【No.646】今こそローカリズム・日本の祭シリーズ 第一弾 「『ふりかえれば未来』 日本の祭について考える」 |至学館大学・伊達コミュニケーション研究所長  石田 芳弘氏|
2014.03.20

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J.I.メールニュース No.646 2014.03.20発行

今こそローカリズム・日本の祭シリーズ 第一弾

「『ふりかえれば未来』 日本の祭について考える」

至学館大学・伊達コミュニケーション研究所長 石田芳弘

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【1】<巻頭寄稿文>

今こそローカリズム・日本の祭シリーズ 第一弾

「『ふりかえれば未来』 日本の祭について考える」

至学館大学・伊達コミュニケーション研究所長 石田芳弘

【2】 <ご紹介>

(1)公開勉強会 vol.4 「新国立競技場、このままでほんとにいいの?」

(2)「出版記念シンポジウム 建築家・大高正人の仕事」

(3)「民法改正の見直しを考える会」設立シンポジウムのお知らせ

【3】 <お知らせ>

(1)第199回J.I.フォーラム  3月31日開催

「レジェンドの地、国立競技場を捨ててよいのか」

(2)「JUDGIT!」を使って新国立競技場の問題を議論しよう!

(3)会費のクレジット決済システム導入のご案内

(4)Yahoo!ニュース記事更新情報!

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【1】『ふりかえれば未来』 日本の祭について考える

至学館大学・伊達コミュニケーション研究所長 石田芳弘
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愛知県犬山市は木曽川沿いの小高い山に建つ国宝の城があり、江戸時代のままの町割りが残り、そしてほぼ4百年前から継承する祭があるガラパゴス・シティーです。

私はその城下町のど真ん中で生まれ、祭とともに育ちました。城は為政者の権力を刻むハードパワーかもしれませんが、街並みと祭は庶民の生活を今に残すわがまちのソフトパワーです。私の体内はその遺伝子が伝えるふるさとへの熱い思いに溢れています。

私はこのふるさとへの愛と誇りを一番表現できる職業はこのまちの市長になることだと20代の中ごろ志を立て、50歳少し前にそれが実現しました。1995年のことです。 地方分権の時代背景を風に受け、私はシャッター通りになりかかっていた城下町の再生を、祭の持つ力を使ってやってみようと考え、ある程度の成果を上げることができました。

祭と祀は同義語です。祭の原点は先祖を祀ること、歴史を遡ることです。太古の昔、人は死ぬと山へ葬られました。その霊魂は先祖神となり、氏神・産土神として郷の守護神となったのです。そして、それらの先祖神を迎え、五穀豊穣・無事平安を祈る場が祭なのです。また神は人間だけではありません。山も、木も、空も、雷も、動物も、花も、日本人は自然界すべてに神性を認めたのです。多神教とも、汎神教ともいわれ、すべてに生命力をみとめる、なにかオーガニックなエコロジーの思想と似ています。

神を招く場所であるヒムロギに神社を建て、ここが、共同体の中心になりました。時代が進むにしたがって、祭は単なる儀式から、競い合う文化芸能の発表会のような場にもなりました。ですから日本中どこへ行っても、神社はコミュニティの中心軸なのです。

今世界を蓋う空気はグローバリズムです。グローバリズムとは地球儀で世界を捉える、いわば国境のないボーダーレス思想です。地域や故郷やコミュニティの境界は馴染まないことが多いのです。特にボーダーレスエコノミーの現実は、助け合い・補い合い・支え合いの地域共同体アイデンティティを崩壊の危機に立たせつつあります。

ここに日本の祭の力を私は提案したいのです。

未曽有の少子高齢社会を迎え、わが日本列島は地方の過疎化、一方大都会の漂流化は深刻です。

今こそ神社の祭を維持してきた共同体の機能を蘇生すべきです。

今後、構想日本を通して祭とコミュニティの関係を皆さんに報告し、課題を問いかけていきます。

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石田芳弘(いしだ よしひろ)

愛知県議会議員、犬山市長、衆議院議員など、地方、中央の政治と行政を経験。特に教育、文化行政に力を入れた。「まちは生涯学習の最良の教室である」というのが持論であり、学校教育も生涯学習の一環であると考え、市民が教師の総合学習や全市博物館構想を推進。また、シンクタンクの研究員として先進国の地方議会を視察、研究。我が国地方議会も議院内閣制を導入すべしという、地方議会改革論議のオピニオンリーダーである。

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【2】<ご紹介>
メルマガ等で構想日本とご縁のある方々から寄せられた、シンポジウムのお知らせです。
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(1)公開勉強会 vol.4 「新国立競技場、このままでほんとにいいの?」

日 時:2014年3月24日(月)18:00-20:30(開場17:30)
会 場:日本建築家協会・建築家会館本館1階ホール(渋谷区神宮前2-3-16)
会 費:一般1,000円、学生500円
定 員:100名・要予約
申込期限:3/22(土)
申込先:神宮外苑と国立競技場を未来へ手わたす会 http://2020-tokyo.sakura.ne.jp
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(2)「出版記念シンポジウム 建築家・大高正人の仕事」

日 時:2014年4月25日(金)
第1部:シンポジウム 15:00-17:00
第2部:懇親会    17:30-19:30
場 所:建築家会館大ホール(渋谷区神宮前2-3-16)
会 費:シンポジウム/無料、懇親会/一般2,000円、学生1,000円
申 込:事務局あてにお名前、ご住所、ご所属を記入の上、メールで申込。
締 切:4月15日
事務局:都市設計研究所 info@toshisekkei.com
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(3)「民法改正の見直しを考える会」設立シンポジウムのお知らせ

日 時 平成26年3月23日(日)13:00-17:00
場 所 専修大学1号館1階101教室(東京都千代田区神田神保町3-8)
(定員200名、先着順)
参加資格 本会の趣意にご賛同いただける可能性のある方
(事前にご賛同の可否をお決めいただく必要はありません)
参加費 無 料
内 容 基調講演・他 鈴木 仁志 弁護士、加藤 雅信 教授(名古屋学院大学)、角 紀代恵 教授(立教大学)。
司 会 杉山 真一 弁護士 https://www.facebook.com/kaisei.minaoshi?ref=stream&hc_location=timeline

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【3】(1) 第199回J.I.フォーラム  3月31日(月)開催
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「レジェンドの地、国立競技場を捨ててよいのか」

スポーツは私たちに感動をくれます。そして「レジェンド」が生まれます。1964年の東京オリンピックは、メダル云々を越えてすべてが「レジェンド」です。そして、現国立競技場そのものも「レジェンド」です。それは選手と観客と競技場が一体となって、日本の戦後復興、再生のシンボルになったからです。その20年前には冷たい雨の中で動員学徒の壮行会が行われた同じ場所がきらきらと輝く場所になったからです。だからこそ、今でもスポーツマンたちが、あの聖火台を磨き続けているのです。
国立競技場の建て替えには、デザイン選定の不透明さや建設・維持費用の大きさなど多くの問題があります。加えて「神宮外苑の歴史的文脈」という視点からも2020年オリンピックの意義を考えたいと思います。

○日 時: 3月31日(月)18:30~20:30(開場18:00)

○会 場: 日本財団ビル2階 大会議室

○ゲスト: 後藤 健生(サッカージャーナリスト)
さかもと 未明(アーティスト)
松隈 洋(京都工芸繊維大学 教授)
コーディネーター:加藤 秀樹(構想日本 代表)

○フォーラム参加費:一般 2,000円 / 学生 500円(学生証提示)
(シンクネット・構想日本会員は無料です)

○懇親会参加費 : 4,000円

○懇親会会場  「頤和園(いわえん)溜池山王店」 港区赤坂1-1-12 TEL 03-3584-4531

※ フォーラムへの参加はHPのフォームから、もしくはこのメールにご返信をお願いします。
(https://www.kosonippon.org/wp-manager/forum/regist.php?m_forum_cd=321)
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(2) 「JUDGIT!」を使って新国立競技場の問題を議論しよう!
http://judgit.net/
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現在、構想日本では、国が行う5,000以上の事業について書かれたシートに誰でも自宅からフェイスブックの「いいね」ボタンを押したり、スタンプを押したり、コメントを書いたりして、意思を表明できるウェブサービス「JUDGIT!(ジャジット)」(もちろん無料)を使い、新国立競技場の問題を議論するキャンペーンを展開しています。

まずは下記のページにアクセスして、新国立競技場関連のシートに「いいね」やスタンプ、コメントをしてみてください。「JUDGIT!(ジャジット)」を見る人が多いほど、そして使う人が多いほど、新国立競技場の問題について国民的議論が盛り上がります。ぜひ一度見てみてください。

新国立競技場に関連するシート
独立行政法人日本スポーツ振興センター運営費交付金に必要な経費
http://judgit.net/251581/top

独立行政法人日本スポーツ振興センター施設整備費
http://judgit.net/251582/top

※はじめてご利用される方は簡単な登録が必要になります。ご不明な点等については、下記担当まで、ご遠慮なくお問い合わせください。

担当:伊藤・田中 TEL:03-5275-5607
E-mail:shiwake@kosonippon.org
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(3) 会費のクレジット決済システム導入のご案内
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構想日本の運営資金は、会員の皆様からの会費(個人会員は一口1万円、入会金2000円)で賄われています。
この度、入会や会費払込みの手続きを簡単にするため、WEBからクレジットカードで決済できるシステムを導入しました。
WEB申込みの場合、特典として入会金2000円が無料になります。これから会員になっていただく方はもちろんですが、既に会員になっている方も更新のタイミングでご活用いただけます。
私たちは、非営利独立の立場から個々の政策に加え、その根底に横たわる政治・行政の仕組みそのものを変えることによって世の中を動かそうと活動しています。この活動に「ちょっと期待してみる」と思われる方、まずは1年間会員になってください。よろしくお願いします。
https://www.kosonippon.org/wp-manager/info/index.php
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(4) Yahoo!ニュース記事更新情報!
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ディレクターの伊藤伸が、Yahooニュースにオーサーとして投稿している記事が更新されました。ぜひ御覧ください。

◇2月4日『民意を知るには「抽選」で ~無作為抽出のすすめ~』

http://bylines.news.yahoo.co.jp/itoshin/20140204-00032306/

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