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【No.881】代表コラム(5)「小細工はやめよう」|代表 加藤 秀樹|

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構想日本メールマガジン【No.881】 2018.10.18 発行

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<目次>

【1】代表コラム
「小細工はやめよう」
構想日本 代表  加藤 秀樹

【2】J.I.フォーラム 10月25日(木)開催
IPCC「1.5℃特別報告書」は、SDGs*の実現に向けても考察しています

【3】活動ニュース
(1)東京23区初の「自分ごと化会議」(住民協議会)を開催!! 第1回 11月3日(土・祝)
(2)静岡県湖西市「市民会議」(住民協議会)第4回 11月4日(日)

【4】お知らせ
(1)SDGs*実現のために クラウドファンディング実施中
(2)JFEJ(日本環境ジャーナリストの会)連続講座2018 “SDGs時代”の必須知識

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【1】代表コラム 「小細工はやめよう」
構想日本 代表  加藤 秀樹

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小細工という言葉がある。たいてい良い意味では使われないが、最近の日本は何だかすっかり「小細工大国」になったように見える。

東京医科大学に次いで、昭和大学でも入試不正が行われていた。大学の関係者は「不正の意図はなかった」と言うが、入試の点数や合格基準を操作するのは、1点を争って準備をしてきた受験生にとっては明らかに不公正だろう。

その翌日には、ビルの免震・制震装置の検査データの改ざん報道だ。スカイツリー、東京都庁、六本木ヒルズなどたくさんの人が訪れる有名建築でもその装置が使われているという。

データ改ざんと言うと、昨年来自動車をはじめ製造業での検査データ改ざんが相次いでいる。

粉飾決算も、東芝のような巨大な企業の巨額なものでもやはり小細工だ。経営トップから尻を叩かれて、数字をいじることで業績を良く見せるわけだから。
思い返すと数年前には食料品の賞味期限をごまかす事件が相次いだ。今はもうなくなったのだろうか。

政府をあげての大がかりな小細工がモリ・カケ問題だ。総理やら官邸やらの圧力が疑われる中で、財務省や文科省など国の機関が担当事業に関して手ごころを加えた。
それを追求されたら、記録や文書類の改ざん、廃棄など証拠隠滅を行った。本質は上に挙げた様々な小細工と何ら変わらないが、はるかに大がかりで念入りだ。また、民間企業と違って態度の傲慢さは群を抜いている。

何でこんなことになったのだろうか。共通するのは、目の前の利益優先、組織内の都合優先、目が内向き、保身などだろうか。

但し、企業のデータ改ざんなどに関しては、一つ別の視点で考えないといけないことがあると思う。それは企業の現場に不正の意識が薄いことの背景だ。現場の技術者や職人にしてみれば、賞味期限や検査データの改ざんをしても消費や使用において実質的に悪影響はないと考えているフシがある。改ざん自体は許されざることだが、日本全体の数字信仰、数値頼み、企業によるオーバースペック要求は、それはそれとして考えるべき問題だと思う。

最後に、これまた政府をあげての大がかりな小細工が進行中であることに注意したい。
一年後に予定されている消費税の増税だ。

消費や景気に対するマイナスの影響や、中小事業者の経済負担を減らすためということで政府与党で様々なアイデアが出ているようだ。クレジットカードなど現金を使わなかった場合は消費者に2%分のポイントを還元する、というのから、プレミアム商品券(1999年の地域振興券以来、概ね消費拡大効果はないという評価になっている)、さらには現金の給付という案まであるらしい。来年は、10月の消費税率引上げの前に参議院選挙がある。だから野党もこれらのバラマキアイデアにのってくる可能性は十分あるだろう。中小事業者や低所得者など「弱者対策」の名目でこれからも様々な小細工アイデアが出てくると思う。

「弱者対策」が必要だとしても、本来は福祉政策など国の政策全体の中で考えることだ。消費税率の引上げが財政再建にとって不可避ならそのことをもっと正面から国民に訴えて、そのうえで対策を議論すべきだろう。最初に消費税を導入した時は、数年にわたって全国で説明会が開かれた。今回だって財政状況の説明をそれくらいすべきだと思う。増税にまぶす砂糖の厚みばかり相談するようなことは国家運営として不健全だと思う。

ここで挙げたすべてに言えるのは正面から事に当たらず、策を弄して問題の本質を回避しようとしていることだ。仮に制度や基準の方に問題があるならそれを正面から指摘すればいいのだが、それもしない。大勢に流されながら、裏でコソコソという感じだ。
小細工癖は日本社会をいろんな所で蝕んでいる。「正面から」「表から」「本質を」きちんと議論できる世の中にしないといけないと思う。

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Yahoo!ニュースオーサー 新記事投稿

◇2018年10月4日ヤフーニュース 代表 加藤秀樹

“先”はもう見えている  ― 第4次安倍内閣発足を機に“現場”から考える ―
https://news.yahoo.co.jp/byline/katohideki/20181004-00099335/

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*みなさんのご意見をお待ちしています。(800字以内でお願いします)info@kosonippon.org
いただいたご意見はバックナンバーと共に「読者の声」として以下に掲載しています。メルマガにて抜粋掲載をさせていただくこともございます。
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【2】 第248回J.I.フォーラム  2018年10月25日(木)

気温40°、逆走台風が当たり前になり、IPCCは今世紀中に「海面最大77cm上昇、サンゴ70~90%消失」という報告書を出しました。

地球温暖化シミュレーションの第一人者、 住明正氏
IPCC評価報告書主執筆者、 江守正多氏から、異常気象の見通しや私たちができること、すべきことなどについて正しい知識を得たいと思います。

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「今や“異常”が日常に。まずは正確な理解を」

◯日 時: 2018年10月25日(木)18:30~20:30(開場18:00)

◯会 場: アルカディア市ヶ谷 4F 鳳凰 (千代田区九段北4-2-25)TEL:03-3261-9921

※場所にご注意ください。

◯登壇者: (五十音順・敬称略)

江守 正多 (国立環境研究所 地球環境研究センター 副センター長)

住 明正 (東大名誉教授、理学博士 サステイナビリティ学連携研究機構 特任教授)

◯コーディネーター:加藤 秀樹(構想日本 代表)

◯主  催 : 構想日本

◯協  力 : 一般財団法人 地球・人間環境フォーラム

◯定  員 : 100名

◯参加費 : 一般 2,000円 / 学生 500円 (構想日本会員は無料です)※学生の方は受付にて学生証をご提示ください。

IPCC(気候変動に関する政府間パネル)とは → http://www.jccca.org/ipcc/about/index.html
*SDGs(持続可能な開発目標)とは → https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/about/index.html

※フォーラムへのご参加は10月25日(木)12:00まで お電話、FAX、E-メール info@kosonippon.org  にお願いします。
HPからのお申し込みはこちら http://www.kosonippon.org/cp-bin/wp/forum/index.php

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【2】活動ニュース
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(1)東京23区初の「自分ごと化会議」(住民協議会)を開催!!

テーマは「杉並区の子育て環境」について
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杉並区議会の会派「立憲民主党杉並区議団」は、地域の課題や解決策を区民とともに考えていく政治を実現するため、23区初の「住民協議会」を開催します。

子育てをめぐる環境が厳しさを増しつつある中、安心して子どもを生み育てることができる地域をつくるにはどうしたらいいか、区民と議員が一緒に考え、議論していきます。

議会会派が主催し、区民が「自分ごと」として地域の状況を知り、意見を出し合うユニークな試みです。
自治体職員、議会関係者の方をはじめ、皆様ぜひ傍聴にお越しください。

★杉並区「住民協議会」の特徴★

1.無作為に選ばれた区民が議論する東京23区初の「住民協議会」。
2.区政を身近な存在として感じてもらうため、区議会会派が主催。
3.議論された区民の意見をまとめ、会派の議会での質問や行政への提案などに活用。

【開催日時】

第1回:11月3日(土・祝)9:30 ~ 12:30(予定)
(テーマに関する現状の把握、区民が日常生活で感じていることや理想の姿などを議論)

第2回:12月8日(土)9:30 ~ 12:30(予定)
(課題解決に必要なことなどについて議論、意見の取りまとめ)

【会 場】 座・高円寺 地下2階「阿波おどりホール」(東京都杉並区高円寺北2-1-2)
※会場についてのお問い合わせは、立憲民主党杉並区議団まで(03-3312-2111)

【参加者】
住民協議会委員(杉並区民15名程度を予定)
*無作為に選んだ区民1,500名に案内を送付し、応募のあった区民
杉並区議会 立憲民主党杉並区議団所属議員
コーディネーター(進行、議論の整理役):伊藤伸(構想日本 総括ディレクター)
ナビゲーター(論点提示役【第2回のみ】):福嶋浩彦(中央学院大学教授、元消費者庁長官、元我孫子市長)

【参加費】 無料(事前申し込み不要、途中の入退室可)※どなたでも傍聴できます。

【主 催】 杉並区議会 立憲民主党杉並区議団

【協 力】 構想日本

※詳細は、立憲民主党杉並区議団のフェイスブックでもご覧いただけます。
https://www.facebook.com/events/239929356676915/

お問い合せ:構想日本 伊藤/岩崎
TEL:03-5275-5607、email:shiwake@kosonippon.org

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(2)静岡県湖西市「市民会議」(住民協議会)第4回
テーマは「市民会館の建て替え」
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★湖西市「市民会議」の特徴★

1.無作為に選ばれた市民が、公共施設の必要性や具体的な中身を議論するのは全国でも珍しい試み。
2.幅広い世代の意見を取り入れるため、地元の高校生も参加。
3.検討結果は、市の次年度以降の事業の進め方や予算に反映する。

【開催日時】

第4回:11月4日(日)13:00 ~ 16:00(予定)(第3回までの議論に基づく素案をもとに議論)

第5回(最終回):12月2日(日)13:00 ~ 16:00(予定)(市民会議の取りまとめに向けた議論)

【会 場】 湖西市民活動センター2階大会議室(静岡県湖西市吉美3268番地)
※会場についてのお問い合わせは、湖西市資産経営課まで(053-576-4875)

【参加者】 湖西市「市民会議」委員24名(湖西市民、地元高校生)
*無作為に選んだ市民1000名に案内を送付し、応募のあった20名と公募した高校生4名。
湖西市職員、コーディネーター、ナビゲーター

※詳細は、湖西市ホームページでもご覧いただけます。
http://www.city.kosai.shizuoka.jp/12766.htm

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【3】<ご紹介> 構想日本が応援している活動に関するお知らせです。
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(1)クラウドファンディング実施中

メルマガ No.828「水の恵みを世界に」でもお届けした SDGs実現に向けて

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★世界中に安全な水を届けたい ~給水場設置資金のお願い~★

世界には安全な水を飲むことができず、命を落とす人が沢山います。
給水場を設置することが出来れば、より多くの人に安全な水が行き渡ります。
水を中心に、仕事が生まれ、雇用が広がり、現代のオアシスが出来上がります。

一人でも多くの笑顔のために、一つでも多くの浄水場設置を目指しています。

◆概 要 発展途上国で給水設備を設置する資金を募集しています

◆期 限 2018年10月29日 23時59分まで

◆詳 細・支 援はこちらから→ https://camp-fire.jp/projects/view/54679

ワンコイン 500円から支援が出来ます。

ご支援金額に応じて様々なリターン(お返し)を用意しております。
オススメは、「給水設備に支援者のお名前入れ」です。
何卒、多くの方のご支援、よろしくお願い申しあげます。

このクラウドファンディングは、学生サポーターとポリグルが協力して行っています。
※ポリグル http://www.poly-glusb.jp/

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(2)JFEJ(日本環境ジャーナリストの会)連続講座2018

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「ジャーナリストが教える“SDGs時代”の必須知識 ~ビジネスマン・市民に役立つ発信メソッド~」

未曾有の豪雨に40度超えの猛暑。気候変動の脅威は現実のものとなっています。
この連続講座では、第一線で活躍する現役の環境ジャーナリストや専門家が、世界のトレンドや日本の課題など“必須知識”を伝授。さらには、企業や自治体、NGOなどが発信していく際の“コツ”や“ポイント”もお伝えします。

【開催概要】

◇第3回~第6回(10/24~11/21)

●時 間:19:00~20:40(受付18:30~) ※

●定 員:30名

●場 所:環境パートナーシップオフィス セミナースペース ※
(〒150-0001東京都渋谷区神宮前5-53-70国連大学ビル1F 地図はこちら→ http://www.geoc.jp/access/ )

●参加費 ※
一般 第3~6回 各2,000円、一般学生 第3~6回 各1,000円
JFEJ会員・準会員 各回500円、JFEJ学生会員 無料

◆第3回(10月24日)
「温暖化の現場を訪ねて」(田中泰義さん:毎日新聞医療福祉部長)

◆第4回(11月7日)
「SDGsとビジネス」(松木喬さん:日刊工業新聞編集委員)

第5回以降の詳細は、日を改めてご紹介します。
◆第5回(11月10日)◆第6回(11月21日) ※第5回はフィールドワークのため、時間・場所・参加費が上記と異なります。

下記URLの申込用フォームメーラーからお申込みいただけます。
https://business.form-mailer.jp/fms/708c195391996

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(訂正とお詫び)

先週のメルマガで、一部間違いがありました。申し訳ございません。
IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change・国連気候変動に関する政府間パネル)と書くところ、一部ICPPとしてしまいました。
教えてくださった読者様、ありがとうございました。皆様、今後もよろしくお願い申し上げます。

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