メールマガジン

【No.820】「三陸の海岸風景を取り戻したい」 

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J.I.メールニュース No.820 2017.08.10 発行

「三陸の海岸風景を取り戻したい」

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【1】<巻頭寄稿文>

「三陸の海岸風景を取り戻したい」

特定非営利活動法人 山の自然学クラブ 副理事長 中村 華子

【2】<お知らせ>

(1) 第238回J.I.フォーラム  8月21日(月)

「大麻についてきちんと勉強してみよう ―注連縄や横綱の綱が作れなくならないように―」

(2) 『自分ごと化会議』= 群馬県太田市 第3回住民協議会 9月2日(土)

(3) 第5期 現場みらい塾 開講中

最終回だけの参加も大歓迎です。

(4) Yahoo!ニュースオーサー 新記事投稿 NEW!

【3】<アーカイブ(過去の寄稿文)>

「種を撒いて育て、糸を積ぎ、麻布に織り上げる」

麻は、日々の暮らしのなかにありました。

J.I.メールニュースNo.462 2010.07.29 発行

【 職人リレーエッセー(14) いま南部菱刺しを刺すということ 】

刺し子職人 天羽 やよい

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【1】  「三陸の海岸風景を取り戻したい」

特定非営利活動法人 山の自然学クラブ 副理事長 中村 華子

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三陸における海岸植物の現状はたいへん厳しい状況です。

三陸地域は、動植物の南限と北限が重なりあい、希少種や注目すべき種が多い地域です。しかし、その多くが3.11の津波の被災後、減少もしくは消失しました。

いま日本の自然海岸は環境の改変が続いています。
海岸は、絶滅危惧種が多く生育する場所として、環境、生物多様性保全を考える上で重要な場所であるとされています。

自然環境としての海岸は、本来攪乱※1の多い場所です。そのため、そこに生育する海岸植物は、海岸で起こる攪乱に対する耐性を備えていることが特徴です。しかし三陸地域の海岸植物は2011年東日本大震災の大きな地震と津波による崖地の崩壊や土壌の流出、地盤沈下、その後の護岸工事で生育環境が変化し、大きな影響を受けました。

震災後に何度も現地調査を重ねましたが、植生の全く見られない海岸線が長く続いていました。また、残った群落も1か所毎の個体数は少なく、生育不良や外来植物との混生が多く見られました。

生き物にとって、災害や工事によって直接的に個体・群落が消失することだけではなく、生育地の分断や縮小もたいへん大きな影響があると考えられます。

海辺の生き物が本来の生育地である砂浜等に戻り、以前あったような群落や生態系を回復するためには、現在生育している植物の保護と、自然な海岸の保全(再生)が必要です。

そのような中、2015年に宮城県気仙沼市波路上地区の海岸で、仮堤防の大型土のうの脇にハマナデシコが開花しているのを見つけました。

工事が多い海岸では植栽ができないので、種子を取っておきました。
また、放っておくと工事で無くなりそうな植物は根っこごと掘りおこし、圃場(ビニールハウス)に植え替えました。その圃場に播いたタネからたくさんの芽が出て、2年目の今年、気仙沼市内のコミュニティ農園や付近の小学校に植えてもらうことができました。

それからひと月も経たない頃、1本の電話が。ナデシコが咲きました!との報告です。

現地へ行ってみると色鮮やかな赤紫のハマナデシコが咲き誇っています。
花は人の心を上向きにさせてくれます。
貴重な海岸植物であるハマナデシコの開花復活を祝して、近くの自治会のみなさんが今年8月に「なでしこ祭り」を開催する運びとなりました。※2

これまでの活動の積み重ねによって地域の活性化にも一役買えたような気持ちになり、たいへん嬉しく思うと共に、地域の「本来ある/あったはずの」美しい、心の風景を取り戻していくことの大切さを実感しているところです。

※1 攪乱(こうらん・かくらん) 時折、適度な範囲内で起こる自然による攪乱が、豊かな生物相(特定の地域における生物の種の総体)を維持し、新しい生態系が構築されるチャンスを生む。 日本大学生物資源科学部・森林資源科学科HPより

※2「なでしこ祭り」in気仙沼・波路上 詳細はこちらから → http://shizen.or.jp/tohoku/report/report_Dianthus_plant.html

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中村 華子 (なかむら はなこ)

2007年より特定非営利活動法人山の自然学クラブ(理事長:大蔵喜福)理事、2009年より副理事長就任。大学では緑化工学・森林科学を専攻し立地環境と樹木の健全な成長の関係をテーマに研究(農学修士)。近年は地域性の高い環境や生物多様性の保全、「みんなの手による国土づくり」の推進を目指して活動中。

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【2】(1) 第238回J.I.フォーラム  8月21日(月)

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「大麻についてきちんと勉強してみよう ―注連縄や横綱の綱が作れなくならないように―」

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大麻の栽培=イコール=犯罪というのが今の日本でのイメージです。ところが、戦前の小学校では大麻の栽培法が教えられていたと聞きます。

また、注連縄、横綱の綱も麻、さらには縄文の縄も麻だったともいわれます。七味に入っている大きな粒は麻の実です。

人の名前にも、万葉の時代から現代に至るまで「麻」という字は度々使われています。地名にもです。このように日本人と麻(大麻)は切っても切れない間柄でした。

世界を見ても、大麻を栽培できる国が多数のようです。私たちも、大麻の特質と、日本の文化における役割を一度きちんと勉強したいと思います。

◯日 時:2017年 8月21日(月) 18:30~20:30(開場18:00)

◯会 場:日本財団ビル2階 大会議室  港区赤坂1-2-2 TEL 03-6229-5111

※場所にご注意下さい

◯ゲスト : 井戸 理恵子 (多摩美術大学 非常勤講師)

大森 由久  (日本麻振興会理事長/日本最大の麻栽培農家)

新田 均   (皇學館大学教授 神道学 博士/伊勢麻振興会理事)

パトリック・コリンズ (麻布大学 環境経済学教室 教授)

若園 和朗  (日本麻協議会 事務局代表)

◯コーディネーター : 加藤 秀樹(構想日本代表)

◯主 催:構想日本

◯定 員:160名

◯参加費:一般 2,000円 / 学生 500円 (構想日本会員は無料です)
※学生の方は受付にて学生証をご提示ください。

◯懇親会参加費:4,000円(ご希望の方は懇親会参加とお申込み時に明記して下さい)
※フォーラム終了後、ゲストを囲んで、懇親会を開催いたします。

「頤和園(いわえん)溜池山王店」 港区赤坂1-1-12 TEL 03-3584-4531

※フォーラムへのご参加は8月21日(月)12:00まで info@kosonippon.org  にお願いします。

HPからのお申し込みはこちら http://www.kosonippon.org/cp-bin/wp/forum/index.php

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<今後の日程>

9月のフォーラム は 9月20日(水)

ゼロサムからプラスサムへ「ふるさと住民票」で「関係人口」をふやそう

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(2) 『自分ごと化会議』= 群馬県太田市 第3回住民協議会 9月2日(土)

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「健康づくり」をテーマに、群馬県太田市で第3回「住民協議会」が開かれます。

構想日本はこれを、第2回『自分ごと化会議』と位置づけています。

【開催日時】 9月 2日(土)15:00~18:00
(ナビゲーターによる論点提示、これまでの議論を参考に地域の強みや課題について意見交換)

【参加者】 太田市住民協議会委員(太田市民50名)★
コーディネーター(論点整理役、構想日本より派遣)
太田市職員
ナビゲーター (論点提示役)

色平 哲郎 (佐久総合病院 地域医療部 医師)

岸 紅子 (NPO法人日本ホリスティックビューティ協会 代表理事)

中田 華寿子(元ライフネット生命 常務取締役)

★無作為に選んだ市民1,500名に案内を送付し、応募のあった50名。

【会 場】 太田市民会館  (太田市飯塚町200番地1)TEL.0276-57-8577

※会場についてのお問い合わせは、太田市企画政策課企画政策係まで(0276-47-1892)

【入 場】 無料(どなたでも傍聴できます) ※途中の入退室可、事前申し込み不要

【主 催】 太田市

【協 力】 構想日本

※詳細は、太田市ホームページでもご覧いただけます。
http://www.city.ota.gunma.jp/005gyosei/0020-001kikaku-kikaku/2017-0710-jk.html

お問い合せ:構想日本 伊藤/町田
TEL:03-5275-5607、email:shiwake@kosonippon.org

【自分ごと化会議】

社会がある程度うまく回っていると、住民にとって政治・行政は「他人事」になります。
そうすると、無駄な行政や財政赤字が拡大し、政治が社会の変化に遅れるなどのツケが私たちに返ってきます。自分たちの周りのことから考え、話し合い、政治・行政を「自分事」とすることが必要です。
構想日本では、「自分事」とする具体的な方法として、住民協議会や事業仕分けを行ってきました。今の日本の状況をみると、もっと早く、広く自分事化を進めないといけません。
第1回は、「地方議会」をテーマに東京で開催しました。

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(3)【 第5期 現場みらい塾 受講生募集中 】

最終回のみの参加もできます!

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今年度も現場みらい塾を開講しています。

現場みらい塾は、ハウツー的なスキル中心の従来型の自治体職員向け研修ではありません。自治体のどの仕事にも応用できる「知恵の出し方を身につけるトレーニングの場」です。

過去4期の特徴として、

・自治体職員を中心としながらも多様な参加者がいる(地方議員、メディア、民間企業など)。

・受講者がその後プログラムの内容を自分の自治体で実践するケースが多い。

・OB・OGが翌年度以降も参加する比率(リピート率)が高い。

などがあります。
行政職員を中心に、議員や民間企業等で働く人などが一緒に半年間議論し、多様なものの見方と知恵の出し方を学び合うゼミ形式のプログラムです。

さらに今期は、NPO法人「NPOサポートセンター」の協力で、現場で活躍するNPO関係者にも参加してもらうことで、同じ事象をさらに幅広い視点から見ることによる多様性の涵養をねらいます。

受講生はこれまでに約100名。問題意識の高いOB・OGとのネットワークも大きい財産です。
自治体職員以外の方も歓迎です。是非お申込みください。

参加受付やプログラム等の詳細は、下記のURLから現場みらい塾ホームページをご確認ください。
http://www.kosonippon.org/cp-bin/wp/project/detail.php?id=739

【 第5期プログラム概要 】

第4回:8月19日(土)13:00~18:30、20日(日)10:00~16:00
実践:「グループディスカッション・プレゼンテーション」
伊藤 伸  〔構想日本 総括ディレクター〕
講義:「 地方創生の実態 」
横山  忠始〔香川県 三豊市長〕
講義:「 自治とは何か 」
福嶋 浩彦 〔中央学院大学 教授・元消費者庁長官・元我孫子市長〕
実践:「締めくくりディスカッション」

【会  場】

NPOサポートセンター 田町オフィス(東京都港区芝4-7-1 西山ビル4階 )
http://npo-sc.org/

※会場 田町オフィス になっています。 ご注意ください。

※講師や場所は情勢等により変更となる場合があります。また、講義テーマはいずれも仮題です。

【応募資格】 地域をよりよくしたいという情熱を持ち、地域の課題解決と未来創造のために、自ら考え行動する意志のある人

【募集人員】 50名程度

【参 加 費】 10,000円(税込)/ 1日 ※旅費・食費等は含まれません。

【お問い合わせ】

構想日本:田中、永由 TEL:03‐5275‐5607、Email:info@kosonippon.org

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(4) Yahoo!ニュースオーサー 新記事投稿

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Yahooニュースにオーサーとして新しい記事を投稿しました。ぜひ御覧ください。

代表 加藤 秀樹

◇2017年8月4日 ヤフーニュース 「自分ごと化会議」のすゝめ

https://news.yahoo.co.jp/byline/katohideki/20170804-00074148/

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【3】<アーカイブ(過去の寄稿文)>

J.I.メールニュースNo.462 2010.07.29 発行

【 職人リレーエッセー(14) いま南部菱刺しを刺すということ 】

刺し子職人 天羽やよい

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南部菱刺しという刺しこをご存知ですか。

江戸時代後期から大正時代まで青森県南部の三八上北と呼ばれる地域で、農家の女性たちによって刺し継がれてきたものです。

この土地は寒冷で木綿が育たず、北前船で運ばれた古手木綿の量も限られていたため、農民には木綿の着用が許されませんでした。また江戸時代後期は飢饉が数年おきにやってくるという厳しい時代で、餓死や間引き、子に先立たれる逆縁などが日常的にある暮らしのなかでは食べさせることと着せることが女たちの、それこそ命がけの仕事でした。

種を播いて育て、糸を績ぎ、麻布に織り上げる。その麻布を少しでも暖かく着せるため、糸としての使用だけが許されていた木綿糸で布目のよこ糸とよこ糸の間を刺し尽くす。それが南部菱刺しなのです。

偶然がいくつか重なって東京で生まれ育ったわたしが、ここ八戸で南部菱刺しに出会いました。

歴史など何も知らず考えもせず、模様集一冊を頼りに刺していましたが、そうしているうちに前述の歴史を話してくださる人、モノを作る以前に大事なことがあると教えてくださる人たちに出会いました。

手慰みや趣味やお金のためではない。家族に暖かいものを着せるためにどれだけの労力、根気、時間を使ったか。この土地に生まれ、必死で生きた南部女の存在が私の中で離れなくなり、「南部」と冠した刺しこに携わる者として、装飾的な部分刺しをしていたのでは南部女に顔向けできないとの思いから、総刺しだけをやっていこうと姿勢が定まりました。

時代に逆らう偏屈ものがいてもいいと開き直りつつ、総刺しの効能もあると感じています。フリーハンドではなく右から左へよこ糸に沿って刺し、布を返してまた右から左の単純な繰り返しには心をからっぽにしてくれる力があります。

3時間刺せば模様とともに、過ぎ去った3時間が質量になって布の上に現われます。自分の呼吸と針の動きのリズムがピタッと重なったとき、広々とした場所に立っているような清々しい気持ちになります。

歴史のある工芸を地元生まれでない人が始めようとするとき、民族学者の宮本常一氏はその人にこう言われたそうです。

「ゴミになるな、土になれ。」

わたしにとっても大きな宿題です。針を持ち続けるなかから立ち上がってくる何かをいつか受け取ることができるでしょうか。

天羽(あもう)やよい氏のプロフィール:

1948年(昭和23年)東京生まれ。1975年に八戸に移住。1976年にレントゲン検診車の中で年配の男性技師から菱刺しを勧められる。翌1977年に書店で「南部つづれ菱刺し模様集」に出会ったことがきっかけとなり南部菱刺しを始める。
1981年から刺し糸である木綿糸を身近にある草や木・実で染め始める。1984年から2008年まで9回の個展(八戸・盛岡・東京)。1988年から菱刺し教室「梅の花工房」を始める。以後、1944・1998・2009年に作品展を開催。1991年から1996年まで近くにある小規模作業所の通所の人たちと一緒に菱刺しを楽しむ。1993年から2006年まで五戸公民館で菱刺しの講習。1996年からは五戸菱刺し愛好会となり2003・2006年に八戸で作品展を開催。2001年から長年の念願だった織りの勉強を始め、現在は帯を中心に仕事をしている。

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