【No.653】山からの便り・美山森林学校 |美山森林学校校長  小林 直人氏|
2014.05.08

■□■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓

J.I.メールニュース No.653 2014.05.08発行

「山からの便り・美山森林学校」

美山森林学校校長  小林 直人

┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■□■

【1】<巻頭寄稿文>

「山からの便り・美山森林学校」

美山森林学校校長  小林 直人

【2】<ご紹介>

◎記念シンポジウム     5月10日開催

「吉村順三の求めたもの」

【3】<お知らせ>

(1)第200回J.I.フォーラム  5月16日開催

「現場力・結集=Japan Initiative」

(2)地方議員セミナー満員御礼! 第2弾開催検討中!

(3)「JUDGIT!」を使って新国立競技場の問題を議論しよう!

(4)Yahoo!ニュース記事更新情報!

〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

【1】 「山からの便り・美山森林学校」

美山森林学校校長  小林 直人
―――――――――――――――――――――――――――――――
開校は平成13年1月20日。大雪だった。

八角堂(丸太小屋)のストーヴにはブリ大根の大鍋が煮たっている。飯も炊けた。

誰も来ない。無理もない。雪道に強いはずのジムニーでさえ足をとられるのだから。

仕方がないので、もう家に帰って寝ようと立ち上がった時、遠くの杉林にヘッドライトが見えた。

こうして、森林学校は始まったのである。

出席者は、八尾(大阪)で工務店を営む社長、京都建築専門学校の生徒3人の計4名。

校是は、人工林をつくること(一人100本植えて5年間世話をすること)。全国植樹祭と違うのだから、少々汗をかいて、せめて5年くらい気配りすれば忘れないだろう。

日記を見ると、平成14年6月30日、第五回植林でおわっている。あの日、雪煙を上げて来てくれた社長(後に教頭にした)以下、顔ぶれは変わっても10名ほどの生徒で植えたのである。

今、日本の山では鹿が跳梁しているが、あの頃はまだ穏やかだった。一本も食われずに8メートルにも成長してすでに下枝打ちも終わっている。彼らの心変わりを責めるのか、われわれの生きざまを嘆くのか、いづれにしても今は絶対に不可能である。当初は5年が目標だった。いつの間にか12年が過ぎている。次は間伐がはじまるだろう。そして、50年も経てばその木で自分たちの家を建てるのかもしれない。

ところで、八角堂は大飯原発の20キロ圏に位置している。

「しまった」「いつの間にか若狭に原発が並んでいたのだ」

「帰宅制限解除準備地域」になるのかどうか知らないけれど、山林の除染など端から不可能だろう。

開校の呼びかけに、故・高木仁三郎の生きざまを引用したことを思い出す。書店に平積みされた著書を読んだからである。彼の没年だった。因縁である。八角堂では読書会をした。その為に、「いま自然をどうみるか・白水社・1998」を再読した。彼は田中正造の再来だと思った。

無関心であれ忘却であれ失念であれ、われわれは共犯関係にある。「構造化されたパタ-ナリズム」「個人が政治的に去勢されている社会」では、それ自身が崩壊することで視覚化(前景化のほうがいい)されたのだと言ってよい。(知政学のすすめ・科学技術文明の読みとき・米本昌平・中公叢書・1998)

かつて地球上に存在しなかった化学物質を実験室でこしらえてはいけない、それを地上にばらまいてはいけない、とレイチェル・カ-ソンも言っていたではないか。

――――――――――――――――――――――――――――――――
小林 直人(こばやし なおと)

1941年生まれ。同志社大学文学部卒業。京都府南丹市で林業を生業にする。美山森林学校校長。

——————————————————————-
*みなさんのご意見をお待ちしています。(800字以内でお願いします)
info@kosonippon.org
いただいたご意見はバックナンバーと共に「読者の声」として以下に掲載しています。
https://www.kosonippon.org/wp-manager/mail/index.php

※不掲載をご希望の場合は必ずその旨を明記して下さい。氏名、肩書きは、特にご指示がなければそのまま掲載します。匿名、ハンドルネームをご希望の場合は必ず明記して下さい。なお、盗作、名誉毀損、人権侵害、差別的な記述などの投稿は禁止いたします。

☆これまでのメルマガはこちらからご覧いただけます。https://www.kosonippon.org/wp-manager/mail/index.php

::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

【2】<ご紹介>

メルマガ等で構想日本とご縁のある方々から寄せられた、お知らせです。
――――――――――――――――――――――――――――――

◎記念シンポジウム

「吉村順三の求めたもの」 http://www.museum.kit.ac.jp/20140317.html

吉村順三は、日本の木造文化のエッセンスを現代に活かしながら、木造住宅を中心とする設計活動を通して、居心地の良い、簡素で温かな生活空間をつくり続けた建築家です。「三里塚教会」といくつかの木造住宅を通して、その建築世界の魅力に迫ろうとするものです。(本文抜粋)

◇日 時:2014年5月10日(土)14:00~17:00(開場13:30)

◇場 所:京都工芸繊維大学・60周年記念館 http://www.kit.ac.jp/01/01_110000.html

◇パネリスト:佐藤年、横内敏人、堀部安嗣、松隈洋。

◇参加費 無料/定員150名/申込不要/当日先着順

◇主 催:京都工芸繊維大学美術工芸資料館

◇協 力:公益財団法人ギャラリーエークワッド

*このシンポジウムは同大学で現在開催中の下記展覧会の関連企画です。

「生活空間の詩(うた)/建築家・吉村順三展 三里塚教会と木造住宅を通して」
http://www.museum.kit.ac.jp/20140317.html
会期:2014年5月17日(土)まで10:00-17:00(入館16:30まで)
会場:京都工芸繊維大学美術工芸資料館
入館料:一般200円、大学生150円、高校生以下無料

::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

【3】(1)第200回J.I.フォーラム  5月16日(金)開催
――――――――――――――――――――――――――――――

「現場力・結集=Japan Initiative」

1997年5月に始まったJIフォーラムがついに200回目を迎えます。17年間で827名のゲストにご参加いただきました。やはり、「継続は力」で、このフォーラムでの議論やゲストの方々の活動を通じて、私たちも多くを学び、また社会の課題や解決方法を多くの人と共有できました。
構想日本は4月から一般社団法人になりましたが、これを機に政策提言・実現の基盤をこれまで以上に 「現場力」「自分事」「イニシアティブ」に絞り、「動くシンクタンク」としての活動を強めていきます。200回記念フォーラムもそこに焦点をあて、現場で「ホンモノ」の活動をしている方たちと日本の将来について語り合いたいと思います。

○日 時 : 平成26年5月16日(金)18:30~20:30(開場18:00)

○会 場 : 日本財団ビル2階 大会議室  港区赤坂1-2-2 TEL 03-6229-5111
※会場のセキュリティの都合上、本案内状を会場1階で提示してください。

○ゲスト : 家入 一真(実業家)
大南 信也(NPO法人グリーンバレー理事長)
片山 健也(ニセコ町長)

○コーディネーター : 加藤秀樹(構想日本代表)

○定 員 : 160名

○参加費 : 一般 2,000円 / 学生 500円 (シンクネット・構想日本会員は無料です)
※学生の方は受付にて学生証をご提示ください。

○懇親会参加費 : 4,000円(ご希望の方は下記懇親会参加に○をつけてください)

※ゲストを囲んで、下記の会場で懇親会を開催いたします。
「頤和園(いわえん)溜池山王店」 港区赤坂1-1-12 TEL 03-3584-4531

※ フォーラムへの参加はHPのフォームから、もしくはこのメールにご返信をお願いします。
(https://www.kosonippon.org/wp-manager/forum/regist.php?m_forum_cd=322)

——————————————————————-

(2) 地方議員セミナー満員御礼! 第2弾開催検討中!
――――――――――――――――――――――――――――――

5月23日、24日(金、土)開催の地方議員セミナーは、満席となりました。ありがとうございました。
その後もお申込み頂いている状況を踏まえ、同趣旨の内容で第2弾の開催を検討しております。
参加のご意向のある方は構想日本までご連絡ください。その状況で決定したいと思います(その際、あらかじめご連絡を頂いていた方を優先して日程のご案内を申し上げます)。
なお、今回のプログラムに続く内容のセミナーについても検討しております。随時お知らせいたします。

——————————————————————-

(3) 「JUDGIT!」を使って新国立競技場の問題を議論しよう!
http://judgit.net/
――――――――――――――――――――――――――――――

現在、構想日本では、国が行う5,000以上の事業について書かれたシートに誰でも自宅からフェイスブックの「いいね」ボタンを押したり、スタンプを押したり、コメントを書いたりして、意思を表明できるウェブサービス「JUDGIT!(ジャジット)」(もちろん無料)を使い、新国立競技場の問題を議論するキャンペーンを展開しています。

まずは下記のページにアクセスして、新国立競技場関連のシートに「いいね」やスタンプ、コメントをしてみてください。「JUDGIT!(ジャジット)」を見る人が多いほど、そして使う人が多いほど、新国立競技場の問題について国民的議論が盛り上がります。ぜひ一度見てみてください。

新国立競技場に関連するシート

・独立行政法人日本スポーツ振興センター運営費交付金に必要な経費
http://judgit.net/251581/top

・独立行政法人日本スポーツ振興センター施設整備費
http://judgit.net/251582/top

※はじめてご利用される方は簡単な登録が必要になります。ご不明な点等については、下記担当まで、ご遠慮なくお問い合わせください。

担当:伊藤・田中 TEL:03-5275-5607
shiwake@kosonippon.org
——————————————————————–

(4)代表加藤、ディレクター伊藤のYahoo!ニュース記事更新情報!
――――――――――――――――――――――――――――――

代表加藤秀樹、ディレクターの伊藤が、Yahooニュースにオーサーとして投稿している記事が更新されました。ぜひ御覧ください。

代表 加藤秀樹

◇5月2日『新国立競技場の建て替えは将来世代に誇れることなのか』
http://bylines.news.yahoo.co.jp/katohideki/20140502-00035003/

ディレクター 伊藤 伸

◇4月10日『理研とスパコン ~今だからこそ、あの時の仕分けを振り返る~』
http://bylines.news.yahoo.co.jp/itoshin/20140410-00034401/

◇4月22日『理化学研究所「一般公開」潜入記 ~理研にある2つのスパコン~』
http://bylines.news.yahoo.co.jp/itoshin/20140422-00034692/

〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

◆J.I.メールニュースは、構想日本の活動情報などをお届けする無料のメールマガジンです。1.代表及びスタッフが名刺交換させていただいた方、2.ホームページで直接購読を申し込まれた方に配信しています。
◆登録・配信停止・アドレス変更は、 news@kosonippon.org へご連絡いただくか 以下のURLにて手続きして下さい。
https://www.kosonippon.org/wp-manager/mail/regist.php
◆転載する場合は下記までご一報下さい。
info@kosonippon.org
◆構想日本の書籍の詳細はこちらです。
https://www.kosonippon.org/wp-manager/books/index.php
◆みなさんの個人情報は構想日本が厳重に管理し、構想日本の活動に関わるご案内をお送りする以外、使用することはありません。
◆掲載内容等に関するお問い合せは、TEL 03-5275-5607まで。

□■□ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
発行 : 構想日本、発行責任者 : 加藤秀樹
info@kosonippon.org
https://www.kosonippon.org/wp-manager/
Copyright(C) 1999-2014 -構想日本- All rights reserved.
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □■□