://www.kosonippon.org/wp-manager/prj/evm/jirei/9-0.html
上記のほか、「年金改革」、「公益法人制度改革」、「公職選挙法改革」
などの政策プロジェクトが進行中。
詳しくは、 https://www.kosonippon.org/wp-managerまで。

(文責:政策ディレクター 冨永朋義)
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