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【No.689】「今こそローカリズム・日本の祭シリーズ 第四弾 刈谷 万燈(まんど)祭」 |至学館大学・伊達コミュニケーション研究所長  石田 芳弘氏|

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J.I.メールニュース No.689 2015.01.22発行

「今こそローカリズム・日本の祭シリーズ 第四弾 刈谷 万燈(まんど)祭」

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【1】<巻頭寄稿文>

「今こそローカリズム・日本の祭シリーズ 第四弾 刈谷 万燈(まんど)祭」

至学館大学・伊達コミュニケーション研究所長 石田 芳弘

【2】<お知らせ>

(1)第208回J.I.フォーラム  2015年1月26日(月) 開催

「無形文化財に賭けた生涯」

(2)Yahoo!ニュースオーサー記事更新

(3)「現場みらい塾」第2期、第3期募集開始

【3】<ご紹介>

(1) 地域と大学を繋ぐ”0号館”を作りたい!

(2)第207回J.I.フォーラムゲスト 鬼頭宏様がご出演されます

(3)東京駅開業百年記念 第199回J.I.フォーラムゲスト 松隈洋様より

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【1】「今こそローカリズム・日本の祭シリーズ 第四弾 刈谷 万燈(まんど)祭」

至学館大学・伊達コミュニケーション研究所長 石田 芳弘
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私は愛知県議会議員を12年務め、知事選挙も経験したから、県内の自治体は大体イメージができる。正直刈谷市は、トヨタ系の製造業を中心にした第2次産業の町で財政が強いというイメージしかもっていなかった。

自治体が工場を誘致することは固定資産税が増え、雇用が確保できるので、積極的に推進したい政策だ。ところが製造業の工場が増えると町は人の結びつきが薄れ、何となく無機質になり面白味を失う。

刈谷市は、面白味を失った典型的な工業の町だと祭を見るまで思っていた。ところがこの万燈祭を見て、私の刈谷に抱くイメージは一変した。

話は逸れるが、東京に住む人の半分の家には仏壇が無いという話を聞いた。仏壇がなければ仏間もないし、先祖の位牌や思い出を語る写真などもないであろう。それではその家の由来を知ることが出来ない。

自治体のホームページもそうだ。その町の歴史や、過去の由来などその町の履歴を詳しく書かない自治体が多い。現在の行政サービスや財政状況や医療・福祉・教育などのマニュアル化された数値の記載だけではその町に特別の関心を寄せることは難しい。

その点で、刈谷市のHPはなかなか出来が良いし、杉浦世志朗さんは観光協会の会長としてふさわしい積極的な方だった。

万燈祭は秋葉社の祭だ。1756年秋葉社の前身である秋葉堂で火伏せの神信仰が行われたという記載を嚆矢とする。火伏せとは火難防除であろう。1852年雨乞い祈願に万燈が登場する。念のために万燈とは仏前にともす灯火のことである。火避けが雨乞いになったところが面白い。

現在は10数基、高さ5m幅3mの歌舞伎や武者をかたどった大万燈を、竹と和紙からなる張子人形で造る。60キロぐらいあるらしいが、若い衆が1人で担ぎ、周りを50人くらいの人たちで囃子に合わせ盛り上げる。「天下の奇祭」というキャッチフレーズがついている。

氏子の7町内の他に、刈谷は本社があるデンソーが全面的にバックアップ、会社から大万燈を出す。デンソーの若い社員は地元の若い衆に比べ何となく品が良い。やはり、会社の体面を気にするのかもしれない。

祭を盛り上げる若い衆は多少ヤンキーな兄ちゃんのほうが実は似合う。それと、根本的には祭は共同体、会社は利益追求の組織体の違いがある。社会学で言う、ゲゼルシャフトとゲマインシャフトの違いだ。しかし、祭を運営する側に立つとトヨタの応援は財政的に大変プラスで有難いという。

この祭を面白いと思ったのは、祭の主旨が雨乞いにあることだ。旱魃は農村地帯では致命傷だったのだろう。今の時代に非科学的だと笑う前に、稲作が日本の農業の原点だったことを考えると、この祈りの意味が肯ける。

祭は科学万能に対しアンチテーゼとなる。

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石田 芳弘(いしだ よしひろ)

愛知県議会議員、犬山市長、衆議院議員など、地方、中央の政治と行政を経験。特に教育、文化行政に力を入れた。「まちは生涯学習の最良の教室である」というのが持論であり、学校教育も生涯学習の一環であると考え、市民が教師の総合学習や全市博物館構想を推進。また、シンクタンクの研究員として先進国の地方議会を視察、研究。我が国地方議会も議院内閣制を導入すべしという、地方議会改革論議のオピニオンリーダーである。

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*みなさんのご意見をお待ちしています。(800字以内でお願いします)
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【2】(1) 第208回J.I.フォーラム  「無形文化財に賭けた生涯」

ナマハゲは児童虐待という意見があるそうです。万事、説明や理屈が求められる時代だからこそ、無形文化財が一層重要になってきているのです。何百年も続いてきた慣習、催しには庶民の知恵がつまっているはずです。

和食がユネスコ無形文化遺産登録されたように、無形文化財とは、実は私たちの生活の基盤なのです。

言葉づかい、マナーなどが悪くなったと言われる背景には、過去何十年にもわたって政策的にも社会的にも無形文化が軽視されてきたことがあります。

懸田弘訓さんは無形文化財の発掘、維持に生涯をかけてこられた方です。とりわけ、東日本大震災で瀕死状態にある福島県の民族芸能保存に東奔西走されています。

是非このフォーラムに参加し、みなさんの身の回りの無形文化(財とは言えなくても)も会場でご披露ください。そして、庶民の知恵そのもののような懸田先生と楽しくかつ有意義な意見交換をして下さい。

◯日 時: 平成27年1月26日(月)18:30~20:30(開場18:00)

◯会 場: TKPガーデンシティ永田町3階 ホール3E

◯ゲスト: 懸田 弘訓 民俗芸能学会福島調査団長

コーディネーター : 加藤 秀樹 (構想日本 代表)

◯主 催: 構想日本

◯定 員: 100名

◯参加費: 一般 2,000円 / 学生 500円 (構想日本会員は無料です)
※学生の方は受付にて学生証をご提示ください。

◯懇親会参加費: 4,000円(ご希望の方は懇親会参加と明記してください)

☆懇親会会場が変更になりました☆

変更後  「水中花」

「水中花」 千代田区平河町2-14-14 シントミプラザ永田町1F

TEL:03-3262-9990
http://www.happou.net/suicyuka/html/top.html

変更前  TKPガーデンシティ永田町3階 カンファレンスルーム3F

※ゲストを囲んで、懇親会を開催いたします。

※フォーラムへのご参加は、 info@kosonippon.org  にお願いします。

なお、お申し込みの際の必要事項等詳細につきましては、HPを御覧ください。
( http://www.kosonippon.org/cp-bin/wp/forum/regist.php?m_forum_cd=332 )

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*参加申し込みに関するお問い合せは、
事務局 木下明美まで。 TEL 03-5275-5607

*内容に関するお問い合せは、

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(2) Yahoo!ニュースオーサー記事更新

Yahooニュースにオーサーとして投稿している記事が更新されました。ぜひ御覧ください。

代表 加藤秀樹

◇12月9日 「世界に例を見ない取り組み 政府の事業のデータベース化」

http://bylines.news.yahoo.co.jp/katohideki/20141209-00041319/

ディレクター 伊藤伸

◇12月12日 「投票所入場券」は600円也。

http://bylines.news.yahoo.co.jp/itoshin/20141212-00041459/

◇12月7日 「改めて考える選挙費用600億円の使い道~行政事業レビューシートから~」

http://bylines.news.yahoo.co.jp/itoshin/20141207-00041192/

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(3)「現場みらい塾」第2期、第3期募集開始

政策シンクタンクPHP総研と共同で本年度スタートした「現場みらい塾」。受講生の満足度が高かったこともあり、来年度は第2期、第3期を開講することとしました。

自治体職員を主な対象としていますが、それ以外の方も参加可能です。是非お申込みください。

テーマ

「”自分事”からはじめる地方自治 ~現場目線で人口減少時代を突破する ~」。

人口減少時代に突入した今日。地域にとって最も必要なのは、直面するさまざまな課題を自分事として捉え、考え、行動できる人材です。前例踏襲を振り払い、マニュアル依存から抜け出して、課題解決と未来創造に挑戦する。そんな強い志をもち、現場で活躍できる地域リーダー人材を輩出することをめざします。

特 徴

1.地域経営の第一線で活躍している講師陣

2.最先端の政策や手法のトレンドを学びとる講義プログラム

3.自ら考え、取り組むことで体得する実践プログラム

スケジュールなど詳細はこちら

http://research.php.co.jp/event/2015/05/16.php

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【3】<ご紹介>

構想日本が応援している活動に関するお知らせです。
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(1)「大学から徒歩100歩の場に地域と大学を繋ぐ”0号館”を作りたい!」

高崎経済大学の学生が集まって始めたプロジェクトです。プロジェクト達成のために、皆様の出来る形での応援をしてあげてください。

「“地域と大学”“社会人と大学生”の架け橋になるようにという想いを込めて、大学から徒歩100歩の場所にある、築100年の歴史ある古民家をリノベーションしています。電気や水道のインフラを整え、みんなが集まりやすい場を目指した“0号館”を作るための費用を募っています。」

★もしよろしければ、可能な応援方法で応援していただけないでしょうか?

1)クラウドファンディング(出資という形での応援【1月29日(木)午後11:00 まで】
→クレジット決済が基本ですが、振込も受け付けております。)
URL:https://readyfor.jp/projects/0gokan

2)興味を持っていただけそうな方へ情報を送る

3)がんばれという応援 「がんばれ!の一言だけでも、力をいただけます!」

※クラウドファンディング(インターネットを通じてたくさんの人々に比較的少額の資金提供を呼びかける仕組み)

(2)第207回J.I.フォーラムゲスト 鬼頭宏様がご出演されます

・シンポジウム 2015年1月29日(木) 18時30分~21時 有楽町朝日ホール シンポジウム「広がる不平等と日本のあした」」「21世紀の資本」著者、トマ・ピケティ氏を迎えてパネル討論を行ないます。申込<http://www.asahi.com/ad/piketty-sympo/> 入場無料

(3)東京駅開業百年記念 第199回J.I.フォーラム ゲスト 松隈洋様より

◎展覧会 東京駅開業百年記念「東京駅100年の記憶」

3つの大学(鹿児島、日本、京都工芸繊維)の100名を越える学生たちが、東京駅と丸の内地区のジオラマ模型を制作しました。

ジオラマは、3つの時代(開業当時の1914年、50年後の1964年、100年後の現在)からできており、この街と私たちにとって、いつの時代が最も調和がとれていたのかを観客自ら見比べて考えてもらいたい、という願いが込められています。

移り変わる街の様子が、俯瞰できます。是非足をお運び下さい。

◇会 期:2014年12月13日(土)-2015年3月1日(日)※休館日ご注意下さい

◇会 場:東京丸の内・東京ステーションギャラリー

◇入館料:一般900円 高校・大学生700円 中学生以下無料
詳細はこちらから http://www.ejrcf.or.jp/gallery/exhibition/201412_TOKYO_100.html

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