メールマガジン

【No.743】「特ダネではないけれど(9) 今、そこにあるツケ」

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J.I.メールニュース No.743 2016.02.11 発行

「特ダネではないけれど(9) 今、そこにあるツケ」

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【1】<巻頭寄稿文>

「特ダネではないけれど(9) 今、そこにあるツケ 」

新聞記者     松浦 祐子

【2】<お知らせ>

(1) 第221回J.I.フォーラム  2月29日(月)開催

「 紛争、テロ、難民、その本質を考える そして、 私たち、日本、がするべきこと。出来ることを考える。」

(2) 今後の構想日本の活動

【3】<ご紹介>

(1) 「気候変動問題の最前線~動き出した世界とこれからの日本~」3月9日(水)開催

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【1】「特ダネではないけれど(8) 今、そこにあるツケ 」

新聞記者     松浦 祐子

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メルマガの年頭挨拶文で、加藤秀樹氏から「福祉国家×民主主義×経済成長 の先へ」という問いが投げかけられました。私はこの「かけ算」の結果の一つが、国の財政だと思っています。

今、国会では2016年度当初予算案の審議が進められています。
総額96兆7千億円。収入(歳入)のうち、34兆円(35%)を新たな借金(国債)で賄うという予算案です。

「先進国で最悪の財政赤字」「少子高齢化に伴う社会保障費増が財政悪化の原因」

様々な報道で、繰り返し出てくるフレーズです。多くの人がこの事実を知っているはずなのに、「自分事」として具体的に考えることができないのは、なぜなのだろう?我々マスコミの伝え方が悪いのではないだろうか?と改めて考えてみました。

「新たな借金は、将来生まれてくる子ども世代にツケを回すことになる」
このフレーズも、よく聞きます。なんだか、借金の影響は「将来」だけに影響するみたいです。本当にそうなのでしょうか?

来年度予算案約97兆円のうち23兆円(24%)は、800兆円超の借金に対する利払いと返済のための国債費※と呼ばれる費用です。この額は、最も大きな支出である社会保障費(31兆円)に次いで大きく、国から地方へと渡される地方交付税交付金(15兆円)を大幅に上回る額です。

国債費というのは、国債を買ってもらう際に「これだけの利息を払います」「○年までに返済します」という約束をし、それに基づいて支払っていくための費用ですから、勝手に変えることはできません。どんなに税収が減っても、国債費は支払わなければなりません。

日本の場合、新たに借金する34兆円に対して国債費が23兆円ですから、借金の大半が借金返済や利払いのために使われているというのが現実です。まさに自転車操業です。これは、将来の話ではなく「今」の話です。借金のツケは、すでに「現在の世代」に回ってきているのです。

しかも、この「ツケ」のタチの悪さは減らすことができないだけでなく、増えるときには勝手に増えてしまう点にあります。これまでは低金利に助けられて、積み上がる国債の量のわりには国債費の額は少なめに抑えられてきました。しかし金利が上がれば払うべき利息も増えるため自動的に国債費は増えていきます。

財務省は、デフレを脱却し物価が2%程度上昇する状況になった場合、国債費は2016年度の23兆円から2021年度には31兆円に増えると試算しました。この間の社会保障費の伸びは5兆円、地方交付税は2兆円、その他の全ての事業費の合計で1兆円ほどと試算されています。

国民の多くが、老後の生活の安心が欲しい、子育てをしやすくして欲しい、もっと教育を受けやすくして欲しい、などと願っているのではないでしょうか。けれど、実際に一番多く増やさざるを得ないのは借金返済などのための「国債費」なのです。

仮に高い経済成長(名目3%)ができたとして、試算では税収は14兆円増えるのですが、そのうち8兆円が国債費の増加で消えていくことになります。現実的な低い成長(名目1.5%)では、税収増9兆円に対して国債費の増加は7兆円を占めることになります。「景気を回復して、成長の果実は国民へ」と安倍政権は言っていますが、実際のところ成長の果実の多くは国債の利払いや返済へ、残りを国民へ、という程度にしか回せないのです。

今は日銀によるマイナス金利政策も含めた「異次元の金融緩和」のため、金利も「異次元」の世界に突入しています。日本経済の実態からはかけ離れて、金利はマイナスにまで低下しています。ある経済官庁幹部は「日本の金利という体温計はもう壊れている(病気の発熱を測定できていない)」と指摘しました。今の超低金利は、一種のバブルと言わざるを得ません。

国債費は、ロシアンルーレットの拳銃に込められた1弾のようなものです。どこで発射(金利の急上昇)されるかは分からないけれど、ひとたび発射されれば命を奪うことになる。日本はそんな「弾」を抱え込んでしまっているのだとも言えます。

「こんなロシアンルーレットのゲームに巻き込んだのは誰なんだ!!」この文章を書きながら、私は沸々と怒りが沸いてきています。特に金利の支払いなどは、毎年度の予算で歳出を削減したり、増税で収支の帳尻を合わせることができていれば、今も将来の世代も、本来は負担の必要がなかったものなのです。国債費は税金の使い道としては何も生み出さない「無駄」の最たるものなのです。
しかし私は、文句ばかりを言える立場ではありません。選挙権を得てから21年、この国の財政に責任ある有権者の1人だったのですから…。

怒りを「・・・の先へ」と結びつけていく方法を考えたい。遅くなりましたが、2016年の抱負です。

※ 国家の借金の返済にかかる費用。国債の償還や利払い、その事務経費などにかかる総コスト。

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松浦 祐子 (まつうら ゆうこ)

1974年 神戸市生まれ。大学院修了後、1999年新聞社に入社。和歌山、高知での地方勤務、東京での雇用、介護分野、厚生労働省、財務省担当などを経て、現在は新潟で県政を担当。

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【2】(1)第221回J.I.フォーラム  2月29日(月)開催

「 紛争、テロ、難民、その本質を考える そして、 私たち、日本、がするべきこと。出来ることを考える。」

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◯日 時:平成28年2月29日(月)  18:30~20:30(開場18:00)

◯会 場:日本財団ビル2階 大会議室  港区赤坂1-2-2 TEL 03-6229-5111

◯ゲスト:アブディン モハメド オマル Mohamed Omer Abdin(東京外国語大学 特任助教)

瀬谷ルミ子(NPO法人日本紛争予防センター 理事長)  他

◯コーディネーター:加藤 秀樹(構想日本代表)

◯主 催:構想日本

◯共 催:渥美国際交流財団

◯定 員:160名

◯参加費:一般 2,000円 / 学生 500円 (構想日本会員は無料です)
※学生の方は受付にて学生証をご提示ください。

◯懇親会参加費:4,000円(ご希望の方は懇親会参加とお申込み時に明記して下さい)
※フォーラム終了後、ゲストを囲んで、懇親会を開催いたします。

「頤和園(いわえん)溜池山王店」港区赤坂1-1-12 TEL 03-3584-4531

※フォーラムへのご参加は2月29日(月)12:00まで info@kosonippon.org  にお願いします。

お申し込みはこちらから http://www.kosonippon.org/cp-bin/wp/forum/index.php

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(2)《今後の構想日本の活動》

《行政関係》

2016年2月13日(土) 滋賀県 高島市「市民ワークショップ」第2回

2月21日(土) 茨城県 行方市「第6回なめがた市民100人委員会」

2月28日(日) 福岡県 大刀洗町事業仕分け

今年度の実施一覧はこちらからご覧いただけます→ http://www.kosonippon.org/cp-bin/wp/blog/?page_id=145

《その他》

2015年10月~隔週月曜日 京都大学経済学部 「公共経営論2」講義 (代表 加藤秀樹)

公共政策の各論を毎回ゲストの講義で進めました。ゲストは、

衆議院議員 河野 太郎氏、京都信用金庫 理事長 増田 寿幸氏、株式会社商工組合中央金庫 執行役員 小林 利典氏、財務省 近畿財務局長 武内 良樹氏、財務省 主税局主税企画官 関 禎一郎氏、厚生労働省 社会・援護局福祉基盤課福祉人材確保対策室長 榊原 毅氏、南日本ヘルスリサーチラボ代表・医師・前夕張市立診療所長 森田 洋之氏、前松阪市長 山中 光茂氏、浜松市長 鈴木 康友氏、外務省 高田 真理氏、小西美術工藝社 アトキンソン・デービッド・マーク氏、元ラグビーワールドカップ日本代表 平尾 剛氏。

2015年9月~毎週木曜日 法政大学 「NPO論II」講義 (総括ディレクター伊藤伸)

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【3】<ご紹介>

構想日本が応援している活動に関するお知らせです。

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(1) 「気候変動問題の最前線~動き出した世界とこれからの日本~」

近年、気候変動問題を巡る国内外の情勢が大きく動き出しています。

最新の動向を紹介すると共に、国内における気候変動対策の普及、そして国際貢献の推進のため、科学者、政策決定者、メディアなどの関係者がどのような取り組みを進めるべきかについて議論します。

是非ご参加ください。

◇日 時:平成28年3月9日(水)13:30-16:50(予定)

◇会 場:千代田放送会館2F ホール 〒102-0094 東京都千代田区紀尾井町1-1

◇内 容:基調講演 「気候変動問題の最新の動向について(仮)」「IPCC第6次評価報告書に向けて(仮)」「気候変動リスクの総合管理とその対策について(仮)」

パネルディスカッション(登壇者) 沖 大幹氏、井田 寛子氏、ハンス=オットー・ポートナー氏、田辺 清人氏、藤井 進太郎氏、神奈川県立横浜国際高等学校代表生徒。

◇定 員:200名

◇参加費:無 料  ※事前申込制 平成28年3月7日(月)までに

ウェブサイト( https://ssl.form-mailer.jp/fms/b7980e51416381 )
Eメール( climate@gef.or.jp )、電話(03-5825-9735)またはFax(03-5825-9737)より申込

※参加募集は締切期限内であっても定員に達し次第締め切らせて頂きます。.

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