メールマガジン

【 No.706】「『Be』をこよなく大切にするまちづくりと、市民総幸福の条例づくり」|京丹後市長  中山 泰氏|

■□■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓

J.I.メールニュース No.706 2015.05.21 発行

「『Be』をこよなく大切にするまちづくりと、市民総幸福の条例づくり」

┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■□■

【1】<巻頭寄稿文>

「『Be』をこよなく大切にするまちづくりと、市民総幸福の条例づくり」

京丹後市長  中山 泰

【2】<お知らせ>

(1) 第212回J.I.フォーラム  5月28日(木)開催予定

「地方創生 『大学習会』」

(2) 「現場みらい塾」第2期 開催中、第3期 募集中

(3) Yahoo!ニュースオーサー記事更新!

□ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □

【1】「『Be』をこよなく大切にするまちづくりと、市民総幸福の条例づくり」

京丹後市長  中山 泰

——————————————————————–

今、住民の価値観が多彩になり、人や社会が向かう方向、行政が直面する課題も多様化しています。

そんな中、行政として「今あること」、あるがままの「Be」をこよなく大切にする、感じることが、まずもってとても大事だと思っています。

そこから、いろんな豊かさ、魅力、価値、宝が自然と見えてくる。そして、自ずと動くべき方向に引き寄せられるのだと思います。

特に東日本大震災の後、まだ社会経済全体の閉塞感も残る昨今、世の中をじわっと感じ受けてみれば、許容できない犯罪や事件が顕在化する一方で、「人と人の支え合い・たすけ合い、人の絆」など伝統的な価値観や美徳の大切さがさまざまな形で浮き彫りになり、わが国社会が改めて自らの「あるべき原点」を探り求めているように感じます。

京丹後市では、人や社会が目指す「原点」に、誰もが願う「幸福、幸せ」という普遍的な価値が厳然と通底していることを改めて見つめ、行政の目指す方向を支える羅針盤として、昨年、本市基本条例・総合計画への反映と「市民総幸福のまちづくり条例案」の策定(議会審議中)(※1)を行いました。

一昨年、「幸せ度市民アンケート」を実施。特徴的な点として、『1』幸福度の向上には「雇用、家計、健康、家族等関係」など日常生活の安定が重要であること、『2』「他人の喜びや人のためになることをしたい」と考える度合い・ボランティア行為と幸福度向上とに一定の相関関係があることなどが明らかになりました。

このことを踏まえ、(1)様々な分野でセーフティネットを構築し、日常生活の安定に貢献する=「公助」、(2)支え合い・助け合う適切な環境づくりをする=「共助」が、それぞれ「市民総幸福のまちづくり」の上で大切だとして、条例に理念として盛り込み、その取組みを進めています。

例えば「共助」では、本市の労働者協同組合さんと、府県をまたいだ大阪市西成区の臣永区長、関係者の皆さんと連携して、「本市の就労支援対象者が育てた農作物を、西成区の生活困窮者に提供し、“喜ばれるご様子や笑顔”を“働く喜びと力につなげる”、“双方ともに自立のインセンティブを得る”」という、地域をこえた支え合いの取組みを昨年から始めました(※2)。

また、「公助」の一環として、市民一人ひとりのいのちに真剣に向き合い、人のいのちが尊ばれ一番大切にされる社会づくりを目指して、平成23年に「自殺のない社会づくり市区町村会」(※3)の結成に尽力しました。そして現在、全国285の市区町村、12の都道府県、ライフリンクの皆さんと連携した取組みを開始しています。

このように、「市民総幸福のまちづくり」を通じて、支え合い・助け合う環境が社会の中に縦横に編み込まれ、ひいては生き心地のよい、自殺のない社会の体質づくりにも貢献していきたいと念願しています。

人は誰でも、ご先祖様からいのちの何兆・何京、無量のつながりをいただいて、今ここに「ある」。人として「ある」というだけで、かけがえのない尊さの中で、限りない可能性に光り輝いています。

「市民総幸福のまちづくり条例」を揺るぎない基盤にして、誰も置きざりにされない、一人ひとりがこよなく大切にされる環境づくりに努めていきたい。

そして、限りない可能性にあふれる市民一人ひとりの力を合わせて進む「和のちからが輝くまちづくり」を、着実に、豊かに進めていきたいと願っています。

(※1)「市民総幸福のまちづくり条例案など総幸福のまちづくり」
http://www.city.kyotango.lg.jp/kurashi/oshirase/kikakusomu/kikaku/kouhuku/00001/index.html

(※2)「京丹後市と大阪市西成区の地域をこえた支え合い」
http://yorisoishien.com/

(※3)「自殺のない社会づくり市区町村会」
http://localgov.lifelink.or.jp/

——————————————————————–

中山 泰   (なかやま やすし)

昭和35年生まれ。京丹後市峰山町出身、京都大学卒。昭和60年4月に総理府・総務庁入庁。その後、沖縄開発庁長官秘書官、内閣府総合規制改革会議事務室次長などを歴任。平成16年4月に旧6町が合併して誕生した京丹後市の初代市長に就任し、現在3期目。その他公職として、京都府自治体病院等開設者協議会会長、全国青年市長会会長(平成22年8月~平成23年8月)、京都地方税機構 広域連合長の職に就いている。

——————————————————————–
*みなさんのご意見をお待ちしています。(800字以内でお願いします)
info@kosonippon.org
いただいたご意見はバックナンバーと共に「読者の声」として以下に掲載しています。
http://www.kosonippon.org/cp-bin/wp/mail/index.php

*不掲載をご希望の場合は必ずその旨を明記して下さい。氏名、肩書きは、特にご指示がなければそのまま掲載します。匿名、ハンドルネームをご希望の場合は必ず明記して下さい。なお、盗作、名誉毀損、人権侵害、差別的な記述などの投稿は禁止いたします。

☆これまでのメルマガはこちらからご覧いただけます。http://www.kosonippon.org/cp-bin/wp/mail/index.php

□ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □

【2】(1)第212回J.I.フォーラム  5月28日(木)開催予定

―――――――――――――――――――――――――――――□

「地方創生 『大学習会』」

地方創生という言葉を頻繁に聞きます。政府は今年、初年度で1兆7,300億円の予算(26年度補正を含む)を用意しました。自治体はその受け皿のためのプラン(地方版総合戦略)作りを始めています。しかし、実はその中身がよくわかっている人は少ないようです。

今回は構想日本が地方創生のしくみや現状、効果などをわかりやすく整理し、みなさんに理解していただいた上で、ゲストに期待や課題について議論していただきます。

5年間で何兆円ものお金が使われます。税金が有効に使われ、地方が活力を取り戻せるよう私たちも「自分事」として考えたいと思います。

◯日 時:平成27年5月28日(木)18:30~20:30(開場18:00)

◯会 場:日本財団ビル2階 大会議室  港区赤坂1-2-2 TEL 03-6229-5111

◯解 説:構想日本

◯ゲスト:木下 富美子(北海道江差町顧問、地方創生人材支援制度による民間からの派遣)

清水 聖義(群馬県太田市長)        他

◯コーディネーター : 加藤 秀樹 構想日本 代表

◯主  催:構想日本

◯定  員:160名

◯参加費:一般 2,000円 / 学生 500円 (構想日本会員は無料です)
※学生の方は受付にて学生証をご提示ください。

◯懇親会参加費:4,000円(ご希望の方は下記懇親会参加に○をつけてください)
※ゲストを囲んで、下記の会場で懇親会を開催いたします。
「頤和園(いわえん)溜池山王店」
港区赤坂1-1-12 TEL 03-3584-4531

※フォーラムへのご参加は5月27日(水)18:00まで info@kosonippon.org  にお願いします。

必要事項等詳細は、HPを御覧ください。なお、お申し込みはHPからも出来ます。
( http://www.kosonippon.org/cp-bin/wp/forum/regist.php )
――――――――――――――――――――――――――――――――――

(2)「現場みらい塾」第2期 開催中、第3期 募集中

政策シンクタンクPHP総研と共同で昨年度スタートした「現場みらい塾」。受講生の満足度が高かったこともあり、今年度は第2期、第3期を開講することとしました。

自治体職員を主な対象としていますが、それ以外の方も参加可能です。是非お申込みください。

テーマ

「”自分事”からはじめる地方自治 ~現場目線で人口減少時代を突破する ~」。

人口減少時代に突入した今日。地域にとって最も必要なのは、直面するさまざまな課題を自分事として捉え、考え、行動できる人材です。前例踏襲を振り払い、マニュアル依存から抜け出して、課題解決と未来創造に挑戦する。そんな強い志をもち、現場で活躍できる地域リーダー人材を輩出することをめざします。

特 徴

1.地域経営の第一線で活躍している講師陣
2.最先端の政策や手法のトレンドを学びとる講義プログラム
3.自ら考え、取り組むことで体得する実践プログラム

『第2期』スケジュール  1回のみのご参加も承ります。

第2回:6月20日(土)10時~18時

第3回:7月11日(土)10時~18時

第4回:8月8日(土)13時~18時半、9日(日)9時半~16時

『第三期』スケジュール

第1回:9月26日(土)13時~18時半、27日(日)9時半~16時

第2回:10月24日(土)10時~18時

第3回:12月5日(土)10時~18時

第4回:2016年1月16日(土)13時~18時半、17日(日)9時半~16時

その他詳細はこちら

http://research.php.co.jp/event/2015/05/16.php

――――――――――――――――――――――――――――――――――

(3) Yahoo!ニュースオーサー記事更新!

Yahooニュースにオーサーとして投稿している記事が更新されました。ぜひ御覧ください。

代表 加藤秀樹

◇4月10日「世界が「私たちの財産」と言う建物を日本人は守れないのか」

http://bylines.news.yahoo.co.jp/katohideki/20150410-00044704/

ディレクター 伊藤伸

◇4月25日 「まもなく統一地方選挙投票日。政策の中身を吟味しよう ― 子ども医療費無料化を事例として」

http://bylines.news.yahoo.co.jp/itoshin/20150425-00045137/

◇4月8日「下宿中で住民票を移動していない学生有権者の皆さん、投票は今からでもできます。」

http://bylines.news.yahoo.co.jp/itoshin/20150408-00044650/

◇4月2日「投票率低下の原因は『仕組み』にあり~統一地方選を機に公選法の抜本的な見直しを~」

http://bylines.news.yahoo.co.jp/itoshin/20150402-00044479/

〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

◆J.I.メールニュースは、構想日本の活動情報などをお届けする無料のメールマガジンです。1.代表及びスタッフが名刺交換させていただいた方、2.ホームページで直接購読を申し込まれた方に配信しています。
◆登録・配信停止・アドレス変更は、 news@kosonippon.org へご連絡いただくか 以下のURLにて手続きして下さい。
http://www.kosonippon.org/cp-bin/wp/mail/regist.php
◆転載する場合は下記までご一報下さい。 info@kosonippon.org
◆構想日本の書籍の詳細はこちらです。 http://www.kosonippon.org/cp-bin/wp/books/index.php
◆みなさんの個人情報は構想日本が厳重に管理し、構想日本の活動に関わるご案内をお送りする以外、使用することはありません。
◆掲載内容等に関するお問い合せは、TEL 03-5275-5607まで。

□■□ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
発行 : 構想日本、発行責任者 : 加藤秀樹
info@kosonippon.org
http://www.kosonippon.org/cp-bin/wp/
Copyright(C) 1999-2015 -構想日本- All rights reserved.
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □■□