【No.709】「ひとりひとりの物語 ~これからの終末期医療~」 |ものがたり診療所所長  佐藤 伸彦氏|
2015.06.11

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J.I.メールニュース No.709 2015.06.11 発行

「ひとりひとりの物語 ~これからの終末期医療~」

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【1】<巻頭寄稿文>

「ひとりひとりの物語 ~これからの終末期医療~」

ものがたり診療所所長  佐藤 伸彦

(今月のフォーラムゲストです)

【2】<お知らせ>

(1) 第213回J.I.フォーラム  6月25日(木)開催

「老・病・死を考える」

(2) 地方議員セミナー 7月3日(金)、 4日(土)開催

(3)「現場みらい塾」第2期 開催中、第3期 募集中

(4) Yahoo!ニュースオーサー記事更新!

【3】<ご紹介>

(1)CheFuKo ネパール報告会  6月13日(土)開催

一般社団法人世界の子供たちのために

(2)まだまだ終わらない公開勉強会2 6月16日(火)開催

「真国立競技場へ」 森山 高至

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【1】 「ひとりひとりの物語 ~これからの終末期医療~」

ものがたり診療所所長  佐藤 伸彦

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自然な最期というのは何なのだろうと、高齢者医療の終末期に関わるなかでいつも考えてきました。

もしかしたら医療が、死の最期に良かれと思ってすることが、死に逝く人に過分な負担をかけ、徒にこの往生の際を引き伸ばしてしまっているのではないか、と考えてしまう経験を多くしてきました。

死に支度 いたせいたせと 桜かな

桜の花の散り際の潔さ(いさぎよさ)や儚さ(はかなさ)に、時に私達は自分の人生を重ねます。出来れば誰にも迷惑をかけずに、自分の人生は自分の手で幕を引きたい。そう考える人が、歳をとるにしたがって多くなってくるように思います。

そう遠くない将来、高齢者爆発による多死社会が来ます。その時今のように9割近くが病院で亡くなる社会では、おそらく乗り切る事が出来ないでしょう。

「何処で死ぬのかを選べる時代」にしなくてはなりません。とはいえ、今は選択肢がほとんどないのです。

自宅で死にたいという方は多いですが、実際は家族介護力の不足や療養する部屋の確保という住宅問題、老老夫婦介護や独居、最近では老老親子介護という問題もあり、在宅での最期がすべて良いものとは限りません。そして何より、治す事を目的とした「医学」だけではなく「死」というものを視野に入れた社会的実践行為としての「医療」が必要になってきます。

そんな中、在宅や病院・施設でもない「第3の場所」を作ろうと思って活動を始めたのが、もう10年も前になります。

そして5年前に独立し、医療法人社団ナラティブホームを設立しました。

ナラティブとは「ものがたり」という意味です。

病気というものはその人の一側面を見ているだけです。長い人生の中で私たちはいろいろな事情を抱え、自分なりの価値観をもって生きています。病気という一面だけで終末期ケアはできません。

私達の人生はまさに物語です。

また日々の生活も「語る」ということによって成り立っています。語ること/語られることを大事にし、終末期の方の最期の時間(人生)を生ききっていただきたいという思いで「ナラティブホーム」という造語を作りました。

そして富山県砺波市に「ものがたり診療所」という小さな在宅療養支援診療所と訪問看護、居宅介護支援センター、訪問ヘルパーステーションを開設しました。隣接する「ものがたりの郷」という15室の賃貸住宅を中心に、終末期の方に在宅の包括的チームケアを提供しています。「ものがたりの郷」は、がんに限らないすべての方の終末期に対応するホスピスと考えていただければよいかと思います。

がん疾患はもとより、経口摂取困難だが胃瘻造設を望まない方、慢性呼吸不全、慢性腎不全、慢性心不全等の末期などに対応しています。もちろん一般在宅での終末期にも対応しています。

次週「ヤシナヒビト」へ つづく

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佐藤 伸彦 (さとう のぶひこ)

1958年東京生まれ。富山大学薬学部、医学部卒業。成田赤十字病院内科、麻生飯塚病院神経内科を経て高齢者医療に携わり、市立砺波総合病院地域総合診療科部長を経て、平成21年4月に医療法人社団ナラティブホー ムを立ち上げ、平成22年4月1日「ものがたり診療所」を開設。平成24年は度厚生労働省在宅医療連携拠点事業所として地域医療と終末期医療をキーワードに包括チーム医療を実践。ナラティブホームの物語」を医学書院から2015年3月に刊行。

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【2】(1)第213回J.I.フォーラム 「老・病・死を考える」 開催

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仏教では、生老病死は人間が避けられない「四苦」とされています。しかしつい最近まで、日本社会全体としては四苦は片隅に置かれ、経済成長や豊かさの追求が中心課題でした。

ところが10年ほど前から、日本社会全体に四苦が重くのしかかってきました。生は少子化として。老病死は医療・介護という形で。65歳以上の日本人が人口の1/4を超えました。個人として老病死にどう対するかが、今や社会全体の大問題です。

「患者の葬儀に参列する医師」の佐藤さん、死後のことを扱ってきた僧侶の世界から医師になった対本さん。お二人ならではのお話を語っていただきます。

◯日 時:平成27年6月25日(木)18:30~20:30(開場18:00)

◯会 場:日本財団ビル2階 大会議室  港区赤坂1-2-2 TEL 03-6229-5111

◯ゲスト:佐藤 伸彦(ものがたり診療所所長)

対本 宗訓(僧医、リンデンクリニック院長)

◯コーディネーター:加藤 秀樹 (構想日本 代表)

◯主  催:構想日本

◯定  員:160名

◯参加費:一般 2,000円 / 学生 500円 (構想日本会員は無料です)
※学生の方は受付にて学生証をご提示ください。

◯懇親会参加費:4,000円(ご希望の方は下記懇親会参加に○をつけてください)
※ゲストを囲んで、下記の会場で懇親会を開催いたします。
「頤和園(いわえん)溜池山王店」
港区赤坂1-1-12 TEL 03-3584-4531

※フォーラムへのご参加は6月24日(水)18:00まで info@kosonippon.org  にお願いします。

お申し込みはこちらから https://www.kosonippon.org/wp-manager/forum/index.php

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(2)地方議員セミナー 7月3日(金)、 4日(土)開催

今こそ議員が地方創生の主役に
~自治体の課題把握と解決のための実践講座~

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地方創生など、日本中で人口減少と地域の活性化に向けた取り組みが始まりました。一方、多くの自治体の財政状況は危機的です。今の施策の何を捨て、何を残すかが迫られているのです。もはや行政に任せておける時代ではありません。議員、議会が主導すべき時代です。また、これまで以上に住民に納得してもらうことが大事になります。

そのための基礎となる自治体の財政分析、実施事業のチェック、そして住民との合意形成のし方を実践的に身につけるセミナーを開催します。

新人議員からベテラン議員まで、これから大いに力をふるっていただくうえで、必ず役に立つ内容です。ぜひご参加ください。

【日 時】 平成27年7月3日(金)13:00~17:00、4日(土) 9:30~16:00

【会 場】 構想日本 会議室 (東京都千代田区平河町2-9-2 エスパリエ平河町3F)

※地図 https://www.kosonippon.org/wp-manager/cp-bin/wordpress/wp-content/uploads/2015/03/unnamed.png

【内 容】<3日(金)>

「住民に納得してもらうには」 加藤秀樹(構想日本)

「政策を実現させるには(仮)」 穂坂邦夫(元志木市長)

懇親会(参加費別)

<4日(土)>

演習「財政状況をチェックするための決算統計の活用方法」 川嶋幸夫(構想日本)

「決算審査への事業仕分け手法の活用」 伊藤伸(構想日本)

ワークショップ(模擬事業仕分け)

※3日(金)の川嶋の演習が4日に、4日の加藤の講演が3日に変更になりました。

【対 象】 市区町村議会議員および都道府県議会議員

【持参物】 ノートパソコン(演習において使用します)

【定 員】 20名(要事前予約)

【参加費】 18,000円(食事、宿泊は含まれません)

【申し込み】メールでのお申込みは、info@kosonippon.orgまで FAXでのお申し込みは、 03-5275-5617まで

※申し込みの際には、お名前(フリガナ)、所属、TEL、FAX、E-mailをご記入下さい。

※〆切:6月26日まで

お問い合わせは 構想日本 伊藤/川嶋/田中 TEL 03‐5275‐5607 まで

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(3)「現場みらい塾」第2期 開催中、第3期 募集中

政策シンクタンクPHP総研と共同で昨年度スタートした「現場みらい塾」。

受講生の満足度が高かったこともあり、今年度は第2期、第3期を開講することとしました。

自治体職員を主な対象としていますが、それ以外の方も参加可能です。是非お申込みください。

テーマ

「”自分事”からはじめる地方自治 ~現場目線で人口減少時代を突破する ~」。

人口減少時代に突入した今日。地域にとって最も必要なのは、直面するさまざまな課題を自分事として捉え、考え、行動できる人材です。前例踏襲を振り払い、マニュアル依存から抜け出して、課題解決と未来創造に挑戦する。そんな強い志をもち、現場で活躍できる地域リーダー人材を輩出することをめざします。

特 徴

1.地域経営の第一線で活躍している講師陣

2.最先端の政策や手法のトレンドを学びとる講義プログラム

3.自ら考え、取り組むことで体得する実践プログラム

『第2期』スケジュール  1回のみのご参加も承ります。

第2回:6月20日(土)10時~18時
第3回:7月11日(土)10時~18時
第4回:8月8日(土)13時~18時半、9日(日)9時半~16時

『第三期』スケジュール

第1回:9月26日(土)13時~18時半、27日(日)9時半~16時
第2回:10月24日(土)10時~18時
第3回:12月5日(土)10時~18時
第4回:2016年1月16日(土)13時~18時半、17日(日)9時半~16時

その他詳細はこちら

http://research.php.co.jp/event/2015/05/16.php

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(4) Yahoo!ニュースオーサー記事更新!

Yahooニュースにオーサーとして投稿している記事が更新されました。ぜひ御覧ください。

代表 加藤秀樹

◇5月28日「「地方創生」成功のコツ ―現状把握と課題の分析」

http://bylines.news.yahoo.co.jp/katohideki/20150528-00046116/

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【3】<ご紹介>

(1)CheFuKo ネパール報告会  6月13日(土)開催予定

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「震災間もないネパールでの感動的な出会い」

(社)世界の子供たちのために:CheFuKoでは2013年より毎月一回福島へ温熱軍団を派遣し被災者の身体と心をほぐす活動を行う他、昨年はチェルノブイリを訪問し福島とウクライナの子供たちの交流を図っています。

そんな中わたしたちCheFuKoでは先のネパール大震災を受けて、5月16日~24日の日程で温熱軍団3名を首都カトマンズに派遣しました。

現地の人達にマッサージ支援が受け入れられるか蓋を開けてみないとわからないという状況でしたが、結果的にネパールの皆さんにとても歓迎され実働5日間で458名に施術することができ、また来て欲しいという声をたくさんいただきました。

発展途上国ネパールにはかつての日本にあった大切なものがたくさん残っており、震災間もない中たくさんのネパール人が協力的にお手伝いくださり、子供たちの笑顔も輝いていました。

報告会では現地で活動したCheFuKo3人のメンバーが映像と写真を交えながら、ネパールの様子と今後の活動についてお話させていただきます。

◯日 時:平成27年6月13日(土)13:00~16:00(開場12:30)

◯会 場:住友不動産御茶ノ水ファーストビル8F セミナールーム  千代田区神田駿河台2-5-1 TEL 03-5577-3155 FAX 03-3291-0011

◯主 催:(社)世界の子供たちのために

◯定 員:80名

◯参加費:無料

※報告会へのご参加は6月12日(金)12:00まで info@chefuko.org  にお願いします。

必要事項等詳細は、HPを御覧ください。なお、お申し込みはHPからも出来ます。
( http://www.chefuko.org )
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(2)まだまだ終わらない公開勉強会2  6月16日(火)開催

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「真国立競技場へ」 もっとも果敢に発言し続けた建築エコノミスト森山高至 登場!

神宮外苑がにわかに騒がしくなってきました。国民の声を聞こうとしなかった下村文部科学大臣が自ら「見通しが甘かった」と公言し、舛添東京都知事に「建設についての国民的合意を形成する前提となる、情報公開もなされていない。」と批判されています。

てんやわんやの新国立競技場から、まだまだ目を離すことが出来ません。迷走する競技場建設がどこに向かうのか、これまでの経緯を含め、森山さんにじっくり解説してもらいます。

◇日 時:2015年6月16日(火)19:00-21:00

◇講 師:森山 高至(建築エコノミスト)

◇会 場:建築家会館1階・ホール(東京都渋谷区神宮前2-3-16)
*申込多数のため会場が隣の建物に変更になりました。

地図・アクセス

◇会 費:500円(要申込,ドリンク付)

◇主 催:神宮外苑と国立競技場を未来へ手わたす会 http://2020-tokyo.sakura.ne.jp

◇問合せ:info@2020-tokyo.sakura.ne.jp

◇申 込:http://2020-tokyo.sakura.ne.jp

◎建築エコノミスト・森山のブログ http://ameblo.jp/mori-arch-econo/

メルマガNo.647 「現国立競技場改修がもつ大きな意味」https://www.kosonippon.org/wp-manager/mail/detail.php?id=653

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