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【No.754】「今こそローカリズム・日本の祭シリーズ 第十四弾 揖斐まつり」 |至学館大学・伊達コミュニケーション研究所長  石田 芳弘氏|

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J.I.メールニュース No.754 2016.04.28  発行

「今こそローカリズム・日本の祭シリーズ 第十四弾 揖斐まつり」

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【1】<巻頭寄稿文>

「今こそローカリズム・日本の祭シリーズ 第十四弾 揖斐まつり」

至学館大学・伊達コミュニケーション研究所長 石田 芳弘

【2】<お知らせ>

(1) 第224回J.I.フォーラム  5月19日 開催

「取りあい」から「関わりあい」へ  ―ふるさと納税を反省する―

(2) 今後の構想日本の活動

(3) Yahoo!ニュースオーサー記事更新!

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【1】「今こそローカリズム・日本の祭シリーズ 第十四弾 揖斐まつり」

至学館大学・伊達コミュニケーション研究所長 石田 芳弘

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揖斐まつりは、岐阜県揖斐川町三輪地区の氏神、三輪神社の祭である。自治体名「揖斐川町」は木曽三川の一つ、揖斐川から来たと思われる。

地方政治に長年かかわってきた私の観察だが、我々は有形、無形、無意識の内に故郷の「川」に大きく影響される。「母なる川」という言葉は正しく真理だ。

一昔前の日本人の感覚では、国とはcountryとかnationではなくlandであり、都会が形成される前の山村社会では、山川草木が住民のメンタリティを作ってきたと思う。

母なる川の名前を町の名前に持つ揖斐川町は、その意味で何となく私を惹きつける。

「揖斐川町は太古、大神(みわ)の里と称し、伊比(いび)の里とともに出雲族、神人(みわ)氏の蟠踞地で山麓の一寒村でありました。」から町史は書き出す。

三輪神社の例大祭揖斐まつりは5月3・4・5日に行われ、歴史の由緒を背負い神事を重んずる祭だ。

5月1日 三輪神社に幟(のぼり)が立つ。
2日 町内からの神輿(みこし)のご神体受付。
3日 小試楽、公民館で子ども歌舞伎上演。
4日 試楽(しんがく)、神社前にて子供歌舞伎上演、ヤマ(車偏に山)曳き揃え。
5日 本楽(ほんがく)稚児役者お練り、神輿(みこし)お旅(たび)、子供歌舞伎、ヤマ引き回し。*お旅とは神が降臨した神輿を担いで氏子の住むエリアを巡行しお祓(はら)いすること

曳山は5町内から繰り出す。ここではヤマと呼び国語辞典にはない車偏に山の字を書く。若い衆が神輿の巡幸の時大声で民謡のような「おばば」を唄いながら担いでゆく。

揖斐川町が発祥のこの唄を、私も子供の頃故郷の川祭で唄ったことがある。「オババドッコイキャルナーア ナーナナ 嫁ノ在所エナー 三升樽サーゲテ ソーラバエ」という何とも長閑(のどか)なメロディは、意味は解らなかったが少年の時の祭の記憶と共に、私の体に染みついている。祭の遺伝子は確実に子ども達に引き継がれる。

揖斐まつりで楽しかったのは子供歌舞伎だ。ヤマを曳き出す5町内で、毎年順番を決めて歌舞伎を担当する。町内の公民館で上演したり、ヤマの上で上演したり、本楽の日は神社の前で演ずる。

いわゆる家柄による世襲制の「歌舞伎」のみではなく、大衆の地歌舞伎もまた、ユネスコ無形文化遺産であることを知る人は少ない。

実は戦前まで、全国に歌舞伎小屋は1500余あったが、敗戦によりGHQは歌舞伎の上演を3年間禁じた。歌舞伎の多くが復讐劇であり、日本人の心情の根っこを表現ずる故に、アメリカは恐れたと言われる。

それによって大衆演劇としての歌舞伎は壊滅し、今は全国で138ヶ所の小屋が残るのみとなったが、岐阜県が最多の26か所であるという。

歌舞伎には我が国の芸能と様式のすべてが入っているのだが、どうも今の日本人は歌舞伎より西洋のオペラのほうに詳しくなってしまった。
祭を見ることは「日本人」を思い出させる。

揖斐まつり 詳細はこちら → http://miwajinja.com/ibimatsuri/  やまボランティア募集中

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石田 芳弘(いしだ よしひろ)

愛知県議会議員、犬山市長、衆議院議員など、地方、中央の政治と行政を経験。特に教育、文化行政に力を入れた。「まちは生涯学習の最良の教室である」というのが持論であり、学校教育も生涯学習の一環であると考え、市民が教師の総合学習や全市博物館構想を推進。また、シンクタンクの研究員として先進国の地方議会を視察、研究。我が国地方議会も議院内閣制を導入すべしという、地方議会改革論議のオピニオンリーダーである。

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【2】(1)第224回J.I.フォーラム  5月19日 開催

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「取りあい」から「関わりあい」へ  ―ふるさと納税を反省する―

「ふるさと納税」の広がりとともに返礼品競争など弊害も目立っています。自治体間での「寄付」の取りあいは、自治体と納税者とのつながりを強めるという本来の趣旨と大きくずれていますし、長続きしません。

人口減少時代には、税金や住民を「取りあう」のではなく、自治体に関わる人をふやすことが大事だと思います。その有力な方法が「ふるさと住民票」です。

複数の町で活動し、暮らし、自治体と多様な関係を持つ人が多くいる現代、自治体と住民の関係を、新しい視点に立ち、考え直してみたいと思います。

◯日 時:平成28年 5月19日(木) 18:30~20:30(開場18:00)

◯会 場:アルカディア市ヶ谷 6階 「伊吹」 (千代田区九段北4丁目2番25号)TEL 03-3261-9921

http://www.arcadia-jp.org/access.htm

※場所にご注意ください

◯ゲスト:景山 享弘(鳥取県日野町長)

片山 健也(北海道ニセコ町長)

土居 丈朗 (慶應義塾大学 教授)   他

◯コーディネーター:加藤 秀樹(構想日本代表)

◯主 催:構想日本

◯定 員:120名

◯参加費:一般 2,000円 / 学生 500円 (構想日本会員は無料です)
※学生の方は受付にて学生証をご提示ください。

◯懇親会参加費:4,000円(ご希望の方は懇親会参加とお申込み時に明記して下さい)

※フォーラム終了後、ゲストを囲んで、懇親会を開催いたします。

会場  「TO THE HERBS(トゥザハーブズ) 市ヶ谷店」

千代田区五番町2(JR市ヶ谷駅2F) TEL.050-5787-1164

http://www.to-the-herbs.com/shop/tky_ichigaya/

※フォーラムへのご参加は5月19日(木)12:00まで info@kosonippon.org  にお願いします。

お申し込みはこちらから http://www.kosonippon.org/cp-bin/wp/forum/index.php

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(2)《今後の構想日本の活動》

《行政関係》

2016年5月15日(日) 滋賀県 高島市「第5回市民ワークショップ」

今年度の実施一覧はこちらからご覧いただけます→ http://www.kosonippon.org/cp-bin/wp/blog/?page_id=145

《その他》

2016年4月~隔週月曜日 京都大学経済学研究科・経済学部 特殊講義「公共経営論1」 (代表 加藤秀樹)

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(3)Yahoo!ニュースオーサー記事更新!

Yahooニュースにオーサーとして投稿している記事が更新されました。ぜひ御覧ください。

代表 加藤秀樹

◇3月8日 防災を「自分事」に

http://bylines.news.yahoo.co.jp/katohideki/20160308-00055180/

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