【No.802】「志の教育」がアクティブに学ぶ姿勢を育てる ~財界人たちが立ち上げたバッカーズ寺子屋という1つの試み~|バッカーズ寺子屋 塾長 木村貴志氏|
2017.04.06

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J.I.メールニュース No.802 2017.04.06 発行

「志の教育」がアクティブに学ぶ姿勢を育てる

~財界人たちが立ち上げたバッカーズ寺子屋という1つの試み~

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【1】<巻頭寄稿文>

「志の教育」がアクティブに学ぶ姿勢を育てる

~財界人たちが立ち上げたバッカーズ寺子屋という1つの試み~

バッカーズ寺子屋 塾長 木村貴志

【2】<お知らせ>

(1) 4月9日(日)神奈川県 伊勢原市「住民協議会」開催

地方議会関係者は要注目!

【3】構想日本 2017年3月の主な 政策実現活動

【4】構想日本 2017年3月の主な 新聞・テレビ等メディア掲載

【5】<ご紹介>

熊本の震災からもうすぐ1年

「つながろう熊本 ーくまもともっとー」

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【1】 「志の教育」がアクティブに学ぶ姿勢を育てる

~財界人たちが立ち上げたバッカーズ寺子屋という1つの試み~

バッカーズ寺子屋 塾長 木村貴志

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大学入試センター試験が、2020年1月(2019年度)の実施を最後に廃止され、新しい共通テストに移行する。急速に進む社会の変化に対応した教育を実現するためであり、一言で言えば、自ら考え・発信し・協働する力を持つ人財育成を目指しているようである。

戦後の日本の教育は、とかく先生が持っている「正解」を一方的に伝達する教育になっていた。その結果、学ぶ側の姿勢は必然的に「受け身」にならざるを得ず、子どもの頃から「受け身」で学ぶ習慣がすり込まれてきた。

その原因として、まず、効率を重視したマークシート方式などの選択肢での採点方式がある。能動的に学ぶと言うことは、多くの場合、言語を駆使しての学びとなる。マークシートという採点の効率化によって、記述や口頭試問といった、言語化し思考力を鍛える学びの機会を結果的に奪うこととなった。

他には、偏差値重視である。偏差値の高い有名大学へ進学することが進路指導の中心となったことだ。常に目の前のテストで「とりあえず」良い点を取ることが奨励され、「何のために学ぶのか」「何のために働くのか」「どのような人生を生きるのか」といった、学ぶことの前提となる本質的な問いが等閑にされてしまった。

そして、常に「正解」がある勉強を同年齢で同質性の高い空間で学ぶため、授業中に間違った答えを言うと、そんなことも知らないのかと嘲笑され、積極的に発言すれば良い子ぶってると言われてしまう。その結果、間違った答えを言うことを極度に恐れ、できるだけ発言せぬようにという消極的な姿勢が強化されてしまった。

かくして社会人になってからも、主体的に考えることはせず、失敗することを恐れ、受け身で仕事をする指示待ちの大人たちが大量に生み出されてきたのではないか。

新しい学習指導要領では、「課題の発見・解決に向けた主体的・協働的な学び」いわゆる「アクティブ・ラーニング」の重要性が打ち出された。今後は、パッシブに教育を受けてきた教師が、アクティブに学ぶことを教えることにチャレンジしていかなければならない。学び方の変革を、教師自身が具現化していくことが求められるのだ。

私はバッカーズ寺子屋という10歳から15歳の子供たちの教育に携わっている。現在東京で12期目、福岡で9期目を迎える私塾だ。経営トップたちから直接、世界情勢を学び、様々なビジネスの在り方に触れ社会を知り、人としてどのような考えが大切かを学び、バッカーズ少年教育10原則というプリンシプルを身につけていく。前述した課題の多くは、実はこの学び舎では解決されている。

子供たちは一つ一つの講座で、アウトプット(話す・書く)を前提としたインプット(聴く・読む)の方法を身につけ、自分の考えを確立していく。メモを見ずに自分の言葉で自分の考えを話すスピーチ力や、レポーティングの力などが驚くほど高まる。リーダーとして大切な考えや行動も備わり、部活動や生徒会でリーダーを務める卒塾生の比率は異様に高い。

また、「志」の大切さや、どうすれば「志」を確立できるかを学び、「何のために学ぶのか」「どのように生きるのか」を考え始める。特に、他では経験できないような、経営者講話・企業訪問・合宿などの体験型の学びが、子どもたちに大きな刺激を与え、向上心や意欲をもたらしている。

人がアクティブに学んで行くためには、何のために学ぶのかという、「志」が確立されることが大切だ。「志の教育」を実践し続け、一人でも多くの人たちが人生のテーマを持って生き生きと生きていく社会を実現したい。

このバッカーズ寺子屋の教育のことを一人でも多くの方に知っていただき、日本の教育をより良いものに変革するためのアクションを確かなものにしていきたいと思う。

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木村 貴志 (きむら たかし)

1962年、福岡県生まれ。企業勤務、高校教師などの職を経て、Vision&Education,Ltd.を設立。2005年よりバッカーズ・ファンデーションが主催する「バッカーズ寺子屋」の教育プログラムを作り塾長を務める。松下村塾のある萩市との縁も深く、「志」をテーマとした研修を数多く手がけ、日本の教育をより良いものにするための学び舎づくりに力を注いでいる。著書に、『「志」の教科書』(産経新聞出版)などがある。

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<メルマガにあったお知らせ>

「バッカーズ寺子屋13期生募集」 小中学生対象

「バッカーズ」とは、「バックアップしていく人たち」という意味で、「バッカーズ・ファンデーション」は、オーナー型企業経営者約60人が個人の資格で集まって、複数の社会貢献事業を行う経営者有志の任意団体です。バッカーズ寺子屋の事業はその一つで、「日本の教育を何とかしよう。評論や批判をするのではなく、自らアクションを起こしていこう」という思いで2005年にスタート致しました。バッカーズ少年教育10原則というプリンシプルを中心に据え、授業・講演・企業訪問・合宿・読書等を通して学んで行きますが、例えば国際人ということについては、これからの日本人に期待されることという重要なテーマを、外から見られる外国人の口からも話してもらっております。

このバッカーズ寺子屋の数年間の実績を通じて、私たちはその成果に大きな驚きとやりがいを感じています。平均して月2回、たった一年間の講座の中で、塾生同士がお互い良い影響を受け合い、確実に視野が広くなり、意欲が高まり、深い感謝の気持ちを持ち合わせていくようになります。また、それと同時に、私たち大人がもっとしっかりと子どもに対して教えることがいかに大事かということを感じています。また、木村先生という優れた教育者が塾長であることはバッカーズ寺子屋の強みです。

バッカーズ教育事業委員長 麻生泰

社会の大きな変化の中で、日本の教育も大きな変革期を迎えています。自らが問題意識を持ち、正解のない問いに向き合い、積極的に学び、協働して最適解を見いだしていくような、思考力のある人材育成が必要です。併せて、高い志を持ち、自らの手で、新しい時代を切り拓いていくチャレンジ精神に溢れた人財育成が大切です。そうした課題にバッカーズ寺子屋は真剣に向き合い、これまでの12年間で大きな成果を出し続けてきました。10歳から15歳までのお子様が入塾対象ですが、まずは、多くの方に、入塾説明会に足を運んでいただけたら幸いに存じます。

バッカーズ寺子屋 塾長 木村貴志

◇入塾説明会: 2017年4月15日(土)16:00~17:00

◇会 場  : 東京都港区西新橋3-11-1 建装工業株式会社一階会議室

◇応募資格 : 原則として10歳から15歳までの小中学生

◇定 員  : 20名程度

◇受講期間 : 2017年7月~2018年6月

◇受講料  : 月額5,000円
(他、年三回の合宿交通費、ブレザー・Tシャツ代、マナー研修の食事代実費)

◇お申し込み: TEL.03-3434-1341 e-mail jimukyoku@backers-terakoya.net

資料準備の都合上、2日前までにお申し込み下さい。

詳細はこちら → ホームページ http://backers-terakoya.net/ まで。

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【2】<お知らせ>

(1)神奈川県 伊勢原市「住民協議会」(議会会派主催)

地方議会改革のモデル4月9日(日)開催

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伊勢原市議会の最大会派「創政会」は、日本の議会史上初の「議員主導住民協議会」を実施します。これは無作為に選ばれた住民と議員が町の課題を一緒に議論するものです。

今回は公民館や児童館などの「コミュニティ施設」をテーマに、2月に続く第2回目を行います。住民と議員に加え専門的視点を持った3名の「ナビゲーター」が議論します。

一つのテーマを住民、議員、外部のそれぞれ違う視点から議論し改善策を考えるこの取組みは、議会改革のモデルです!!是非傍聴にお越しください。

【参加者】

●無作為に選ばれた1,000人の中から応募のあった約40名の市民

●伊勢原市議会 創政会所属議員10名

●コーディネーター(議論の整理役)
伊藤 伸(構想日本 総括ディレクター)
熊谷 哲(公益財団法人笹川スポーツ財団 主席研究員)
田中 俊(構想日本 政策スタッフ)

●ナビゲーター(論点の提起役)
福嶋浩彦(中央学院大学教授、元我孫子市長、元消費者庁長官)
土居丈朗(慶應義塾大学経済学部教授)
松野英男(浜松市職員)

【日 時】 4月9日(日)13:00~16:30

【会 場】 伊勢原シティプラザ ふれあいホール

【参加費】 無 料(どなたでも参加できます)*途中の入退室可、事前申し込み不要

【主 催】 伊勢原市議会会派「創政会」

【協 力】 構想日本

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【3】構想日本 2017年3月の主な 政策実現活動

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<自治体改革活動>

3月4日 静岡県 浜松市防災住民協議会(全5回中 第5回)

※その他、首長や自治体との打ち合わせ等 3件

<その他>

3月11日 白井市 『行政経営改革シンポジウム』

パネリスト (総括ディレクター 伊藤伸)

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【4】構想日本 2017年3月の主な 新聞・テレビ等メディア掲載

3月2日 希望者に「ふるさと住民票」佐那河内村と勝浦町 朝日新聞(徳島)

3月7日 香川県三木町、ふるさと住民票
通勤・出身者らに公共サービス 日本経済新聞 電子版

3月8日 ふるさと住民票制度始動 佐那河内村 徳島新聞

3月8日 「ふるさと住民票」交付 佐那河内村が出身3名に YOMIURI ONLINE

3月9日 佐那河内村 村外と交流促進
“住民票”を交付/徳島 毎日新聞 地方版

3月10日 住民協議会の答申 町政にどう反映?
大刀洗町、初の報告会 朝日新聞

3月10日 イマドキ官僚の素顔
政治主導、間合いに腐心、手柄を奪い合い(政界Zoom) 日本経済新聞

3月14日 三木町「住民カード」発行 町ゆかりの町外在住者対象
ふるさと住民票制度開始 四国新聞

3月14日 三木町:ふるさと住民票、町出身者らに24日以降交付
特産品など特典、移住促進へ/香川 毎日新聞

3月19日 「ふるさと住民票」導入 三木町 観光ツアーなど特典=香川 大阪読売新聞

3月31日 多様な民主主義の始まり 道標 2017年春第56号

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【5】<ご紹介>

構想日本が応援している活動に関するお知らせです。

「つながろう熊本 ーくまもともっとー」

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熊本・大分を中心に起きた熊本地震から、もうすぐ1年が経ちます。

その1年という節目に、改めて熊本に触れ、共に考えつながり、これまでご支援いただいた皆様に「ありがとう」を伝えるイベント「つながろう熊本 ―くまもともっと―」を、無印良品全面協力のもと開催します。

期間中は、イベントスペースにて写真・資料の展示があります。
週末の15日(土)、16日(日)は、特産品の販売、郷土料理やお酒の提供、熊本地震に学ぶトークイベント、復興寄席、子供が主役のお絵かきゲームなど、親子で参加できるイベントも盛り沢山です。

皆様のご来場を心よりお待ちしております。

◯テーマ 「人・食・震災」を「つなげる」

◯日時 2017年4月13日(木)~19日(水) 10時~21時

※15日(土)、16日(日)は熊本の特産品の販売、ワークショップなど各種イベントを開催します。

◯場所 MUJI有楽町店 1階入口 店舗前スペース・3階イベントスペ-ス

◯主なイベント 熊本の今を伝えるトークショー、熊本出身落語家による復興寄席、親子で作って食べるねんどdeだんご など

※各ワークショップの詳細および申込みは、下記よりお願いいたします。
http://www.muji.com/jp/events/tokyo/

◯参加費  無料(一部のワークショップでは参加費がかかるものもあります)

◯協力 無印良品

◯主催 一般社団法人がんばるけん熊本機構

https://www.kosonippon.org/wp-manager/documents/2017/mail/kumamoto_muji.pdf

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