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【No.65】国と地方―「三位一体」の改革は「三すくみ」状態

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国と地方―「三位一体」の改革は「三すくみ」状態
JIニュースNo.65  2002.9.20
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■■ 目次 ■■
《政策ラウンジ》国と地方―「三位一体」の改革は「三すくみ」状態
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《政策ラウンジ》国と地方―「三位一体」の改革は「三すくみ」状態
● 国と地方の「三位一体」の改革とは?
小泉首相は、国と地方の財政・税制について、”三位一体((1)地方へ
の税財源移譲、(2)補助金の見直し、(3)地方交付税交付金の見直し)の
改革を打ち出しました。これを受けて、地方分権推進会議では、来年の
6月あたりまでに具体的な改革工程をとりまとめる予定です。
● 「三すくみ」状態の背景
「三位一体」の改革は、正論です。しかし、むずかしいのは、地方交
付税や補助金と国→地方の仕事の流れがセットになっているため、この
両方を変えないといけないということです。この仕組みの中で、国は仕
事の内容ややり方(事業計画、実施基準、規制など)を決め、地方はそ
れに従わなければお金(補助金)をもらえない一方、従えば、借金(地
方債発行)の返済金までも、後で地方交付税でまかなってくれるのです。
それが、効率的な事業運営を行うインセンティブを自治体から奪い、
その結果、国に対する依存とモラルハザードをもたらしているわけです。
その状況を脱するには、推進会議の中間報告にあるように、国と自治体
が事業の実施および財源を自己完結的に担う制度をつくり、そして自治
体の自律的な事業運営をはばむ国の関与や規制を廃止することが必要で
す。
例えば、税源移譲に対して財務省は、”自治体に必要な資金すべての
面倒をみる地方交付税制度のもとでは、無駄な事業は減らず、国への依
存体質も変わらない。その見直しなくして国税の移譲はありえない!”
と言い、それに対し総務省は、”地方交付税は、国が決めた事業計画や
義務付けのなかで、自治体が自ら調達できない資金を補うもの。制度
自体に問題はなく、むしろ各省や自治体の歳出削減が先決!”と反論。
一方、自治体は、”地方に対する国の事業の義務付けが変わらなければ、
行政の効率化はできない。また、自治体間の財政格差を是正する地方交
付税制度は不可欠!”と主張しています。
どれも一面ではその通りですが、これでは人のせいにするばかりで、
「三すくみ」、結果的に何も変わりません。
● 現状打破に向けた「現場からの具体的な」アプローチ
構想日本では、複数の県や市の有志職員のご協力を仰ぎ、その考え方
を自治体の具体的な事業に結び付ける作業を行っています(JIニュース
No.39参照、 http://www.kosonippon.org/cp-bin/wp/mailnews/log.html?no=46 )。
現在まで6つの県で実施しました(ほか、神奈川県下の某市が自主的に
同様の作業を実施)。
具体的には、住民に一番近い現場職員の視点から、県や市の現在の事
業を行う主体を見直すとともに(本来、どこがやるべきか-不要?国?
県?市町村?民間?)、地方の自律性を制約している国の規制をリスト
アップしています。その作業結果は、12県の知事と構想日本からなる
「国と地方の税制を考える会」の第6回会合(10月中に開催)で発表、
その後、推進会議や経済財政諮問会議などに対して訴えていく予定です。
(同会については、 http://www.kosonippon.org/cp-bin/wp/prj/c/?no=05 )

(文責:「地方財政・税制」プロジェクト担当 冨永 朋義)
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