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【No.78】「ホンモノ」の政策と「ニセモノ」の政策

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「ホンモノ」の政策と「ニセモノ」の政策
JIニュースNo.78  2002.12.20
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■■ 目次 ■■
《来年の抱負》「ホンモノ」の政策と「ニセモノ」の政策

構想日本代表 加藤秀樹
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《来年の抱負》「ホンモノ」の政策と「ニセモノ」の政策
構想日本代表 加藤秀樹

政治がとことん劣化している日本で、自薦、他薦の「政策」があふれて
いる。政策というものは、元々「正しい」「間違い」が決まっているわけ
ではない。しかし、私たちは、構想日本なりの基準で様々な政策を「ホン
モノ」と「ニセモノ」に区別することにしている。
その場合、考えることは次のような点だ。
1.その政策の目的は何か
2.その目的に到達するまでの道筋(シナリオ)をどう描くか
3.具体的に何をしていくか
たとえば、医療の問題を考えてみよう。政府は、医療財政の悪化を理由
に、2003年4月から患者の自己負担率を2割から3割へ引き上げることを
決めた。しかし、これでは現在の医療が抱える本質的な問題は何も解決し
ない。
医療政策の目的は何だろうか? 結局は、信頼できる医療サービスが、
なるべく安く受けられるようにするということか。しかし、今は、丁寧な
診察よりも薬の多用や高額の医療機器による検査の方が健康保険の点数が
高く、診療報酬も高いという仕組みになっているから、“薬づけ”“検査
づけ”が横行し、財政負担は増え、しかも、患者の不信、不満が募る。
この仕組みを変えない限り、自己負担率を引き上げてみても、一時しの
ぎに過ぎない。それこそ、症状を一時押さえるだけで、病気はますます悪
くなってしまう。
「景気対策」「年金改革」「市町村合併」「都市の再生」… こうやっ
てみていくと、世の中には「ニセモノ」があふれている。
当たり前のことだが、各分野の「政策」を集めると世の中が描けてない
といけない。しかし、いくら「あるべき姿」を描いても、それが世の中の
動きを反映したものでなければ人々は、そんなものとは関係なく動くだけだ。
人々の動きに何の影響も及ぼさないならそれは、政策としては失敗だった
ということになる。
こうやって考えていくと、ターゲットもシナリオもない「政策」は、背
後に哲学もリアリティもない。だから、「ニセモノ」なのだと私は思って
いる。
哲学とリアリティ。書けば2つの単語に過ぎないが、これをしっかりも
つのが大変、難しい。
政策委員を初め構想日本の政策づくりに関わって頂いている方々と熱い
議論をしながら、「ホンモノ」と言える政策の実現を目指していきたい。
早いもので、構想日本がスタートして6年になる。3年を1期として
そのたび毎に活動の内容、し方を考えていこうという方針からすると、
来年は3期目のスタートということになる。
“ホップ”“ステップ”がうまくいったかどうか自信はないけれど、
大きく“ジャンプ”できるよう、来年も、厳しいご指導と温かいご支援を
よろしくお願いいたします。
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