メールマガジン
【No.841】「身体を使おう」|代表 加藤 秀樹|
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J.I.メールニュース No.841 2018.01.11 鏡開き 発行
「身体を使おう」
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【1】<年頭挨拶文>
「身体を使おう」
構想日本 代表 加藤 秀樹
【2】<お知らせ>
(1) 第243回J.I.フォーラム 2018年 1月18日(木)
「オリンピックはスポーツをダメにする?!」
(2) 住民協議会発祥の町・福岡県大刀洗町
住民協議会第6弾 テーマは「防災」
(3) その他の構想日本の活動
【3】<ご紹介>
(1) 藤田 早苗さん 今後の活動予定 (No.805メルマガ執筆者)
(2) 坂田 泉さん 原画展 (NO.836メルマガ執筆者)
「世界中の国のこともっと知ろう!」第7回アフリカPart2 都立中央図書館
(3) 田中 陽子さん 暮らしのクラフト ゆずりは 南青山・蔦サロン
【4】構想日本 2017年12月の主な 政策実現活動
【5】構想日本 2017年12月の主な 新聞・テレビ等メディア掲載
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【1】 「身体を使おう」
構想日本 代表 加藤 秀樹
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最近、企業の不祥事が続いている。しかも、その多くが日本が世界に誇っていた製造業においてだ。そこで出てくるのがコーポレートガバナンスや企業のコンプライアンスに関する議論だ。それらの問題もある。しかし、ルールやマニュアルが詳細になり、強化されても問題はなくならない。そこでさらにルールが強化される。それでも・・・といったいたちごっこが続く。
ルールを守ってきちんとやろうというのをルールベースと呼ぶ。これに対して最近プリンシプルベースということが言われるようなった。ルールを強化しても問題がなくならず、ルールがどんどん複雑になり、それを覚え、守り、守らせることにかける時間、費用が膨大になる一方なので、原点に帰り、プリンシプルすなわち、ルールを定める目的や原理、原則に立ち返ってやるべきことをやろうということだ。
トヨタ自動車が初めてアメリカに進出した時、製造ラインの最後に「検査」担当がないことをアメリカ側が問題にしたという話を聞いたことがある。それに対してトヨタは、従業員一人一人が不良品を出さないようチェックしながら製造ラインを進むようにする方が、チェックを他人に委ねるより効果的だと反論したという。全員が検査も担当しているという意味だ。
これは、経営者がプリンシプルを理解し、それを実行させるためのしくみやルールを作り、従業員に従わせるのではなく、実際に製品を作る人たち自身がプリンシプルを理解し、それに沿った判断や行動を自らとるようにしている。ということの例だと言えないだろうか。
プリンシプルとは、例えば「良いものを作る」とか「お客様に信頼される」といった抽象的なことだ。その目的を達するために細かいルールを作っても、ルールは言葉で書かれるからどうしても想定外は生じる。カバーしきれない。だから、現場の従業員一人一人がプリンシプルに則って働くよう、体がそう動くようにすることができれば最も効果的だ。
トヨタの生産方式について詳細に調べた「トヨタのカタ 驚異の業績を支える思考と行動のルーティン」(原題TOYOTA KATA、マイク・ローザー著)という本によると、カギを握るのは従業員の行動そのものであり、トヨタの従業員の行動様式は、日本の武術が稽古によって「型」を身につけさせていくのと同様の方法、手順で身につけているのだと書いている。
型は武術に限らず、歌舞伎などの伝統芸能、職人の仕事から日常の挨拶まで、日本の社会や生活の中に深く根差していた。ところが世の中全体のお手軽化、目新しさを求める風潮などによって私たちの日常においても、プロの世界においても急速に失われつつある。この傾向と製造業を中心とする日本企業の不祥事が後を絶たないことの背後には、通底するものがあると思う。それは「型」の消失であり、型を支えていた身体性の喪失だと思う。
そのかわりに幅をきかせているのが、抽象的な言葉による議論だ。政治・行政の世界では更に深刻だ。ダイバーシティ、科学技術立国、地方創生…。言葉、概念としては立派でも、地に足のついた中身が伴わない政策・事業がいかに多いことか。
マスメディアの報道がそれに輪をかける。オリンピックの準備や、築地市場の移転にしても同様だ。宙に浮いた言葉によるリアリティのない議論。その結果、税金の消費と莫大な財政赤字というリアリティは残る。
今の日本は世界でも有数のリアリティの薄い国になったように思う。今年こそ、リアリティ回復の年にしたい。そのためには時間はかかるが、もう一度型を身につけ、身体性を取り戻すことが大事だと思う。
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*みなさんのご意見をお待ちしています。(800字以内でお願いします)
info@kosonippon.org
いただいたご意見はバックナンバーと共に「読者の声」として以下に掲載しています。メルマガにて抜粋掲載をさせていただくこともございます。
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【2】(1) 第243回J.I.フォーラム 2018年 1月18日(木)
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「オリンピックはスポーツをダメにする?!」
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今回のゲストのお一人、平尾剛さんがスポーツを愛する者だからこそと「反東京五輪宣言」を発表されました。
これは、2020年東京オリンピックの開催方法などについての批判にとどまらず、近年のオリンピックのあり方がスポーツの可能性を摘んでいるのではないかという、深い視点を含む問いかけです。日本の各地でスポーツが大きい事業になっているからこそ、また、オリンピックを2年後に控えるからこそ、じっくり考えたい。
オリンピックを成果のあるものにするには、ただ拍手をしていればよいものではないでしょう。
すべての日本人が向き合うべきテーマだと思います。
◯日 時: 2018年 1月18日(木) 18:30~20:30(開場18:00)
◯会 場: アルカディア市ヶ谷 6階「霧島」(千代田区九段北4-2-25)TEL:03-3261-9921
※場所にご注意ください
◯ゲスト: 河本 英夫(東洋大学 教授)
平尾 剛(元ラグビー日本代表、神戸親和女子大学 講師)
◯コーディネーター : 加藤 秀樹(構想日本代表)
◯主 催 : 構想日本
◯定 員 : 100名
◯参加費 : 一般 2,000円 / 学生 500円 (構想日本会員は無料です)
※学生の方は受付にて学生証をご提示ください。
☆懇親会はございません。
※フォーラムへのご参加は 1月18日(木)12:00まで info@kosonippon.org にお願いします。
HPからのお申し込みはこちら http://www.kosonippon.org/cp-bin/wp/forum/index.php
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*参加申し込みに関するお問い合せは、
事務局 堺/稲垣まで。 TEL 03-5275-5607
*内容に関するお問い合せは、
伊藤/田中まで。 TEL 03-5275-5607
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(2)住民協議会発祥の町・福岡県大刀洗町
住民協議会第6弾 テーマは「防災」
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災害の少ない町と言われていた大刀洗町。しかし今年7月の「九州北部豪雨」により町内も影響を受け、近隣地域(朝倉市)では甚大な被害があったことで町民の防災意識が高まっています。
避難にあたって行政、住民ともに課題があり、昨年度と同じ『防災』をテーマとして住民協議会を実施します。
★大刀洗町の特徴★
1.2014年に全国で初めて住民協議会を実施し、今年度が連続6回目の開催。既に全国モデルとして広く知られている。
2.無作為で選ばれた町民を名実ともに議論の主役にすべく、会議を条例で設置(無作為で選ばれた住民のみによる組織の条例設置は全国でも前例なし)。今年度は500人の町民を無作為に選び、27名が応募(応募率5.4%)。
3.今回はこれまで以上に行政が抱える課題の解決に重きを置いており、町が作成する「避難所運営マニュアル」に、住民協議会での議論の内容を反映する。
【開催日時】
第2回: 2018年 1月13日(土)13:00 ~ 16:00
[全体での議論、改善提案シートの記入]
第3回: 2月 3日(土)13:00 ~ 16:00
[全体での議論、改善提案シートの記入]
第4回: 2月24日(土)13:00 ~ 16:00
[報告書の叩き台をもとに議論、意見集約]
【参加者】 大刀洗町住民協議会委員(大刀洗町民約30名)
大刀洗町職員
コーディネーター(構想日本 総括ディレクター 伊藤伸)
ナビゲーター(議論のリード役)
【会 場】 大刀洗町役場 庁舎3階会議室(大刀洗町大字冨多819)
※会場についてのお問い合わせは、大刀洗町総務課総務係まで(0942-77-0171)
【入 場】 無料(どなたでも傍聴できます) ※途中の入退室可、事前申し込み不要
【主 催】 大刀洗町
【協 力】 構想日本
お問い合せ:構想日本 伊藤/永由
TEL:03-5275-5607、email : shiwake@kosonippon.org
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(3) その他の構想日本の活動
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2017年10月~隔週月曜日 京都大学経済学研究科・経済学部 特殊講義「公共経営論2」(代表 加藤秀樹)
公共政策の各論を毎回ゲストの講義で進めます。次回は、前川喜平氏(前文部科学事務次官)。
これまでのゲストは、森田稔氏(財務省大臣官房 経済財政政策調整官)、山折哲雄氏(国際日本文化研究センター名誉教授)、松井孝典氏(千葉工業大学惑星探査研究センター所長)、池端美和氏(発行土地建物株式会社 代表取締役)、玄秀盛氏(公益社団法人日本駆け込み寺 代表理事)、中曽宏氏(日本銀行 副総裁)、荻野徹氏(原子力規制委員会次長)、岸田文雄氏(衆議院議員、自民党政調会長)、高野誠鮮氏(僧侶、総務省地域力創造アドバイザー、元石川県羽咋市職員)、中貝宗治氏(兵庫県豊岡市長)、木村真樹氏(公益財団法人 あいちコミュニティ財団 代表理事)。
2017年9月~毎週木曜日 法政大学「NPO論 II」(総括ディレクター 伊藤伸)
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【3】<ご紹介>
構想日本が注目している活動をご紹介いたします。
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(1) 藤田早苗さん 今後の活動予定
イギリス在住で国際人権基準の研究者である藤田早苗さんが、各地で秘密保護法や共謀罪、国際社会から見た日本の表現の自由について講演します。
2018年 1月14日(日)京都 龍谷大学 アバンティ響都ホール(JR京都駅南、アバンティ9階)
https://www.ryukoku.ac.jp/ryudaihall/access/
「強まるメディア統制 乗り越えるには・・」
第1部 13:30~ パネルディスカッション 藤田早苗 望月衣塑子 コーディネーター 金杉美和(弁護士)
第2部 16:40~ 講演 藤田早苗 もっと知りたい!
参加費 第1部 1000円(第1部ご参加の方は、第2部は無料)学生500円
※第2部のみ参加の方は500円(学生300円 )
★定員: 300名(先着順)
問合せ:実行委員会 azami111@docomo.ne.jp
電話 松本 090-2359?9278 村上 090-8572-7840
https://www.facebook.com/events/152296915508088/
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☆ カンパのお願い ☆
日本の表現の自由の現状を伝えるため 渡航費用・滞在費のカンパをお願い致します。
日本滞在の後も専門家のコンサルテーション、人権理事会、ユネスコ主催の国際会議など世界各地で働きかけを行います。
■ カンパ振込先
郵便振替
口座番号:00870-7-216543
もしくは ゆうちょ銀行 〇八九(ゼロハチキュウ)店 当座 0216543
加入者名:日本の表現の自由を伝える会
■ 日本の表現の自由を伝える会
連絡先 全国市民オンブズマン連絡会議 気付
TEL 052-953-8052 FAX 052-953-8050 Email: seiko.unhr.foe@gmail.com
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(2) 「世界中の国のこともっと知ろう!」第7回アフリカPart2 都立中央図書館
世界の国・地域の生活や文化を、豊富な所蔵資料を使って紹介するシリーズ展示を行っています。
第7回目は、マダガスカルやケニア、南アフリカ共和国など、中部・東・南部アフリカの32の国々をご紹介。
ケニアの風景や人々を描いたアフリカ協会の機関誌「アフリカ」の表紙原画展を開催!
1)機関誌「アフリカ」表紙原画展 (NO.836メルマガ執筆者 坂田泉様の原画です)
◇日 時 平成29年11月27日(月)~平成30年1月14日(日)
平日 午前10時~午後8時
土日祝 午前10時~午後5時30分 【休館日にご注意ください】
◇場 所 東京都立中央図書館 企画展示室(4階) (港区南麻布5-7-13)
◇入場料 無 料
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(3) 暮らしのクラフト ゆずりは 南青山・蔦サロン
東北の伝統「手仕事」を現代の暮らしに提案することで次世代に伝え残したいと始まった「ゆずりは」が三十年を迎えることになりました。
節目に当たる東京展では、東北を代表する手仕事「刺し子」を中心にご紹介いたします。
南部菱刺しの作家 天羽やよいさんが4年に渡り作りためた帯地もご覧いただきます。ご来場をお待ち申し上げております。
◇日 時 平成30年1月15日(月)~1月28日(日)
午前11時~午後6時
◇場 所 南青山・蔦サロン 〒107-0062 東京都港区南青山5-11-20
電話 03-34089-8645
https://www.lib.city.minato.tokyo.jp/yukari/j/bld-detail.cgi?id=8
~店主のおはなし会~
◇日 時 1月21日(日)13:30~
◇参加費 無 料 直接会場へ
店主の 田中 陽子さんがお話されます。 ゆずりは http://www.yuzuriha.jp/index.htm
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【4】構想日本 2017年12月の主な 政策実現活動
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<自治体改革活動>
12月 2日 北海道 恵庭市住民協議会(全3回中 第3回)
12月 3日 福岡県 大刀洗町住民協議会(全4回中 第1回)
12月26日 群馬県 太田市まちづくり市民会議(全3回中 第2回)
※その他、首長や自治体との打ち合わせ等 7件
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【5】構想日本 2017年12月の主な 新聞・テレビ等メディア掲載
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12月1日 身体を使おう 道標 2017年 冬 第59号 代表 加藤 秀樹
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