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【No.645】公共建築は誰のものか―国立競技場の建て替えをめぐって― 第三弾「新国立競技場のあるべき姿とは? ―新競技場を負の遺産としないために―

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J.I.メールニュース No.645 2014.03.13発行

公共建築は誰のものか―国立競技場の建て替えをめぐって―
第三弾

「新国立競技場のあるべき姿とは?
―新競技場を負の遺産としないために―」

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【1】<巻頭寄稿文>

公共建築は誰のものか―国立競技場の建て替えをめぐって―
第三弾

「新国立競技場のあるべき姿とは?
―新競技場を負の遺産としないために―」

サッカー・ジャーナリスト 後藤 健生

【2】<お知らせ>

(1)オフィス移転のご案内

(2)会費のクレジット決済システム導入のご案内

(3)第199回J.I.フォーラム  3月31日開催

「レジェンドの地、国立競技場を捨ててよいのか」

(4)Yahoo!ニュース記事更新情報!

(5)「フィッシング詐欺メールの可能性があります」という表示について

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【1】「新国立競技場のあるべき姿とは?
―新競技場を負の遺産としないために―」

サッカー・ジャーナリスト 後藤 健生

《 今月のJ.I.フォーラムゲストからの寄稿文です 》

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新国立競技場の建設についてはさまざまな問題点が指摘されているが、ここでは競技場のユーザーであるスポーツ界の視点から考えてみたい。

オリンピックという大会はわずか半月間の大会だ。だが、スタジアムはそれ以後も神宮外苑に存在し続ける。オリンピック終了後に、新競技場ははたしてどのように活用されていくのだろうか。

現在の計画では新国立競技場は8万人規模の陸上競技とフットボール(サッカーおよびラグビー)の兼用競技場になる。だが、そういう競技場が2020年のオリンピック終了後に十分に活用できるとは思えないのである。

現在の国立競技場は、よく「サッカーの聖地」と呼ばれる。たしかに、Jリーグが発足した1990年代には国立では毎週のようにサッカーの試合が行われ、Jリーグや国際試合で満員の観衆を集めており、十分すぎるほど活用されていた。だが、今では国立で開催されるサッカーの試合数はめっきり減ってしまった。たとえば、日本代表にとって最も重要なワールドカップ予選の試合はほとんどが埼玉スタジアムで行われており、国立で国際試合が行われることは少なくなっている。原因は、国立競技場が陸上競技との兼用スタジアムなのでスタンドからピッチまでの距離が遠く、サッカーの試合が見にくいからだ。

一方で、現在の国立競技場では何年にもわたって陸上競技の大会は行われていない。残念ながら陸上競技では万を超える観衆が集まることがないから、使用料の高い大規模スタジアムを使用できないのだ。しかも、国立には大規模な陸上競技の大会を開催するのに必須のサブトラック(補助競技場)も設けられていない。

新国立競技場でも、状況は変わらないのではないか。新国立競技場にはフットボール用に可動席が設けられることになっているが、観客の大部分が座るメインスタンドやバックスタンドからピッチまでの距離は変わらないので、やはり試合は観にくいはずだ。

「陸上とフットボール兼用の大規模スタジアム」というのは、じつは20世紀的な過去の発想なのではないか。今から半世紀前の1964年に東京オリンピックが開かれた当時、5万人以上を収容する大規模スタジアムは日本には国立競技場しか一つしかなかった。だからこそ、国立競技場は陸上競技にもサッカーにもラグビーにも使われた。多少の不便はあったとしても、各競技は互いに我慢しながら国立競技場を使わざるをえなかったのだ。

だが、今では東京近郊だけでも味の素スタジアム、日産スタジアム、そしてサッカー専用の埼玉スタジアムと、大規模スタジアムが複数存在しているのだ。そんな時代に陸上とフットボール兼用のスタジアムを建設するというのはいささか時代錯誤的なのではないか。かつて、日本は「大艦巨砲主義」という時代遅れの海戦思想から戦艦大和を建造したが、結局、第二次世界大戦で大和は活用されることがなかった。今の新国立競技場計画を見ていると、そんな史実を思い出さざるをえないのである。

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後藤 健生(ごとう たけお)

1952年東京生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。1964年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、現在はフリーランスとして専門誌等に寄稿。スカパー!ではチャンピオンズリーグ等の解説。スタジアムでの生観戦試合数は5100を超えた。ワールドカップは1974年西ドイツ大会以来すべて現地観戦。今年もブラジルへ約5週間の取材旅行を計画中 近著『国立競技場の100年』でミズノスポーツライター賞優秀賞・竹尾賞を受賞。

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【2】(1) オフィス移転のご案内
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構想日本は2月より下記のオフィスに移転しました。旧オフィスから50mほど住宅地の中へ入った場所で、国会、官庁との位置関係はほとんど変わりません。
移転して1ヶ月が過ぎ、従来にもましてフル回転しています。4月以降は更にパワーアップする予定です。ご期待ください。

【新オフィス】
〒102-0093 東京都千代田区平河町2-9-2 エスパリエ平河町3F
TEL:03-5275-5607 FAX:03-5275-5617

※ 今まで事務局が使用していた電話、FAX番号も上記に統一されていますので、ご注意下さい。
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(2) 会費のクレジット決済システム導入のご案内
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構想日本の運営資金は、会員の皆様からの会費(個人会員は一口1万円、入会金2000円)で賄われています。
この度、入会や会費払込みの手続きを簡単にするため、WEBからクレジットカードで決済できるシステムを導入しました。
WEB申込みの場合、特典として入会金2000円が無料になります。これから会員になっていただく方はもちろんですが、既に会員になっている方も更新のタイミングでご活用いただけます。
私たちは、非営利独立の立場から個々の政策に加え、その根底に横たわる政治・行政の仕組みそのものを変えることによって世の中を動かそうと活動しています。この活動に「ちょっと期待してみる」と思われる方、まずは1年間会員になってください。よろしくお願いします。
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(3) 第199回J.I.フォーラム  3月31日(月)開催
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「レジェンドの地、国立競技場を捨ててよいのか」

スポーツは私たちに感動をくれます。そして「レジェンド」が生まれます。1964年の東京オリンピックは、メダル云々を越えてすべてが「レジェンド」です。そして、現国立競技場そのものも「レジェンド」です。それは選手と観客と競技場が一体となって、日本の戦後復興、再生のシンボルになったからです。その20年前には冷たい雨の中で動員学徒の壮行会が行われた同じ場所がきらきらと輝く場所になったからです。だからこそ、今でもスポーツマンたちが、あの聖火台を磨き続けているのです。
国立競技場の建て替えには、デザイン選定の不透明さや建設・維持費用の大きさなど多くの問題があります。加えて「神宮外苑の歴史的文脈」という視点からも2020年オリンピックの意義を考えたいと思います。

○日 時: 3月31日(月)18:30~20:30(開場18:00)

○会 場: 日本財団ビル2階 大会議室

○ゲスト: 後藤 健生(サッカージャーナリスト)
さかもと 未明(アーティスト)
松隈 洋(京都工芸繊維大学 教授)
コーディネーター:加藤 秀樹(構想日本 代表)

○フォーラム参加費:一般 2,000円 / 学生 500円(学生証提示)
(シンクネット・構想日本会員は無料です)

○懇親会参加費 : 4,000円

○懇親会会場  「頤和園(いわえん)溜池山王店」 港区赤坂1-1-12 TEL 03-3584-4531

※ フォーラムへの参加はHPのフォームから、もしくはこのメールにご返信をお願いします。
(http://www.kosonippon.org/cp-bin/wp/forum/regist.php?m_forum_cd=321)
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(4) Yahoo!ニュース記事更新情報!
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ディレクターの伊藤伸が、Yahooニュースにオーサーとして投稿している記事が更新されました。ぜひ御覧ください。

◇2月4日『民意を知るには「抽選」で ~無作為抽出のすすめ~』

http://bylines.news.yahoo.co.jp/itoshin/20140204-00032306/
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(5) 「フィッシング詐欺メールの可能性があります」という表示について
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J.I.メールニュースを受信した際に、「フィッシング詐欺メールの可能性があります」という表示が出るという声を読者の方からいただきました。
このような症状は、J.I.メールニュース上の「クレジット決済の導入のお知らせ」等の文言が、ご使用のメーラーのセキュリティフィルターに引っかかってしまっていることが原因の可能性があります。
「フィッシング詐欺メールの可能性があります」という表示が出るという方は、お手数をお掛けし申し訳ございませんが、以下のページを参考に、J.I.メールニュースついてのフィッシング詐欺メールのフィルターを解除してください。
Outlookをご使用の方:http://office.microsoft.com/ja-jp/outlook-help/HA010355585.aspx?CTT=5&origin=HA010355583

Thunderbirdをご使用の方:http://www.thunderbird-navi.com/fishing.html

この件についてご不明点等がありましたら、以下の連絡先までご連絡ください。
MAIL:info@kosonippon.org TEL:03-5275-5607 (担当:田中)

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