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【No.795】「今こそローカリズム・日本の祭シリーズ 第二十一弾 大縣(おおあがた)神社・田懸(たがた)神社豊年祭」 |至学館大学・伊達コミュニケーション研究所長  石田 芳弘氏|

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J.I.メールニュース No.795 2017.2.16 発行

「今こそローカリズム・日本の祭シリーズ 第二十一弾

大縣(おおあがた)神社・田懸(たがた)神社豊年祭」

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【1】<巻頭寄稿文>

「今こそローカリズム・日本の祭シリーズ 第二十一弾

大縣(おおあがた)神社・田懸(たがた)神社豊年祭」

至学館大学・伊達コミュニケーション研究所長 石田 芳弘

【2】<お知らせ>

(1) 第233回J.I.フォーラム  2017年2月23日(木)開催

(2) 今後の構想日本の活動

(3) Yahoo!ニュースオーサー 新記事投稿

【3】<ご紹介>

「高野病院 支援 寄付募集」

【4】<活動報告>

住民の行政参加のトップランナー  福岡県 大刀洗町

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【1】 「今こそローカリズム・日本の祭シリーズ 第二十一弾

大縣(おおあがた)神社・田懸(たがた)神社豊年祭」

至学館大学・伊達コミュニケーション研究所長 石田 芳弘

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大縣神社は犬山市、田縣神社は1キロほど離れた小牧市にあり別の存在であるが、田縣のご祭神玉姫命は大縣出身という関係もあり一連の豊年祭として考える。

大縣の豊年祭では女性器をご神体として担ぎ、田懸では男性器をご神体として担いで巡行するという誠に原始的でユーモラスなエロチシズム漂う祭として有名である。両神社とも祭礼日は違うが3月上旬行われるいわゆる祈年祭で、米の豊作を祈願する春祭である。

稲作は弥生文明の賜であるが、人間の性器をご神体にするという発想はもう一つ歴史を遡る縄文の意識ではないだろうか。日本の祭はどの祭も歴史のレイヤー(層構造)を貫き縄文の古層に達するというのが私の仮説である。

更に、大縣神社の牧野武彦宮司の話は興味深かった。大縣神社の例祭(神社の誕生日みたいなもの)である豊年祭は従来神社関係者のみで行っていたが、何時の頃からか氏子たちが観光客にも見せる祭にしたいと、神輿をはじめとする練り物の先導に猿田彦を加えたという。

猿田彦(さるたひこ)は古事記によると、天照(あまてらす)の命を受けた瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が天孫降臨の際最初の国津神(地上神)として道案内をした、いわば神話から歴史の扉を開いたキーマンである。大縣の宮司は豊年祭にこの神話を登場させ、成功した。

更に納得したのは、そもそも女性の神様である大縣神社が元宮であって、男性の神様田懸神社はそのお旅所(たびしょ)(出張所のようなもの)であろうという考えだ。男女のプライオリティにおいてもここで日本神話を思い出した。太陽神である天照は女性であり日本民族はそもそも女性優先、であったのではないか。神話は人間の集合的な潜在意識を形にしたものであり、象徴的な物語である。

ところでこの大縣神社に私は特別の思い入れがある。故郷犬山市の市長選挙に立候補した時、この神社の崇敬会長が市内すべての神社を当選祈願に回ってみなさいとアドバイスしてくれた。人口7万8千人規模の犬山市に60以上の神社があり、そのいずれもが美しく清掃された鎮守の森であり、氏神・産土神が祀られ、絶えることなく粛々とその地域の祭が行われていた。これは行政や社会組織の網にかからない事実であり、新鮮な発見だった。

神社を知るためのコード(暗号)を記す。(1)社の由来を書いた「由緒書き」(2)聖域への門「鳥居」(3)穢れを祓う「手水舎(てみずしゃ)」(4)狛犬と眷属(けんぞく)(5)斉館・拝殿・本殿等「社殿」(6)結界を示す「注連縄(しめなわ)」(7)ご神木・玉砂利の「境内」等であるが、大縣神社の場合境内から連続して奥山に至り、山頂に奥の宮がある。この奥の宮こそがパワースポットである。さらに、そこから平地の方へ約1キロ地点に4世紀築造の巨大な前方後円墳があり、神社のご祭神が埋葬されている。4世紀と言えば未だ列島は統一されていない部族国家だ。

この大縣神社は神話と古代史が重なって見えてくるドラマティックな神社である。

※大縣神社 http://ooagata.urdr.weblife.me/

※田縣神社 http://www.tagatajinja.com/index.html

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石田 芳弘(いしだ よしひろ)

愛知県議会議員、犬山市長、衆議院議員など、地方、中央の政治と行政を経験。特に教育、文化行政に力を入れた。「まちは生涯学習の最良の教室である」というのが持論であり、学校教育も生涯学習の一環であると考え、市民が教師の総合学習や全市博物館構想を推進。また、シンクタンクの研究員として先進国の地方議会を視察、研究。我が国地方議会も議院内閣制を導入すべしという、地方議会改革論議のオピニオンリーダーである。

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【2】(1) 第233回J.I.フォーラム  2月23日(木) 開催

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第233回J.I.フォーラム  2月23日(木) 開催

島のくらしから考える

-淡路・奥尻・佐渡の魅力、生かし方-

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日本には7000弱の島があると言われています。そして島にはそれぞれ独特の伝統文化や歴史がありますが、住民がむしろその魅力や可能性に気づいていないとも言われます。

構想日本は、兵庫県淡路市、北海道奥尻町、新潟県佐渡市の3市町の、魅力探しのお手伝いをすることになりました。国生み神話で有名な淡路市、三平汁発祥の地である奥尻町、全国能楽舞台の1/3を持つ佐渡市。受け継がれてきた伝統はとても魅力的です。一方、阪神淡路大震災、北海道南西沖地震、台風による被害など防災面での共通課題もあります。

島の「くらし」の現地調査やインタビューの報告も交えながら、議論していただきます。

他の地域の魅力探しにも大いに参考になると思います。

◯日 時:2017年 2月23日(木) 18:30~20:30 (開場18:00)

◯会 場:アルカディア市ヶ谷 6階 「伊吹」 (千代田区九段北4-2-25)TEL 03-3261-9921

※場所にご注意ください

◯ゲスト:伊藤 光 (新潟県 佐渡市 副市長)

門 康彦 (兵庫県 淡路市長)

片桐 幸雄 (島研究家)

田中 敦詞 (北海道 奥尻町副町長)

平野 秀樹 (学校法人 青森山田学園 本部長)

◯コーディネーター:加藤 秀樹(構想日本代表)

◯主 催:構想日本

◯定 員:120名

◯参加費:一般 2,000円 / 学生 500円 (構想日本会員は無料です)
※学生の方は受付にて学生証をご提示ください。

◯懇親会参加費:4,000円(ご希望の方は懇親会参加とお申込み時に明記して下さい)
※フォーラム終了後、ゲストを囲んで、懇親会を開催いたします。

アルカディア市ヶ谷  2F レストラン

※フォーラムへのご参加は2月23日(木)12:00まで info@kosonippon.org  にお願いします。

HPからのお申し込みはこちら http://www.kosonippon.org/cp-bin/wp/forum/index.php

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3月の第234回J.I.フォーラムは 3月22日(水) アルカディア市ヶ谷 18:30~ 予定

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(2)《今後の構想日本の活動》

2017年3月4日(土)静岡県 浜松市「防災住民協議会」(全5回中の第5回)

今年度の構想日本の『事業仕分け・住民協議会・施設仕分け実施一覧』詳細は、以下のURLよりご覧いただけます。

http://www.kosonippon.org/cp-bin/wp/blog/?page_id=1079

《その他》

2016年4月~隔週月曜日 京都大学経済学研究科・経済学部 特殊講義「公共経営論1・2」 (代表 加藤秀樹)

公共政策の各論を毎回ゲストの講義で進めています。これまでのゲストは、
株式会社もり 代表 原野守弘氏、内閣府 迎賓館長 別府充彦氏、一般社団法人瀬戸内サーカスファクトリー 代表理事 田中未知子氏、長岡京市長 中小路健吾氏、厚木市こども未来部長 小瀬村寿美子氏、元朝日新聞社 代表取締役社長 木村伊量氏、財務省 事務次官 佐藤慎一氏、株式会社マイファーム 代表取締役社長 西辻一真氏(構想日本メルマガ「農業の現場あるあるシリーズ」執筆者)、日本ポリグル株式会社 代表取締役会長 小田兼利氏、外務省 アジア大洋州局南部アジア部長 梨田和也氏、金融庁 検査局長 三井秀範氏(金融庁長官から急遽変更)、衆議院議員 岡田克也氏。

2016年9月~毎週木曜日 法政大学 「NPO論」講義 (総括ディレクター伊藤伸)

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(3) Yahoo!ニュースオーサー 新記事投稿

Yahooニュースにオーサーとして新しい記事を投稿しました。ぜひ御覧ください。

代表 加藤秀樹

◇2016年12月28日 ヤフーニュース 日本にトランプ現象は起こるか(前編)
http://bylines.news.yahoo.co.jp/katohideki/20161228-00065994/

◇2017年1月5日 ヤフーニュース 日本にトランプ現象は起こるか(後編)
http://bylines.news.yahoo.co.jp/katohideki/20170105-00066261/

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【3】<ご紹介>

「高野病院 支援 寄付募集」のお知らせ

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『地域医療を守るため原発事故後唯一留まった高野病院を支援します』
https://readyfor.jp/projects/hirono-med

東京電力福島第一原発事故後、唯一診療をつづけた高野病院。
高野病院が閉鎖されることになれば、双葉郡から病院がなくなってしまうことを意味します。

高野病院は一民間病院でありながら、事故後も地域の中で「社会的インフラ」として復興を支えてきました。生活に欠かすことのできない病院がなくなれば、安心して住むことはできません。住民の帰還も叶わなくなります。

行政は、民間病院を支援すると公平性を保つことができないと言います。

被災地において、住民の方々が安心して医療を受けられる体制を整えることは、真の復興を成し遂げるために必要不可欠なのです。

今回、「高野病院を支援する会」を発足し、ボランティア医師を全国から募るとともに、情報拡散に努めてまいりました。そして、地域医療の崩壊を防ぐために、「ふるさと納税制度」を利用した寄付募集を開始いたしました。

主な目的は、約3か月間の非常勤の医師の交通費や宿泊費の補助費用を算出するためです。目標金額を上回った部分は、広野町ふるさと応援寄付金事業の「健康で安心して暮らせるまちづくり事業」への、保健・福祉・医療体制の充実へ活用させていただきたいと思います。

引き続き皆様の温かいご支援の程、よろしくお願い申し上げます。

高野病院を支援する会は、高野己保理事長とともに、亡き院長が命賭けで守りぬいてきた地域医療が絶えることなく、存続することを第一に考え、引き続き行動をし続ける所存です。

高野病院を支援する会 事務局 山本佳奈

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【4】<活動報告>

住民の行政参加のトップランナー  福岡県 大刀洗町

これまでの住民協議会の総ざらい 『進捗報告会』開催

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福岡県大刀洗町では、無作為に選ばれた住民自らが行政課題について議論する「住民協議会」を2014年から実施してきました。

この取組みに参加した住民は累計で約150人。その中からNPOでの活動など様々な動きが始まっています。

昨年度からは高校生も参加し、民主主義の新しいモデルとして全国的にも注目されています。住民が行政を“楽しく、自分事に”していく様子を是非傍聴し、感じてください。

【進捗報告会の主な内容】

・講演 「『住民協議会』大刀洗から全国へ」(構想日本代表 加藤秀樹)
・大刀洗町からの進捗報告
・委員OB・OGとのディスカッション

【対象テーマ】これまでに議論を行ってきた4テーマ

◯ゴミ ◯地域包括ケア ◯地域自治団体と行政 ◯子育て支援

【参加者】

・大刀洗町住民協議会の委員OB・OG
・コーディネーター(構想日本)
・大刀洗町職員

【日 時】 2月19日(日) 13:00 ~16:00(予定)

【会 場】 大刀洗ドリームセンター 2階展示ホール (大刀洗町大字冨多819)
※会場についてのお問い合わせは、大刀洗町総務課総務係まで(0942-77-0171)

【入 場】 無料(どなたでも参加できます) ※事前申し込み不要。途中入退室可。

【主 催】 大刀洗町

【協 力】 構想日本

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